デート・ア・ライブ 指輪の魔法使いと精霊の恋愛譚 作:BREAKERZ
ーウェスコットsideー
「・・・・ほう?」
DEMの日本支社の社屋で、ウェスコットは上機嫌そうに椅子に座りながら、〈神蝕篇帙<ベルゼバブ>〉の力で色々と調べていた。
「ーーーー成る程、これは面白い。私の求めた情報が、全て頭に流れ込んでくる。魔王・〈神蝕篇帙<ベルゼバブ>〉か。どうやら私は当たりを引いたようだ。お陰で、中々興味深い事が分かったよ」
クツクツと喉を鳴らしながら言うウェスコットに、ウィザード<士道>との戦いで身体の所々に包帯を巻いたエレンが、首を傾げてきた。
「興味深い事、ですか」
「ああ。こちらへ来たまえ」
「は・・・・」
不思議そうな顔をしながら近づいてきたエレンに、椅子から立ち上がったウェスコットが肩に手を置いた。するとーーーー。
「・・・・! これは・・・・」
エレンは驚愕に目を見開く。
ウェスコットが魔王から得た情報が、手の接触を介してエレンにも伝わり、そのイメージの奔流が、エレンの頭の中に怒涛の如く流れ込んだのだ。
そしてエレンは、訝しげに口を開く。
「・・・・歴史改変? 今のこの世界は、1度塗り替えられた物だと言うのですか?」
絶対に不可能な、神をも恐れぬ禁断の所業にしてーーーー偉大なる絵空事を。
「ああ。イツカシドウが〈ナイトメア〉の手を借り、トビイチオリガミの過去を変える為に時間遡行をしたようだ・・・・ふ、中々思いきった事をする」
「ーーーー成る程。〈神蝕篇帙<ベルゼバブ>〉、魔王の名に違わぬ力のようです」
改変前でも、自分は五河士道に勝てなかった事実に、弱冠不服そうだが、エレンは魔王の力を称賛した。
が、ウェスコットは小さく肩を竦めた。
「しかし、どうやらこの魔王は、まだある完璧な状態ではないらしい」
「ーーーー完璧では、ない?」
「ああ。どうやら〈シスター〉を仕留める数瞬前、イツカシドウが〈シスター〉の意識を1部取り戻させてしまったようだ。彼もまた、天使の力の扱いに慣れつつあるようだ」
「・・・・、申し訳ありません。私がさっさと始末をしておけば」
苦々しい顔で言うエレン。しかしウェスコットは大仰に肩を竦めて見せた。
「別に、ソコまで気に病む事はない。私は今日の結果に満足しているよ。不完全とは言え、我らの悲願への確かな1歩だ。欠けた半身は、いずれ頂くとしようじゃあないか。期待しているよ、エレン」
「ーーーーは」
エレンは姿勢を正し、頷いてくる。
次いでウェスコットは、部屋の入口に控えていた少女に視線を向けた、
「無論、君にもね。ーーーーアルテミシア」
「・・・・はい」
アルテミシア・ベル・アシュクロフトは、静かな声でそう答えた。
そして、その部屋の空調ダクトの中に、一匹の蛇がいる事を。
ーメデューサsideー
『・・・・ワイズマン。アイザック・ウェスコットは、魔王の力を半分しか手に入らなかったようです。それと、この世界は魔法使いと〈ナイトメア〉によって『歴史改変がされた世界』のようです』
『そうか。蛇を戻せ』
『はっ』
社屋の地下数階の地下ホール。ソコでシスターファントムを制御しているワイズマン。
メデューサは蛇を通して、ウェスコット達の会話を盗み聞きしていた。
『士道くんもやるねぇ~。歴史を改変するだなんて』
『しかしワイズマン。アイザック・ウェスコットに全知の魔王が手に入ったのは驚異です』
『まぁ構わんさ。我らファントムには天使も魔王もその権能は届かない。我らの計画もまた、少しずつ進んでいる』
ワイズマンは、ニヤリと小さく笑みを浮かべ、シスターファントムを見上げるのであって。
ー士道sideー
5年前ーーーーメデューサの『ゲート』である『稲森美紗』は、当時士道と同い年の少女で、双子の妹である『稲森真由』と父親と母親の四人家族で、平和に幸せに生きていた。
しかし、〈イフリート〉こと、琴里が起こした『天宮大火災』が、彼女の人生を歪ませた。
美紗はその日、風邪をひいて自室のベッドで寝込んでおり、真由は姉の看病をしていた。父親は仕事で、母親は薬と精の付く料理を作る為に買い物に出掛けていた。そんな時、あの大火災が起こったのだ。
