デート・ア・ライブ 指輪の魔法使いと精霊の恋愛譚 作:BREAKERZ
ー士道sideー
「と・・・・十香? 十香なのか?」
先程まで反転していた十香が、一瞬の内に元の十香に戻っており、士道は呆然と声を発した。
「む・・・・? どうしたのだシドー。私は私に決まっているのではないか」
十香が不思議そうな顔をして首を捻ってくる。士道は慌てて誤魔化すように笑ってみせる。
「そ、そうだよな。はは・・・・」
「そうだぞ。何を言っている・・・・のだ・・・・?」
と、ソコで十香が何かに気付いたように目をパチクリさせた。そして、ゆっくりと視線を下方ーーーー髪と水滴のみが纏わり付いた自分の身体へと落としていく。
「な・・・・っ!? ななななんだこれはシドー! 何故私はこんな格好をしているのだ!?//////////」
十香は顔を真っ赤にしながら叫びを上げると、身体を覆い隠すようにその場にしゃがみ込んで、士道とギャーギャーと騒ぎ合うと、十香は真っ赤な顔で士道を見上げながら、唇を尖らせた。
「・・・・むう・・・・そうか。何やら訳が分からぬが・・・・シドーがそう言うのならば信じよう」
「と、十香・・・・」
「シドーはおなごの服を脱がせる事はあっても、嘘を吐くなんて、そんな嘘が上手な亀のように、弁が立つ切れ者でもないからな・・・・」
「・・・・お、おう。ありがとう・・・・で良いのかな?」
士道は困惑気味に眉毛を寄せながら頬をかいた。
遠回しに馬鹿扱いされた気がする。何気に十香もドラゴン‹兄役&父親役›の影響を少なからず受けているようだ。
・・・・しかし、あながち間違っていないんだけに否定はしづらかったが。
兎に角、十香をこのままにしておく訳にはいかない。士道は洗面所に向かうと、バスタオルを1枚持ってきて、十香の身体にかけてやった。
「おお・・・・ありがとうだ、シドー」
「気にすんなって。早く体を拭いて着替えてきた」
「うむ。何しろ、久々のデェトだからな・・・・!」
十香が、バスタオルを器用に身体を巻き、スックと立ち上がりながら言う。
士道は一瞬思案を巡らせた。
「(ーーーー確かに俺の目的は十香をデレさせて霊力を封印する事だけど、澪の霊結晶‹セフィラ›を奪ったのは反転十香だから、今の十香とデートして大丈夫なのか?)」
とは言え、そんな考えが過ぎったのも極僅かな間だ。
「ーーーーおう、楽しみだな」
十香の無邪気な笑みを向けられた士道に、そう返す以外の選択肢は存在しなかったのである。
ー琴里sideー
「ーーーー士道、士道! 応答してちょうだい!」
〈フラクシナス〉艦橋の艦長席に腰掛けた琴里は、マイクに向かって幾度も呼び声を発していた。
しかし、艦橋に設えられたスピーカーからノイズのような音が響くばかりで、応答らしきものは一向に返ってこない。それ処か、士道に随行していた自律カメラからも、映像が送られて来なくなったしまった。要は、反転十香の懐にいる士道と、一切のコンタクトが取れなくなってしまったのだ。
「く・・・・一体何があったって言うの!?」
「ーーーー十香の霊力値が上がった瞬間、通信機と自律カメラが破壊されました。ほぼ間違いなく、十香の仕業かと」
艦長席の隣に控えた少女ーーーーマリアが、難しげに顎を撫でながら言ってくる。琴里は眉毛を寄せながら、咥えていたチュッパチャプスに歯を立てた。
「新しい自律カメラは?」
「それもーーーー」
「先程から送っていますが、観測圏内に入った瞬間に破壊されます。恐らく、人員を送っても結果は同じかと」
マリアの声を遮るように答えてきたのは、マリアの反対側に控えた副司令・神無月であった。こちらも深刻そうな表情を作り、ノイズが表示されたメインモニタに顔を向けている。
