デート・ア・ライブ 指輪の魔法使いと精霊の恋愛譚   作:BREAKERZ

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交渉・狂三

ー士道sideー

 

「ーーーー道さん、士道さん」

 

「・・・・・・・・・・・・!」

 

狂三に名を呼ばれ、士道はハッと目を見開いた。

 

「え・・・・、あ・・・・れ・・・・?」

 

呆然と声を漏らし、辺りを見回した。

今士道が立っているのは、士道が通う来禅高校の屋上。夕陽に彩られ、美しい狂三が立っていた。

ソコまで認識してから、士道の頭の中には、ふと自問めいた思考が浮かび、シバカれるのを忘れて、思わずドラゴンに問うた。

 

「(ーーーーなぁ、ドラゴン。俺は、ずっと屋上にいたよな?)」

 

そう。士道は数秒間意識が盗まれ、その後再度初めから記憶を辿られたかのような『違和感』。ゲームで言う処のリセットボタンでも押されたかのような感覚だった。

 

《・・・・・・・・》

 

「(ドラゴン・・・・?)」

 

《・・・・今は〈ナイトメア〉に集中しろ》

 

「大丈夫ですの、士道さん」

 

「あ、ああ・・・・すまん、少しボーッとしてーーーー」

 

狂三に話しかけられ視線を向けた。

がーーーーそこでまたも、奇妙な『違和感』に襲われる。

夕陽を背負った狂三の姿が、先ほどまでと少し異なって見えた。否・・・・正確に言うのなら、何処でどう変わったという訳ではないが、何と言うか、いつも超然と余裕を纏っている狂三の顔に、僅かばかりの疲弊が見えたような気がした。

 

「狂三・・・・? お前、何か・・・・」

 

「ーーーーあら、あら?」

 

士道が言いかけると、狂三はピクリと眉の端を揺らした後、いつものような調子で声を発してきた。

 

「何かわたくしにおかしな処でもございまして?」

 

「・・・・あ、いや」

 

一瞬にして狂三が、士道の知る狂三の顔に戻り、士道は思わず言葉を濁した。

確かに様子が違って見えたのだが・・・・具体的に何処がどう違うと指摘できるようなレベルでは無かったのである。

 

「ーーーーさて、では話を整理いたしましょう」

 

そんな士道の思考を知ってか知らずか、狂三は大仰に身振りを加えながら話を続けていく。

 

「わたくしの目的は、以前と何も変わっておりませんわ。士道さんがその身に蓄えた精霊の霊力と、ドラゴンが練り上げた霊力と魔力の融合エネルギー・・・・それらを頂きたいだけですの。復学の理由も至極単純。先の六喰さんを封印した事により、お2人の身体には実に10人分もの霊力が蓄積されていますでしょう? うふふ、そろそろ頃合いかと思いまして」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

士道もドラゴンも、狂三から視線を外さず、無言を以てそれに応えた。つ・・・・と、頬を1筋、汗が伝わっていく。

それはつまり、士道とドラゴンを霊力ごと食らうという事でありーーーー2人の死と同義である。いくらお人好しの士道でも、許容できない。

とは言え、狂三もそんな事は重々承知しているだろう。妖しい仕草で指を1本自分の唇に触れさせ、ニィと笑いながら続けてくる。

 

「そして士道さん達の目的は、わたくしの霊力を封印する事・・・・そうですわよね?」

 

「・・・・、ああ。ただ、それだけじゃ不十分だな」

 

「と、仰いますと?」

 

士道の言葉に、狂三が小首を傾げ、士道はビッと指を突きつけた。

 

「お前の霊力を封印して、今までの罪を償いをさせてーーーーその上で、お前に幸せな生活を送ってもらう。それが俺の、俺達の究極目標だ」

 

「あら、あら」

 

士道が言うと、狂三は可笑しくてたまらないと言った調子で身を捩った。

 

「うふふ、士道さんは本当に甘くてお優しいですわね。ーーーーですが残念ながら、わたくしはそれを受け入れる訳にはいきませんわ。士道さんの基準で言う『幸せな生活』に興味がない訳ではありませんけれど、わたくし、霊力を失う訳にはいきませんの」

 

