デート・ア・ライブ 指輪の魔法使いと精霊の恋愛譚   作:BREAKERZ

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お待たせしました。水竜の登場です。


2つの風と氷竜

ー白い魔法使いsideー

 

『・・・・・・・・上手くいったか』

 

白い魔法使いは、戻ってきたウィザード<士道>が、ビースト<真那>に指示を出し、ビースト<真那>がそれに従ったのを確認すると、『タイム』で時間停止させた〈アルバテル〉を解放した。

 

『さて、ここからが本番だな・・・・』

 

白い魔法使いは、ウィザード<士道>達から離れた位置で、フェニックス達と交戦している精霊ライダー達のいる方向を見据えた。

 

 

 

 

 

ー〈アルバテル〉sideー

 

DEMの空中艦〈アルバテル〉の艦長・パディントンは、苛立ちを堪えきれずにいた。

〈アルバテル〉の不可視迷彩<インビジブル>を解除するなどと言う民間人にも目撃される愚行まで行うほどだ。

今回の作戦、〈アルバテル〉や〈バンダースナッチ〉、そしてエレン・メイザースの能力を以ってすれば、成功以外あり得なかった。

しかし、ここまで失態を重ねた理由ーーーー全ては、あの忌々しい〈ラタトスク機関〉の所為だ。

精霊を懐柔し、空間震を解決させようなどという酔狂な集団にしてやられたという事実など、パディントンにとってこれ以上無い失態だ。

それを帳消しにするならば、それを補って余りある成果が必要になる。

パディントンは、画面上に映し出された二人の少女を睨み付けた。

先程通信が途切れる直前にもたらされた情報によれば、あれが彼の精霊〈ベルセルク〉であるという事だった。

 

「遠隔制御室<コントロールルーム>の消火は済んだな!? 艦に残っているバンダースナッチを全て発進させろ! なんとしても〈ベルセルク〉と〈プリンセス〉だけでも拿捕するのだ!」

 

「し、しかし!」

 

「いいからやれッ!」

 

パディントンの怒号から一拍おいて、クルーが奥歯を噛みながらコンソールを叩いた。

 

 

 

 

ー士道sideー

 

「な、なんだありゃっ!!?」

 

≪おそらくあの機械人形を連れていた小娘の一味だろうな≫

 

「ドラゴン! 俺達で・・・・!」

 

≪その必要はないようだな≫

 

「ーーーー何よ、あれは」

 

「同意。空気を読んで欲しいです」

 

起き上がった耶倶矢と夕弦は、上空に現れた巨大な鉄の塊を見上げながら、不機嫌そうに声を発して、上空に飛んだ。

せっかく最愛の半身と和解し合えたというのに、絶妙のタイミングでそれを邪魔されてしまったのである。

二人が空を飛んだその時、戦艦の下部のハッチらしき部分が開いたかと思うと、そこからバラバラと、手足や背に様々な武器を積んだ人形(〈バンダースナッチ〉)が落ちてきた。

その亜人か悪魔のような機械の人形達は、空中で背のウイングを広げると、存外軽やかに空中を旋回し、耶倶矢と夕弦を取り囲むように飛び始めた。

と、次の瞬間、周囲を飛び回る人形達が、右手に備えた筒のようなものを二人に向け、そこから光線を発してくる。

 

「うおっ!?」

 

「・・・・!」

 

耶倶矢と夕弦はすんでのところでそれを躱すと、キッと人形を睨み付けた。

が、すぐに他の人形たちもそれに追随するように砲を構え、耶倶矢たちに攻撃を仕掛けてくる。

 

「く、なんだこの人形たちは!」

 

「攻撃。鬱陶しいです」

 

耶倶矢と夕弦はそれぞれの武器である槍とペンデュラムを構え、周囲の人形達を吹き飛ばしていく。

が、吹き飛ばされた人形たちは、何事もなかったように姿勢を直すと、再び二人に向かってきた。

耶倶矢と夕弦は不快そうに眉を歪めた。

 

「む・・・・気味の悪い輩よ」

 

「同意。正直触りたくありません」

 

