デート・ア・ライブ 指輪の魔法使いと精霊の恋愛譚 作:BREAKERZ
ー折紙sideー
鳶一折紙は、五年前の過去の場景が夢に浮かんだ。
小学生の頃、買い物を終えて家に帰る途中。突如として、見慣れた住宅街が真っ赤な炎に沈み、地獄とも見まごう光景となった。
家々も、街路樹も、公園も、可燃物も、一切例外なく炎に包まれていく。逃げ惑う人々の悲鳴と足音、時折何かが爆発したような凄まじい音が聞こえる。
【お父さん、お母さん・・・・!】
あまりに現実離れした理不尽に過ぎる光景に茫然自失していた折紙は、両親がいるはずの自宅へと向かった。
そして、なんとか自宅に辿り着いた折紙は、真っ赤な炎に包まれた自宅の扉を内側から蹴破り、両親が出てきたのを見て、絶望の表情が希望に変わった。
【! お父さん! お母さん!】
【っ、戻っていたの、折紙!?】
【怪我はないか? ここは危ない。すぐに逃げるぞ!】
父が折紙に向かって手を伸ばし歩み寄る。
折紙も父の手を取ろうと手を伸ばしたーーーー。
【ーーーーえ?】
その一瞬、折紙が声を発すると、空から目の前に光のようなものが降り注ぎ、凄まじい衝撃波で折紙は軽々と吹き飛ばされ、数メートル離れたコンクリート塀に打ち付けられ、激痛に泣きそうになるがなんとか耐え、視線をもといた場所に戻すとーーーーそこにはもう、誰もいなかった。
両親がいた場所は地面ごと抉られ、小さなクレーターを作り、折紙は這うようにそこへ向かい、そして。
【あ、あ・・・・あ・・・・ああああああーーーー】
抉り取られた地面に、“両親であったもの”をみつけ、折紙の意識は絶望感に侵食された。
【ーーーーっ・・・・てんーーーーし・・・・】
折紙が顔を顔を上げ、両親を灼いた光の根源を確かめようとして、呆然と呟く、そこにはーーーー天使がいた。
燃え盛る街を睥睨するように宙に浮く華奢なシルエットは、おそらく年若い少女。
その影はまるで嘆いているようなーーーー嗤っているようにも見えた。
【お、まえ、が・・・・】
ーーーーお父さんと、お母さんを。
言葉の後半は声になっていなかった。血が出んばかりに拳を握り、歯を噛み締め、火の海を舞う天使の姿を睨み付け、呪いと怨嗟に満ちた叫びを上げた。
【許さ、ない・・・・! 殺す・・・・殺してやる・・・・ッ! 私が、必ず・・・・っ!】
* * *
そこで折紙は意識を取り戻し、目を見開いた。
「・・・・っ、・・・・っ」
今まで眠っていたのに呼吸が荒い。身体を起こして、動悸を抑えるように大きく深呼吸する。
呼吸を整え、周囲を見渡すとすぐに、何度も世話になっている自衛隊病院の病室に寝かされていた事に気づく。ご丁寧に個室で。
「・・・・・・・・」
無言で汗を拭うと、額や身体のあちこちに包帯が巻かれ、寝汗で包帯も病衣の背も湿り、病衣を摘まんでパタパタと風を送る。
寝汗をかいたのは、今まで見ていた夢のせいだ。
五年前。両親が死んでしまった時の光景。
あの時折紙が“天使”と見間違えた存在が『特殊災害指定生命体・精霊』である事を後に知った。
しかし、最近見る事が少なくなった悪夢を、なぜ今になって。
「ーーーー! 士道・・・・!」
そこまで考えて、折紙はなぜ病室にいるのかを思い出し、愛しい恋人(折紙曰く)の名を呼んだ。
愛しい恋人(折紙曰く)が、精霊を守り、精霊や人類と敵対する〈アンノウン〉と戦ってきた魔法使い・〈仮面ライダー〉である事。
高校の屋上で精霊・時崎狂三と交戦し、取り押さえられて気絶された。
