デート・ア・ライブ 指輪の魔法使いと精霊の恋愛譚   作:BREAKERZ

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さぁ、ゲストキャラが登場!


集結! 悪役軍団と黒いサイの悪魔

ー士道sideー

 

『き、きゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?』

 

『怪物だぁぁぁっ!』

 

突然現れた世界観があまりに違うモンスターの登場に、舞踏会の参加者達が悲鳴を上げて逃げ惑う。

 

「はいはい皆さん落ち着いてください!」

 

「こっちだよー! 出入り口はこっちだよー!」

 

「押さないでー! 皆押さないでー!」

 

が、参加者達の中から、士道達と歳が変わらない男子と琴里くらいの女の子達が冷静に避難誘導をしていた。

士道達はそんな少年達に目を向ける余裕が無かった。逃げ惑う参加者達に目もくれず、オオカミがノッシノッシと歩みながら、身体に巻いていた包帯を引きちぎりながら、士道達の方へと歩いてくる。

 

『よォォォォォォ、さっきは世話になったな子豚ちゃん共よぉぉ、よくも俺をコケにしまくってくれたなァ?』

 

言って、忌々しげにグルルルルル・・・・と唸り声を上げる。

 

「オオカミ!? 十香のきび団子で大人しくなった筈じゃあ!」

 

『はッ! あんなモン、とっくの昔に消化して、糞になっちまったよ!』

 

オオカミが腹をポン、と叩きながら吠えるような声を響かせる。

 

「きび団子ってそう言うシステムなのかよ!?」

 

士道が思わず叫び声を上げる。城の衛兵達がオオカミに向かって槍を武器に攻撃しようとするが、オオカミが巨木のような腕を一振りすると、衛兵達が一気に吹き飛ばされ、テーブルを巻き込んで壁に叩きつけられてしまった。

 

「はいはい。仕事に熱心なのは感心しますけど、邪魔にならないようにしましょうねー」

 

「脇役はすっこんでいましょうねー」

 

と、避難誘導していた参加者達が、壁に叩きつけられ床に落ちた衛兵達を運んでいった。

 

「あっちゃー・・・・さっすが有名悪役は違うねぇ。とーかちゃん、もっぺんきび団子いっとこうか」

 

二亜が言うと、十香はそれに応じるように頷き、ドレス姿から元の桃太郎の姿に戻ると、腰に付けた袋に手を突っ込んだ。

 

「うむ、任せろ。さあオオカミよ、これでも喰らうがいい!」

 

言って、十香はオオカミの大きな口目掛けてきび団子を投げた。がーーーーきび団子がオオカミの口に届く寸前、空中で静止した。

 

「な・・・・!?」

 

十香が狼狽の声をあげた。するとその空間に、ユラリと黒い衣を纏った鷲鼻の老婆の姿が浮かび上がってきた。

 

『ケケケ・・・・オオカミよ、油断が過ぎるのではないかぇ?』

 

老婆が不気味に笑い、受け止めたきび団子を握り潰す。

するとそれを見た八舞姉妹がハッと息を詰まらせた。

 

「うおっ、貴様は・・・・!」

 

「驚愕。お菓子の家にいた老婆です」

 

すると老婆は、さらに不気味な笑みを濃くした。

 

『ケケケケケケ・・・・そうさ、にっくきヘンゼルとグレーテル。アタシのお菓子の家を食べるだけ食べて、そのまま逃げおって・・・・! よぉく太らせてから食べるつもりだったが、もう我慢ならん。今この場で、頭からバリバリと食ってくれるわい』

 

『ヒャハハハハハハハ! 若ェなバーさん。だが子豚と赤ずきんはオレの獲物だぜェ?』

 

言って、オオカミが哄笑を上げ、琴里がグッと表情を険しくした。

 

「く・・・・オオカミだけでも厄介だってのに、魔女までなんて・・・・!」

 

『あァん? おめェ、何か勘違いしてねェか?』

 

「なんですって・・・・?」

 

琴里が眉根を寄せると、オオカミはニィ・・・・と、耳まで裂けた口の端を持ち上げた。

 

『ーーーー誰が、これで終わりなんて言ったァ?』

 

と、オオカミが言った瞬間。オオカミが突き破った城の窓から夥しい量の海水が流れ込んできて、パーティーホールを水浸しにした。

 

