デート・ア・ライブ 指輪の魔法使いと精霊の恋愛譚 作:BREAKERZ
幻影の謎と出会う幽霊
ードラゴンsideー
『・・・・・・・・また、“この夢か”』
ドラゴンは、自分が『夢』を見ている事を自覚しながら、夢の景色を見ていた。
何気ない日常を生きる“人間の姿となった自分”。
空間震が起きてその日常の景色が破壊され。
そして空間震の爆心地にいる精霊。
が、その精霊の姿は確認できない。その精霊はまるでノイズが身体を覆い尽くしているような姿であり、その姿は解らなかった。
そして“人間の自分”が慌ててその精霊を連れて、自宅へと走っていく。
『もはや、この夢にも馴れた。しかし、いつもこの辺りで終わっていたな・・・・』
思い返せば、ドラゴンスタイルに到達してからと言うものの、7日に1度はこの夢を見て、そして自宅の扉を開けた所で、目覚ましのアラームが鳴ったり、士道が起こしたりで目が覚めて中断してしまう。その度に士道を尻尾ド突きでシバいていたが。
『・・・・やはりこの精霊は、『始原の精霊』では無いのだろうか?』
伊達に何度も同じ夢を見ていない。最初は何処かでボヤけていた街の情景が鮮明になり、これが昔ーーーーもっと詳しく言えば数十年くらいの過去の町並みであると見抜き、この姿を見せない精霊が、『原始の精霊』なのではないかと推察していた。
『んっ!?』
扉を開けた瞬間、ソコで『夢』が終わる筈であったが、不思議な事に、『夢』は続いていたのだ。
『どういう事・・・・なっ!!?』
ソコで、玄関に置かれた小さな鏡に映った“人間となった自分”を見て、ドラゴンは驚愕に目を見開いた。
なぜなら鏡に映ったのはーーーー。
『小僧・・・・?』
そう、ソコに映っていたのは、“五河士道だったのだ”ーーーー。
ーーーージリリリリリリリリリリリ!!!!
◇
ーーーーと、そこで士道のスマホのアラームが鳴り響き、ドラゴンは現実世界に戻ってきた。
「ふぁ~あ、ようドラ「バキィイイイインンッ!」ごふばぁっ!!」
起き抜けに、呑気で緊張感の欠片も無い間抜け面を晒す士道にムカついたのか、『夢』を邪魔された事に怒ったのか(おそらく9:1でムカつきが勝っている)、ドラゴンが尻尾ド突きを脳天にお見舞いし、士道は目を回して倒れた。
≪(・・・・何故、小僧が現れたのだ?)≫
ドラゴンは内部から、意識が戻ってきて、死にかけのゴキブリのように床を這いつくばる士道を見下ろしながら首をかしげた。
ー士道sideー
と、朝からドラゴンと遊んでいた士道は、ある場所に来て、困り顔を作る。
「うふふー。ねぇ、だーりん。もっとこっちに来ても良いんですよぉ? ほぉらぁ」
「や・・・・あのな美九」
「何ですかー? あ、そうだ。この前美味しいイタリアンのお店を見つけたんですよぉ。今晩って何か予定ありますかぁ? 良かったらハニーも連れて一緒に行きましょうよぉ。ハニーもイタリアンを食べてみたいですかぁ?」
『・・・・ペペロンチーノとティラミスを食してみたい』
「いやあのな、十香達の晩飯作らないといけないから・・・・」
「なぁんだー、じゃあ十香ちゃん達も一緒に行きましょうよー。私はそこまで狭量な女じゃありませんよー? 勿論私の奢りですから安心してくださいねぇ」
『(むしろこの子が、〈プリンセス〉達とも一緒にいたいだけなのではないのか?)』
「いや、だからな、美九・・・・」
無邪気な笑みを浮かべながらグイグイと身体を押し付け、更に猫くらいの大きさの思念体となったドラゴンをスラッとしている美脚の上に乗せている誘宵美九だった。
学年では一応士道の1つ上なのだが、日頃から先輩らしからぬ子供っぽい言動が見受けられる。
が、身体はしっかり育っており、動く度に夕弦をも上回る豊満なバストが士道に押し付けられ、どうすれば良いのか、士道は目を泳がせながら顔中に脂汗を浮かべる。
とは言え、美九の無邪気なアプローチだけで士道が硬直させているのではなかった。
「・・・・・・・・」
ジトーッ、と士道と美九の目の前に座った琴里の視線が、士道の全身に絡み付く。
琴里は真紅のジャケットを肩掛けにし、チュッパチャプスを口に咥えて頬突きを突き、士道とドラゴンと美九のイチャイチャ(一方通行)を、不機嫌そうに眺めていた。
士道達がいるのは、空中艦〈フラクシナス〉内の一室である。