耶倶矢と夕弦は再び人形を吹き飛ばすと、再び上空を仰ぎ見た。

まだ人形は打ち止めでは無かったらしい。またもバラバラと、巨大な艦から人形が投下される。

二人はそれを見てうんざりと眉を歪める、唯でさえ先ほどの苦痛で疲れているから尚更だ。

そして、全く同時に口を開いた。

 

「あのさ、夕弦」

 

「提案。耶倶矢」

 

声が綺麗に重なる。耶倶矢と夕弦はキョトンと目を丸くすると、顔を見合わせた。そして何処からともなく、「ふふっ」と声が漏れる。

 

「やっちゃう?」

 

「肯定。やっちゃいます」

 

二人は小さく頷き合うと、耶倶矢が左手を、夕弦が右手を差し出し、ぴたり、と合わせた。

すると二人の霊装と天使が光り輝きーーーー耶倶矢の右肩に生えていた羽と、夕弦の左肩に生えていた羽が合わさって、弓のような形状を作った。

次いで夕弦のペンデュラムが弦となって羽と羽とを結びーーーー耶倶矢の槍が、矢となってそれに番えられる。

今度は、耶倶矢が右手で、夕弦が左手で。

霊装の鎧に包まれた手で以って、左右から同時にその弦を引いた。

最大まで引いた弓を、上空の戦艦へと向ける。

そして。

 

「「〈颶風騎士<ラファエル>〉ーーーー【天を駆ける者<エル・カナフ>】!!」」

 

二人が、全く同時に手を離し、その巨大な矢を、天高く打ち上げた。

瞬間、これまでが比べ物にならない程の風圧が、辺りを襲う。

彼女らの直下にいたウィザード<士道>はまだ良かったが、二人に飛びかかろうとした人形は、その余波だけで吹き飛ばされ、残った木々は薙ぎ倒され、森が波打つようにざわめいていく。

風の加護を持った矢の進行を止められるものなど、この世界に存在しない。

絶対にして無敵の一点集中攻撃。

八舞たる二人、耶倶矢と夕弦、二人で一人の颶風の精霊が揃って初めて放たれる、最強の矢。

人間の産物の戦艦に、それを防げる道理など、あるはずがなかった。

巨大な戦艦は瞬く間に〈颶風騎士<ラファエル>〉の矢に貫かれ、そしてそれの纏った風圧により内部機関を滅茶苦茶に破壊されーーーー巨大な爆発を伴って夜空を赤く染めた。

 

「す、すげぇ・・・・」

 

≪しかしなんとも、風情も雅さの欠片も無い無骨で汚ない花火だな≫

 

ウィザード<士道>はあまりの破壊力に呆気に取られ、ドラゴンも少し驚いていた。

と、士道達の背後から耶具矢の含み笑いが聞こえてきた。

 

「くく・・・・我らが颶風は強烈だからな。斯様な人形など塵芥の如く翻弄されるのみよ」

 

「同調。弦と耶具矢の風は最強です」

 

言って二人が、拳を合わせて微笑み合う。今までの様子は何だったのだ? と思うほどの仲直りっぷりだ。

耶具矢と夕弦が士道に向き直る。

 

「あぁ・・・・士道。まあ、なんと言うか、ありがとうね。色々と」

 

「多謝。士道のお蔭で、耶具矢と争わずに済みました」

 

「あ、いや、そんな・・・・」

 

急にしおらしくなった二人に面食らう士道の様子に構わず、耶具矢と夕弦は互いに目配せしてから、士道に視線を戻す。

 

「だから、まあ、つまんないもんだけど、お礼にと思って」

 

「請願。目を閉じてください」

 

「は? 目って・・・・」

 

≪(っ、なるほど) いいから目を閉じていろ≫

 

士道は眉をひそめながらも、大人しく指示に従う。

するとーーーー。

 

「・・・・!?」

 

≪よし・・・・!≫

 

声だけでもグッと拳(爪?)を握ったようなドラゴンの声に構わず、士道の唇の右と左に、同時に柔らかい感触が生まれ、士道は目を白黒させた。

そう。耶具矢と夕弦が、同時に士道の唇に口づけをしてきていたのである。

 

「な、お前ら、何をーーーー」

 

「だ、だから言ったでしょ、お礼代わりって。私と夕弦なんて超絶美少女二人分のファーストキスよ? 喜び舞い踊るならまだしも、その反応ってどうよ?」

 