突然彼女達の家は紅蓮の焔に包まれ、部屋処か、家の中は火の海と化していた。真由は風邪をひいて苦しんでいる美紗に肩を貸しながら避難しようとするが、燃え盛る焔と立ち込める煙にむせり、動けなかった。
焔に包まれ、姉妹は死を覚悟した。しかし、丁度仕事から帰って来た父親と、買い物から帰って来た母親が駆けつけてきてくれて、2人を助け出した。美紗と真由は助かったと安心したが、後に思った。
ーーーーあの時、焔に燃えていれば良かった。
と。
姉妹は両親と家から出ようとした瞬間、家が崩れ落ち、両親は姉妹を外へと突き飛ばし、そのまま燃える家に押し潰されてしまった。
姉妹はその光景を、ただ茫然と見ている事しかできなかった。しばらくして、姉妹は救助隊に助けられたが、真由は火災の煙で肺を損傷し、マトモに身体を動かせなくなってしまった。そして姉妹は親戚中をたらい回しにされ最終的に、母方の祖母の従姉の家族に引き取られたが、この家族はとてつもないクズな家庭で、夫婦は外では善人ぶっていたが、家庭に入れば姉妹をいつも虐待していた。その夫婦の娘も、自分よりも美形な姉妹をいつも虐めていた。
美紗は早くこんな家から出ていこうと、中学の頃から年齢を偽って密かにアルバイトを重ね、少しずつお金が溜まり、あと少しで姉妹だけで暮らしていける程度のお金が手に入りそうになった頃、更なる悲劇に見舞われた。
何とーーーー妹の真由が、階段から落ちて亡くなったのだ。
アルバイトから帰った美紗は、階段から転がり落ちて、息をしていない妹を見て泣き崩れ、階段の上を見ると、ゴミでも見るかのように目で笑みを浮かべる夫婦の娘がいた。怒りに任せてその娘の首を絞めて問い詰めると、何とこの娘、真由が両親からプレゼントされた大事なネックレスを奪おうとしたのだ。真由がそれに抵抗し、病人の癖に生意気だと揉み合っている内に、真由を階段から突き落としたのだ。
それを知り、美紗は『殺してやる!』と、首を絞める力を強めると、頭に強い衝撃が走り、背中にも激痛が走った。振り向くと、娘の父親がゴルフクラブで美紗を殴り、母親が包丁で美紗の背中を刺したのだ。
力なく倒れる美紗に、今度は娘が蹴りを浴びせて、両親と一緒に『恩知らず!』『人殺し!』と、自分達の事を棚に上げて口汚く罵った。
徐々に体温が失っていく美紗は思った。
【(どうして、私達が、こんな目に合うの・・・・? 私達、何か悪い事をしたの・・・・?ーーーーもう、いいや・・・・何も・・・・かも・・・・つか・・・・れ、た・・・・)】
そして、意識を手放した美紗の身体に、『ファントムの皹』が凄まじい勢いで走り、その家族が恐れ引くと、美紗の身体が砕けーーーー〈メデューサファントム〉がこの世界に顕現した。
【何だ? 貴様ら?】
メデューサは髪の蛇を伸ばし、その家族の首を絞めた。徐々に力を込めていくと、家族は泡をふいたり、涙や鼻水や涎で顔をぐちゃぐちゃに汚し、お互いを売りながら自分だけは助けてほしいとメデューサに必死に命乞いした。
【・・・・くだらん】
勿論、メデューサにそんな言葉が通じる筈もなく、その家族は首の骨が鈍い音を立てて折れ、糞尿を垂らしながら醜悪な死に顔を晒して死んだ。
メデューサは、既に物言わぬ骸と化した真由を一瞥するが、すぐに興味が失せ、その場から去ろうとしたその時、
【ほう。魔力を感じてきてみれば、ファントムが生まれていたか】
突如、魔法陣が展開されると、その中からワイズマンが現れた。
最初は警戒したメデューサだが、ワイズマンの圧倒的な魔力を見て戦き、忠誠を誓った。
そして、ワイズマンに付き従う事を望んだメデューサを連れて、ワイズマンは4人の死体を燃やすと、床に焼け焦げだけが残り、最後に家にも炎で燃やし、全ての証拠を消して、その場から去っていった。
* * *
「ーーーーこれが、俺が二亜から聞いた、メデューサと琴里の因縁だ」
〈ラタトスク〉の地下施設の休憩室にて、士道は二亜の〈囁告篇帙<ラジエル>〉で知った、琴里とメデューサの『ゲート』に因縁を皆に話した。
あの後、再び意識を失った二亜は直ぐ様この施設に緊急搬送され、医療用の顕現装置<リアライザ>での治療を受け続けており、士道達は二亜が心配で、治療が終わるのを待っていた。
そんな中、二亜の方は令音に任せ、琴里がは自分とメデューサの『ゲート』の因縁を聞くと、観念した士道とドラゴン(思念体)が説明した。