まるで取調室のような雰囲気だが、美九はあまり気にしていないようだった。
「・・・・そろそろ良いかしら、美九」
「え? そろそろって、何がですかぁ?」
美九の悪意のない顔で言うと、琴里はギリッと奥歯を噛み締めて机を叩いた。
「だ・か・ら!! 事情聴取だって言ってるでしょ! あなたが『だーりんとハニーが一緒にいてくれなきゃいやですぅー』とか言うから、特別に同席を許してあげたんじゃない!」
「あぁ、そう言えばそうでしたねー」
アハハと笑って、美九が琴里に向き直るが、片方の手は士道の腕に絡み付き、もう片方の手はドラゴンの背中を撫でるように動かしていた。
琴里がハァ、と大きめのため息を吐いてから、手元に置かれた書類を捲る。
「・・・・じゃあ、質問に移るわよ」
「ハイハイ、どうぞー遠慮なく」
美九の気安い調子に、琴里はまた吐息を溢してから言葉を続ける。
「貴女の能力と天使については、後回しにしておいて。まず確認して置かなければならないーーーー貴女を、精霊にした存在の事よ」
「・・・・・・・・!」
言って、琴里が指先を向けて言った瞬間、緩んでいた美九の頬がピクリと動く。
「貴女は生粋の精霊ではなく、元は人間だった。ーーーーそれは間違いないわね?」
「・・・・・・・・」
琴里の言葉に、美九は少しだけ眉をひそめ、苦しげな表情を作る。心なしか、呼吸も早くなっている気がする。
『・・・・・・・・』
ドラゴンが膝の上から美九の肩に移動すると、爪で美九の頬を傷つけないようにソッと撫でた。
おそらくトラウマを自分の口で話すのを躊躇われたのだろう。
『〈イフリート〉、少し性急がすぎるぞ。もう少し〈ディーヴァ〉に気持ちの準備をさせておけ』
「大丈夫か、美九。辛いようなら少し休んでからーーーー」
「・・・・いえ、大丈夫ですよー。ハニーも怒らなくても大丈夫ですー」
ドラゴンと士道が言うと、美九は首を横に振ってきた。
「私にはだーりんとハニーがいます。その過去も全部含めて、前に進むって決めたんですから」
士道とドラゴンが後押しするように背中を優しく叩くと、美九はコクリと頷き話した。
* * *
今から数ヵ月前、周りに裏切られ心因性の失声症で声を失い、生きる希望を無くし、その時、身体から少しの痛みが起きた事を話した。恐らく魔獣・ファントムの亀裂だろう。そんな美九の前にーーーー。
『神様』・・・・ノイズがかかって姿が、声と内容は分かるがどんな声だったのか認識できないーーーー存在その物がモザイクがかかった感じ、おそらく『始原の精霊』・〈ファントム〉なのだろう。それが現れ、
『ねぇ、力が欲しくはない? 世界を変えられるくらいの、大きな力が欲しくなぁい?』
と言って、美九に紫色の宝石『霊結晶<セフィラ>』を差し出し、美九はそれを受け取ろうとすると、『霊結晶<セフィラ>』が美九の身体に溶け込むように入り、あの絶対順守の魔性の『声』を手に入れた。
* * *
美九の話を聞くと、琴里は小さく息を吐く。あまり落胆していないようなのは、だいたい予想していたからだろう。
「じゃあ、質問を変えるわ。あなたは精霊の力を手に入れてから、破壊衝動に襲われたり、自我を侵食されたりした事はある?」
「破壊衝動・・・・ですかぁ。いえ、あまり思い当たる節はありませんけどぉ・・・・」
「ふぅん・・・・」
琴里は眉を歪めながめ、手元の書類に何かを書き込む。
「ドラゴン。これって・・・・」
『ふむ。〈イフリート〉と同じような事が〈ディーヴァ〉には起こらなかったようだ。個人の適正によるものか、霊結晶<セフィラ>の性質によるものなのかは分からんがな。『始原の精霊』が〈イフリート〉の時に、人間に霊力を与えるコツでも掴む為の実験台にしたのかもな』
「はっ、もしそうなら、実験台にされたこっちとしてはたまったものじゃあないけれど」
肩をすくめ忌々しそうに言う琴里。士道もギリッと奥歯を噛み締めて拳を握る。
『始原の精霊』・〈ファントム〉。琴里と美九に霊力を与え、精霊に変化させた存在。
精霊か、人間か、はたまた魔獣ファントムのような別の生物なのか。なぜ人間を精霊にでき、なんの為にそんな事をしているのか、全てが謎に包まれた、まさに幻影<ファントム>のような『何か』である。
「むー・・・・」
美九が頬をプクーッと膨らませ、思案している士道の腕をグイと引いた。
「私を無視して考え込まないでくださいよぉ」
