デート・ア・ライブ 指輪の魔法使いと精霊の恋愛譚   作:BREAKERZ

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希望の炎龍vs闘争の不死鳥

ー白い魔法使いsideー

 

オーシャンパークのアトラクションの上で、ウィザード<士道>達の戦いを見ていた白い魔法使いと、『白いガルーダ』と『黒い三つ首の犬』が眺めていた。

 

『ピィ! ピィ!』

 

『ガゥ! ガゥ!』

 

『進化したか』

 

白い魔法使いは、『フレイムドラゴンスタイル』となったウィザード<士道>を眺めて呟いた。

 

 

ーメデューサsideー

 

『ん? 何だ、この魔力の高まりは・・・・』

 

オーシャンパークの外では、メデューサがインプを率いて折紙の捕縛する為に急行したASTを足止めしていたが、突然の高い魔力の気配を感じて、訝しそうにオーシャンパークを睨んだ。

 

 

 

ー十香&四糸乃sideー

 

「うわぁ~ぉ! 士道くん真っ赤かで超イカすじゃん!」

 

≪うん、凄くキレイ・・・・!≫

 

「うむ! 分かるぞ! 今シドーとドラゴンが、力を合わせて戦っているのだ!」

 

「んもう! 二人で一人のヒーローはよしのんと四糸乃の専売特許なのにぃ!」

 

ハーミット<よしのん>とプリンセス<十香>は、新たな姿となったウィザード<士道>を見てはしゃいだ。

 

『ウォォォォォォォ・・・・!』

 

『グゥゥゥゥゥゥゥ・・・・!』

 

「「っ!?」」

 

プリンセス<十香>とハーミット<よしのん>は唸り声に反応して振り向くと、再生ファントムの『ミノタウロス』と『ヘルハウンド』を見た。

 

「むっ、お前の姿、見覚えがあるぞ。私が初めて遭遇したファントムだな」

 

「なるほどねぇ~、あのファントムだねぇ? よしのんの偽物を作って四糸乃を苛めたのは?」

 

プリンセス<十香>は〈サンダルフォンブレード〉を正眼に構え、ハーミット<よしのん>は〈ザドキエルファング〉を構えて、それぞれに因縁の有るファントムを見据えた。

 

「「っ!」」

 

二人は再生ファントムに立ち向かっていった。

 

 

ー琴里sideー

 

「あれが、士道の新たな姿・・・・!」

 

「うわぁあっ!!」

 

「え? うわぁっ!?」

 

イフリート<琴里>がウィザード<士道>の『フレイムドラゴンスタイル』に目を奪われていると、突然飛んできたビースト<真那>とぶつかり、地面に倒れる。

 

「ちょっと、真那! 何してんのよ!」

 

「す、すみません、ちょっとコイツらが以外と手強くて・・・・」

 

『シャァァァァァァ・・・・!』

 

『ゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・!』

 

イフリート<琴里>が目を向けると、ケットシーとゴブリンが迫ってきた。

 

「琴里。ここは俺に任せろ」

 

「・・・・士道」

 

「大丈夫だ。おにーちゃんを信じろよ」

 

「ああたくっ! 仕方ないわね!」

 

≪(イフリート。伝えておく事がある)≫

 

「(えっ?・・・・・・・・なるほどね、こっちも準備しておくわ)」

 

イフリート<琴里>はドラゴンからのテレパシーに頷くと、『カマエルブレイカー』を構えて、ビースト<真那>と一緒に再生ファントムに向かっていった。

 

 

ー士道sideー

 

ウィザード<士道>は新たな姿、『フレイムドラゴンスタイル』から感じる燃えるような魔力の脈動を実感すると同時に、ドラゴンの力の強さを体感して改めて、自分はとてつもない魔獣を体内に宿した事を自覚した。

 

「(ドラゴン、これはまだお前の力の一端に過ぎないんだな?)」

 

≪当然だ。我の力はまだまだこんなものではない。まぁそれは後でで良い。さっさとあの鳥を始末しろ≫

 

「ああ。さあ、ここからがショータイムだ!」

 

ウィザード<士道>が『フレイムドラゴンリング』を見せて、キメセリフを叫ぶとウィザード<士道>はゆっくりと、フェニックスに向かって歩を進める。

 