「な・・・・!? これはーーーー」

 

そして海水から急にボコボコと気泡が盛り上がりーーーー1人の年老いた人魚の姿を作っていた。

その姿を見て、美九がビッと指を向ける。

 

「ああーっ! あなたは、私の声を取ろうとした海の魔女さん!」

 

『・・・・カカカ、そうさ。アンタに叩かれた頬の恨み、晴らさせて貰うよぉ。声だけじゃあない。その舌ごと引っこ抜いてくれるわ・・・・!』

 

海の魔女は凄絶な笑みを浮かべる。どうやら士道達に恨みを持つ物語の悪役達が手を組んだようだ。

すると今度は、ドドドドド・・・・と地鳴りのような足音が響いてきたと思ったら、虎柄の腰巻きを身につけた巨大な鬼が、金棒を振り上げて城の壁を破壊し、ホールに入ってきた。

鬼を見て、十香がハッと肩を揺らして声を発した。

 

「む・・・・その姿、まさか鬼ヶ島にいると言う鬼か!?」

 

すると鬼は牙が生えた口を歪める。

 

『応ともよ。いつまで経っても貴様が来ぬものだから、こちらから出向いてやったぞ』

 

「特に恨みもないのに来やがった!?」

 

どうやら十香とまだ遭遇していない様子だ。

だが次々と城のパーティーホールに、オオカミの仲間が集まってくる。ホールの扉が開くと、ドレスを纏った意地悪そうな3人の女が現れた。

 

『おーほほほ! シンデレラ! あなたが舞踏会に行くなんて生意気よォォォ!』

 

「シンデレラの継母と義理の姉・・・・!? って、悪役には違いないけど、鬼とか魔女とかと同じ分類で良いのかお前ら!?」

 

すると今度は、小さな少年が、その場に走ってくる。

 

『王様は裸だ・・・・僕がそう言ったせいで、お父さんは牢屋に入れられてしまった。・・・・でも、それでも! 僕は真実を訴え続ける! 王様は裸だよ!』

 

「『裸の王様』ってそんな重い話だっけ!?」

 

次いで虚空にボッと炎が灯ったかと思うと、その中に暗い目をした老婆の姿が現れる。

 

『我ガ孫ヨ・・・・モットマッチヲ擦ルンダ・・・・ソシテ我ガ下へ来イ・・・・』

 

「『マッチ売りの少女』の死んだおばあちゃん、完全に悪霊になってる!?」

 

と今度は割れた窓から無数のコウモリが入ってきて、寄り集まり、吸血鬼のような形になっていくと、濡れた地面が盛り上がり、ゾンビが現れーーーーさらには、何と形容したら良いのかすら分からない、見ているだけで気が触れそうな怪物までもが出現する。

 

「こ、これは・・・・」

 

「あ、これ多分ウチ。第1部・吸血鬼編のヴァンパイアと、第2部・不死王編のリビングデッドと、第3部・旧き神々編の名伏しがたき方々。ーーーー銀の銃弾が異形を屠る。大人気バトルファンタジー『SILVER BULLET<シルバー・ブレッド>』、週刊少年ブラストにて好評連載中!」

 

「これだから少年誌のパワーインフレって奴は!」

 

気楽そうに言ってくる二亜に、士道は悲鳴じみた声で返した。

 

『そしてぇ! オレ達のボスのおなりだぁ!!』

 

ーーーードゴォォォォォォォォォンンッ!!

 

オオカミが叫ぶと同時に、折紙がいた舞台の床をぶち破り、煙の中から何人もの中東の盗賊団のような格好をした柄の悪い男達が、御輿のような物を担ぎ、さらにその御輿の上にはーーーー“黒いサイの異形の怪人”かふんぞり返っていた。

 

『くっくっくっくっ・・・・! 強き者よ! 我を畏れよ! 弱き者よ! 我を崇めよ! 我こそは『アリババ』こと、〈クロサイ・デッドマン〉なりっ!』

 

「あ、『アリババ』って、『アリババと40人の盗賊』のあのアリババか!?」

 

「ちょっと待ちなさい! アリババは人間よっ!? アレはどう見てもファントムのような怪人じゃないっ!? 自分で〈クロサイ・デッドマン〉って名乗ってるし!」

 