しかし何やらどことなく、その声の調子からは、マリアへの対抗意識が感じ取れた。実際、台詞を横取りしてからマリアに視線を送り、ニヤリと唇の端を上げていた気がする。
琴里はまだ知らないが、神無月はマリアに、“副司令の座を奪われる”、と思って対抗しているのだ。唯でさえ以前までは、琴里の親友にして、他のクルー達からも信頼され、『〈フラクシナス〉のマドンナ』とも言われた村雨令音解析官がおり、何度か多くのクルー達が「村雨解析官が副司令なら良いのになぁ」、と陰口を叩かれていた。
それはそれで陰口に興奮していた神無月だが、「村雨解析官がその気になってしまえば、副司令の座を、司令から最も罵倒されやすく、司令から最も足を踏まれやすい、私が苦労して手に入れたこの素晴らしいポジションを奪われるのでは!?」、と一抹の不安も抱いていた。
しかし、その村雨解析官がいなくなり、これでこの副司令のポジションは、琴里の右腕のポジションは自分だけのものになった。
と、思ったら、ポッと出のメカ娘であるマリアが脅かしに来た(と思い込んだ)のだから、自分の優位性をアピールしているというのだ。
それから、「士道を回収すべき」と唱える神無月と、「ここは士道に任せよう」と唱えるマリアの間で論争としょうもない口喧嘩が繰り広げられ、琴里が強制的に黙らせる。神無月は喜んで受け、マリアは避けた。
琴里はこんな時、常に士道の側にいて、こちらにも(一応)情報を送ってくれるドラゴンの存在が、如何に助けになっているのかを痛感した。
「兎に角、一旦様子を見るわよ。自律カメラを近くに送るのが無理なら、遠距離からーーーー」
と、琴里が言いかけた所で、ポケットの中のスマホが、軽快な着信音を響かせながら振動し始めた。
「ーーーー!」
琴里は、士道が反転十香の目を盗んで電話をかけてきたのかと思い、スマホを取り出した。
「え・・・・?」
しかし、画面に表示されたのは予想外の人物であった。思わず眉毛を寄せる。
「琴里? どうかしましたか?」
「・・・・あ、いえ、何でもないわ」
マリアの言葉に首を振って応えると、琴里は着信ボタンを押すと、すぐさま電話口から聞き慣れた独特の笑い声が響いてくる。
《ーーーーきひひ、ひひ》
「一体何のご用かしら、『狂三』。悪いけど、今少し立て込んでるのよ」
琴里はスマホを耳に押し当てながら、溜め息交じりにそう言った。そう。電話をかけてきたのは、狂三であった。
《うふふ、ご安心下さいまし。士道さんは無事ですわ。十香さんとのデートもつつがなく決まったようでしてよ。通信機と自律カメラが破壊されたのも、デートを邪魔されたくないと言うのが主な理由であるようですわ》
「! あなた、一体なぜソレをーーーー」
言いかけて、琴里は言葉を止めた。〈囁告篇帙‹ラジエル›〉だ。
「二亜には悪いけど、あなたがその天使を手に入れたのがごく最近で良かったって、心から思うわ」
《うふふ、褒め言葉と受け取っておきますわ》
狂三が可笑しそうにクスクスと笑ってくる。そこはかとない恐ろしさを感じながらも、琴里は小さく息を吐いた。
「で、態々ソレを教えてくれたって訳? なら取り敢えずお礼を言っておくけれど」
《いえいえ、わたくしめ琴里さんには何かとお世話になっておりますし、お互い様ですわ》
狂三は冗談めかした調子でそう言って、続けてきた。
《ーーーーでェ、もォ。用件はそれだけではありませんの。琴里さんには、今から告げる場所に、“お1人で来て頂きたいのですわ”》
「・・・・どう言う事? 〈囁告篇帙‹ラジエル›〉で調べたんだから分かっているでしょう? 今私が作戦行動中だって」
《ええ、ええ。存じておりますわ。でも、目と耳を潰された琴里さん達にできるのは、精々待機する事くらいの筈でしょう? なら、暫しの時間わたくしに付き合って下さっても良いではありませんの》
