デート・ア・ライブ 指輪の魔法使いと精霊の恋愛譚   作:BREAKERZ

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はじめまして。もしくはどうも。最近読み始めた『デート・ア・ライブ』と『仮面ライダーウィザード』をクロスさせました。

ウィザードラゴンの性格がオリジナル化させています。


十香デッドエンド
一年前の日食と、始まりの四月十日


『魔法』

それはかつて科学と並ぶ学問であったが、しかし文明の進歩と共に魔法はいつしか忘れ去られたーーーー。

 

そして時は流れ現代。科学では解明できない災害が人々を襲っていた。

 

『空間震』

空間の地震と称される広域震動現象。発生原因、発生時期ともに不明にして不定期、被害規模不確定の爆発、震動、消失、その他諸々の現象の総称。地球上の全体陸、北極、海上、小さな島々までも発生が確認され、無論日本も被害にあい、東京都南部から神奈川県北部にかけての一帯が、まるで消しゴムでもかけたかのように円上に焦土と化された厄災。30年前に発生し、ユーラシア大陸に甚大な被害を引き起こしたーーーーーー。

 

しかし人々は知らない。『空間震』と呼ばれる厄災の裏で、“絶望”に打ちのめされ、嘆き、悲しみ、苦しみ、涙を流している“少女達”がいることを・・・・。

 

人々は知らない。まるで自覚の無い病が肉体を蝕むように、この世界に“絶望”が蔓延り、その恐怖を魔法で振り払う一人の少年がいることを・・・・。

 

人はその少年を、『魔法使い<ウィザード>』と呼んだ。

 

 

 

~一年前~

 

ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!

 

キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!

 

イヤだぁ! イヤだぁああああああああああああああああああああああああッッ!!!

 

助けてくれえええええええええええええええええええええええええええええッッ!!!

 

「なんだよ・・・・何なんだよコレェっ!?」

 

大勢の人間が悲鳴を上げる中、一人の少年は混乱していた。今日は金環日食が起こる日、“妹”と日食を見る約束をして学校に登校しようと家を出てからの記憶が無く、目を覚ますと海岸にいた。

そして金環日食が起こり、自分以外にいた大勢の人達に異変が起こり、目の前で阿鼻叫喚の地獄が広がっていった。

 

「なんだぁっ! 俺の、俺の身体がああああああああああああああああああッッ!!??」

 

「イヤ! イヤアアアアアアっ!! ナニかが! 私の身体をををををををををををっ!!」

 

一人、また一人、男も女も関係無くその身体に“紫色の皹”が走り、皹が広がりきるとその人の肉体の内側から“異形の怪物”がその人の身体を砕いて現れた。

 

「っっ!!?」

 

そしてその少年また、自分の身体に“紫色の皹”が走っているのを見た。

 

「ぐぁっ!」

 

突然、身体に激しい苦痛が走り、少年はうずくまる。自分の中から“ナニか”が、身体を裂いて生まれようとしているのが分かった。

 

「(俺は、コレで終わるのか・・・・!? 俺は、“絶望”に負けてしまうのか・・・・!?)」

 

自分の内から沸き上がってくる暗い所に深く沈んで行くような感情、これが“絶望”である事を理解した、意識が自分じゃない何かに変わったいく感覚もあった。少年は日食の太陽を睨み、その手を伸ばす。

 

「俺は・・・・俺はぁ! 絶望なんかに、負けるかああああああああああああッッ!!!!!」

 

その少年、『五河士道』の身体の皹が紫色から金色に変わり、少年の身体を包み込んだーーーーーーーー。

 

≪ほぉ、この我を抑え込むか? 中々面白いな・・・・≫

 

士道の身体の中から産まれた“ソレ”は、面白そうに士道の中から士道を見ていた。

 

 

 

~一年後、四月九日・深夜~

 

月が雲に隠れた暗黒の夜の世界。その世界に、石のように罅割れた灰色の体色のオレンジ色の角をした鬼のような姿をした異形達が屯していた。

 