士道と真那の安否、時崎狂三の動向、そして新たに現れた火の鳥のような〈アンノウン〉が、おそらく〈アンノウン〉の上位存在であろう。ヤツから放たれた存在感と威圧感、どれも折紙が交戦してきた〈アンノウン〉とは、圧倒的に違っていた(屋上でその〈アンノウン〉と交戦していたゴミクズと見間違えてしまうような忌々しい生命体がいた気がしたが、それは気にしなくても良いだろう)。
とにかく情報が欲しい折紙は、気を失う寸前の記憶を探るように目を伏せると、空から現れた。
「炎の・・・・精霊・・・・!」
五年前、折紙の目の前で、両親を殺した精霊。
「見つけた。ついに・・・・」
探し続けた仇敵。命を賭してでも殺すと決めた復讐の標的。偶然だがようやく辿り着いた。
だがなぜか、永き悲願に近づき、歓喜に近い感情が沸くと同時に、“違和感”を感じた。
屋上に現れた炎の精霊ーーー〈イフリート〉。
その顔が、五年前のあの時とは別に、見たことがある気がした。何処だったか思案を巡らせるが出てこない。
数分間考えた後、折紙は真那も同じ病院に搬入されていると思い、彼女からも情報を聞こうと、脇に置かれたスリッパを履いて立ち上がり、軽い立ち眩みを無視して歩こうとしたが、腕の点滴に引っ張られてベッドに尻餅をついた。
ー士道sideー
スマホの地図ナビに従い、マシンウィンガーで『自衛隊天宮病院』に付いて、受付窓口で真那の病室を聞いたが、真那は現在特別処置室にて処置中で面会謝絶となっていた。
事務員に何とか会えないかと食い下がるが、事務員も困り顔を作る。と、その時。
「ーーーー士道?」
「折紙?」
名前を呼ばれて振り向くと、病衣姿の折紙が、点滴のスタンドを握って立っていた。
士道の顔を見るなり、無表情だが何処か放念したようにホウと小さく息を吐いた。
「無事で良かった」
「・・・・お、おう」
士道は気恥ずかしく後頭部を掻きながら目をそらす。
折紙はジッと士道の顔を見つめたまま言葉を続ける。
「夜刀神十香は?」
「ーーーー!?」
折紙が十香の身を案じてくれたのかと勘違いした士道は、視線を折紙に戻して、嬉しくなったのか大仰に頷く。
「ああ、十香も無事だよ」
「ちっ」
「えっ?」
「なんでもない」
一瞬、冷静沈着な折紙らしくない表情を見えたが、士道はきっと気のせいだと思い込んで乾いた笑みを浮かべる。
ここにドラゴンがいれば、「節穴だらけの目玉を付けたお花畑脳ミソめが」と、罵倒が飛んできたかなと思ったが、士道はすぐにドラゴンの顔を消そうと、かぶりを振った。
「んで、どうしたんだ、こんなところに。病室のある階は別だよな?」
「真那の病室を、訊きに。ーーーー士道は?」
「ああ・・・・そうだったのか。俺も、真那の様子を見に来たんだ」
「そう。お見舞い?」
「ま、まあ、そんなところだ」
「真那にだけ?」
「・・・・えっと・・・・お、折紙のお見舞いも兼ねて」
「そう」
折紙は表情を変えなかったが、そこはかとなく上機嫌な感じがして、少し良心がチクチクと痛む。
折紙も真那の病室は面会謝絶となった事を伝えると、折紙はおそらく機密性の高い機材、おそらく国の最高機密とされている顕現装置<リアライザ>、医療用の顕現装置<リアライザ>を使用していると、折紙は遠回しに伝えられた士道は出直そうとした。
が、折紙が士道の顔を見たままピクリとも動こうとしなかった。
「え、ええと・・・・折紙? 病室に戻らなくていいのか?」
「戻る」
「そ、そうか。じゃあ俺はこれで・・・・」
士道が帰ろうとすると、折紙が不意に、ビターン! と、膝を曲げずうつ伏せに倒れた。
「お、折紙!? 大丈夫か!?」
士道が慌てて抱き起こし、周囲の職員や患者も驚いた顔を作るが、折紙は周囲のざわめきを微塵も気に留めずに、士道に顔を向けた。