「謝罪。ご迷惑でしたか?」

 

耶具矢が顔を赤くして腕組みし、夕弦がすまなさそうに顔を俯かせる。とーーーー。

 

「な・・・・」

 

「驚愕。これはーーーー」

 

二人が狼狽に満ちた声を発した。二人が纏っていた霊装が、光の粒子となって消えていったのだから、無理もない。

 

「う、うきゃぁぁぁッ!?」

 

「狼狽。エッチです」

 

二人が揃って胸元を覆い隠し、その場にうずくまる。

 

≪さっさと『ドレスアップ』だ。この愚図ノロマ≫

 

「ふ、二人とも、このリング嵌めてドライバーに翳してくれ・・・・!!」

 

顔を赤くした士道がそう言うと、まず耶具矢がリングを嵌めてドライバーに翳した。

 

[ドレスアップ プリーズ]

 

耶具矢の身体を魔法陣に包まれると、動きやすい短いスカートの黄色のドレスを纏った。

 

「わっ! なにこれ?!」

 

「唖然。耶具矢、キレイです」

 

「ほら、夕弦も」

 

[ドレスアップ プリーズ]

 

耶具矢からリングを外して夕弦に渡すと、夕弦もリングを嵌めて翳すと、同じように魔法陣に包まれると、耶具矢と同じデザインだが、色は橙色のドレスだった。

 

「驚嘆。これが魔法ですか」

 

「夕弦。アンタも綺麗じゃん」

 

「否定。耶具矢の方が綺麗です。まるでお姫様です」

 

「えぇ~。夕弦の方が綺麗なお姫様だし~♪」

 

「否定。耶具矢の方が素敵なお姫様です。絶世の美少女です」

 

「もう夕弦~♪」

 

「応答。耶具矢~♪」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

≪・・・・・・・・なんだこの茶番劇≫

 

士道もドラゴンも、こっちをそっちのけでイチャイチャする二人に半眼になってあきれるが・・・・。

 

ーーーードオォォォォォォォン!!

 

「「「っ!!?」」」

 

≪む!≫

 

「「「うぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」

 

士道達が突然の爆音に、音が聞こえた方に目を向けると、プリンセス<十香>とハーミット<よしのん>、そしてビースト<真那>が士道達のいる地点に吹き飛んできた。

ビースト<真那>は受け身を取ったが、プリンセス<十香>とハーミット<よしのん>は地面を転がり、変身が解除され、士道達の近くに行くと止まったが、もはや戦える状態ではないのが明らかだった。

 

「十香! 四糸乃! 真那!」

 

「ええっ!! 十香っ!?」

 

「驚愕。十香が変身してました・・・・!」

 

士道が倒れた二人に駆け寄り、耶具矢と夕弦が、士道に変身していた十香に目を見開いた。

 

『おいおいおいおいなんだよ、〈ベルセルク〉達の戦いも終わりかよ』

 

十香達が吹き飛んできた方角から、フェニックスが、四糸乃の氷から出てきたのか、ガーゴイルとヴォジャノーイを連れて現れた。

 

「フェニックスっ!」

 

「す、すまないシドー、何とかフェニックスを、足止めしていたのだが・・・・」

 

『他の2体も出てきて、不意をつかれちゃったよ・・・・』

 

「す、すみま、せん・・・・」

 

十香達がボロボロの身体を起こしてそう言うと、士道はマスクを展開させた。

 

「ありがとな皆、後は任せろ!」

 

ウィザード<士道>は、十香の近くに落ちていたウィザーソードガンを拾って、ダイスサーベルをフェニックス達に突き立てるように構えるビースト<真那>の右隣に立つ。

がーーーー。

 

「って、耶具矢に夕弦! お前らまでなんで来てんだよ!」

 

ウィザード<士道>の右隣に、いつの間にかドレス姿の耶具矢と夕弦が、妙にカッコいいポーズを取って立っていた。

 

「くくく・・・・。何を言うか、我が忠実な従僕を可愛がってくれた不埒者を征伐する為に決まっているではないか」

 

「肯定。まさにクライマックスです。ドガバキっとやっつけます」

 