『グゥゥッ・・・・!』

 

『グォォッ・・・・!』

 

『ガァァッ・・・・!』

 

そして異形達の中に、少し小柄な体躯をし、緑色の体色に長い鼻と耳をし、小さいハンマーを持った異形が、異形共の中心のようにしていた。

 

『はぁ、『メデューサ様』も『フェニックス様』も面倒な事を言ってくれるぜ・・・・。なんで俺があんな“化け物”を調査しなきゃならねぇんだよ・・・・』

 

ダンッ! ダンッ! ダンッ! ダンッ! ダンッ! ダンッ!

 

『グァアッ!?』

 

『グキャアッ!?』

 

『ギバァッ!?』

 

『な、なんだぁっ!?』

 

愚痴っていた緑色の異形は、突然灰色の異形共が何者かに狙撃されたように倒れ、消滅していくのを見て泡食った。

 

「“ファントム”と“グール”が、こんな夜遅くになにしてんだ?」

 

『ゲェエッ! テメェはっ!!??』

 

近くのビルの屋上から声が聴こえ、“ファントム”と呼ばれた緑色の異形は、狙撃した人物を見て慌てた。

 

黒いレザースーツに真紅に輝く紅玉石<ルビー>を付け、顔を被うマスクもまた丸い紅玉石<ルビー>であり、腰に巻いたバックルには“手形”が付いており、持っている銀色の銃にも“手形”を付けた人物。

 

『テ、テメェがまさか、『魔法使い』!? 『ウィザード』かっ!?』

 

「ご明察」

 

≪とっとと終わらせろ。明日は始業式とやらが有るのだろうが?≫

 

「わかっているさ・・・・。さぁ、戦闘開始<ショータイム>だ」

 

『ウィザード』と呼ばれた人物は、“自分の中にいる存在”に催促されながらも、左手の中指に嵌めた自分の顔と同じデザインの指輪を見せ、その指輪がキラリと煌めいた。

 

 

 

~四月十日~

 

『五河士道』は一年前の日食に起こった『集団失踪事件』の被害者として、少しの間マスコミに追われていたが、既に事件の事は人々の記憶から無くなり、士道の周りは“表面上の平穏”を保っていた。

 

≪オイこの軟弱者、とっとと起きろ。何やら寝苦しいぞ≫

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

寝起きの士道は自分の体内にいる“ソイツ”に暴言を聞かされながら起こされ目を覚ますと、横になっている自分の胸や腹や頭を踏みつけながら、“妹”が情熱的なサンバのリズムを刻んでいたのだ。

 

「・・・・“琴里”よ? 俺の可愛い妹よ、一体何をしているんだ?」

 

「おお!?」

 

兄である士道が起きていることに気づいたのか、士道のお腹の上に足をのっけて、1人サンバカーニバルをしていた中学生くらいの美少女、二つに括られた鮮やかな赤い長髪を揺らし、ドングリみたいな丸っこい双眸をし、中学校の制服を翻しながら寝ている士道を踏みつけていた士道の妹ーーー『五河琴里』が士道の起床を素直に喜んでいるように笑顔を見せた。

 

「なんだ!? 私の可愛いおにーちゃんよ!」

 

兄を踏んでさらに足をどける事無くそう言ってくる。さらに横になっている士道の位置からだと見事にスカートの中が見えている。パンチラではなくパンモロだ、はしたないにも程があるレベルだ。

 

「いや、下りろよ。重いぞ」

 

「ウンウン」

 

士道に言われ、琴里は大仰に頷くとベッドから飛び降りた。士道の腹をおもいっきり踏みつけボディブローのような衝撃を残して。

 

「ぐふっ!」

 

「あははは、ぐふだって! 陸戦用だー! あと二体でジェットでストリームなアタックができるぞー! あはははは!」

 

≪こんな貧弱小僧にそんな技ができる訳が無い。旧式のザコが精々だ≫

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

妹と“中にいるヤツ”の言葉にちょっと憮然となる士道は無言で、布団を被りなおした。

 