「むう? では、ファントムではないのか?」

 

士道だけでなく、琴里も悲鳴じみた声をあげ、十香が首を傾げた。すると、黒いサイの怪人、否、クロサイ・デッドマンは、くっくっと身体を揺らしながら笑う。

 

『そうーーーー我は貴様らと同じ、“この世界の存在”ではない!』

 

「っ。そうか、〈神蝕篇帙<ベルゼバブ>〉に妙な干渉が起こった時に巻き飲まれた奴か」

 

二亜がこの世界に来てからずっと気になっていた、“妙な干渉”を推察すると、クロサイ・デッドマンは言葉を続ける。

 

『正確に言えば、我は“貴様らの世界の存在”ですらないがな』

 

「何?」

 

『まぁそれはどうでも良い事だ。ーーーーそれよりも、貴様の周りを良く見ると良い!』

 

気づけば、広いパーティーホールには、異形の怪物や悪役達が勢揃いしており、さらにそれらが士道が逃げられないように円状に展開し、ジリジリと距離を詰めてくる。

 

[ドライバーオン プリーズ シャバドゥビタッチヘンシン~♪ シャビドゥビタッチヘンシン~♪ シャビドゥビタッチヘンシン~]

 

「く・・・・! 変身!!」

 

[フレイム プリーズ ヒー! ヒー! ヒーヒー、ヒー!! コネクト プリーズ]

 

士道が〈仮面ライダーウィザード〉に変身すると構え、琴里達もドレスから元の姿に戻った。

そして、〈仮面ライダー〉に変身した士道を見て、クロサイ・デッドマンは驚いたような声を漏らした。

 

『ほう! 〈仮面ライダー〉!? “この世界”にも〈仮面ライダー〉がいるのか!?』

 

「なに?」

 

クロサイ・デッドマンの反応に、ウィザード<士道>は訝しそうな反応を示す。

 

『フッ。これは正に運命と言えるな! お前達! 精々遊んでやれ!』

 

『おおっ!!』

 

クロサイ・デッドマンの言葉に、悪役達が手を突き上げて応えた。

 

 

 

 

 

ー???sideー

 

「あぁ!? あれって〈仮面ライダーウィザード〉じゃない!?」

 

「ありゃ! ホントだ! 前に“カリちゃん”が教えてくれた〈仮面ライダー〉じゃん!」

 

「と言う事は、私達は〈仮面ライダーウィザード〉のいる時代に来たのかしら?」

 

「・・・・いや、俺達の知る〈仮面ライダーウィザード〉の変身者とは似ても似つかない。恐らく、平行世界の〈仮面ライダーウィザード〉だろう」

 

「助けに行きますか?」

 

「・・・・いや、ここは彼に任せて、俺達はアイテムを探そう。さっき衛兵から宝物庫の場所も教えて貰ったしな」

 

そう言って、避難誘導を終えた参加者達の少年少女達は、パーティーホールから姿を消した。

 

 

 

 

ー士道sideー

 

ウィザードに変身したものの、相手は名だたる名作物語の悪役と怪物達。凄まじいプレッシャーを放っていた。しかもこちらはマトモに戦えるのはウィザード<士道>のみ、〈インフィニティ〉になれれば圧勝できるのだが、ドラゴンがいなくそれもできない。何とかしてこの場を離脱できないかと、思案していると。

 

「おのれ、負けるか・・・・っ!」

 

皆が緊張と焦燥と思考で表情を険しくする中、叫びを上げたのは十香だった。手にした刀を閃かせ、床を蹴って、目の前の鬼に飛びかかる。

 

「とりゃぁぁぁっ!」

 

しかし、左右にいた魔女達が魔法を放ち、光弾が空中にいた十香に着弾し、小さな爆発を起こす。

 

「ぐわっ!?」

 

苦悶の声を上げる十香に、鬼が巨大な金棒を振り上げ、十香の身体目掛けてブンと振り抜いた。

 

『ははははッ! 甘いな、桃太郎!』

 

「ぐ・・・・っ!」

 

「十香!」

 

[ディフェンド プリーズ]

 