「ああ・・・・悪い悪い」
士道が苦笑し、琴里もコホンと咳払いをした。
「ごめんなさいね。でも安心して。事情聴取はなだ始まったばかりよ。これからしっかり詳細な話を聞いてあげる。〈ファントム〉に記憶を操作されている可能性も捨てきれないから、ちょっと脳波を見るために頭に電極もはりつけましょうねー?」
琴里がニコッと微笑むが、美九は嫌そうな顔で汗が頬に垂れた。
『(まさか〈イフリート〉、操られて醜態を晒した事の恨みを晴らそうとしているのではないか?)』
「あ、ははは・・・・」
ドラゴンがボソッと士道の耳元で言った言葉に、士道は苦笑いを浮かべるしかなかった。
◇
ーーーー結局夕方時まで、解放されず、〈フラクシナス〉の転送装置で五河家の前に転送された士道と美九。
美九はヘロヘロになりながら士道にもたれ掛かり、イタリアン料理はまた今度と言うことにして、士道とドラゴンにさよならのキスをしようとし、ドラゴンは仕方ないヤツだ、と言わんばかりに頬にキスで済ませる。美九は少々不満そうだったが一応納得し、今度は士道にキスをしようとするが、そこで十香達と出会い、操っていて四糸乃&よしのんと耶俱矢と夕弦に美九が謝罪し、三人と一匹は困惑した。
そして、十香達ともさよならのキスをしようとし、場は混沌と化していった。
「あぁっ、もう、こうなったらみんなみんなキスしちゃいますよー!」
『わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!』
「は、はは・・・・」
『はぁ、性格は少々改善されたが、何やら変な風に変化したな・・・・』
心底楽しそうな顔をして皆を追いかける美九を見る。
なんと言えば良いか、美九は確執や因縁やらを飛び越えて、割りと簡単に皆と打ち解けてしまった。良くも悪くも・・・・。
ー真那sideー
その日の夜。真那はダイスサーベルの光弾を、後ろから迫ってくるファントムに向けて放ち、背中越しの仁藤が話しかける。
「それで真那さん! 〈ラタトスク〉の専門機関で処置を受けて安静していろと言う五河司令の申し出、断っておいて良かったんですか!?」
「まあ私は〈ナイトメア〉を追わないと行けねーですし! 半ば缶詰め状態にされるのは勘弁でやがりますよ!」
かつてDEMインダストリーの第2執行部に所属する魔術師<ウィザード>であった真那は〈仮面ライダービースト〉の力があるとは言え、全身に魔術処理を施され、その身には深刻な代償を刻まれているのだ。
現在2人は、声を張り上げながら会話をしているが、それも仕方ない。何故なら2人は今ーーーー首都高をバイクで走りながら、ファントムと追撃戦を繰り広げていたのだ。
仁藤が運転するバイクに真那が後部座席に座りながら、迫ってくるハチのような頭部と、そこから頸までにライオンの鬣がある、サソリのような尻尾を持ったファントム『マンティコアファントム』に光弾を放つ。
「それに! ファントム達は天宮市にいる奴らだけではないでやがりますしね!」
そう。天宮市にファントムが多くいるのは、頭目のワイズマンと側近のメデューサがいるからで、ヴァンパイアのように天宮市の外で悪行を行っているファントムもいるのだ。
そう言ったファントムの討滅の為に、0課はビースト<真那>と契約したのだ。勿論真那としても、あのまま〈ラタトスク〉の庇護下とは言え、ほぼ軟禁状態にされるのは御免だったし、外での活動をするためにも0課の協力は必要だったのだ。
だが何故この事を士道に言わないでいるのかと言うと、天宮市には人類最大の災厄『空間震』を起こす精霊達が集中しているのだ。しかも彼女達の精神状態が不安定になれば、『空間震』が起こる。
こう言っては無礼だが、士道にはなるべく天宮市に留まり、何の拍子で『空間震』を起こす爆弾にもなる精霊達の傍にいて、彼女達の精神安定剤になってもらいたいのだ。言えば絶対に関わってくるから。
「まったく。彼(士道)はもう少し、現状に対する危機感と言うモノを持って欲しいものです!」
「まぁまぁ、兄様が精霊攻略に集中できるように、真那は、真那のできる事をーーーー」
東京湾に着いた二人の前方にマンティコアが現れると、真那はビーストドライバーを展開し、
「変~身!」
[セット、オープン! L!・I!・O!・N! ライオーン!!!"]
