デート・ア・ライブ 指輪の魔法使いと精霊の恋愛譚   作:BREAKERZ

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幕間です。


幕間8
国安0課


12月の下旬、学校は冬休みを迎え、年末年始の準備が始まる時季。

 

「まだ続くのかよ・・・・」

 

『当たり前だ愚か者。あれだけの騒動を起こしたのだからな』

 

士道は現在、天宮市内にある〈ラタトスク〉が保有するの地下施設の一角にて、まるでMRI装置のような機器で身体検査をしていた。この巨大な生物にも見える機械に検査されるのは、あまりいい気分がしない。

 

『ただ貴様が臆病でヘタレなだけだろうが』

 

「うるせぇ! 人の内心にツッコミを入れんなっ!」

 

「ーーーーはい、もう良いわよ、士道」

 

「ん・・・・」

 

士道が寝転がった寝台の隣に立つ琴里がそう言い、士道は閉じていた目を開けた。

 

「体調はどう?」

 

「ああ、問題ないよ。でも・・・・これいつまでやるんだ? もう半月以上やってる気がするんだ(バシンッ!)ガンギュっ!!」

 

今までも精霊の霊力を封印した後はこうして身体検査を受けていたが、今回は妙に期間が長い気がし、苦笑しながら身体を起こす士道に、ドラゴンの尻尾ド突き(威力中)が炸裂し、また寝台に寝転がる。

 

『このスーパード愚物。あんな騒動を引き起こしておいてまぁだ反省しとらんのか? 新しい黒歴史まで作っておいてよくもまぁほざけるな?』

 

「ぐほぉあっ!!」

 

ドラゴンの痛烈な毒舌に、胸を抑えて悶える士道。琴里がハアとため息を吐く。

 

「ドラゴンの言うとおりよ。あなた一体、自分の身体がどんな状態なのか分かってるの?」

 

「う・・・・」

 

言われて口ごもる。

先日に霊力を暴走させてしまったあの一件以来、琴里は今まで以上に士道の身体に気を配るようになっていた。

 

『自分の中に霊力のコントロールもできず暴走するとは、本当に貴様は霊力や魔力の操作が杜撰だな』

 

「わ、悪い・・・・でも、そんな簡単にコントロールできる物じゃないだろ?」

 

「む・・・・悪かったわね。そんな面倒な物押し付けちゃって・・・・」

 

申し訳なさそうに言う士道を見て、いつもなら小言か皮肉か、ドラゴンとの連携毒舌の1つでも返しそうな琴里が、気まずそうに視線を逸らした。どうもこの件に関しては琴里も責任を感じているようで、シュンとしてしまっている。

 

「あー(ペシン)いてっ」

 

『このド愚物。本当に貴様はデリカシーが皆無だな』

 

「わ、悪い・・・・」

 

ド突き(弱)で叩かれ、ドラゴンに耳元で怒られてしまう。さらにドラゴンが尻尾の先で脇腹をツンツンとつつくと、士道は小さく頷き、寝台の上で身体の向きを変え、流れるような動作で琴里の身体に抱きついた。

 

「なんだよー、拗ねるなよー、おにーちゃん寂しいぞー」

 

「な・・・・ッ!? ちょ、ちょっと、何するのよ!」

 

「なー、琴里ー」

 

「ああもう、ひっつくなっ!」

 

琴里が顔を真っ赤にしながら、士道に脳天チョップを食らわせた。ドラゴンの尻尾ド突きに比べると蚊に刺された程度だ。しかし、いつもの琴里に戻った気がして小さく笑う。

 

「・・・・何よ気持ち悪いわね。ドラゴンのド突きを食らい続けておかしくなったんじゃないの?」

 

「いや、もう大丈夫だ。ありがとうよ琴里」

 

士道が言うと、琴里は何かを察したように頬を赤くし、プイと顔を背けた。そんな様子が妙に可愛らしくて、士道は琴里の頭をグリグリと撫でる。琴里が小さく肩を揺らすが、そのまま士道の手を振り払う事なく受け入れていた。

するとソコに、コホンと言う小さな咳払いが聞こえる。

 

「・・・・取り込み中悪いのだが、2人とも」

 