ウィザード<士道>が防御魔法で金棒を防ぐが、鬼の腕力が凄まじく、2人は防御魔法ごと吹き飛ばされ、海水に満たされた床に叩きつけられる。

 

「がっはっ!」

 

「くぅっ!」

 

「士道!」

 

「と、十香さん・・・・!」

 

精霊達が心配そうな声をあげ、2人の元に向かおうとする。が、それを遮るようにオオカミ達が道を塞いだ。

 

『おォーッと残念、ここは通さねェよ』

 

「ぐ・・・・!」

 

「よ、四糸乃・・・・」

 

「だ・・・・大丈夫です、七罪さん・・・・!」

 

精霊達は悔しそうに、あるいは不安そうに身を寄せ合う。

居並ぶ悪役達はそんな様子を見てか、ニィィ・・・・と笑いを浮かべながら、精霊達に迫っていった。

 

『さァ・・・・観念しなァ!』

 

『ケケケケケケケ・・・・安心おし。ちゃぁんと美味しく食べてあげるからねぇ』

 

『くふふ、人魚の舌はどんな声で鳴くのかねぇ・・・・』

 

「き、きゃあ・・・・っ!」

 

美九が口元を押さえながら、チャプンと水音を立てる。

とは言え、戦慄しているのは美九だけではない。反応は様々ではあるが、皆一様に頬に汗を光らせ、迫り来る怪物達を睨んでいる。

 

「く・・・・てめぇらッ!」

 

ウィザード<士道>は起き上がると、呻くように叫びを上げた。

 

「皆に・・・・手を出すなっ!」

 

[コピー プリーズ] [コピー プリーズ] [コピー プリーズ]・・・・。

 

幾つものコピーを生み出して、魔法を駆使して悪役達と交戦する。この世界では『コネクト』の魔法が使えないのか武器も持てず、蹴りと魔法で戦っているのだ。

しかし、今度は40人の盗賊達が、精霊達に迫り来る。盗賊達は下卑た笑みを浮かべながら、蛮刀の刀身に舌舐めずりしながら精霊達に近づき、蛮刀の切っ先を突きつけて、精霊達の動きを封じた。

 

「皆! くそっ! やめ(ガキッ!)ぐぁっ!!」

 

ウィザード<士道>に突撃したのは、クロサイ・デッドマンだった。本体がやられ、他のコピー達が消滅する。

 

『ほぉーーーー貴様、『魔法の力』を持っているのか?』

 

「て、テメェ・・・・!」

 

『お前達! 少しその娘達を大人しくさせておけ。この仮面ライダーは、我の獲物だ!』

 

ウィザード<士道>が敵意を込めて睨むが、クロサイ・デッドマンはそんなウィザード<士道>の視線など意に返さず、精霊達を包囲している悪役達にそう言ってから、ウィザード<士道>の方を向き、笑っているように身体を震わせながら声を発する。

 

『クククク・・・・! なんて運が良いんだ! 『軍団』と『国』だけでなく、『新たな魔法の力』を手に入れられるだなんてな!』

 

「『新たな魔法の力』・・・・?」

 

『そうだ! 我は『魔法』を求めていた! しかし、我には『魔法の才能』も『魔力』の欠片も存在しないと言われ! 絶望と悲嘆に暮れそうになった! しかぁしっ! ある世界にて『魔法の力』を得た! そして、今目の前には仮面ライダーの使う魔法がある! それさえ手に入れれば、我は遂に手に入る! “『核兵器』もを超越した力”を!!』

 

「『核兵器』って・・・・お前、何を言ってるんだ!?」

 

クロサイ・デッドマンの言葉の意味が分からず、ウィザード<士道>は叫ぶように聞くと、クロサイ・デッドマンは機嫌良く答える。

 

『我には憧れた存在あってな。それはーーーー『陰の支配者』だっ!』

 

「陰の、支配者?」

 

『そう! 表舞台に出る事なく、常に陰から世界を操る裏の支配者! 我はそれになりたかった! その為には先ず『力』が必要だった! そして我は手に入れた! この『悪魔』の力をな!』

 

「『悪魔』の力・・・・? って、お前もしかして、人間なのかっ!?」

 

クロサイ・デッドマンの口ぶりから、もしかして人間なのではないかと考えたウィザード<士道>がそう叫ぶと、クロサイ・デッドマンはさらに愉快そうに声を発した。

 