『フンッ! ヌォオオオオオオ!!』

 

「はっ! ふっ! せりゃ!!」

 

フェニックスが大剣を振るって迫るが、ウィザード<士道>はその攻撃をウィザードソードガン・ソードモードで受け流し、フェニックスの腹部に蹴りを叩き込んだ。

 

『ウワッ!!』

 

蹴り飛ばされたフェニックスは地面を転がり、ウィザード<士道>はウィザードソードガン・ソードモードの掌、ハンドオーサーを開いた。

 

[キャモナ スラッシュ シェイクハンズ! キャモナ スラッシュ シェイクハンズ!]

 

音声が鳴り響く中、ウィザード<士道>は『コピーリング』をハンドオーサーに翳した。

 

[コピー プリーズ]

 

音声が響くと、ウィザード<士道>のもう片方の手に、“もう1つのウィザードソードガン”が現れた。

 

「ふっ!」

 

ウィザード<士道>は二刀流となったウィザードソードガンを構えた。

 

『あぁ? くっ!』

 

フェニックスは残ったグールの魔石を放り投げ、十数体のグールを召喚した。

 

『グルゥアアアアアアっ!!』

 

迫り来るグール達に臆することなく、ウィザード<士道>は炎を纏った二刀流のウィザードソードガンを巧みに操りながら、グール達の間をすり抜けながら斬り伏せた。

 

『グアアアアアアアアッ!!』

 

斬られたグール達は傷口から燃えるような炎が立ち上ぼり、爆散していった。

 

『フン!!』

 

「はっ!」

 

悠然と佇むウィザード<士道>は、フェニックスが振り下ろした大剣を二刀流で受け止め、弾くと反撃する。

 

『グォッ! オォラァっ!!』

 

「はぁ! せいッ!」

 

フェニックスが防いで反撃すると、軽やかに受け流してすれ違い際に、フェニックスの胴体を一刀で斬りつける。

 

『ガァ! ウアッ!!』

 

フェニックスがウィザード<士道>を背後から斬り込むが、ウィザード<士道>は一本のウィザードソードガン・ソードモードを背中に回して防ぎ、受け流して二刀で斬りつける。

 

『グァアッ!! アアァッ!!』

 

「ふっ! せぇやっ!!」

 

『ヌァアアアアア!?』

 

ダメージを受けたフェニックスだが、反撃しようとするが、ウィザード<士道>はフェニックスの攻撃を回避しながら、フェニックスの身体を次々と斬りつける。

 

『ぐぅ・・・・嘘だ・・・・! この俺が、フェニックスが・・・・お前のような、雑魚魔法使いごときに・・・・!!』

 

「はあっ!!」

 

フェニックスが大剣で斬り込もうとするが、ウィザード<士道>は大剣を二刀流で弾き飛ばすと、二刀流でフェニックスの胴体に突きを繰り出した。

 

「あぁ、確かに俺は雑魚さ。でもな、皆に言ったんだ。“希望になる”って! だからお前に、お前達『絶望』に、絶対に負けないッ!!」

 

そう宣言したウィザード<士道>の腰のチェーンから、“赤い光”が放たれ、ウィザード<士道>は『フレイムドラゴンリング』と一緒に完成された『ドラゴンが火を吐いているリング』を手に取り、ウィザードライバーを起動させた。

 

[ルパッチマジックタッチゴー! ルパッチマジックタッチゴー! ルパッチマジックタッチゴー!]

 

≪どうやらこのリングは、このスタイルの時に使えるようだな?≫

 

「それなら使ってやるさ!」

 

ウィザード<士道>は右手にリングを嵌めて、ウィザードライバーに読み込ませた。

 

[チョーイイネ! スペシャル! サイコー!]