かなり痛い所を突かれ、琴里は憮然とした顔となった。
「あなたねえ・・・・仮にそうだとしても、司令官が持ち場を離れるなんてーーーー」
《ーーーーソレが士道さんと十香さんのデートの為・・・・と申し上げても、ですの?》
「・・・・何ですって?」
狂三の言葉に、琴里は不審そうに目を細めた。
◇
3月の下旬となれば、大分暖かい気候になってくる。琴里は厚手の上着を羽織らず地上に降り立つと、辺りに視線をよこした。
「この辺りの筈だけど・・・・」
琴里が〈フラクシナス〉から降り立ったのは、天宮市の外れにある自然公園の一角だ。広大な木々が生い茂り、遠くには木製のアスレチックや運動場等が見て取れる。狂三がして来たにしては、いやに平和な場所である。
しかし、『違和感』が無い訳でもない。休日の朝なのに、広場で遊ぶ子供達も、犬の散歩をする近隣住民の姿も、一切認められない。まるで、空間震警報が発されてでもいるような様相だ。
とーーーー。
「ふむん・・・・? ソコにいるのは妹御ではないか」
琴里が周囲の様子を窺っていると、不意に後方から、そんな声が聞こえてきた。
「六喰?」
ソコにいた少女の姿を見て、琴里は目を丸くした。そう。人の気配のない公園に、薄手のコートを着た六喰がいたのだ。
「一体どうしたの? マンションにいる筈じゃ・・・・」
「むん。確かに自分の部屋にいたのじゃが・・・・狂三から電話がかかってきての。ーーーー主様と十香を助けたくば、今から指定する場所にこい、と」
「何ですって?」
琴里が受けた電話の内容と同じである。どうやら六喰も琴里と同様、狂三に呼び出されたらしい。
「一体何のつもりかしら。どうして私と六喰をーーーー」
「あーっ!」
と、琴里が狂三の意図を測りかねて考えを巡らせていると、今度は別の方向から、良く通る声が、美九の声が聞こえてきた。
「琴里さんに六喰さんじゃないですかー! 奇遇ですねー! あっ、それとも私に会いに来てくれたんですか? それともやっぱり運命ですか!? どちらも素敵なので取り敢えずハグさせてもらって宜しいですかねー!?」
等と不審者一直線な言葉を吐きながら、美味しそうな餌を見つけたケダモノのようにギラギラとした目となり、舌をベロベロと、突き出した両手をワキワキさせながら、美九が駆け寄ってくる。
琴里と六喰は一瞬目を合わせてコクリと頷くと、美九の片腕をそれぞれ掴んで肩に担ぎ、一本背負いをして地面に叩きつけた。琴里は訓練で、六喰は護身術としてドラゴンに教えてもらっていた。
「ギャフンっ! お2人ったら刺激的ですぅ」
地面に叩きつけられて、漸く大人しくなる妖怪‹美九›。琴里と六喰が手をパンパンと払う。
「全くもう・・・・でも美九までここにいるなんて。ーーーーもしかして、あなたも狂三に呼び出された口?」
「あたた・・・・えっ、どうして分かるんですかぁ?」
強かに地面に背中を叩きつけられ、背中をさすりながら起き上がった美九(背中の汚れは六喰が払ってくれている)が驚いたように目を丸くしながら言ってくる。琴里は予想通りの返答に、爪を噛みながら表情を険しくした。
「美九もか。ーーーーやっぱり、士道と十香を助けたかったらここに来いって言われたの?」
「え? いえ、【2人っきりでお話をしたいですわ・・・・わたくしと美九さんの今後について】って、物凄く悩ましげな声で囁かれましてぇ」
「・・・・そ、そう」
手が少し汚れた六喰にポケットサイズウェットティッシュを取り出して、何枚か手渡しながら美九が言うと、琴里は頬に汗を垂らしながらそう返した。