狂三が、唇に当てていた指をスッと前に掲げる。

 

「さて、困りましたわね。わたくしと士道さんにドラゴンさん、双方の望みは正に平行線。このままではどちらの希望も叶わぬまま、無為に時が過ぎゆくばかり・・・・」

 

すると狂三はもう片方の手でも人差し指を立てると、先に掲げた指へと近づけると。

 

「ねぇ、士道さん」

 

妖艶に微笑んで、狂三が指と指のを触れ合わせる。まるでーーーー口づけをさせるかのように。

 

「このまま2つの線が永遠に交わらず、双方の希望が宙に浮いたままでいるよりも、片方の望みが成就した方が良いとは思いません事?

ーーーー例え、それによってもう片方が、全てを失う事になったとしても」

 

狂三が小首を傾げるような所作で言う。

 

「・・・・っ」

 

士道は、その言葉に含まれた剣呑な雰囲気を察して身体を硬直させ、数瞬の間、辺りに緊迫した空気が流れる。

しかし、そんな空気を作り出した狂三は、1人クスクスと笑ってみせた。

 

「そう構えないで下さいまし、士道さん。言った筈ですわよ。わたくしは、力づくで士道さんとドラゴンさんの力を奪うつもりはございませんわ。そんな事をすれば、ドラゴンさんが即座に士道さんの身体の所有権を無理矢理に奪い、わたくしと全面対決をするでしょうから」

 

《ーーーー良く分かっているな》

 

「・・・・じゃあ、一体どうやって」

 

疑わしげな目で士道が問うと、狂三はその質問を待っていた、と言うように大仰に手を開いてみせた。

 

「うふふ、ソコは士道さんの流儀に則って差し上げますわ」

 

「え・・・・?」

 

《・・・・・・・・》

 

「ふふ」

 

狂三はその場でクルリと身を翻すと、ステップを踏むようにトン、トンと靴底で床を打ち鳴らした。

 

 

 

「ーーーーわたくしと士道さん。"相手をデレさせた方の勝ち"・・・・と言うのは如何でして?」

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・へっ?(バシンっ!) ズゴックっ!?」

 

予想外の提案に、士道は啞然とした声を発し、空かさずドラゴンのド突きが炸裂し、妙な悲鳴を上げながら問い返す。

 

「デレさせた方の・・・・勝ち?」

 

「ええ、ええ」

 

狂三が囁くように言うと、ゆっくりと士道に近づき、ドラゴンがいつでも士道の身体を操作して、この場から離脱できるように身構える。

 

「わたくしは、まだ暫くこの学校に通うつもりですの。その間にわたくしが士道さんに恋をしてしまったら、わたくしは自身の霊力を士道さんに捧げますわ。

・・・・でェ、もぉ、もし士道さんが先にわたくしに恋をしたなら、わたくしの勝ち・・・・その時は、ドラゴンさん共々、士道さんを『頂き』ますわ」

 

「お前な・・・・俺は負けたらドラゴンも巻き込んで死ぬって分かってるのに、お前に惚れた、だなんて言う筈無いだろ。そんな勝負成立する筈が」

 

「ーーーーそうですかしら?」

 

狂三が言葉を遮るように、妖艶な手付きで士道の顎をクイと持ち上げた。

 

「わたくしには・・・・ありますわよ? 命を捨ててでもわたくしに尽くしたいと思わせる自信が」

 

「・・・・ッ!」

 

自信に満ちた狂三の言葉に、思わずゴクンと息を呑む。

狂三はフフッと微笑むと、上目遣いになりながら士道の顔を覗き込んできた。

 

「士道さんには、ありませんの? わたくしを虜にする自信が。己の全てよりも、士道さんを選ばせる自信が」

 

「俺、は・・・・//////////」

 

《ーーーーアッサリとトキメクな、このビッグマウスなクソチョロゴミ雑魚童貞坊や》

 

ーーーーバシィィィンン!!