「いやお前らは変身が・・・・」

 

できないだろう、と、ウィザード<士道>が言おうとしたら・・・・。

 

『ピュィィィ!』

 

『ガゥ! ガゥ!』

 

「えっ? ガルーダ?」

 

≪よく見ろ節穴。色が違う≫

 

『白いガルーダ』と『黒いケルベロス』のようなプラモンスター達がウィザード<士道>の目の前に現れ、ウィザード<士道>にあるものを渡して、その場から去った。

それは、色がついていない『スピリッドライバー』だった。

 

「これって、『スピリッドライバー』??!」

 

≪なるほどな。・・・・小僧そのまま持っていろ≫

 

ドラゴンがウィザード<士道>が持っているコンパクトに魔力を送っている感覚を感じると、コンパクトがそれぞれ、黄色と橙色となった。

 

≪それを〈ベルセルク〉達に渡せ≫

 

「あ、ああ!」

 

 

 

 

ーフェニックスsideー

 

『フ、フェニックス様! ま、まさかあれって!?』

 

『手ぇ出すなよ。これで面白くなりそうだぜ』

 

フェニックスは楽しそうに言うが、ガーゴイルとヴォジャノーイは嫌な予感がしていた。

 

 

 

ー士道sideー

 

「耶具矢! 夕弦!」

 

ウィザード<士道>は、黄色のコンパクトを耶具矢に、橙色のコンパクトを夕弦へと手渡した。

 

「む、何だこれは?」

 

「質問。これは何ですか士道?」

 

「使い方を説明するから、今は従ってくれ。まずそのコンパクトを開いて折り畳んで、俺のドライバーのように腰に当ててくれ!」

 

訝しそうな顔をする二人は言われる通りにすると、腰に当てたその時ーーーー。

 

[[ドライバーセット]]

 

「のぉ!?」

 

「吃驚。これは・・・・!」

 

するとコンパクトがドライバーの形となり、リズミカルな女性の声が響く。

 

[[ドライバーセット シャバドゥビタッチヘンシン~♪ シャビドゥビタッチヘンシン~♪ シャビドゥビタッチヘンシン~♪]]

 

「二人とも! その指に嵌めたリングをドライバーに翳すんだ!」

 

ウィザード<士道>の言葉で、二人は何かを察したように頷き、妙にカッコいいポーズを取って耶具矢は左薬指に嵌め、夕弦は右薬指に嵌めたリングを翳した。

 

「くくく、魔性の物怪共よ! 刮目して見よ! いざ・・・・!」

 

「「変身」」

 

[ベルセルク・テンペスト プリーズ!]

 

[ベルセルク・ストーム プリーズ!]

 

二人はリングを嵌めた手をバッ! と広げると、手の先から黄色と橙色の魔法陣が展開され、二人の身体を通過すると、耶具矢は黄色いトパーズの塊に、夕弦は橙色のオレンジサファイアの塊に包まれ、それが砕け散ると、二人の姿が変わった。

 

耶具矢は黄色の宝石の右側に伸びた三日月状の冠を付けた仮面と、鎧を左肩、右腕、左太腿、右足に付け、黄色のストールを左側に垂らし、風になびいていた。

夕弦は橙色の宝石の仮面に左側に伸びた三日月状の冠と、鎧を耶具矢とは逆に装備し、橙色のストールを右側に垂らし、風になびかせる。

 

疾風怒濤の颶風の巫女、八舞が変身した〈仮面ライダー〉。

〈仮面ライダーベルセルク・テンペスト〉。

〈仮面ライダーベルセルク・ストーム〉が誕生した。

 

「うおぉぉぉぉぉっ! 私達も変身したよ夕弦!!」

 

「感激。凄く興奮します・・・・!」

 

仮面越しでも鼻息荒く興奮しているのが分かるほど、二人ははしゃぎまくっていた。

 

≪おい小僧。こっちも新スタイルでいくぞ≫

 

「ああ!」

 

[ウォーター プリーズ スイ~スイースイースイ~♪]

 

ウィザード<士道>はウォータースタイルにチェンジすると、次は『ウォーターの強化リング』をドライバーに翳した

 

[ウォーター! ドラゴン! ジャバジャババシャーン! ザブンザブーン!]