『その通り! “僕”は元々は人間だった! だが、人間で得られる力には限りがあった! 如何に肉体を鍛えようとも、『核兵器』と言った力の前には無力! 『陰の支配者』たる者! 更なる力を得ようと“僕”は! 『悪魔の力』を手にし! この姿へといたったのだ!!』

 

クロサイ・デッドマンは1人称を“我”ではなく“僕”に変わりながら叫び、それは当然精霊達にも聞こえていた。

 

「あの怪人は、元々人間・・・・!?」

 

「くっ・・・・『陰の支配者』になりたいが故に、人の身を捨てたと言うのか・・・・!?」

 

「うっわ~。『核兵器』を超越したい~とか、『陰の支配者』になりたい~とか、あのサイ怪人、実は中身は少年とそんなに歳が変わらなんじゃないの? しかも、“中二病を拗らせまくった”」

 

「同意。そんなの『人間』の枠からかなり外れた存在です。彼は耶倶矢から頭のネジを10本ほど引っこ抜いたような人物ではないかと思われます」

 

「・・・・それ、かなり質<タチ>と始末の悪いタイプじゃん」

 

驚愕する精霊達だが、二亜と夕弦と七罪はクロサイ・デッドマンの中身が、『重度の中二病患者』ではないかと思い、半眼で呆れ交じりに見ていた。

そんな声と視線に気づかず、クロサイ・デッドマンは大仰に叫ぶ。

 

『『力』は手に入った! この世界で盗賊団の財宝と言う『資金』と! 盗賊団に物語の悪役達と言う『人員』も手に入った! 後は『魔法』も手に入れてから『元の世界』に戻り! 我が作る『組織』にて、世界を裏から支配するっ!!』

 

「おいふざけんな! そんなエゴが通ると思っているのかよっ!?」

 

ウィザード<士道>が叫ぶが、クロサイ・デッドマンは難なく答える。

 

『通るさ。何故なら我はーーーーこのエゴを貫く為に、生きてきたのだからな!!』

 

クロサイ・デッドマンはそう叫ぶと、身体にオーラを纏って、ウィザード<士道>に突撃する。

 

「くっ!」

 

[エクステンド プリーズ]

 

ウィザード<士道>は『エクステンド』で腕を伸ばすと、シャンデリアを掴んでクロサイ・デッドマンの突撃を回避し、そのまま十香達の元へ向かおうとする。

がーーーー。

 

『『ハアッ!!』』

ーーーーバシュンッ!!

 

「ぐぅあっ!!」

 

が、2人の魔女が光弾を放ち、それを受けてしまい、ウィザード<士道>は床に俯せに倒れ、変身が解除された。

 

「シドー!?」

 

「士道の動きがおかしい。ドラゴンがいないのを差し引いても、あまりにもキレが無さすぎる」

 

折紙の分析に、琴里が渋面を作る。

 

「(・・・・まだ六喰の事が消化しきれていない上に、ドラゴンとの絶縁があって、動きに精細さが無くなってるんだわ! 全くウジウジモードになると簡単に戻らないんだから!)」

 

「く・・・・!」

 

そんな琴里の内心に気づかず、士道は身体を起こすが、クロサイ・デッドマンが士道の背中に足を乗せた。

 

『クククク。大人しく我に貴様の『魔力』を寄越すんだな。そうすれば、大事なお仲間は助けてやるぞ?』

 

「(ーーーーこのままじゃ、皆やられる・・・・!)」

 

士道の心臓が、焦燥に激しく脈打つ。十香達に向けて手を伸ばそうとする。

が、不意に、士道の頭の中を、六喰の言葉が過った。

 

【ーーーー仮にむくの力を封印したとして、むくは本当に、ここにいるよりも安全に暮らせるのか? 今までうぬが救ったと言う精霊達は、敵に1度も襲われなかったのか?】

 

「・・・・っーーーー」

 

思わず、十香達に向けて伸ばしていた手が一瞬、止まる。

 

「俺・・・・は・・・・っ」

 

