デート・ア・ライブ 指輪の魔法使いと精霊の恋愛譚 作:BREAKERZ
ー折紙sideー
「折紙!? あんた、退院したなら早く連絡しなさいよ」
士道達と別れてから、自宅へ戻る前に天宮駐屯地のCR-ユニット格納庫に顔を出すと、AST隊長である日下部燎子がそんな声を上げてきた。
作業ズボンと黒のタンクトップの格好から、何かの搬入チェックしていたのか、クリップボードを脇に挟み、もう片方の手にペンを握っていた。
秘匿性の高いCR-ユニットに触れられる人間は少なく、実戦要員であるAST隊長がこういった雑務をする事も少なくない。
「非常に重要な案件に巻き込まれていた」
「重要な案件? ていうか何よそれ」
軽く目を伏せて首を振る折紙に、燎子が眉を撥ね上げながら、折紙が右手に持っていた紙袋を指した。
折紙はそれを胸元まで持ち上げると、静かに唇を開いた。
「これは千金に値する贈り物でありーーー同時に、敗北の苦渋を刻んだ忌まわしき物」
「は・・・・? な、何よそれ」
燎子が怪訝そうに顔を歪めて、折紙の持った紙袋を凝視してくる。ーーーーまあ、中身は士道に買ってもらった水着なのだが。
「私は〈ハーミット〉を許さない」
「いや、なんでそこに〈ハーミット〉が出てくるのよ」
と、燎子が頰に汗を垂らしながら言ったところで、無骨なデザインの搬入車両が、巨大な装備を引いてゆっくりと近づいてきた。
「おっと。ほら折紙、あんたもちょっと避けなさい」
燎子が折紙に手招きして、折紙はそちらの方へと歩く。
その際に、チラッと搬入された装備に目をやると、保護用のシートが被せられた、全長五メートル以上はあろうかという、巨大なユニットだった。
「これは?」
「んー、新しく配備された実験機よ。DW-029・討滅兵装〈ホワイト・リコリス〉。大型レイザーブレイド〈クリーヴリーフ〉二本に、50.cm魔力砲〈ブラスターク〉二門、それに換装可能な大容量ウェポンコンテナ〈ルートボックス〉を八基。AST一個中隊の火力を一個人にぶっ込んだような頭のイかれたユニットよ」
「・・・・・・・・・・・・」
折紙は無言で、その巨大すぎる兵装を見上げた。
「これを使えば、〈イフリート〉を倒すことが可能?」
「は? 何言ってんの。これはあんたには扱えないわよ。権利的にも、技術的にもね。DEM社から直接送られた、実験機だもの。ま、一応理論上では、精霊を倒せるレベルの装備らしいけど・・・・DEMの専属魔術師<ウィザード>が、全装備フル稼働30分で廃人化したって話よ。悪いことは言わないからやめときなさい」
「・・・・そんな装備が、何故ここに」
「ん、どうやらDEMのお偉いさんが、もしかしたら真那だったら扱えるかもしれないって寄越したらしいわ。ま、肝心の真那が検査から戻らないんじゃぁ宝の持ち腐れよね」
「そう」
「ていうか・・・・〈イフリート〉? 五年前に現れたっていう炎の精霊よね? なんでそんな名前が出てくるのよ? 五年前に一度確認されてから現れてないんーーーー」
と、不意に燎子が言葉を止めたのを不思議に思い、折紙が視線を送ると、何かを思い出したようにパチンと指を鳴らした。
「ああ、そうか。ーーーーあれが〈イフリート〉か」
「・・・・っ、どういうこと?」
折紙が微かに眉を寄せて、燎子に詰め寄るように続ける。燎子を折紙のただならぬ雰囲気に驚き、一歩引いて軽く身体を反らす。
「な、何よ急に」
「いいから、教えて」
「教えてって言われてもね・・・・一昨日、あんたと真那が高校の屋上で、〈ナイトメア〉と戦ってた時に現れたのが、その〈イフリート〉なんじゃないの? 炎の精霊なんでしょ?」
「ーーーーっ!」
折紙は息を詰まらせると、燎子にずいと顔を寄せた。
「なぜ一昨日、炎の精霊が現れたことを知っているの」