 

声が響くと、頭上に青い魔法陣が展開され、そこから水の姿をしたドラゴンが飛び出し、ウィザード<士道>の身体を魔法陣が通過し、水のドラゴンと重なり大量の水に包まれる。

 

「はぁっ!!」

 

水を振り払うと、新たな姿となったウィザードが現れた。

仮面と胴体にウィザードラゴンの頭部が装飾され、肩には青石のサファイアが装備され、黒いロングコートは美しい青と染まり、青い海のようなサファイアブルーとなったその姿。

『絶望を洗い流す魔法使い<士道>』と、『立ち塞がる者を凍てつかせる魔獣<ドラゴン>』、2つの心が1つとなった変幻自在な『激流』となったその名をーーーー。

 

〈仮面ライダーウィザード ウォータードラゴンスタイル〉。

 

「おぉ! シドーがまた新しいマホー使いになったぞ!」

 

「す、凄く、キレイです・・・・」

 

『うわぁ~ぉ! ウォーターの新しいスタイルだねぇ♪ 今までスタイルの中で一番綺麗でクールなんじゃない?』

 

「何を言っとるか貴様っ! 『緑の風龍の魔法使い<グリューン・ヴィントドラッヘ・マギア>』の姿が一番美しいではないかっ!!」

 

「同意。ハリケーンドラゴンの方が綺麗でカッコいいです」

 

「皆さん、遊んでいる場合じゃねーですよ」

 

精霊達がわちゃわちゃし始めようとするが、フェニックスがグール達を数体ほど召喚したので、話を終わらせた。

 

『さぁ~て、祭りと行こうぜ!!!』

 

「さぁ、ショータイムだ」

 

「くくく、ありがたいと思え」

 

「呼応。絶滅タイムです」

 

ビースト<真那>に倒れた十香達を任せ、ウィザード<士道>はフェニックスに、テンペスト<耶具矢>とストーム<夕弦>はガーゴイルとヴォジャノーイへと向かった。

 

 

 

 

ー真那sideー

 

「さて、ディナータイムでやがりますよ!」

 

ビースト<真那>は十香達を守りながら、ダイスサーベルでグール達を切り伏せていく。

 

『グァッ!』

 

『ギャァ!』

 

爆発したグール達から魔法陣が現れ、ビーストドライバーに吸収される。

 

 

 

ー八舞sideー

 

[ラファエルランス]

 

[ラファエルロッドビュート]

 

スピリッドライバーに手を翳すと、テンペスト<耶具矢>には突撃槍が、ストーム<夕弦>には鎖状の片手剣を握り、迫り来るグール達を倒していく。

 

「ハハハハハハハ! 近からん物怪は目に物を見よ! 遠からん物怪は音にも聞け! 颶風の巫女である八舞の華麗なる演舞を!!」

 

『ラファエルランス』を振り回しながら、グール達をなぎ倒していく。

 

「ハハハハハ! どうだ夕弦! この我の戦いぶりは!」

 

「溜息。耶具矢は無駄な動きが多過ぎます。変にカッコ良く戦おうとして、取りこぼしが多いです」

 

テンペスト<耶具矢>の大振りな攻撃から避けたグール達を、ストーム<夕弦>が『ラファエルロッドビュート』の刀身を伸ばして貫く、それを引き抜くとグールは爆散させ、まるで鞭のようにしならせてから元の形態に戻した。

 

「えぇっ!! そっちの方がカッコいいし! 夕弦の戦い方なんて地味だし!!」

 

「憤懣。地味ではありません。効率良く戦っているのです」

 

「それが地味って言うんでしょ!」

 

ギャイギャイ言い合う八舞だが、ガーゴイルとヴォジャノーイが攻めてきた。

 

『シャァ!』

 

『グラァ!』

 

「おっとぉ!」

 

「回避。よっと」

 

二人は二体の攻撃を回避し、ガーゴイルをテンペスト<耶具矢>が、ヴォジャノーイをストーム<夕弦>が相手取った。

 

『〈ベルセルク〉! 『ゲート』じゃなくなったから始末してやるッス!』

 

「くくく。丁度善い。貴様には借りがあったな!」

 