「(・・・・誘い出し方にもバリエーションがあるようね。狂三は美九の性質を良く理解しているわ。と言うか、よくそんな怪しげな文言でこんな所に来ようと思ったわね。・・・・今度、詐欺や美人局に引っ掛からないように講習を受けさせよう。女の子に美人局の対策をさせるなんて、美九くらいのものでしょうけど・・・・)」
と、琴里がそんな事を考えているとーーーー。
「琴里・・・・さん?」
「・・・・あれ、皆もいる・・・・」
「ほう? 先客か? 闇への招待状を受け取ったのは我らだけではなかったようだな」
と、その時、四糸乃に七罪、耶俱矢に夕弦、そして折紙に、朝だと言うのに眠そうな顔をした二亜までやって来た。
今この閑散とした自然公園に、十香と狂三を除いた9人の精霊達が集った。どうやら全員、狂三に呼び出されたようで、お互いに顔を見ながら驚いたように目を丸くしていた。
そんな様子を見ながら、琴里が不機嫌そうに顔を歪めた。
「・・・・いよいよきな臭いわね。皆を集めるなら、私に1言言えば済む話じゃない。何だってまた狂三はこんな回りくどい真似をーーーー」
「ーーーーうふふ。そう邪推しないで下さいまし」
「・・・・!」
不意に聞こえてきた声に、琴里は小さく肩を震わせた。
するとソレに応えるかのように、皆の中心に影が蟠り、その中から、黒い外套を纏った狂三が姿を現す。
「狂三さんーーーー」
「・・・・うわ、出た」
「きゃー! 待ってましたぁー!」
狂三の登場に、思い思いのリアクションを返す精霊達。狂三はソレを愉快そうに見渡すと、ニィと笑いながら琴里に視線を向けてきた。
「ようこそいらっしゃって下さいましたわ、皆さん。1人も欠ける事無く揃っていただけて嬉しいですわ」
「挨拶は良いわ。それより、話を始めてちょうだい。ーーーー私達を集めた理由は何? 敢えてバラバラに呼び寄せたのは何故? 士道と十香に関わる事と言うのは本当?」
「あらあら、せっかちさんですわね。もう少し余裕を身に着け無いと、1人前のレディにはなれませんわよ」
「・・・・大きなお世話よ」
クスクスと余裕の笑みを浮かべる狂三に、ギロリと睨み付けるように言う琴里。狂三は芝居がかった調子はその場でターンをして見せた。
「では、1つずつご説明しますわ。ーーーー先ず、皆さんに集まって頂いたのは他でもありません。士道さんと十香さんのデートを無事成功させる為、ですわ」
電話の内容と同じ事を、狂三は繰り返す。琴里を始めとする大多数の精霊は先を促すように頷いた。
「えーっ! 2人の今後についてじゃなかったんですかー!」
「・・・・えっ、どんな原稿も1時間で仕上げる伝説のアシを紹介してくれるって言うから、唐揚げ工場明けの眠気を押してきたんだけど・・・・」
等と、ショックを受けたり、眠気まなこを擦るアホのコンビがいるが、まあ誤差のようなものだ。
「そして、皆さんをバラバラ二集めた理由は単純なものですわ。ーーーー“これから戦いを繰り広げる相手同士”が仲良く戦場にやって来ると言うのも、おかしな話ではありませんの」
「・・・・は?」
愉快そうに発された狂三の言葉に、琴里は思わず間の抜けた声を発した。否、琴里だけでなく、他の精霊達もまた、似たような反応を示す。しかし、折紙だけは顎に手を当て、狂三の言葉の真意を推測する。
狂三はそんな皆の表情を可笑しくてたまらないと言った様子で、より一層笑みを濃くした。
「戦う・・・・? 私達が? 一体何を言ってるのよ、狂三。妹への依存からバトルロワイヤルを始めた哀しき兄、みたいな奴に変な事でも吹き込まれた?」
「うふふ、残念ながら見ず知らずの他人の言葉を鵜呑みにするなど、士道さんのような単純、もとい素直な性格をしていませんが、正気ですわ。もしもこれくらいで狂ってしまえたならば、わたくしの人生はもう少しお気楽なものだったでしょうに」