「ーーーーっ!/////」

 

視線を向けるとソコにいたのは、〈ラタトスク〉解析官であり琴里の友人の令音だった。

その声に、琴里はビクッと身体を震わせると、即座に士道の手を払いのけた。

 

「あ、ああ令音。早かったわね。もう結果は出たの?」

 

「・・・・ああ。〈フラクシナス〉にあったものほどではないが、この機器にも一応顕現装置<リアライザ>が搭載されているからね。・・・・ドラゴンからも教えてもらったが、シンから発される霊波反応は基準値以下に落ち着いている。ドラゴンが戻ってきて霊力のコントロールをしてくれているからね。精霊達との経路<パス>も正常のようだ。・・・・これなら、いつもの定期検診のみに戻しても問題無さそうだ」

 

「本当ですか? そりゃあよかった」

 

「・・・・ところで、ドラゴンは何をしているんだい?」

 

「「??」」

 

令音に視線を追うと、ドラゴンがスマホ(士道の)を持って、士道と琴里を撮影していた。

 

「ドラゴン・・・・何してるの?」

 

嫌な予感がして頬をヒクヒクとさせる琴里が問うと、ドラゴンはスマホの液晶を見せた。士道が琴里に抱きついてイチャイチャしている姿だった。

 

『何、折角の兄妹仲睦まじい姿なのでな。これを他の皆にも見せてやろうかと思ってな』

 

「消しなさい! すぐにそのデータをスマホから消滅させなさいっ!!/////」

 

琴里が顔を真っ赤にしてドラゴンを捕らえようとするが、ドラゴンはヒラリと回避して。

 

『大丈夫だ。安心しろ。ーーーー既に十香達全員に送信済みだ。題名<タイトル>は、【身体検査と称して兄とイチャつく司令官殿(笑)】だ』

 

「ななっ!/////」

 

琴里が慌ててスマホを取り出すと、精霊達との共有LINEに、デカデカと先ほどの映像が表示されており、さらに言えば十香達からの返信が鬼のように来た。ちなみに十香と四糸乃はスマホ操作に馴れておらず、七罪に指導して貰っている。

 

ーーーーことり。シドーにあまえているのか?

 

ーーーーあ、あの、なかがいいんですね・・・・?

 

ーーーーいや~ん。琴里ちゃんったら抜け駆け?

 

ーーーーかか、身体検査と称してこのような事を・・・・!

 

ーーーー戦慄。琴里、やりますね。

 

ーーーーあぁ~ん! 私もだーりんや琴里さんとイチャイチャしたいですぅ!

 

ーーーーうわっ退く・・・・。

 

ーーーー琴里とだけイチャイチャするのは不公平。士道は私ともイチャイチャするべき。

 

「~~~~~~!!!/////」

 

顔が真っ赤に完熟したトマトのようになる琴里。ドラゴンが笑いを含んだ声を発する。

 

『くっくくくく、抜け駆け大成功だなぁ?』

 

「~~~~っ! ドラゴーーーーンっっ!!!」

 

琴里が折り畳まれたパイプ椅子を持ち上げて、ドラゴンを殴ろうと振り回しながら迫るが、ドラゴンはヒラリヒラリと避けながら逃げる。

逃げながら、ドラゴンは令音に話しかけた。

 

『それで、火消しの方はどうなってる? この愚物がやらかした身体測定は勿論、喧しトリオと嫁き遅れ女担任の方は?』

 

「げふぅっ!」

 

ドラゴンの言葉に、士道は思わず咳き込んだ。

そう、士道が暴走する前に身体測定でやらかした記録に、亜衣麻衣美衣トリオと岡峰タマちゃん先生の厄介で面倒な4人を口説いてしまったのだ。身体測定の方は何とか誤魔化す事にし、亜衣麻衣美衣トリオにも、あれは冗談と言う事にして通そうとした(報復が恐いが)。そしてタマちゃん先生の方は令音が細部をボカして説明し、何とか式場の予約をキャンセルさせた。最後は士道の方から、風邪で意識が朦朧としていたからだと、直接間違いだったと説明する事にした。

 

「・・・・ご、ご苦労をおかけします・・・・」

 