 

「アプサラスっっ!!?」

 

選択を誤れば死ぬかも知れない恐怖感と、目の前の少女の妖艶な手管に、威勢のいい事を言った舌の根が乾かぬ内に心奪われそうになるトキメキが複雑に絡み、心臓がドクン、ドクンと激しく脈打つ士道の脳天に、ドラゴンのド突き(威力激強)が炸裂した。

狂三は頭を抑えて蹲る士道の反応を面白そうに、クツクツと笑みを浮かべる。完全に手玉に取られていた。

そんなチョロい士道に呆れながら、琴里が注意を促すようにインカムから声を響かせる。

 

《落ち着きなさい、士道。あの狂三がこんな『条件』を出してくるなんて妙よ。何か裏があるかも知れないわ。令音、急いで解析をーーーー》

 

が、その瞬間。インカム越しにけたたましいアラームが鳴り響き、琴里の言葉が中断された。

 

《一体何よ、こんな時に!》

 

《司令、この反応を!》

 

《な・・・・これは・・・・ッ!?》

 

狼狽に満ちた琴里の声が聞こえたかと思うと、次いでザザッとノイズが走り、インカムからの音声が聞き取れなくなってしまった。

 

「・・・・!」

 

インカムを小突くも、反応はない。

 

「(ドラゴン!)」

 

《通信が切れたか。チッ、トコトン役に立たない能無し共めが。ーーーーまぁ、安心しろ。向こうで問題が起こった訳ではない。貴様は〈ナイトメア〉に集中しろ。いつまでも"昔のままではないのだろう"?》

 

ドラゴンがいつもの調子で言う。〈フラクシナス〉との通信が途絶すると言うのは、夜の海で灯台を見失う事と等しかった。例え、精霊攻略では精神状態と好感度測定以外、てんで役に立たない奴らでも。

しかし、一応の絶体絶命な状況なのに、士道の心には焦燥や狼狽よりもーーーー高揚と使命感が強く渦巻いていた。

そう。今士道は、時崎狂三を口説くチャンスを与えられているのだ。

きっと昔の士道なら、恐怖に尻込みしてしまい、ドラゴンに呆れられていただろう。

きっとかつての士道なら、判断を迷いドラゴンに縋っていただろう。

しかし今ここに立っているのは、昔の士道ではない。かつての士道ではない。

実に10人もの精霊をデレさせ、彼女達の『希望』となり、その力を封印してきた魔法使いなのである。

十香が、四糸乃が、琴里が、耶俱矢が、夕弦が、美九が、七罪が、折紙が、二亜が、そして六喰が、士道を支えてくれているかのような感覚。

 

《・・・・・・・・・・・・・・・・(コクン)》

 

そして何よりも、チラッと自分の隣を一瞬目を向けると、ソコにーーーー最悪で最強で、最高の『相棒‹ドラゴン›』が側にいて、「好きにしろ」と頷いてくれている感覚。

今狂三から目を背けては、士道を信頼して力を託してくれた彼女らに、捻くれているが力を貸してくれる相棒に合わせる顔がない。

 

「ーーーー分かった」

 

士道が狂三に『ドライバーオンウィザードリング』を嵌めた拳を突き付けると、二ッと唇の端を上げてみせる。

 

「その勝負、受けて立つ。お前に、お前の全てより、俺を選ばせてやるーーーー俺がお前の、“最後の希望”になってやる」

 

狂三を始めて攻略する時も言い、結局できなかったその言葉を改めて言うと、狂三は楽しげに笑みを濃くした。

 

「うふふ、ふふ。それでこそ士道さんですわ。それでこそ、わたくしが認めた方ですわ」

 

言ってクルリと身を翻しーーーー狂三は戯けるように開戦を宣言した。

 

 

 

 

 

「さあーーーーわたくし達の戦争‹デート›を、始めましょう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーーくぬっ!」

 

夜。五河家に帰宅していた士道は、帰宅してきた琴里が勢い良く士道の鳩尾にパンチを繰り出した。

 

『なんの!』

 

「(グギッ!)ぎゃぁッ!!」

 

完全に不意を衝かれた士道だが、ドラゴンが身体を操作し、身体をエビ反りにしてその拳を回避した。その際、背中から嫌な音と激痛が走り悲鳴を上げた。

 

[ドラゴライズ プリーズ!]