『ケッ! せっかくお前らの秘密をフェニックス様に教えて、万事上手く行っていたのによぉ!』

 

「理解。そうですか、夕弦達の秘密を暴いたのはあなたですか。報いを受けてもらいます・・・・!」

 

仮面ライダーベルセルクは、二体のファントムと交戦を始めた。

 

 

ー士道sideー

 

ウォータードラゴンスタイルとなったウィザード<士道>は、『コピー』でウィザードガンソードをガンモードとソードモードを片手に持ってフェニックスの大剣と刃を交える。

 

『オゥラッ!』

 

「フッ!」

 

『ハハハ! 今度は俺の属性と真逆の水の属性かっ!? それで俺を倒しても! 俺は何度でもよみがえるぜっ!』

 

「それでも! 何度でも倒してやる!! はぁ!!」

 

『グォオッ!!』

 

水の属性が付与されたガンモードの弾丸が、フェニックスの身体にダメージを与える。

 

『うぉらぁっ!!』

 

[ウォータードラゴン! スラッシュストライク!]

 

[ウォータードラゴン! シューティングストライク!]

 

フェニックスが手から業火を放射すると同時に、ウィザード<士道>はまず激流の斬撃を放ち、続いて水竜の弾丸を発射すると、斬撃と重なり、水竜に翼を付けたような姿となり、炎を飲み込みながら突き進み、フェニックスの身体を水が包み込んだ。

 

『ヌオッ!?』

 

≪いまだ・・・・!≫

 

ドラゴンの声で、『ドラゴンと氷の結晶のリング』を取り出し、ドライバーに読み込ませた。

 

[チョーイイネ! ブリザード! サイコー!]

 

手のひらに魔法陣が現れ、フェニックスに向けて飛ばし、フェニックスの身体を通過すると、身体が氷に覆われた。

 

『ガ・・・・! アァ・・・・!!』

 

≪我の力に恐れ戦くが良い!≫

 

[チョーイイネ! スペシャル! サイコー!]

 

『スペシャル』を読み込ませると、ウィザードの腰の辺りに魔法陣が展開され、巨大なドラゴンの尻尾が出現し、フェニックスに叩き込み、氷付けになったフェニックスの身体は砕け散った。

 

「よし! 耶具矢と夕弦は?!」

 

『『グゥアアアアアアアッ!!』』

 

「えっ?」

 

ウィザード<士道>が悲鳴の方に顔を向けると、ガーゴイルとヴォジャノーイが転がってきた。

 

「かかかか! では夕弦よ!」

 

「了承。決めちゃいましょう」

 

ベルセルク<耶具矢と夕弦>は、『ラファエルリング』をドライバーに翳した。

 

[[マジイイネ! ラファエル! ステキー!]]

 

二人の頭上に黄色と橙色の魔法陣が展開され、二人は魔法陣を通過するように飛び上がると、それぞれの魔力のオーラを纏った。

 

「はぁあああああああああっ!!」

 

「必殺。てぃやぁぁぁ・・・・!」

 

『うわっ! ヤバイ!!』

 

『ええっ!? ぐぉあっ!!!!』

 

ストーム<夕弦>が『ラファエルロッドビュート』をファントム達に向けて伸ばすとヴォジャノーイがガーゴイルを盾にし、伸ばされた鎖がガーゴイルの身体に巻き付き拘束し、二人のストールが大きく広がり、テンペスト<耶具矢>は『ラファエルランス』の切っ先をファントムに向け、ストーム<夕弦>も蹴りをするフォームを取ると、ストールが二人を包み込み、螺旋状の形態となって、ガーゴイルに突っ込む。

 

『く、クッソォッ!!!』

 

ガーゴイルは自らの身体を石化させ、防御態勢を取るが・・・・。

 

ーーーーガリガリガリガリガリガリ・・・・!!!

 

二つの螺旋の槍は少しずつだが確実に、ガーゴイルの鉱石となった身体を削っていき、そしてーーーー。

 

『う、そ、ッス・・・・!!』

 

ーーーードガァアアアアアアアアアアアアンン!!