「一人では病室に戻れそうにない」
「・・・・・・・・」
「連れていって」
「・・・・ええと」
「連れていって」
「・・・・わ、分かったよ。で・・・・一人で歩けそうか、折紙」
「困難」
「・・・・そうか。じゃあちょっと待ってろ。車椅子を借りてくる」
士道が立ち上がろうとすると、折紙が士道の服の裾を摘まむ。
「車椅子は好ましくない。おんぶ」
「は?」
「おんぶ」
「え、ええと・・・・」
「おんぶ」
「・・・・はい」
拒否しても無駄だと悟った士道は、折紙に背を向けると、折紙は倒れたとは思えないほどの素早い動きで士道の背中に身を寄せた。
しかしそれから、士道はさっさと帰れば良かったと、少し後悔した。
「お、折紙。くすぐったいんだが・・・・」
「そう」
病室に向かう途中、折紙が指を妖しく蠢かせ、今度は士道の後頭部をワシワシと弄くられ始め、スンスンと士道の首筋に鼻息が当たる。
「お、折紙・・・・!?」
すーはーすーはー。
「ちょっと・・・・」
くんかくんか。
「おいったら・・・・ひぃッ!?」
振り返ろうとしたが、首筋に妙な感触が走り、折紙の両手は塞がっているのに、士道の延髄を撫でるような、くすぐったい感触が伝わる。
「何!? 今何されてるの俺!?」
混乱する士道は、ドラゴンがいればなぁ、と泣き言を言いそうになったが、すぐにその思考を払うようにかぶりを振って、何とか病室にたどり着くと折紙をベッドに放り投げた。
「・・・・・・・・」
華麗に受け身を取った折紙は、何故か唇の周りをペロリと舐めた。
しかし、これはまだ始まりに過ぎなかった。
「剥いて」
「え? ああ・・・・別にいいけど」
お腹を空かせた折紙は、棚に置かれたお見舞いの籠にある林檎を指差し、士道は籠に入っていた果物ナイフで切り分けると、近くにあったお皿に並べるが、折紙が「食べさせて」と言って、士道は断ろうとするが、それを無視して「あーん」と口を開ける折紙に仕方ないと林檎を1つ摘まんで持っていくとーーーー。
「出来れば手ではなく口移ーーーー」
「とうっ!」
それ以上言わせんと林檎を口の中に突っ込む。
シャクシャク・・・・パクリ。
「ウェーイッ!?」
折紙が士道の指ごと林檎を頬張る。士道は乾いた笑みを浮かべて手を引こうとするが、折紙は士道の手をがっしりとホールドして。
ペロ。ペロペロ。ペロペロペロ。ジュルジュル。ピチャビチャ。ズズッ。
「こ、こら、折紙・・・・! や、ちょっ、ホントに、お、オリガミサン!?」
士道が声を裏返らせ、手をジタバタと動かして、折紙の口から離す。
「ごちそうさま」
折紙が口元を拭ってから手を合わせ、ペコリとお辞儀する。
士道は頬に汗を滲ませる。そう言えば折紙は、ドラゴンが一年前から警戒していた相手だった事を思い出す。
「(っ! あんなヤツ・・・・!!)」
士道はドラゴンの事を振り払うと、今度は折紙が検温をして欲しいと言い出し、頬に汗を流した。
◇
ようやく検温を終えると、士道は精神的に多大な疲労を感じながら、今度こそ帰ろうとしたが。
「士道」
「な、なんだ?」
また何を要求されるのと、背中にイヤ~な予感を感じて警戒するが、折紙は真面目な雰囲気で口を発する。
「貴方は、いつから〈仮面ライダー〉になったの?」
「っっ!!」
士道が驚く様相を浮かべたが、先日フェニックスと交戦して、惨敗した士道が変身解除するのを見られていたので、当然だとも思った。
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