士道は今まで霊力を封印してきた精霊達が、異形の怪物達に襲われる光景。

それを作ってしまった原因の1つが、他ならぬ士道自身なのではないかという考えが、頭を掠めてしまったのだ。

もしも士道が彼女達の霊力を封印していなければ、皆ウェスコットの〈神蝕篇帙<ベルゼバブ>〉に囚われなかったかも知れない。

否、それだけではない。確かに六喰の言うとおり、今まで十香達は、様々な危険に巻き込まれていたのである。

士道は、精霊達を救う為に、「俺がお前の『最後の希望』になる」と嘯き、彼女達の霊力を封印してきた。だがそれによって士道は、彼女達の可能性を消してしまったのではないだろうか。

胸に抱いていた確信に、ヒビが入るかのような感覚。

 

 

 

「(ーーーー俺のしてきた事は、本当に正しかったのか。そもそも『精霊を救う』だなんて、六喰の言うとおり俺の『エゴ』だったんじゃーーーー)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー全く不甲斐ないヤツめが。貴様の浅ましい考え方が、十香達に手を伸ばさない理由にならんだろうが!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーードゴォォォォォォォォォンンッ!!

 

『『グハァァァァァァァァッッ!!』』

 

と。

その時、士道の拙い考えなんて全て見透かしているかのような聞き覚えのありまくる声がホール中に響くと同時に、天井の屋根の1部に穴が開き、影が飛び込んでくると、精霊達の前にまで飛んでオオカミ達は精霊達前に突如として現れた存在に殴り飛ばされ、クロサイ・デッドマンの元に転がった。継母と義理の姉達、子供はその衝撃で目を回して完全に気を失った。

そして、士道は見た。十香達を守るように現れたのは。

 

 

『皆、無事か?』

 

 

『ドラゴン(さん/ハニー)!!』

 

そう。ドラゴンだった。

 

「遅いではないないかドラゴン! もっと早く来てくれると思っていたぞ!」

 

『すまんなぁ。『ヤツら』と一緒に色々と寄り道していたら時間をくってしまった。ーーーーさぁ! 出番だぞ貴様ら!!』

 

ーーーーガシャァァァァァンッ!!×3

 

『『『とぉっ!!』』』

 

ドラゴンが叫ぶと、城の窓を突き破って、3人の異形が現れた。

ホール床に着地し、走り出した3人は、クロサイ・デッドマンに手にしていたレイピアで突き刺した。

 

ーーーーザシュン!×3

 

『ぐぁあああああっっ!!』

 

クロサイ・デッドマンは不意に攻撃を受けて、士道の背中から足を退けて吹き飛ぶと、まだ熱が抜けていないスープが大量に置かれたテーブルを破壊して倒れ、テーブルに置かれたスープを身体中に浴びた。

 

『アッチィィィィィィィィィィィィッッ!!!!』

 

先程まで大仰さが全てを吹き飛ぶような悲鳴を上げるクロサイ・デッドマン。しかし、士道も、そして精霊達も、それを気が向いていなかった。

何故なら、先程クロサイ・デッドマンの吹き飛した3人に、見覚えがあったからだ。

黒と黄色と赤のその異形の3人はーーーー。

 

「あ、〈アクマイザー〉っ!?」

 

そう、フォルムが禍々しさが無くなりヒロイックな姿にいたが、ソコにいるのは間違いなく、ザタン、イーラ、ガーラの〈アクマイザー〉だった。

 

『違う! 俺達は〈アクマイザー〉ではない!』

 

ザタン(?)らしき異形を中心に、3人の悪魔達が片手を重ねる。

 

『俺の名はーーーー〈ザビタン〉!』

 

『拙者はーーーー〈イビル〉!』

 

『ワイはーーーー〈ガブラ〉!』

 

重ねた手首に自分のレイピアを乗せていく。

 

『ザラード!』

 

『イラード!』

 

『ガラード!』

 

『『『輝けジャンケル!!』』』

 

そして、3人は、レイピアの切っ先をあわせ、天高く掲げた。

 

『『『我ら! 〈アクマイザー3〉!!』』』

 

「ぶっっ!!?」

 

『あ、〈アクマイザー3〉・・・・!?』

 

士道と精霊達は、突然名乗りを上げた〈アクマイザー3〉に、驚愕に目を見開く。

が、七罪だけは、何故か盛大に吹き出してから、顔を隠して四糸乃の背中に隠れた。

と、次にホールに別の人間の声が響いてきた。

 

「・・・・頼りない先輩だな。俺が代わりにやってやるよ!」

 

突然現れたのは、士道と同い年くらいの少年と異形の怪人、琴里や四糸乃と七罪と同い年くらいの9人の女の子達。

 

「お、お前ら、何なんだ?」

 

「俺の名前は『嵐山輝二』。ま、“別の世界からやって来た後輩とそのオマケ軍団”、ですかね」

 

『誰がオマケ(なの/ですか)!?』

 

少年の言葉に、少女達の大半がツッコんだ。

 

[リバイスドライバー!]