「なぜって、そりゃあ・・・・映像で見たから」
「・・・・・・・・!」
目を見開く。まさかこんなにも近くに、〈イフリート〉の手がかりがあったとは。
「日下部一尉」
「な、何よ」
「お願い。その映像を見せて。ーーーー今、すぐに」
ー士道sideー
「ーーーーああ、ありました。これですね」
十香達と夕飯を済ませた士道は、二人をマンションに見送ってすぐに〈フラクシナス〉に赴き、神無月に『五年前の大火災』のマスターテープは無いかと聞くと、それがあることを告げられ、ブリーフィングルームへとやって来て、映像を確認しようとしていた。
その理由はただ1つ。
ーーーー五年前の精霊が、本当に琴里であるのかどうかを。
あんな大火災を起こした精霊が琴里であるとは、士道にはどうしても思えなかったからだ。
身内の贔屓と言われればそうなのかもしれないが、それでも兄として、士道は琴里を信じたかった。
「すいませんね、手間取って。副艦長室の端末でしたら、もう少しスムーズにいくのですが」
「や、それは全然構いませんけど・・・・ここにその映像が保管されているんですか?」
「いえ。映像そのものは〈フラクシナス〉には保管されていません。今し方、本部のデータベースにアクセスしたところです」
「でも、要はネットワーク環境があればいいんですよね? それなら副艦長室でもいいんじゃ?」
「まあそうなんですけどね。なにぶん副艦長室の端末は画面がそこまで大きくありませんからね、細かな映像を見るには適さないんです。ーーーーと、きましたよ。画面を」
神無月が言うと同時、円卓の中央に設えられていたモニターに、映像が映し出された。
街の一区画を、空撮で捉えた映像である。しかし画面一杯に広がった真っ赤な炎の絨毯は、まるでガス田か火山の火口とでも言った方が適当と思えるほどの有様だった。ほんの数時間前まで人が生活していたとは思えないような、まさに炎熱の地獄である。
スピーカーからは、ヘリの駆動音と、レポーターの男性の声がまばらに聞こえ、それに混じり、時折凄まじい爆発音が響き、画面が微かに揺れた。
「・・・・く」
士道はその想像以上の光景に、思わず眉根を寄せた。昔住んでいた場所の大火災が、ここまでの惨状とは思っていなかった。
「ーーーーさ、もうすぐです」
と、神無月が静かな声で言ってくる。
ヘリが旋回し、徐々に高度を落としていく。それと同時に画面がズームアップし、滲んだようにぼやけていき、そして少しずつピントが調整されていく。
「ーーーー、あれは・・・・!」
そして次の瞬間、画面端に映ったものを見て、士道は喉を震わせる。
街の中心部。他の場所とは明らかに異なる。
そこにあったはずの家々が完全に燃やし尽くされ、焦土と化してしまった場所に、見覚えのあるシルエットを見つけたのである。
五年前の古い映像である上に、非常に解像度が粗くなっている。だが、士道がそれを見間違えるはずがなかった。
「琴里・・・・」
そう。これは一昨日来禅高校の屋上で目の当たりにした、霊装を纏った姿の琴里だった。
その足元に、小さな影が倒れている。眉をひそめて、揺れる画面を注視する。
「あれはーーーー俺・・・・?」
そして。
「ーーーーえ?」
士道は肺が絞り、小さな声を発した。
“それは”、琴里と士道の前に居た。否ーーーー在った、というべきかもしれない。
二人の前に、『何か』が存在していた。
普通であれば、ただ画面に入った『ノイズ』か何かとしか思わないだろう。
だけど、違う。あれは、あの影はーーーー。
「・・・・ッ」
瞬間、士道は両手で頭を抑え、その場に跪いた。
“それ”を見た瞬間、士道の頭の中に蟠っていたむず痒さが蠢き、激痛となって襲いかかってきたのだ。
「士道くん? どうかしましたか?」
神無月の問いに答える余裕もなく、士道は画面を凝視しーーーー幼い自分たちの目の前に蟠った『ノイズ』を見て唇を開く。