 

腰を押さえながら、ドラゴンの思念体を身体から出した士道は琴里に話しかける。

 

「な、何するんだよ、琴里・・・・!」

 

「何するんだよ、じゃないわよ! 分かってるの!? 負けたらドラゴンと心中するのよ!?」

 

『イザという時に使い物にならなかった癖に随分と偉そうに吠えるなぁ?』

 

「おいドラゴン。・・・・、琴里の言いたい事も分かってるよ。でも、あの状況じゃーーーー」

 

琴里はフンと鼻を鳴らすと、苛立たしげにクシャクシャと頭をかいた。

 

「ああもう、私だって分かってるわよ。狂三の話を受けざる得なかった事くらい。受けなかったら、彼女が強硬手段か、また行方を眩ませるって事くらい。でも、頭で理解できるのと納得出来るのとは別! この馬鹿兄、相変わらず自分の身を顧みないし、陰険トカゲは止めないし・・・・!」

 

「お、お前なぁ・・・・」

 

『・・・・・・・・』

 

士道が頬に汗を垂らし、ドラゴンは士道のスマホを器用に持ってチェスゲームを始めると、琴里は親指を自分の方に向けてきた。

 

「ん」

 

「・・・・ん、って。何だよ一体」

 

「1発、返しときなさい。・・・・士道が決断を迫られた局面で通信を途絶えさせるだなんて、サポート役に在るまじき失態だったわ」

 

「おいおい・・・・」

 

士道は困り顔を作った。琴里はたまに、こういう男前なケジメの付け方をする事がある。それはそれで琴里の良い処だと思うのだけれど、いくらなんでも本当に叩く訳にもいかない。お兄ちゃんは妹に甘いものだ。

 

『あまり気にするな。貴様らがサポート役として役に立つのは精霊の生活保証だけで、攻略にはクソの役にも立たない上に足を引っ張るのは毎度の事だろう?』

 

「そうだぜ琴里。いつもの事何だから気にするなよ」

 

「・・・・あなた達、フォローしているつもりのようだけど、死体蹴りをしているって自覚ある?」

 

片眉をヒクつかせながら、琴里は半眼で見据える。どうやら引かないようだ。このまま誤魔化すと琴里は負い目を残したままになってしまうような気がする。チラッとドラゴンを見ると、スマホから顔を覗かせ、「気の済むようにさせてやれ」と、視線を向けてきて、士道はフウと息を吐くと、琴里と向き直った。

 

「・・・・仕方ない。本当に良いんだな、琴里」

 

「ええ。来なさい」

 

琴里が無防備を示すのように手を広げる。

士道はスウッと息を吸うとーーーー。

 

「うりゃっ」

 

両手を素早く琴里の脇に差し入れ、コチョコチョコチョコチョコチョコチョ・・・・と激しく指を動かした。

 

「なッ!? ちょ、待っ・・・・あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃッ!? ゲラゲラーン! イゲラノドンッ!?」

 

琴里が身を捩って苦しげな笑い声を上げながら、奇妙な事を口走る。士道はソファに倒れ込んだ琴里を執拗にくすぐり続けた後、パン、パン、と手を叩いた。

 

「ふっ。まあ、これくらいにしておいてやろう」

 

「じ、じゅるいわよ・・・・ひどう・・・・」

 

士道が芝居がかった調子で言うと、笑い疲れた琴里が、息も絶え絶えと言った様子で弱々しい声を上げた。

と。

 

「ーーーーシドー、邪魔するぞ!」

 

丁度そのタイミングで扉が開かれたかと思うと、隣の精霊マンションと自宅へ着替えに行っていた十香と八舞姉妹と折紙が、それと一緒に四糸乃、七罪、六喰、四糸乃達の遊び相手のプラモンスターズ、ついでに市内の自宅に住む二亜と美九が、そして〈ラタトスク〉から令音にまでも勢揃いしてリビングに入室してくる。恐らく琴里が、今日の出来事を話す為に呼んだのだろう。

 

「・・・・ん?」

 

さしてそこで、リビングの中に士道とスマホを持ったドラゴンと、ソファに横たわり涙目で身体を小刻みにビクンビクンと痙攣させている琴里の姿を認めた。

 

「あ、いや、皆これはだな・・・・」

 