 

「さて、お披露目といきますか!」

 

[レックス!]

 

「燃えてきたぜぇっ!」

 

「俺っちの活躍! 見て見て見てちょうだい!」

 

『嵐山輝二』と名乗った少年が『スタンプ』のような武器を持つと、上のボタンを押した時、音声が流れた。

 

「はぁ・・・・」

 

その音声の後スタンプに息を吐くと、そのままドライバーにスタンプを押し込む。

 

[Come On!レ・レ・レ・レックス! Come On! レ・レ・レ・レックス!]

 

『嵐山 輝二』の後方に、スマホのラインのような映像が現れる。

 

ーーーーイエィイエィ! 大活躍だぜ!

 

ーーーーあの先輩、何ウジウジしてんだか。

 

ーーーー根性無しの先輩に、後輩の力見せちゃおうぜ!

 

ーーーーそれじゃいくぜバイス!

 

輝二に異形の怪人が入り込むと、怪人は下半身が輝二に繋がった状態で現れ、その手には巨大なスタンプを手に持っていた。

 

「変身!」

 

≪ソイヤッ!≫

 

[バディアップ! オーイング! ショーニング! ローリング! ゴーイング! 仮面ライダー! リバイ! バイス! リバイス!]

 

輝二はそのままスタンプをベルトに挿入し、スタンプを横に傾けると!輝二の身体は巨大なスタンプに押し潰されるように、スタンプの中に入った。スタンプの中はまるで培養液のような液体に満たされ、輝二の姿が歯を剥き出しにして威嚇しているようなギザ歯状のクラッシャー。ピンクと水色の体色に、つり上がった赤い瞳が特徴的な姿へと変わっていく。

そして、それに合わせるように、怪人もティラノサウルス・レックスを思わせる被り物を付けて現れる。

 

『なっ!?』

 

驚く士道達を尻目に、怪人が陽気に声を上げた。

 

「イエィ! おれっちは『バイス』。そしてこっちは『リバイ』。二人合わせてぇ~・・・・『仮面ライダーリバイス』だぜぇッ!!」

 

「キュンキュンするぅ!」

 

「ワクワクもんだぁ!」

 

「おらマナにみらい、お前らもだ」

 

「うん! 六花! ありす! まこぴー! 亜久里! 行こう!」

 

『ええ!』

 

スマホのようなアイテムに変身し、5人の少女達が手に取る。

 

「「「「プリキュア・ラブリンク!」」」」

 

そう言って、アイテムの画面に指を置き。

 

[L・O・V・E]

 

すると、スマホが輝き少女達の体が光り輝き、1人の髪が金色のポニーテールに、3人の少女達も髪が長くなり、髪型が変わり、四人の衣装がそれぞれ、トランプのハート、ダイヤ、クラブ、スペードの意向がつけられていた。

 

「プリキュア・ドレスアップ!!」

 

1番年下の女の子は、赤ちゃんが出したアイテムを使い、台座にビーズをはめこみ、烈火に包まれると、その身体が他の少女達と同い年にまで成長した。

 

そして少女達は5人は美しい戦士へと変身すると、それぞれが両手でハート、ダイヤ、クラブ、スペード、エースの形を作る。

 

「みなぎる愛! キュアハート!」

 

「英知の光! キュアダイヤモンド!」

 

「ひだまりポカポカ! キュアロゼッタ!」

 

「勇気の刃! キュアソード!」

 

「愛の切り札! キュアエース!」

 

「「「「「響け! 愛の鼓動! ドキドキプリキュア!!」」」」」

 

「リコ! はーちゃん! 私達も!」

 

「「うん!」」

 