「“誰”だーーーー一体・・・・、何者なんだ、お前は・・・・!」
「誰って・・・・どれのことですか?」
「これーーーーです。琴里と、俺の前にいる・・・・」
神無月が首を捻るのを見て、士道は初めて気が付いた。
ーーーー何故自分は、この『ノイズとしか思えない影』を、“人だと認識したのか”。
少なくとも、『誰』なんて呼称を用いる存在だと、認識できたのか。
それを考えて、士道を襲う頭痛は激しさを増していきーーーー。
「ぁーーーー」
「士道君!? 士道君ッ!」
その場で倒れて気絶し、神無月が慌てて介抱し、医療班を呼んだ。
ー折紙sideー
「・・・・・・・・っ」
折紙は仕事中の燎子を無理矢理ブリーフィングルームまで引っ張り、プロジェクターでスクリーンに映された映像を見て、言葉を失う。
五年前。霞む目で捉え。一昨年。揺らぐ意識で捉えたその姿。
憎き仇敵の顔を、今初めてはっきりと見取った。
映像を何度も再生し直し、一時停止して、〈イフリート〉の顔を拡大した。
そしてーーーー折紙の疑念が確信へと変わった。
五年間、ずっと追い続けてきた炎の精霊。ーーーーその、顔は。
「五河・・・・琴里」
士道の、妹のものだった。
ーフェニックスsideー
「本当かっ! ミサっ!!?」
「・・・・ワイズマンの指示だ。フェニックス、お前はこれから〈イフリート〉を絶望させよ。とのことだ」
天宮市から離れた森の洞窟のアジト。
不満だらけと言わんばかりにフェニックス<ユウゴ>にそう告げるメデューサ<ミサ>。ユウゴはそんなミサの不満な顔を気にせず、フェニックスに変身する。
『よっしゃぁあああああああああっ!! ワイズマンからの指示なら良いんだよなぁっ!? 思いっきり力を振り回してよぉっ!!』
歓喜の雄叫びを上げながら、周囲に熱波を噴出させた。
ミサもメデューサに変身して、手のひらから魔力の障壁を展開して防ぐ。
『フェニックス、ワイズマン直々の指示だ。〈イフリート〉を必ず絶望させろ』
『当然だろうが! あんな面白そうな精霊と殺り合えるんだぜ! それに〈イフリート〉を絶望させる手段なんて、もうとっくに分かってんだろうが!?』
『・・・・・・・・そうだ。〈イフリート〉は、“指輪の魔法使いの妹”だ』
すでにファントムサイドでも、琴里が士道の妹である事は調査済みだったのだ。
『それとフェニックス、新たな指輪の魔法使い<ビースト(真那)>に〈プリンセス〉や〈ハーミット〉が邪魔をするだろうからな。ワイズマンからの贈り物だ』
メデューサが指を、パチンッと鳴らすとメデューサの後ろの暗がりから現れた“影達”を見て、フェニックスは驚くが、すぐに笑うように肩を震わせていた。
ーゴーレムsideー
「・・・・・・・・・・・・」
『・・・・・・・・・・・・』
その夜。輪島のおっちゃんは、現在作業部屋のテーブルの上で、一心不乱に何かを制作している『プラモンスター・バイオレットゴーレム』の様子を、静かに見ていた。
ゴーレムが四糸乃とよしのんや他のプラモンスター達とこの店に来て、すぐに十香もやって来て、脅えながら仲良くしようとしていた後、十香の持っていた『サンダルフォンリング』に興味を示し、十香からもリングを借りて、おっちゃんの作業部屋にある物で何かを制作し始めた。
「(何を作っているのかなぁ?)・・・・ま、考えても仕方ないか。ゴーレム、俺はそろそろ寝るからな~」
『ーーーー!』
ゴーレムは後ろ向きでおっちゃんの方に手を振ると、また作業に取りかかった。
おっちゃんはそのまま、店を出て『面影堂』の上の階にある自室に向かった。
『ーーーー!!』
ゴーレムが制作中の物が完成し、喜ぶようにピョンピョン跳ねる。するとーーーー。
『ピュィィィィィ!!』
ガン!