「そうーーーーメデューサの『ゲート』だった稲森美紗の両親は、私が殺したようなものね。彼女の妹さんの身体を壊したのも、彼女の人生を、滅茶苦茶に壊したのも、私ね・・・・まぁ、あの大火災で被災者や死傷者が出ていた事は知っていたわ。でもまさか、その被災者が、こんな形で現れるとか、因果応報と言われればそうだけど、世界って本当にーーーー残酷だわ」
「琴里・・・・」
知らされた数々の情報に、琴里は自分に言い聞かせるように呟く。士道も、他の精霊達も、何と言えば良いか分からなかった。『天宮大火災』は琴里の意思ではない。
だが、そのせいで稲森美紗は人生を狂わされた。その場の綺麗な言葉で拭えるような軽い物ではない。それは稲森美紗や彼女の家族やその他の大勢の被災者や死傷者達の事を冒涜するような物だ。
「ーーーー琴里。またメデューサと遭遇した時、あなたは戦える?」
折紙がそう問うてくると、琴里は何とも複雑な感情が出ている顔になる。
「分からない・・・・でも、メデューサの事は、私が決着をつけないといけないわ。そうしないといけない・・・・」
「・・・・・・・・私も、前の世界でお父さんとお母さんを殺した。私の意思じゃなくても、その事は永遠に背負わなければならない私の『罪』」
「ええ。私もあの大火災での事は、ずっと背負わなければならないと思っているわ」
折紙と琴里。あの5年前の出来事で、一生かけて背負わなければならない、『罪』の十字架を抱えてしまった2人だからこそ、折紙の言葉が、揺れ崩れそうな琴里の心を支えた。
と、ソコで、令音から通信が入った。
《皆、良いかい?》
「令音さん、二亜の容態は?」
《峠は越えたよ。応急措置と経路<パス>接続による霊力の循環が大きかったね。大事には至らないだろう。処置は済ませてから、もう目覚めてもおかしくない》
「おお、本当か?」
《ああ。ーーーーん。二亜が目覚めた。見に来るかい?》
『・・・・!』
令音の言葉に、全員が大きく頷いた。
「こっちよ。ついてきて」
士道達は琴里の後についていき、集中治療室までやって来て、部屋の中に入ると、広い空間に様々な機械が並び、壁際に幾本ものコードがのたくっている。
その最奥に設置された大きな治療ポッドの中に二亜がいた。既にポッドの蓋は開いており、丁度令音が口から酸素マスクを外していた。二亜がうっすらと目を開け、皆の方に視線を送ってくる。
「・・・・あ・・・・皆」
「二亜!」
士道が小走りになって駆け寄ると、精霊達もやって来て、二亜をグルリと囲む。
「大丈夫・・・・ですか」
「かか、壮健そうではないか」
「首肯。大事なさそうで何よりです」
精霊達が口々に言うと、二亜はゆっくりと皆を見回し、口元を緩めた。
「えっへっへ・・・・何だぁ、アタシいつの間にか大人気っぽい・・・・? サインは順番だよー」
冗談めかして言うと細く息を吐き、士道の方に視線を寄越した。
「・・・・ゴメンね、少年。アタシ、DEMにーーーー」
「・・・・ッ」
士道は、二亜の言葉を止めるようにその手をギュッと握った。
「少年・・・・」
「良いんだ。今は・・・・。生きていてくれてーーーーありがとう」
士道が涙の滲む目で言うと、二亜は一瞬目を伏せてから、照れ臭そうに笑った。
「あはは・・・・参ったね、どうも。アタシこういう雰囲気苦手なんだけどなぁ」
と、ソコで二亜が、眠そうに欠伸をする。
「あれ、おっかしいなあ。今まで寝てた筈なのに・・・・」
「はは・・・・無理もないさ。もうこんな時間だし・・・・」
士道はそう言って、部屋にかけられていた時計に目をやりーーーー「あ」と呟いた。
そして頭の中で思案を巡らせてから、ドラゴンに視線をやる。
「ドラゴン」
『分かった』
何やらアイコンタクトで会話した2人に、その場の全員が首を傾げた。
◇
それから数分後。士道達は、〈ラタトスク〉地下施設の入口がある雑居ビルの屋上にやって来た。
辺りは暗く、今にも雪が降り出してしまいそうな程に寒い。皆コートに身を包み、手袋やマフラー等の防寒具を装備する。
先行して飛び出した美九が四糸乃に抱きつこうとするが、七罪が四糸乃を守るようにその裾を摘まんでいた。
「寒くないか、二亜」
「んー、大丈夫だよ。すまんねぇ『ドラくん』」