狂三が自嘲気味に肩をすくめながら言う。狂三の真意が測れない琴里は、腕組しながら押し黙る。
その無言が、先を促していると取ったのか、狂三は薄笑いのような表情を貼り付けたまま続けてきた。
「順を追ってお話いたしましょう。ーーーー先ず、皆さんが考えているより、十香さんの状態は良くありませんわ。時期に彼女の体は世界の崩壊を道連れに自壊してしまうでしょう。ソレこそ、士道さんとのデートをつつがなく終える事さえ難しいかも知れませんわ」
『な・・・・!』
突然の言葉に、琴里達は思わず息を詰まらせた。
十香の命が危ういのは既に知っていた。だが、まさかその期限がソコまで迫っていようとはーーーー。
「もしソレが本当なら、何で最初に言わなかったのよ、狂三・・・・!」
「あらあら、琴里さんともあろうお方が、そんな事を仰いますの? もしソレをあのポーカーフェイスや隠し事や気持ちの切り替えがお世辞にもお上手ではない士道さんが知ってしまっていたならば、楽しいデートになどなりようがないのではありません事? 最悪、士道さんの様子から反転した十香さんにも知られる可能性の方が高いですわよ?」
「く・・・・」
煙に巻かれている感は否めないが、確かにその通りでもある。ギリッと奥歯を噛み締めながら、続けろ、言うように意気を収める。
すると狂三は、恭しく礼をしながら後を続けてきた。
「さて、わたくしとて、この世界に終わりを迎えて欲しく等ありませんわ。そして、“ドラゴンさんがいない今”、反転した十香さんを止められるのはこの世界にただ1人、士道さんだけ。けれど、如何に士道さんとは言え、最も信頼しているドラゴンさんに、時間が足りない状況となれば達成は難しくなるでしょう」
「・・・・何か、話が見えないんだけど」
「首肯。つまり何が言いたいのですか」
八舞姉妹が焦れたように言う。すると狂三は、そんな合いの手をこそ求めていたように頷いて話を続けた。
「至極簡単な話でしたよ。ーーーー残り時間が少ないのならば、増やせば良いのですわ。わたくし達の霊力を以て、この世界を少しだけ長く存続させるのですわ。ーーーー士道さんが、あの十香さんをデレさせるまで」
「世界を・・・・」
「存続、させる・・・・?」
「ええ、ええ」
四糸乃と七罪が困惑気味に眉根を寄せ、顔を見合わせる。
狂三は大仰に頷く。
「幸か不幸か、ここは十香さんが作った世界ーーーー全てが、十香さんの支配領域でしてよ」
「ーーーー成る程。それで、戦うと言う事に繋がると言う事」
狂三の言葉に最初に理解を示したのは折紙だった。静かな、しかし確たる意志の炎をその双眸に灯しながら、狂三を見つめる。
「うふふ。流石、ご理解が早くて助かりますわ」
「え? ど、どう言う事ですかぁ?」
美九が説明を求めるように、狂三と折紙の顔を交互に見る。すると折紙が、淡々とした調子で話を始めた。
「ーーーー皆も経験があると思うけれど、霊装と天使を顕現させていると、ソレだけで体内の霊力を消費していく。けれど、その霊力は無となっている訳ではなく、辺りに放出された状態になる」
「把握。つまり夕弦達が霊装と天使を使うだけで、空気中に霊力が放たれると言う事ですね」
「成る程にゃあ・・・・で、ソレがどうしたってわけ?」
夕弦が首肯し、二亜が首を傾げる。折紙は2人を一瞥してから続けた。
「今この世界は、十香の支配領域。つまり私達が発散した霊力は世界に吸収され、結果的に十香の世界を存続する一助となる可能性がある。そして、最も効率良く霊力を消費する方法がーーーー」
「ーーーー天使同士を討ち合わせる戦闘、って訳ね」
琴里が言うと、折紙はコクリと頷いた。
次回、精霊達による仁義なき戦いが!?