『ーーーー!』
突然飛来してきた物に体当たりされて、机から落ちてしまう。
『???』
起き上がったゴーレムが体当たりしてきた物を見上げるとそこには。
『白いガルーダ』が飛んでいた。士道が召喚する『レッドガルーダ』と同じ形をしているが、その身体の色は真っ赤ではなく真っ白。
どう見ても仲間のガルーダではない。
『ーーーーーーーー!!!』
ゴーレムは白いガルーダに脅えて、物陰に慌てて隠れ、そのまま出てこなかった。
『ピュィィ!』
白いガルーダが机に置かれた、『ゴーレムの製作品』を見て一鳴きすると、作業部屋に“ある人物”が入ってきた。
“その人物”は顎に手を当てて、『ゴーレムの製作品』を見て、感心したように頷く。
「ほぉ、使い魔がこんな物を作り上げるとは・・・・。これからの為にも、“これ”を少し改良するべきだな」
その人物は、指を嵌めた右手をドライバーに翳した。
[インプルーヴメント ナウ]
『???』
音声が聞こえて、物陰に隠れていたゴーレムは、少し顔を出して見ると。
自分の製作品に魔法陣が当てられ、目映く光り、その光りに照らされた“人物”は、“白いマントを纏った、〈魔法使い〉”だったーーーー。
そして光りが収まると、〈魔法使い〉と〈白いガルーダ〉は姿を消し、ゴーレムが机に戻ると、無色だった『製作品』が、“夜色”と“青色”と“赤色”に染まっていた。
ー士道sideー
そして迎えた6月22日、時刻は9時55分。
「・・・・あー」
士道は水着やバスタオルを詰め込んだ鞄を背負って、天宮駅東口のパチ公と呼ばれる犬の銅像の前で小さく唸りながら、額を手で押さえる。
結局昨日はあのまま気を失って寝込み、〈フラクシナス〉の医務室で目を覚ました。
一応検査と点滴をしたのだが、未だに少しだけ頭の奥が疼く感じがした。
インカムから、琴里に変わって指揮を取る神無月の心配する声が響き、士道は両手で顔を張って気持ちを切り替えた。
今日中に琴里とのデートを完遂させなければ、琴里の意識は精霊の力に呑まれてしまう。一片の油断さえ許されない。
《プランは頭に入っていますね? こちらからもサポートを入れます。ーーーー大丈夫、貴方は複数の精霊をデレさせた稀代の救世のプレイボーイです。自信を持ってください》
「・・・・はあ」
神無月の激励(?)の言葉を聞き、あまり嬉しくない称号に苦笑する。
【≪『稀代の救世のプレイボーイ』とは嗤わせるな。今までの相手が純粋無垢の〈プリンセス〉と〈ハーミット〉だったから上手く行っただけだ。〈ナイトメア〉のような相手の時には、まるで何も出来なかった『役立たず』をおだてるのか?≫】
「っっ!!」
士道は、ドラゴンが居たら言いそうな台詞が頭を過り、かぶりを振った。
と、今度は令音の抑揚のない声が聞こえる。
《・・・・琴里を地上へ送ったそうだ。もうすぐそちらに着くだろう。頼んだよ、シン》
「ーーーーっ、は、はい」
言われて、呼吸を整えようと大きく深呼吸した。
「(あんなヤツなんて必要無い! 俺の力で琴里を救うんだ! あんなヤツなんか! 十香達の霊力をかすめ取っているあんな化物なんか居なくたって! 俺が十香や四糸乃や、琴里を守ってみせるっ!!)」
と、自分に言い聞かせるように内心叫ぶ士道。
すると程なくして、可愛らしい服装にコーディネートした琴里(黒リボン)が歩いてきた。
「お、おう、琴里」
「ん、待たせたわね」
・・・・しばしの沈黙。
妹との会話なんて日常茶飯事なのに、なぜか妙に緊張する。
《・・・・シン、何を黙っているんだい。まずはーーーー》
いつもならドラゴンのど突きと毒舌・罵倒による精神修正が行われるが、今は代わりに令音の声が響くと同時に、琴里がため息を吐いた。
「おめかしした女の子に一言もなし? いの一番に教えたと思うけれど?」
「・・・・! あ、ああーーーーおめかし・・・・してくれたんだな」
「・・・・っ」
琴里はピクリと肩を揺らす。