沈黙が部屋を支配した。が、士道は意を決して折紙に口を開く。
「折紙・・・・この事をASTに報告するか?」
「貴方に危険が迫るようなら、報告はしない。約束する。不安ならば私の身体を貴方の物にして無理矢理に口をーーーー」
「実はな!」
それ以上言わせんと士道は儀式<サバト>の事を話した。士道は魔力の高い人間、通称『ゲート』であった事。
その『ゲート』から生まれる〈アンノウン〉こと、『絶望の魔獣 ファントム』の事。
士道から生まれたウィザードラゴンの事。
そのドラゴンを押さえつけ、ドラゴンの力を借りて『指輪の魔法使い<ウィザード>』の力を使い、今まで戦ってきた事を話し、真那の体内にも、自分と同じ魔獣『ビーストキマイラ』が存在しており、その力で真那も『ビースト』に変身している事も伝えた。
「そう〈アンノウン〉は人間の絶望から生まれた魔獣、『ファントム』・・・・士道。貴方の中にいる魔獣は、今はどうしてるの?」
「・・・・・・・・今は、フェニックスとの戦闘で魔力を消費しているのか、休眠状態になっている」
まさか意識だけが士道の身体の外に出ているとは言えず、嘘をついた。
「士道。今すぐその魔獣を始末した方が良い。今まで士道に力を貸しているからと言っても、油断できない。始末が難しいなら監視、もしくは行動を制御する為の手段を考慮するべき」
「折紙・・・・」
「一年も士道の体内で士道と共同生活。何と羨ましい・・・・!」
「えっ??」
「なんでもない」
自分の身を案じてくれたかと思えば、何やら不穏な事を口走った折紙に士道は首を傾げるが、折紙はいつもの無表情に戻った。
「士道の事は黙っている。ーーーー最後に1つ、いい?」
「・・・・なんだ?」
「昨日。時崎狂三と私達が交戦した後の事を教えて欲しい。ーーーー空からもう一体精霊が現れたはず。和装のような霊装を纏った、炎を操る精霊が」
「ーーーー」
士道は息を詰まらせ、ゴクリと喉が鳴る。間違いなく琴里の事だ。
そのすぐに折紙が発した言葉に士道は言葉を失った。
「五年前。天宮市南甲町の住宅街に大火を呼び、父と母を私の目の前で灼いた精霊。ーーーーそれが、あの炎を操る精霊」
「なーーーー」
士道の動悸が激しくなって、呼吸のたびに臓腑を締め付けられるような感覚で息が苦しくなるのを感じ、胃の底から途方もない嘔吐感が押し寄せる。
折紙の言葉を反芻するが、士道の記憶に混乱や齟齬は見当たらない。
折紙は確かに言った。炎の精霊が、両親を殺したのだと。
ーーーー琴里が、両親を殺したのだと。
「ーーーーずっと、ずっと探してきた。ずっと、ずっと探し続けてきた」
士道の狼狽に気付かぬ様子で、折紙が続ける。
「やっと見つけた。ようやく見つけた。
殺す。殺す。絶対に殺す。私が、この手で。
私の五年間はこの為に、その瞬間のためだけにあった。
この瞬間のために、ASTに入った。
この瞬間のために、顕現装置<リアライザ>を手に入れた。
この瞬間のために、業を、技能を身につけた。
全ては、犯人を倒すために。
全ては、炎の精霊をうつために。
全ては、〈イフリート〉を殺すために」
いつもの様子からは考え付かないほどに雄弁に、呪いの言葉を並べ立てる。
表情は無味、声は平坦。狂三のように大仰に身振りをしているわけでもない。それなのにその言葉は、聞いている者の心臓を締め付ける途方も無いほどの怨嗟が籠っていた。
〈イフリート〉。それが精霊としての琴里の識別名なのだろう。
ーーーー五年前。それは琴里の話と合致した。
「でも、そんな、まさか・・・・アイツがーーーー」
「? 何か知っているの?」