また誤解されると思った士道はソチラに向き直り説明しようとするが、それよりも一瞬早く琴里がガバッと身を起こしたかと思うと、夕弦にハッシと抱き着いた。因みに1番近くに立っていたのは美九だったのだが、それは華麗なステップで通り抜けていた。

 

「ふぇぇーん! 皆・・・・士道が、士道がぁ・・・・っ!」

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

そしてわざとらしい泣き真似をしながら夕弦の豊満な胸に顔を埋める。琴里らしからぬ反応なのだが、精霊達はキョトンとした顔で首を傾げる。

 

「い、いや、皆違うだ! これは・・・・!」

 

と、説明しようとする士道は、ソコでハッと肩を揺らした。琴里は「士道が」と言っているだけで、その他に何も言っていない。しかも、夕弦に縋るように抱きついていた琴里がチラと士道の方を見て、ニヤリと唇の端を上げていた。

 

「(! はかられた!)」

 

と、士道が顔を青ざめそうになるが、こういう時に1番声を発する十香が、何も言わず、さらに他の精霊達も夕弦に抱きついている琴里に集まる。

 

「あれ? 皆?」

 

「うえぇぇーん!・・・・ん?」

 

精霊達の行動に首を傾げる士道に、周りの様子に気づいた琴里も顔を上げたその時、夕弦が琴里の両脇に両手を走らせーーーー。

 

「秘技。八舞式クスグリ術。コチョコチョ、コチョコチョ、コチョコチョコチョコチョ・・・・・」

 

激しく指を動かした。

 

「ふはっ! ちょ! ゆづ、あひゃ! あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ! にゃにゃ、にゃにするのーーーー!?」

 

「参戦。皆もどうぞ」

 

「くくく、覚悟せい琴里。八舞式クスグリ術2連ぞ! コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!」

 

次に耶俱矢が、琴里の両脇腹に両手を走らせ指を激しく動かした。

 

「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! か、耶俱矢!? にゃ、にゃにしてんにょほほほほほほほほ!!」

 

「ほれ、十香に四糸乃によしのんも」

 

「うむ!」

 

「は、はい・・・・」

 

『ぬっふふふ、よしのんの超絶技で琴里ちゃんを昇天させちゃうよん♪』

 

十香と四糸乃(と言うかよしのん)は羽根ペンのような物を持って、琴里の首筋を優しく擦る。

 

「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ! ちょっ!? にゃんで十香に四糸乃までっ!?」

 

「はいは〜い、では私は琴里さんの足の裏を」

 

「にしし、くすぐってあげるよん妹ちゃん♪」

 

さらに美九と二亜が琴里の足を待ちあげ、足の裏を人差し指でくすぐっていく。

 

「ワヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!! ちょっと美九に二亜! にゃにしてんのよっ!?」

 

六喰と令音はそんな様子を並んで見ており、プラモンスターズは六喰と令音の肩に乗る。

涙目になりながら笑い続ける琴里に、折紙と七罪がスマホを操作すると、ある画像を折紙が士道に、七罪が琴里に見せた。ソコにはデカデカと。

ーーーー【速報! 兄にくすぐりされて喜ぶ趣味に目覚めた変態司令官!】、【皆も琴里をくすぐって喜ばせてあげなさい】。

と、士道が琴里をくすぐる姿が撮られており、まるでニュース速報のように編集されていた。そして、映像の角度からしてこれはーーーー。

 

『♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜』

 

鼻歌混じりに士道のスマホを弄っていたドラゴンが、それはそれはゲスい笑みを浮かべながら、スマホに映された士道と琴里の姿が写っていた。

 

「ドラゴン・・・・お前な・・・・」

 

『兄妹仲睦まじい姿を皆にも見せようと思ってなぁ』

 

士道を貶す時は琴里と阿吽の呼吸をするが、琴里を弄る機会を見逃さないのがドラゴンなのだ。

3分後にくすぐりが終わり、10分後に痙攣から回復し目から光を消し、殺意の波動を纏った琴里が『カマエルブレイカー』を持ってドラゴンを抹殺しようとするが、ドラゴンは余裕にヒラリヒラリと回避していた。

さらに、何故か琴里の靴下とブラが無くなっており、容疑者2人を捕まえ、後に『二・九事件』と呼ばれるようになるのだが・・・・それはまた別の話である。

 

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