ガァオオオオオオオオオオオオオオオオオンンッ!!!
ビーストに変身した真那。
「っ!」
その時、仁藤がバイクを急停止すると、後輪が浮き上がり、それを利用してビースト<真那>が飛びだし、そのまま『クラッシュビーストリング』を押し込んだ。
[キマイラ! ビーストクラッシュ! ゴー! ゴー!!]
ビースト<真那>の右足に金色の魔力が集まり、金色の魔法陣を通過すると、ライオンキマイラの幻影がマンティコアの身体をその爪で引き裂く。
「てやぁあああああっ!!」
『ぐぉおおおおおおっ!』
『ライオン・ファング<牙>クラッシュ』
マンティコアを粉砕し、そのまま魔力を吸収した。
「ふぅ~。ご馳走さまでやがりました!」
「お疲れ様です真那さん」
変身解除した真那が身体を伸ばすと、仁藤がバイクを押して近づき、バイクを止めてスマホで後始末の連絡をした。
「さて、この後何処かで外食になりますが、なにが食べたいですか?」
「そうでやがりますね・・・・久しぶりにイタリアンが食べたいでやがりますね」
「それなら良い店を知っているので行きましょう」
再びバイクに乗った仁藤と、後部座席に座った真那がヘルメットを被り、夜の街を駆けていった。
ーメデューサsideー
「ワイズマン。暫く指輪の魔法使いは放置しておくと?」
DEMインダストリーの本社の客室に居座るワイズマンに、ミサが訪ねると、ワイズマンは豪奢な椅子に腰掛けながら声を発する。
『フェニックス。ヴァンパイア。幹部級の者達が次々と倒されてしまった。暫くはDEM近くでゲートを見つけ、戦力を補充に集中しよう。日本にはまだ何体かのファントム達が待機していたな。彼らに自由行動をさせよう』
「よろしいので?」
『指輪の魔法使いを倒して手柄を立てるも良し。新たな精霊を見つけて絶望させるのも良し。好きにさせるのも良いだろう』
「はっ!」
ワイズマンの言葉に、ミサは膝を付いて返事をした。
ーグレムリンsideー
グレムリンことソラは、ワイズマン達のいる客室の前で、小さく笑みを浮かべる。
「♪~♪~♪~♪~」
鼻歌を口ずさみながら、ウェスコットの執務室に向かいながら、ウィザード<士道>に敗北してピリピリしているエレンをどうやっておちょくろうか考えていた。
ー士道sideー
『ゴゴゴゴゴーーーー!!』
面影堂集まった士道と精霊達が、机の上に乗せられた、半壊した十香のスピリッドライバーを見て号泣しているゴーレムに申し訳ない気持ちで見ていた。
「す、すまないゴーレム。折角作ってくれたドライバーを・・・・」
十香がションボリとした貌で謝罪する。前回の天宮スクエアの戦いで半壊してしまったドライバーでは変身する事ができず、ゴーレムに修理してもらおうと持ってきたら、琴里が他の精霊達も呼び出しており、ドライバーを見せたらゴーレムがこの状態になってしまった。
「そんなに泣くなよゴーレム。十香も壊したくて壊した訳じゃないんだからな」
「いや、その、士道・・・・」
「どうした琴里?」
士道が首を傾げると、琴里だけでなく、四糸乃と八舞姉妹もバツが悪そうにドライバーを出すとーーーーこれまたボロボロになったドライバーが机に置かれた。
『ゴーーーーーーーー!!!!』
ゴーレムが頭を抱え、絶叫をあげて倒れた。
「琴里・・・・これって・・・・」
「・・・・フェニックスやエレン・メイザースとの戦いで壁とか地面に叩きつけられた時に、ドライバーもダメージを受けていたのよ」
と、ソコで全員分のお茶とはんぐり~のドーナツを持ってきた輪島が来た。ちなみにドーナツは士道と十香が偶然出会った美九と一緒に買いに行き、美九が店長を見て白目を剥いて失神したのは割愛する。
「こりゃ酷いな・・・・。新しく作るにしても時間が掛かるぞ」