「い、いや・・・・そういう訳じゃないんだが」
「そう」
士道はドラゴンがいれば今ここで、いつものしっぽでのド突きをかまして、「動揺するな、この下等な単細胞」と罵倒して、強制的に精神修正をしてくれるが、かぶりを振って、折紙の話を続けてもらった。
その後。折紙はその精霊ーーーー〈イフリート〉について、五年前に起きた事を語り始めた。
両親が火災に巻き込まれた事。
その両親も最初は生きていたが、しかしすぐに精霊が現れ、両親を目の前で殺したこと。
朦朧とする意識と霞んだ視界によって、その姿を正確には見取れなかったこと。
後に、その火災の原因となったのがその精霊ーーーー〈イフリート〉だと知ったこと。
五年前の出来事のはずなのに、ただ一度の淀みもなく言い切った。ーーーーまるで、つい先日にその出来事を経験したかのように。
「・・・・・・・・っ」
話の途中、士道は自分の心臓がやたらうるさく鼓動するのを感じた。
しかし、士道が求めていた情報を聞いていない。
その精霊と、琴里の決定的な相違点を聞き出せていなかった。
士道はには、琴里が折紙の両親を殺しただなんてこと、信じられなかったのである。ドラゴンが聞けば「ただの憶測だろうが。義妹が人殺しをしただなんて認めたくないって、身内の贔屓目だろう」と言っただろうが。
「ーーーーこんなところ」
士道は、確信を得体ために、何か1つでも構わない。琴里が犯人ではないと言う確証が欲しくて、折紙に向かって縋るように一歩踏み出す。
だが、そこで。
《ご面会中の皆様におしらせします。本日の面会時間は終了しました。院内におられる方は、速やかにお帰りいただきますようお願いします。繰り返しますーーーー》
廊下からそんなアナウンスが響いてきて、士道の行動は遮られた。
「なに?」
折紙が首を傾げてくるが、士道は静かに首を振った。
「い、いやーーーー何でもない。お大事にな、折紙」
折紙がこくんと頷いてくる。士道は逃げるようにそそくさと病室から出た。
『臆病者めが・・・・』
「っ!!」
ドラゴンの声が響いたように周囲を見渡すが、ドラゴンの姿形は無かったが、士道も分かっていた。
ーーーーきっと自分は、怖かったんだ。
ーーーー折紙の口から、五年前の精霊が琴里であるという証拠が出てしまうのを。
「・・・・・・・・」
出来るだけ音を立てないよう扉を閉め、廊下に視線を落として歩きだし、病院を出ると、ポケットの携帯電話が鳴り響き、令音からの連絡で琴里の攻略の為の作戦会議を開くため、〈フラクシナス〉に来て欲しいと言った。
士道は重い気持ちでマシンウィンガーに乗って、走り出した。
ードラゴンsideー
『あのゴミクズめが。まったく情けない・・・・ん』
士道から離れた建物の上で、ウィザードラゴンは士道の姿に、呆れたため息を吐いたが、自分の目の前に現れた幻影を見つめる。
『やっと来たか。ケダモノ共』
ドラゴンの目の前に現れたのは、真那の内部にいるファントム。『ビーストキマイラ』だった。
『何のようじゃ? 念話で話があると聞いたから、真那に無理を言ってコッソリ召喚してもらったんじゃがな?』
『俺達はあまり真那から離れたくないんだけどよ』
『一体なんなのよ』
『モォ~』
『さっさと用を言えよ』
迷惑極まりないと言わんばかりの態度のキマイラ達に、ドラゴンはため息混じりに声を発した。
『まぁ、こちらとしても、あのゴミクズに何があったのか教えておこうと思ってな』
『『『『『んん??』』』』』
『あの鳴らない電話、火が点かないライターのような小僧の過去に、何があったかをな・・・・』
ドラゴンは、キマイラ達に淡々と話した。