 

『スクリューエンド・テンペスト』

 

『スクリューエンド・ストーム』

 

ガーゴイルは石化した状態でそう言った瞬間、ガーゴイルの身体は貫かれ、爆散した。

 

「ふん!」

 

「呼吸。ふぅ~」

 

二人は着地して一呼吸すると、パンッ、とハイタッチした。

 

『ゲゲゲゲゲ!』

 

ヴォジャノーイが逃げようと液状化して海に飛び込んだ。

 

「っシドー! あのカエルのようなファントムが逃げたぞ!!」

 

「っ! ドラゴン!!」

 

≪液状化していても、注意深く探ればヤツの気配を探知できる!・・・・・・・・あそこだ!!≫

 

[チョーイイネ! スペシャル! サイコー!]

 

ドラゴンの尻尾を召喚し、海を切り裂くように振り回すとーーーーなんと海がモーゼのように一直線に割り、液状化したヴォジャノーイがいた。

 

『ええええええええええええ!!!?』

 

精霊達が海を真っ二つになった光景に、揃って驚いた声を上げる。普段大声を出さない四糸乃や、夕弦も二次熟語を忘れる程だ。

 

「普段からドラゴンに尻尾でド突かれてる経験は伊達じゃないぜ!!」

 

≪情けない自慢を得意気にほざくなウスラトンカチ≫

 

「ああ、フィナーレだ!」

 

[チョーイイネ! ブリザード! サイコー!]

 

魔法陣で海ごとヴォジャノーイを凍らせると、割れた海の上を滑るように移動し、尻尾をヴォジャノーイに叩き込んだ。

 

『グァアアアアアアアア!!』

 

ーーーードゴォォォォォォォォンンンッ!!

 

『ドラゴンスマッシュブリザード』

 

ヴォジャノーイが爆散すると、ウィザード<士道>は大回転しながら跳躍し、陸地に着地すると海は元通りになったが、大量の雪の結晶が風に乗り、星空の光を反射させて、キラキラと輝いた。

 

「ふぃ~」

 

≪一息は後回しだ。フェニックスをどうにかしないとな≫

 

「あっ! そうだ! フェニックスを・・・・」

 

このままフェニックスを放っておいても『再生能力』で復活する可能性がある。と思った瞬間ーーーー。

 

[タイム ナウ!]

 

音声が響くと、フェニックスが爆散し、残された残骸を中心に、大量のオレンジ色の魔法陣が大少と展開された。

 

「な、なんだ?!」

 

[テレポート ナウ!]

 

再び音声が響くと、残骸は全て、真下に出現した魔法陣に包まれ、消えていった。

 

「あの、魔法は・・・・まさか!」

 

『火のエレメントと風のエレメントだけでなく、水のエレメントも使いこなせるようになったか・・・・』

 

ウィザード<士道>達から少し離れた位置に、『白い魔法使い』が現れた。

ウィザード<士道>は驚き、十香達も少し警戒する。

 

「白い、魔法使い・・・・!?」

 

『フェニックスの残骸は私の魔法で時を止めた。これで約五時間は止まった状態になる上に、大西洋の辺り残骸を散らした。これで今から約一日分は時間を稼げるだろう』

 

「あ、あんたが、なぜここに・・・・!」

 

『今回の戦いは少々厳しいと思ってな。『アーキタイプ』、いや、〈仮面ライダービースト〉の彼女の力を借りようと、ここに連れてきたのだ』

 

「っ! 真那を!?」

 

ウィザード<士道>が目を向けると、ビースト<真那>は『白い魔法使い』の隣に跳んでいった。

 

「真那!」

 

「では兄様に皆さん! また今度!」

 

[テレポート ナウ!]

 

『白い魔法使い』が魔法を発動させると、『白い魔法使い』とビースト<真那>は魔法陣の中に消えていった。




ー〈仮面ライダーベルセルク・テンペスト&仮面ライダーベルセルク・ストーム〉ー

デザインは『仮面ライダービルド』の『エンジンブロスとリモコンブロス』の仮面ライダー版。
『ラファエルランス』。『仮面ライダー龍騎』の〈仮面ライダーナイト〉の『ウィングランサー』がモデル。
『ラファエルロッドビュート』。『仮面ライダーキバ』の〈仮面ライダーサガ〉の『ジャコーダー』がモデルです。
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