「そうか・・・・おっちゃん。予備のドライバーは無いか?」
「ん~。あってもな、ドライバーを精霊用に改良できるのは白い魔法使いだけだしな・・・・」
「そうか・・・・わかった。ゴーレムが新しく作り終えるまで、俺が何とかするよ」
「それしかないな」
と、暫く皆で雑談し、面影堂を出て解散する事になると、美九が思い出したようにパンと手を叩く。
「あ、そう言えば! だーりん、皆さん! これをプレゼントしに来たんです!」
美九が出したのは、今度行うライブのチケットだった。
「良いのか?」
「はいー! 皆さんに、私のショータイムをご披露しますよー!」
美九の気持ちを受け取って、士道達はライブに行く事になった。
◇
その翌日。
十香が八舞姉妹と下校し、教室の掃除当番を終えた士道は、十香達との待ち合わせ場所に向かいながら、美九から貰ったチケットを見る。
その時、視界の端に、金髪の女の子がいたが、士道もドラゴンも気にしなかった。
「う~ん今日を入れて5日後か美九のライブ」
≪そうだな・・・・んん?≫
「どうしたドラゴン?」
≪・・・・なんだ? ファントムとも精霊とも違う妙な気配がするぞ・・・・?≫
「妙な気配??」
ドラゴンの言葉に首を傾げていると、遠くから悲鳴が聞こえた。
「っ! ファントムかっ!?」
≪その様だな≫
「それじゃ行くぜ、相棒!」
≪はっ! 貴様が相棒では、我の苦労が絶えんわっ!≫
士道が悲鳴の聞こえた方に駆けつけると、十香達が見慣れない女の子達ーーーー『活発そうな雰囲気のある茶髪の女の子』。『黒髪を肩口にまで伸ばした穏やかそうな女の子』。『一番小柄でフワフワとした銀髪をしたトランジスタグラマーな女の子』。逆に一番背が高く、『青い長髪をした凛々しい雰囲気のスレンダーな女性』と一緒におり、さらにファントムに立ち向かう少年の隣に立つと、ドライバーを展開すると、隣の少年もドライバーを展開して、
「「ーーーー変身ッ!」」
[開眼! オレ!]
[フレイム プリーズ]
「「えっ!?」」
横に立った少年が目玉のようなアイテムをドライバーに装填し、士道もリングを翳した。
「「・・・・・・・・」」
[レッツゴー! 覚悟! ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!]
[フレイム プリーズ ヒー! ヒー! ヒーヒー、ヒィー!!]]
すると、少年の身体が、黒地にオレンジのラインが入ったパーカーを着た、まるで幽霊のような〈仮面ライダー〉へとなった。
2人のベルトから流れる変身音が、沈黙する二人の間に響き渡る。その沈黙した時間は数秒だけだが、妙に長く感じた。そんな中で先に動いたのは見慣れぬ〈仮面ライダー〉だった。
「お前は・・・・一体?」
「俺は仮面ライダーウィザード。指輪の魔法使いだ。そういうお前は・・・・?」
「お、俺は〈仮面ライダーゴースト〉。その・・・・よろしく」
「こ、こちらこそ・・・・」
『「いやッ!? なにやってンだッ!」』
互いに挨拶を交わし、歩み寄って握手する〈仮面ライダーゴースト〉とウィザード<士道>だが、そんな彼らを見ていた十香達と一緒にいたフワフワの銀髪をしたトランジスタグラマーな少女と、狼のファントムがツッコミを入れた。
≪この小僧。それにあの小娘達、一体何者だ?≫
体内のドラゴンが、〈仮面ライダーゴースト〉と、その仲間のような少女達を、訝しそうに睨んだ。
はい。最後に登場したのは仮面ライダーは、『メンツコアラ』さんの『戦士開眼シンフォギアゴースト』の仮面ライダーゴーストです。詳しくはシンフォギアゴーストの『起動! ギャラルホルン!』から見てください。
次回から、ある意味精霊1の常識人が登場します。