『誰が『ドラくん』だ』
士道が尋ねると、短時間であれば外出ができる二亜は、流石に歩行はまだ無理なので、『ミラクル』で召喚したドラゴン(サイズは士道くらい)の背中に乗りながら答える。
「んー、じゃぁドラちゃーーーー」
『やめろ。小○館がナパーム弾を投げ込んでくるぞ』
と、そんな風に駄弁っていると、二亜が士道が話しかける。
「それで・・・・何でこんな所に来たの?」
「ああ。そろそろだと思うんだが・・・・」
と。
士道がそう言った所で、空に微かな変化が現れ始めた。
ビルの合間から光が差し込み、真っ暗だった空が明るく色づき始めたのである。
「おお・・・・!?」
「凄い・・・・です!」
精霊達が目を見開き、感嘆の声を上げる。二亜もまた驚いたような顔をして、徐々に実像を帯びる太陽を見つめてから、士道の顔を見上げてきた。
「少年、これって」
「ああ。そろそろ日が昇る時間だと思ってさ。コミコ準備に必死で忘れていたけど、今日は1月1日じゃないか。初日の出だぜ。ーーーー二亜、お前の新しいスタートにはもってこいだ」
『(・・・・オエッ)』
「・・・・っはは、キザったらしー」
ドラゴンは内心吐きそうになるが、二亜は笑うと、まあ顔を前に向け、暫しの間日の出を眺めた。
そして、数十秒の後、ポツリ、と呟くように声を発してくる。
「・・・・少年」
「ん・・・・?」
「本当に・・・・ありがとうね。色々と」
「気にするな。俺だって、皆に色々助けられてるんだ」
「・・・・、身体が万全になったら、もう1度高城先生と会って見ようと思う」
「ああ。良いんじゃないか。あの人はイイ人だよ。多分」
「多分って」
士道が言うと、二亜はもう1度笑った。
「・・・・何だろう、DEMに力を取られちゃったのは癪だけど、妙に気分が楽だよ。もうかれこれ30年近く〈囁告篇帙<ラジエル>〉と付き合ってきたけど・・・・いやはや、きっとアタシには過ぎた力だったんだねぇ」
「30年ーーーーあなたが精霊になったのは、そんなにも前なの?」
二亜の言葉に、折紙が反応した。
「うん。まあ、正確には27、8年くらいだったかも知んないけど・・・・まあ四捨五入したら似たようなもんでしょ。どう? その割に若く見えない?」
二亜が冗談めかして自分の頬に触れて見せる。すると今度はドラゴンが、二亜に声をかけた。
『おそらく霊力によって体細胞の老化が抑えられていたのだろう。その霊力は封印されたから、これからドンドン年を取っていくだろうな』
「うわー、そう言えばそっか。あー、さっきのちょっと訂正。今までありがとう〈囁告篇帙<ラジエル>〉」
過ぎた天使だった。望んで得た力では無かった。
だがそれでも、平均30年の付き合いの天使に向かって二亜がそう言うと、皆が可笑しそうに笑った。
それから二亜が、思い出したように皆を見回す。
「・・・・そう言えばだけど、皆はいつ頃精霊になったの?」
「ああ・・・・私は今から5年前、美九は1年行かないくらいだっけ? 折紙はごく最近よ。で、後の皆は純粋な精霊」
「へ・・・・?」
琴里が答えると、二亜は不思議そうな顔を作り、首を傾げながらその続きを発する。
「純粋な精霊・・・・? “精霊って、基本的に皆、元は人間だった筈でしょ?”」
その、言葉に。
『え・・・・?』
その場にいた全員が、目を丸くした。
ー???sideー
ソコは、士道達がいる場所から遠い空の向こう、成層圏すら越えた衛生軌道上。
無重力で空気もなく、気温も滅茶苦茶な宇宙空間に生物など存在する事など不可能な世界。
しかし、その空間に、“人間”がいた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
金色の長いーーーーとても長い髪をし、小柄だが、とても肉付きの良い肢体をし、具足をつけた足を両手で抱きしめ、体育座りの格好で丸まり、“宇宙空間を浮遊している少女”だった。
「・・・・・・・・??」
ふと、その“少女”がうっすらと目を開け、月の方に目を向けると、月の一部分にキラッと光る“2つの光”が見えたが、少女は興味ないと言わんばかりに、再び目を閉じ、衛生軌道上を流れていった。
ー???sideー
ここはとある“平行世界”。ソコで、中世ヨーロッパの建物で、“空に建物が浮遊する学校のような場所”で。