続いて、みらいと呼ばれた少女は、もう1人の女の子と互いに手を取って繋ぎ合う。

 

「「「キュアップ・ラパパ!」」」

 

繋ぎ合った手とは反対の手を天に掲げ叫ぶと、クマのぬいぐるみが飛び出した。

 

「「ダイヤ!」」

 

すると、二つのペンダントが一つとなってぬいぐるみへとセットされた。

 

「「ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!!」」

 

呪文とともに光が二人を包み込み姿が見えなくなり、魔法陣が浮かび上がって中から二人が飛び出すと、髪が長くなり、髪型が変わり、衣装もそれぞれピンクと紫色に変わる。

 

「エメラルド! フェリーチェファンファン・フラワーレ!」

 

少女がスマホのようなアイテムを使うと、髪が伸びて長い三つ編みとなり、緑色の衣装に変わる。

 

「ふたりの奇跡!キュアミラクル!!」

 

「ふたりの魔法!キュアマジカル!!」

 

「「魔法つかいプリキュア!!」」

 

「あまねく命に祝福を、キュアフェリーチェ!」

 

三人が変身を終えると、ハートが前に出る

 

「愛を忘れた悲しい悪役さん達! このキュアハートが、あなた達のドキドキ取り戻して見せる!」

 

「この可愛い子ちゃん達は、俺っち達の世界で伝説の戦士と呼ばれる〈プリキュア〉ちゃん達でーす!」

 

最早驚き疲れそうになる士道達にバイスと名乗った怪人の〈仮面ライダー〉がそう言った。

ただ1人、美九だけが、美しく変身した少女達に「きゃぁぁぁ!!」と歓声を上げていたが。

 

『ーーーーふっ、こんな所まで追いかけてくるとは、流石はしゅくーーーー』

 

ーーーーウルトラマンノチカラヲチャージシマス。

 

ーーーーヘァッ!!

 

ーーーーバシュゥゥゥゥゥゥゥンッ!!

 

『あじゃぱぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!』

 

スープまみれになってクロサイ・デッドマンが立ち上がって何かを喋るのを遮るように、音声が流れると、光線がクロサイ・デッドマンは情けない声をあげながら壁に叩きつけられた。

すると今度は、40人の盗賊達の間を、“緋色の影”がすり抜けると・・・・。

 

ーーーーバタッ・・・・。

 

何と、盗賊達は全員、気を失った。

“緋色の影”が光線が飛んで来たエントランスに戻り、一同がソコに目を向けると、光線銃を構え外套を纏った青年と、クナイを持ち、軽装の忍者装束を纏う少年が立っていた。

 

「むっ!?」

 

「えっ?」

 

『はい!?』

 

「うそ・・・・?」

 

「のええっ!?」

 

「驚愕。あれは!」

 

「なんですとー!?」

 

「どうなってんの!?」

 

「っ!?」

 

「どっしぇーっ!?」

 

「な? は? えぇっ?」

 

精霊達が驚き、特に驚いたのは士道だ。何しろ光線銃を構えている青年はーーーー。

 

「お、俺ぇっ!!?」

 

「・・・・・・・・こんな形で、“平行世界の自分”に会うとはな」

 

大学生くらいの年齢になったーーーー“五河士道”だった。

 

『お前・・・・何者だ!』

 

クロサイ・デッドマンが戦慄を乗せて叫ぶと、五河士道(?)は外套を脱ぐと、黒と赤に白いラインが入り、右胸に『X』の文字がある隊員服を着ていた。

 

「俺は『五河士道』。通りすがりの防衛チーム所属の大学生! そしてこちらは・・・・」

 

「『暁月理巧』。通りすがりの忍者さ!」

 

『五河士道』と『暁月理巧』は、武器を構えて声を上げた。

 




ゲストキャラ紹介。

『仮面ライダーリバイス 悪魔と伝説の狂想曲』から、〈仮面ライダーリバイス〉こと『嵐山輝二』と『バイス』、『ドキドキプリキュア』と『魔法使いプリキュア』。
『光に選ばれし勇者達』、『デート・X・アライブ』の『五河士道』と〈ウルトラマンエックス〉。
同じく『光に選ばれし勇者達』が原案の『閃乱ジード』から〈ウルトラマンジード〉こと、『暁月理巧』です。
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