額に汗を滲ませながら士道は頭を下げた。

するとそれに合わせたように、令音が纏っている軍服のポケットから、ピピピ、とアラームのような音が響く。

 

「・・・・ん、もうこんな時間か」

 

「何かあるんですか?」

 

「・・・・ああ。今日この後、また別の予定が入っていてね」

 

「そうですか。じゃあ俺達は先に失礼した方が良さそうですね。おいドラゴン。琴里で遊んでないでもう帰るぞ」

 

『おおそうか。それではな』

 

「待ちなさいよこの腹黒性悪陰湿外道蜥蜴ーーーー!!」

 

ドラゴンは士道の体内に戻り、琴里がパイプ椅子を振り回しながら迫ってきたが、令音が羽交い締めして止めた。

 

「じ、じゃあ令音さん、後をよろしく! 琴里! 後でな!」

 

「・・・・ん、すまないね」

 

「士道! 帰ったらドラゴンを外に出しなさい! 今日と言う今日こそ決着を着けてやるわーーーー!!」

 

「は、はは、じゃあな!」

 

怒髪天を衝きまくっている妹様に苦笑しながら、士道は逃げるように部屋を出て、『ドレスアップウィザードリング』を使う。

 

[ドレスアップ プリーズ]

 

魔法陣が通過すると、病衣から私服に変わり、軽く肩を回しながら廊下を歩く。時間は午後2時くらい。頭の中で夕飯のメニューを考えていると、前方から〈ラタトスク〉機関員の中津川と椎崎が近づいてきた。どうやら買い物に出ていたようで、2人とも白いビニール袋を提げている。

 

「おお、士道くん。今お帰りでございますか」

 

「もう検査終わったんですか?」

 

「はい。数値も正常だったみたいで、漸く解放されました」

 

「はっは、それは何より。身体は全ての資本ですからなあ」

 

「そうですね。大事にして貰わないと」

 

≪このオタク眼鏡が言うと説得力があるな≫

 

「はは・・・・気を付けます。お2人は買い物ですか?」

 

「ええ。〈フラクシナス〉では気軽に外出もできませんでしたけど、ここなら簡単に地上に出られるので」

 

「ああ、確かに」

 

今いる地下施設は雑居ビルの中、気軽に外に出られるだろう。無論〈ラタトスク〉の事を隠すため、中津川達はビルの中にある適当な会社の社員と言う事にし、今は会社員然としたビジネススーツにコートを羽織り、ついでに首には社員証も下げていた。

しかし、中津川は流石はオタクと言うか男の子と言うか、空飛ぶ機動戦艦での任務の方が良いらしく、〈フラクシナス〉を恋しがっていた。

2人の買い物はお菓子類と琴里用のチュッパチャプス。そして中津川が、士道達世代で親しまれている『週刊少年ブラスト』を取り出し、長らく休載されていた本条蒼二昨『SILVER BULLET<シルバー・ブレッド>』が連載再開した事を告げ、士道とキャッキャッと会話に花を咲かせていた。

すると、椎崎が不意に眉をピクリと揺らすと、ポケットからスマホを取り出し耳に当てた。

 

「ーーーーはい、椎崎です。・・・・あ、はい、分かりました。すぐに向かいます。士道くんすみません、ちょっと行かなければ鳴らないので、これ、司令にお願いしても良いですか?」

 

どうやら急な用事が入ったらしく、通話を切ると士道に申し訳なさそうに声を発し、手にしていた買い物袋(琴里用のチュッパチャプス)を差し出した。士道は勿論、と言うように首肯する。

 

「大丈夫ですよ。お仕事頑張って下さい」

 

「ありがとうございます。助かります。では・・・・」

 

椎崎がペコリと頭を下げると、小走りになって廊下の向こうへと消え、その背中を見送ると、中津川も休憩時間が終わる前に読破すると言って去っていき、士道は買い物袋を持って来た道を戻る。

 

≪小僧。我を出せ≫

 

「え?」

 

≪良いから≫

 

[ドラゴライズ プリーズ]

 