 

ウィザード<士道>が両手を交差させて開くと、背中に赤い魔法陣が展開され、真っ赤な紅蓮の炎を纏ったドラゴンが現れ、ウィザード<士道>の身体が宙に浮いた。

炎を纏ったドラゴンはウィザード<士道>の背後の魔法陣に突っ込んだその時ーーーー。

 

『ガァアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!』

 

なんと、ウィザード<士道>の胸部に、ウィザードラゴンの頭部が具現化した。

 

 

 

ー十香&よしのんsideー

 

「たぁああああっ!!」

 

『グゥオオッ!!』

 

「あらよっとぉっ!!」

 

『ガァアアッ!!』

 

プリンセス<十香>がミノタウロスを斬り伏せ、ハーミット<よしのん>がヘルハウンドにドロップキックを繰り出し、2体は地面に倒れた瞬間、二人はそれぞれの武器をバックルに翳した。

 

[マジイイネ! サンダルフォン! ステキー!]

 

[マジイイネ! ザドキエル! ステキー!]

 

「行っくよーーー!!」

 

『『グァアアアアアアアアアアアアッ!!!』』

 

ハーミット<よしのん>がザドキエルファングの口から冷気が吹き出し、ミノタウロスとヘルハウンドが凍りついた。

 

「ふっ!!」

 

「よっ!」

 

サンダルフォンブレードに夜色のエネルギーが貯まり、プリンセス<十香>はブレードを投げ、それを追うように飛び上がると、サンダルフォンブレードの柄を踏み、夜色の魔法陣を通過しするとブレードとプリンセス<十香>の身体が、夜色のオーラに包まれ、ミノタウロスに向かって急降下キックを繰り出した。

ハーミット<よしのん>も飛び上がると青色の魔法陣を通過し、ザドキエルの形をした冷気を纏って、大きく開いたザドキエルの顎と連動するように足を動かし挟み蹴りを繰り出した。

 

「はぁあああああっ!!」

 

「りゃあああああっ!!」

 

『スラッシュエンド』

 

『フリージングエンド』

 

プリンセス<十香>の刃が、ハーミット<よしのん>の牙が、魔獣達を粉砕した。

 

「やったね十香ちゃん!」

 

「うむ! やったなよしのん! 四糸乃!!」

 

≪よしのん、十香さん。格好良かったです・・・・!≫

 

プリンセス<十香>とハーミット<よしのん>はそのままハイタッチした。

 

 

 

ー琴里&真那sideー

 

[マジイイネ! カマエル! ステキー!]

 

「はぁ!!」

 

『グォオオ!!?』

 

イフリート<琴里>はカマエルブレイカーの砲口となった柄をケットシーに向けると、放たれた炎がケットシーを拘束した。

 

「さぁ、ランチタイムでやがりますよっ!!」

 

[キマイラ! ビーストクラッシュ! ゴー! ゴー!!]

 

「ハッ! はぁぁぁぁぁぁ・・・・!」

 

「フッ! ふぅぅぅぅぅぅ・・・・!」

 

二人は構えると飛び上がり、赤色の魔法陣を通過して、イフリート<琴里>の両足に炎が纏いケットシーに向かって一回転して踵落としを繰り出す。

ビースト<真那>の右足に金色の魔力が集まり、金色の魔法陣を通過し、跳び蹴りを繰り出すと、ライオンキマイラの幻影がゴブリンを噛み砕こうとする。

 

『インフェルノエンド』

 

『ライオン・ファング<牙>クラッシュ』

 

焔の鉄槌と野獣の牙が、魔獣を粉砕した。

爆散した魔獣達から、ビーストの魔法陣が出現すると、ビースト<真那>のドライバーに吸収された。

 

「ふぅ~、ごちそうさまでやがります」

 

「・・・・・・・・・・・・令音。準備をしていて」

 

《ん。了解した》

 

手を合わせるビースト<真那>を一瞥して、イフリート<琴里>はソッと令音に連絡した。

 

 

 

ー士道sideー

 

『それが、お前の中のファントムか・・・・! うぉおおおおおおおおおおおおおおおっ!!』

 

フェニックスは首だけ現れたドラゴンを見て、驚愕したような声色を発して、全身に炎を纏いフェニックス、火の鳥となって、ウィザード<士道>に突っ込む。

 

『我の炎と貴様の炎。どちらが上か見せてやるわっ!』

 

「フィナーレだ!」

 

胸部に具現化したドラゴンの口から強力な火炎放射が放たれた。

 

『ウォオリャァアアアアアアアアアア!!』

 