『ははははははははは!! 遂に僕は手に入れたぞ! 『魔法の力』を!!』
宝物庫に保管されていたアイテムを持って、『黒いサイのような怪人』が、高笑いを上げていた。
「おい! そのアイテムが何なのか知っているのかっ!?」
「何かヤバそうよ!?」
歯を剥き出しにして威嚇しているようなギザ歯状のクラッシャーとピンクと水色の体色に、つり上がった赤い瞳が特徴的な『仮面の戦士』と、ティラノサウルス・レックスを思わせる被り物を付けた『戦士』が、『黒いサイの怪人』にそう訴えた。
『そんな事知った事かっ! 漸く『魔法』が手に入ったんだ! これで僕は! 人間を越えた超パゥワーを手に入れたんだッ!! アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッッ!!!』
「こっちの話を聞いてくれない!」
「アイツ! 『校長先生』に魔法の才能が全く無いって言われたからって危ないアイテムを盗み出して!」
「あのアイテム、危険な力を放出しているわ!」
金髪にピンクの衣装を着た少女と、紫色の髪と衣装を着た少女と、ピンクの髪に緑色の衣装を着た少女が、そのアイテムを見て、危険だと叫ぶ。
「アハハハハハハハハハハハハハハ! アっハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッッ!!!」
が、『黒いサイの怪人』は高笑いするだけでまるで聞こえておらず、そのアイテムを中心に時空間が歪み始めた。
「な、何あれっ!?」
「時空間が乱れているんだわっ!」
「あのアイテムの力なのでしょうか?」
「それしか考えられないわ!」
「あの方の強い欲望に呼応しているのでしょうか!?」
と、トランプのマークを着けたティアラを着けた5人の少女達(それぞれがピンク色と青色と黄色と紫色と赤色)が、先ほどの3人と同じ格好をして『黒いサイの怪人』を見据える。
『ははははははははははははははは!!! あぁっはははははははははははははははははははははははははははははははははっっ!!!!』
そして、『黒いサイの怪人』の後方に時空の亀裂が生まれ、怪人はソコに吸い込まれた。
「逃がすか!」
「あんにゃろう!」
『仮面の戦士』の2人が怪人を追って亀裂に入り込んだ。
「あっ! 『ーーさん』! 『ーーー』!」
「私達も!」
『ええ!』
ソコにいた7人の少女達も、戦士達を追って亀裂に入り込むと、亀裂がゆっくりと塞がったーーーー。
ー『二亜クリエイション』・FINー
第十三章が終わり、幕間の後に第十四章が始まります。
次章ではゲスト参戦するキャラもいます。
次回、デート・ア・ライブ 指輪の魔法使いと精霊の恋愛譚。
新学期を迎えた士道達。当たり前の平穏な日常は、宇宙から飛来した隕石によって破壊される。
「何じゃこりゃあっ!?」
≪隕石が降ってくるとは、新年早々縁起が悪いなぁ?≫
それは、何と宇宙に漂う精霊、星宮六喰によって。
「うぬの偽善に巻き込まれるのは迷惑じゃ。2度とむくの前に現れるでない」
これまでに無い強い拒絶を受け、士道の心が揺れる。
『貴様。我が散々言ってきた台詞を精霊に言われたからと言って、何だその無様は? やる気あるのか?』
「俺は、六喰と向き合うのが、恐い・・・・」
『ーーーー貴様には、ほとほと愛想が尽きたわ』
士道とドラゴンの間に、またもや(士道が原因で)亀裂が生まれる。それは過去最大の亀裂であった。
「イ、インフィニティにーーーーなれない!?」
最強スタイルに変身不能となった士道と精霊達の前に、再びソーサラー<ウェスコット>の邪悪な魔の手が迫る。
「惑っているといい。ーーーー幻想の、世界の中で」
物語の中に閉じ込められた士道達はさらなる危機に直面したその時、時空を越えた出会いが生まれる。
「・・・・頼りない先輩だな。俺が代わりにやってやるよ!」
[レックス! バディアップ!]
「燃えてきたぜぇっ!」
「俺っちの活躍! 見て見て見てちょうだい!」
「キュンキュンするぅ!」
「ワクワクもんだぁ!」
そして、遂にドラゴンがその力を見せる。
『たまには我も、運動するかっ!』
第十四章 『六喰プラネット』
『さぁーーーー我の戦争<デート>を始めようか!』