部屋の扉の前に立つと、ドラゴンがそう言い、再び外に出してやると、ドラゴンは士道の懐からスマホを取り出して何かの準備をする。

気にはなったが、取り敢えず扉を開ける士道。

 

「おーい、琴里。椎崎さんから預かり物・・・・って」

 

『(スッ・・・・カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ)』

 

ソコで、士道は身体を硬直させ、ドラゴンはスマホのシャッターを連続できった。

何故ならば、部屋の中には琴里と令音の他、もう2人(3人?)の人間がいた。黒髪と褐色肌をした、(一応美形の)神無月に勝るとも劣らない美男子と小柄な少女、そして美男子の肩に乗る手の平サイズのビーストキマイラだったのだ。

だが、異常だったのは、琴里が呼吸を荒くしながらその少女をベッドに押し倒し、彼女が纏っている病衣を荒々しくはだけさせていたのである。

 

「きゃー! きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

「この! 大人しくしなさい・・・・! 脱がせ辛いでしょうが!」

 

「こ、琴里・・・・!」

 

目の前で展開される、めくるめく百合の花が咲き誇る、美九が大好きな秘密の花園に、士道は呆然とした声を発すると、琴里が漸く士道の存在に気づいたようにハッと肩を揺らし、士道も気まずげに視線を逸らす。

 

「し、士道!? 帰ったんじゃなかったの!?」

 

「い、いや、さっきソコでお前への届け物を預かって・・・・何て言うか・・・・すまん。でも、無理矢理ってのは良くないと思うぞ・・・・」

 

『美九が見たら喜ぶな』

 

「絶対何か勘違いしてるわよね!? てかドラゴン! 何また撮影しているのよ! ま、まさか・・・・!!」

 

『安心しろ。既に送信済みだ』

 

声を裏返した琴里は、次に顔が真っ青になり、震える手でスマホを取り出して再びLINEを見ると顔面蒼白してしまっていた。恐らく皆(特に美九)からの勘違いが殺到しているのだろう。

琴里が皆に言い訳をしているのを尻目に、士道は琴里に押し倒しされていた少女を見ると、病衣が必要とは思えない健康的な肌色をしていた。

その少女を見て、士道は目を丸くする。

 

「真那!?」

 

「あ、兄様!」

 

「そうか、真那も俺を助けに駆けつけてくれたんだよな」

 

『そしてこれを機に詳細に検査しようとしていたって訳か』

 

「そーなんでやがりますよ! どこも悪くねーですって言ってるのに!」

 

「(ギロリ)」

 

皆への説明の文を書いている琴里が睨むと、真那は頬に汗を垂らして苦笑した。

 

「ありがとう、真那」

 

「兄様・・・・」

 

士道が言うと、真那はニッと笑みを浮かべてみせ、その場に立ち上がった。

 

「何を水くせー事言ってやがるんです。真那と兄様の仲じゃねーですか!」

 

「はは・・・・そうだな」

 

それにつられるように、頬をかきながら笑った。

 

「所で、ソチラの人は?」

 

「あぁ、こちらは真那の新しい就職先である『公安警察』の『国安0課』に所属している真那のパートナーで、『仁藤攻平さん』でやがります」

 

「初めまして、仁藤と言います」

 

「えっ? ちょっと待て真那! 公安警察とか、国安って・・・・!」

 

「あぁ・・・・実はでやがりますね。或美島での騒動から白い魔法使いの紹介で0課で働く事になりやがりまして・・・・」

 

「白い魔法使いが・・・・」

 

「この天宮市には魔獣ファントムの首魁ワイズマンの他、メデューサと言った幹部がいますが、他県でもファントム達が人間社会に紛れているのですよ。私達0課では対処し切れないので、真那さんに力を貸して貰っているのです」

 

「そう、なのか真那?」

 

「で、やがります。真那としても〈ナイトメア〉の追跡やキマイラ達のご飯、それに衣食住も保証されてやがりますから快適な生活をしてやがりますよ。それにこの間戦ったベルセルクは青森で逃げられ、ヴァルキリーは熊本で逃げられ、セイレーンは名古屋で逃げられちまったりしましたが、今回で漸く片付けられましたよ」

 