「ふん、まあね。一応はデートって形式を取っているんだもの。こちらとしても士道がアクションを起こすきっかけくらいは作っておくわよ。・・・・まあ、褒められるのは嫌な気、しないし」
「え?」
「なんでもないわ。それより、そろそろ電車の時間なんじゃないの?」
琴里はそう言うと、士道に口を開く。
「さあーーーー私達の戦争<デート>を始めましょう」
「お・・・・おう」
聞き覚えのあるフレーズに、士道はゴクリと喉を鳴らす。
と。
「うむ!」
「は、はい・・・・っ」
『やー、楽しみだねー』
琴里に返事すると、余計な声が三つ聞こえ振り返ると、お出かけ準備万端の十香と四糸乃&よしのんがいた。
士道が戸惑いがちに聞くと、令音からオーシャンパークに士道と琴里が行くから同行するように言われたらしい。
令音が遅れてその事を告げ、士道が何故と言うと。
《・・・・まあ、今日に限ってはそちらの方が良いのではないかと思ってね》
「は、はあ・・・・」
令音の事だから考えなしに下手を打つとは思えないが、それでも不安があり、声をひそめて琴里の機嫌数値を聞くと、《心配しなくても大丈夫だろう》と令音は答え、士道は後方の琴里を見やると。
「・・・・・・・・・・・・」
士道は頬をピクピクと動かして、問題無いと安堵しようとしていた自分のマヌケさを自覚した。
「・・・・へぇ、なかなか思い切った事をするのねぇ、“士道”。今から楽しみだわ」
表情は先程と変わらないが、にこやかな笑みを浮かべる琴里の背後から、琴里の精霊識別名と同じ名前をした『炎の冥府の神』が、マグマのような、烈火のような棍棒を持って、『ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・』なんて擬音を出しながら、士道に神罰を下そうとしている迫力があった。
「や、そ、その・・・・」
士道は思わず声を裏返らせ、インカムに指を当てて、小さく令音に抗議し、機嫌メーターと好感度はどんな感じか聞くと。
《・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん、まあ、その、なんだ。・・・・頑張ってくれ》
よほどヤバい数値が出たのか、無責任な調子で言った。
「ちょ、ちょっと、令音さん・・・・!」
士道もよくよく思い返すと、令音も琴里と同じように、結構いい加減で無責任な指示をしていた事を今さらになって思い出した。
琴里は十香と四糸乃に歩み寄り、ポン、と二人の肩を優しく叩く。
「よし、じゃあそろそろ行きましょうか。水着はちゃんと持ってきてる?」
「おお! もちろんだ!」
「水着は、昨日・・・・士道さんに、買って、もらいました・・・・」
「へぇ、良かったじゃない。ーーーー優しいのね、士道?」
言いながら、琴里は士道に視線を向け、口調と表情は優しいが背後に今度は、『蛇の冥府の神』が冷笑を浮かべて、メデューサのように頭から生やした蛇と蛇が付いた盾を構えて士道を睨んでいる姿が見えた。
「ひ・・・・っ」
「さ、行きましょ行きましょ」
戦く士道を置いて、琴里は十香達を引き連れて改札へと向かった。
神無月にまだ挽回できると告げられ、士道は硬直していた足を踏み出す。
・・・・初っぱなから、前途多難なデートになりそうだった。
ードラゴンsideー
ドラゴンはパチ公近くの街路樹から状況を見ており、琴里の姿をジィーと見ていると、隣にプラモンスター達が現れた。
『ピィッ! ピィッ!』
『何? ゴーレムが作った物が??・・・・・・・・とりあえず何かあった時に使えるかもしれん。その作品は我が持っておくから、お前達も小僧のサポートに回れ、あの役立たず組織だけでは不安材料しかないからな』
『ピィッ!』
『ヒヒィーン!』
『キュウッ!』
『ゴゴゴ!』
プラモンスター達は頷くと、士道の元へ飛んでいった。
ドラゴンは三つの『ゴーレムの製作品』を見る。
『・・・・・・・・もしやこれは』
ドラゴンは『ゴーレムの製作品』に触れると、『ゴーレムの製作品』が光り出した。
『ゴーレムの製作品』が、精霊達に新たな力を授けます。