「あー! こらー! なんでまた寝るんだー!」

 

「あと10分・・・・」

 

「だーめー! ちゃんと起きるのー!」

 

琴里が声を張り上げて、士道のをゆっさゆっさと揺すっていた。起き抜けのぼうっとした頭がシェイクされ、士道は苦しげに唇を開き、『とりあえずあと10分寝ていないと妹をくすぐり地獄の刑に処してしまうウィルス』、Tーウィルスに感染していると出鱈目を言うと、琴里はオーバーリアクションをして士道の部屋から逃げた。

 

「・・・・たくっ、なんて時間に起こしやがる・・・・」

 

時計を見てみると、まだ六時前である事が分かりぼやくように息を吐いた。

 

≪茶番だな。あの小娘も良くやるわ≫

 

「何がだよ?」

 

≪フン、見る目の無い無知な軟弱小僧には分からぬか・・・・≫

 

失礼オンパレードな事を言う“ヤツ”に、士道は声を少し抑えて話しかける。“ヤツ”の存在は昨日から仕事の関係で出張に行ってしまった両親どころか、妹の琴里も知らないからだ。

 

「お前さぁ、少しは言い方ってモノを考えろよ」

 

≪ハッ。昨晩はあんなゴミのような敵に手間取るようなへなちょこ小僧には、これくらいがちょうど良い≫

 

「あのな昨日の敵の、“ゴブリン”だっけ? アイツすげェ逃げ足が早かったからだろう?」

 

≪逃げたヤツを追跡して、ようやく倒したのは深夜の2時頃だったな。あんなゴミのようなザコに振り回されおって、“力”を与えてやっている我も情けなくなってくるわまったく≫

 

「悪かったな・・・・!」

 

“一年前の金環日食”から生まれた“ヤツ”との共同生活は辟易する事が多かったが、“最初の頃の険悪な関係”に比べたら、こんな風に憎まれ口叩き合う関係になるとは思いもよらなかっただろう。何故ならば、“ヤツ”は“士道の命を脅かす存在”だから。

 

「ピー! ピー! ピー!」

 

「ヒヒィーン!」

 

士道の部屋の窓から小さく、メカニカルな“赤い鳥”と、“青い一角獣”が入ってきた。

 

「ん? おはよう。“ガルーダ”、“ユニコーン”」

 

士道が使役して頼りになる使い魔、『プラモンスター』の『レッドガルーダ』と『ブルーユニコーン』。夜の巡回から帰って来た。二体は士道に何かを伝えようと動き回っていたが、士道はプラモンスター達が何を伝えたいかわからず、首を捻っていた。

 

「う~~~ん・・・・??」

 

≪この間預けた魔法石から新しい“リング”が出来たと伝えたいのではないか?≫

 

「新しい“リング”が出来たのか??」

 

「ピー! ピー! ピー! ピー!」

 

「ヒヒィーン! ブルルル!!」

 

肯定するかのように頷くプラモンスター達を見て、士道も理解した。

 

「後でおっちゃんの所に行くから、休んでくれて良いぜ。お疲れさん」

 

士道が労うと、ガルーダの腹部のリングとユニコーンの胸元のリングを外すと、二体の足元に“魔法陣”が現れ、二体は“魔法陣”の中に消えていった。

 

「さて、下に行った琴里を連れ出して、朝食を作るか・・・・」

 

士道は朝食を作ろうと一階のリビングに下りると、リビングのテーブルでバリケードを作って体育座りしている琴里を宥めるのであった。

 

 

* * *

 

 

琴里を宥め、一緒に朝食をとりながらテレビを見ていると、『空間震』が士道達の住む街、再開発された天宮市の一角で発生したのを皮切りに、またちらほらと確認され始めた、しかもその多くが日本で。

しかし士道にとっては『空間震』よりも、ある意味厄介な存在である『奴等』の多くがこの天宮市に潜んでいるのが気がかりだった。

 