すると真那が、朗らかな笑みを急に真剣そうな表情に変換し、ゆっくりと歩みを進めながら、士道の目をジッと見つめてくる。

 

「それより、兄様。兄様に会ったら聞こうと思ってた事がありやがるんですが・・・・」

 

「ん、何だ?」

 

「はい。あの時兄様が言ったーーーー」

 

「んっんっんっ・・・・」

 

と、真那の言葉の途中で。漸く説明を終えた琴里が何やら含み笑いのようなものを漏らしながら、真那の肩に手を回した。

 

「真ぁぁぁぁ那ぁぁぁぁ? なぁに士道とお話しながらジリジリ距離を取ってるのかしらぁ?」

 

「枝!? あ、いや、別にこれは逃げようとかそういうのでは(ガシッ)げっ! 仁藤さん!」

 

「ご安心下さい五河司令。真那さんが逃げようとしたらこの通り捕獲しますから」

 

琴里が至極フレンドリーな、しかし何処か底冷えするような声音で言うと、真那が顔面蒼白した。士道の位置からは良く見えないが、さぞ恐ろしい顔になっているだろう。さらにその真那の首根っこを掴んだ仁藤がそう言った。端から見ると、パートナーではなく保護者にしか見えない。

プルプル震える真那に、琴里はふうと息を吐いてから後を続けた。

 

「ーーーー勘違いしないで。別に私は怒ってなんか無いわ。今回は、あなたがいなかったらどうなっていたか分からない。本当に感謝してる」

 

「琴里さん・・・・」

 

琴里の言葉に赦免の意を感じ取ってか、真那がほんの少しだけ強ばっていた表情を緩める。

するとそれに合わせて、琴里が再び真那の肩に手を置き、力を込める。

 

「だから、そんなに怖がらなくて良いのよ。あなたが自分の身体を顧みずに飛び出して行ったりだとか、そのまま音信不通になったりだとか、公安警察に就職していただとか、任務ついでに各地の名産とか美味しい料理も味わう全国津々浦々の旅も楽しんでいたりだとか、その癖コッソリ令音とは連絡先を交換してたなんて事、私はこれっっっっっっっぽっちも気にして無いんだから」

 

「ひ、ひぃぃぃぃぃっ!?」

 

琴里の指が、真那の肩に食い込み、真那は目に涙を浮かべながら首をブンブンと横に振った。

 

「お、おい琴里・・・・あんまり無茶な事するなよ?」

 

士道が言うと、琴里はギロリと士道を睨み付けた。

 

「人聞きの悪い事言わないで頂戴。て言うか、あなた達兄妹ほど無茶をする人達ーーーーあぁ、1人いたわね。ショットガン1丁で魔獣ファントム達とやり合う何処ぞの危ない捜査官殿が」

 

「ほぉ、そんな骨のある捜査官がいたのですね」

 

そう言って仁藤をジロリと見るが、仁藤は素知らぬ顔でそう言った。

琴里はハアと吐息をすると、真那に視線を戻した。

 

「兎に角、今度こそ逃がさないからね。徹底的に検査して、適切な処置を施させて貰うわ。覚悟なさい。あなたが知らない所まで調べ尽くしてあげる」

 

「きゃー! きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

「仁藤捜査官。真那が逃げないようにしっかり捕獲しておいてちょうだい」

 

「了解しました」

 

「あーん! 仁藤さんの裏切り者! 一緒に相○や○ティーハ○ターのように背中を預けあってきたパートナーを見捨てるでやがりますかぁ!?」

 

「こちらでも検査して下さいと言ってたのに、任務を口実に逃げていたツケですよ。キマイラ達も検査しろと言ってますしね」

 

『『『『『ウンウン』』』』』

 

パートナーや相棒達にも見捨てられ、首根っこを掴まれぶら下がりながら手足をバタつかせて抵抗するが、仁藤の手はビクともしなかった。

 

「うわあーん! 皆の裏切り者ぉぉっ! 兄様ぁぁぁ! たーすーけーてー!」

 

真那の悲痛な叫びを背に受けながら、士道は買い物袋を近くに置き、検査室を出ていった。

 




真那が仁藤と同棲している事を知ったら、士道はどうするでしょうね?
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