フェニックスは全身の炎を拳に集中させて、火の鳥の形をした炎を放つが、ドラゴンの火炎に自分の身体ごと呑み込まれ、その身体が徐々に焼かれた。

 

『グォオオオオオオオオオオオオオオオッ!!』

 

絶望から生まれた火の鳥は、希望の魔法使いと魔龍が生み出す炎に焼かれた。

 

『ドラゴンブレス』

 

「ふぃ~」

 

『ふん』

 

士道が息を吐き、ドラゴンがふんぞり返るように息を吹いて、姿を消した。

 

「スゴかったぞシドー、ドラゴン!」

 

「やるねぇ~!」

 

「随分派手に倒したわね」

 

「流石は兄様でやがります!」

 

「皆!」

 

勝利したウィザード<士道>の前に、精霊達と妹達が集まるが、ビースト<真那>はすぐにプラモンスター達に安全な場所に運ばれた折紙の元に駆け寄り、折紙を背負った。

 

「兄様。間もなくASTもこちらに来やがりますから、すぐに退散しやがってください」

 

「お、おい真那!」

 

[ファルコ! ゴー! ファ、ファ、ファ! ファルコ!!]

 

「ではまた!」

 

そう言ってビースト<真那>は、折紙を連れて飛んで行った。

 

「真那・・・・」

 

「安心しなさい。こちらも手を打っておいたわ」

 

「えっ? どういうことだ?」

 

「その内わかるわよ。さ、私達も〈フラクシナス〉に移動よ!」

 

イフリート<琴里>がそう言うと、ウィザード<士道>達は浮遊感に包まれ、〈フラクシナス〉に回収された。

出迎えに来た神無月は、なぜか上半身はボロボロに破れた軍服となり、下半身はパンツ一丁でまるで自分達のように、決死の戦いをしてきたような雰囲気になっていたのが気になったが、ウィザード<士道>は深く考えないようにした。何だが一緒にするのが滅茶苦茶イヤだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー狂三sideー

 

「・・・・ふぅ。まだまだ、足りませんわね・・・・」

 

気だるそうに軽く伸びをした時崎狂三は、夕日のビル群の屋上の縁に腰掛け、今自分のいるビルの人間達から〈時喰みの城〉で時間を吸い上げていた。

先日で予想以上に消費された分身体は500体。また分身体を生成する為に『時間』を補充するためだ。

大量に殺せば効率良く補充できるが間違いなく騒ぎとなり、魔獣<ファントム>やASTや赤い精霊<琴里>に嗅ぎ付けられる危険があるからだ。

狂三の天使〈刻々帝〉は能力はとてつもないが、その分燃費が最悪に悪いのが弱点なのだ。

 

「次は・・・・絶対に、いただきますわよ、士道さん、ドラゴンさん」

 

上弦の月のように歪んだ笑みを浮かべてクスクスと笑みを漏らした。

 

「・・・・っ!?」

 

狂三は後ろを振り返ると、『それ』が現れた。実像が見取るのも困難なほど、存在感が粗かった。

それから狂三は『それ』と幾ばくか会話を重ね、狂三は【十二の弾<ユッド・ベート>】、『時間遡行の弾』を使うことを話した。

 

「ーーーー【十二の弾<ユッドベート>】。わたくしはそれで、30年前に飛びますの」

 

【30年前・・・・? なぜそんな時代に】

 

『それ』の問いに、狂三は続けた。

 

「30年前、この世界に初めて現れたという精霊。全ての精霊の根源となった『最初の精霊』。ーーーーそれを、この手で殺す為ですわ」

 

【・・・・・・・・・・・・】

 

『それ』は無言となるが、狂三は構わず続ける。

 

「この世に、精霊が現れたという事実を消し去る。今この世界にいる全ての精霊を、“無かったことにする”。ーーーーそれが、わたくしの悲願ですわ」

 

しばしの沈黙のあと、『それ』が声を発する。

 

【そうーーーー君は、以外と優しいんだね】

 

「・・・・・・・・っ!」

 

狂三は不快そうに眉根を寄せて、握っていた短銃で『それ』を撃ち抜いたが、弾丸が届く前に『それ』の身体は闇に溶けて消えた。

 

 

 




次回、琴里編終了!
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