「(まさか、『空間震』がこの天宮市に集中しているように発生しているのは、『奴等』が関係しているのか?)」

 

≪それは無い。『空間震』が起きれば“ゲート”が巻き込まれて死ぬ確率がある。“奴等”が関与しているのは考えにくい≫

 

「お兄ちゃん、準備は完了したか??」

 

朝食を終えて琴里は中学校の、士道は高校の始業式に行こうとして、制服に着替え、“手形の付いたバックル”を着用した士道は、去年の秋頃から免許を取り、知人からもらった、フロントが赤い水晶のマスクになっているバイクのエンジンを吹かしていた。

 

「前から思っていたけど、このバイクのフロントのデザインって、おじさんの趣味??」

 

「まぁおっちゃんの趣味云々は別としてだ。琴里、お前またチュッパチャップスを舐めているのか?」

 

赤いレディースヘルメットを被った琴里の口には、琴里の大好物であるチュッパチャップスをくわえていた。

 

「良いではないかお兄ちゃん。チュッパチャップスはマイソウルフードなのだ!」

 

「ハイハイ。所で今日は始業式だからお互い昼には終わるだろう? せっかくバイクが有るから外食にするか?」

 

「おぉっ! 気が利いているなお兄ちゃん!」

 

「何が食べたいんだ? なんなら『はんぐり~』でも良いぞ」

 

「うーむ、あそこの独創的なドーナツも捨てがたいのだが・・・・!!」

 

琴里は思案するように頭を揺らしてから、シャキッと姿勢を正して。

 

「デラックスキッズプレート!」

 

近所のファミレスで出しているお子様ランチだった。

 

「んじゃ学校終わったらいつものファミレスで待ち合わせな」

 

士道はそう言いながらヘルメットを被ってバイクに乗り、琴里は後部席に座りながら興奮した様子で話す。

 

「絶対だぞ! 絶対約束だぞ! 地震が起きても火事が起きても空間震が起きてもファミレスがテロリストに占拠されても絶対だぞ!」

 

「いや占拠されてちゃ飯食えねえだろ」

 

「絶対だぞー!」

 

「はいはいわかったわかった」

 

士道がそう言ってバイクを走らせると、琴里が「ヤッホー!」と元気良くはしゃいだ。

我ながら少し甘いと思いながらも、今晩からしばらく自分が台所に立つことになるし、夜琴里が寝静まったら『ファントム』と戦う為に外に出るのだ。少しは楽をしたいと考えても罰は当たらないだろうと考えていた。

 

≪まったく、茶番だな・・・・≫

 

「(一々毒舌を言うなよな。『ドラゴン』・・・・)」

 

士道は自分の中にいる『ファントム』、『ドラゴン』に苦言をもらしていた。

 

そして今日この日。士道と『ドラゴン』、数奇な運命で結ばれた1人と1体は、『空間震』とソコに潜む“少女達”と出会うとは、夢にも思わなかったであろうーーーーーーーーーーーーーー。

 

 

 

ー???sideー

 

天宮市のどこかのビルで、妖しい雰囲気の少女と、粗野な雰囲気の男がいた。

 

『ゴブリンが指輪の魔法使いに倒されたようね』

 

『ハッ! “アレ”の調査の為に向かわせたってのによ! まったく使えねぇな!!』

 

『まぁ構わないわ。もうすぐこの場所に現れるようだしね』

 

『本当に現れるのかよ?』

 

『えぇ、現れるわ。『ワイズマン』の予言に間違いはないわ。必ず見つけるのよ』

 

ビルの屋上から下の人間達を睨みながらまるで宣言するように口を開く。

 

『『お姫様』をね』

 




次回、デート・ア・ライブ 指輪の魔法使いと精霊の恋愛譚。

「空間震警報!? 琴里!!」

≪何だ、あの小娘は?≫

「ーー君、は・・・・」

「・・・・名、かーーーそんなものは、ない」

「ーーーーっ」

魔法使いと魔物が、精霊と出会う。

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