超時空要塞マクロス ガールズ&ヴァルキリー そのニ   作:ノザ鬼

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ターミナル

 

 星の瞬きを、虹に彩られた空間が切り取る。

 

 造られた異次元のゲート。

 

 そこを通り現れた巨大宇宙船。

 

 この世界で、フォールド航行と呼ばれる一般的な空間跳躍である。

 

 

 艦内に流れるアナウンスは、目的地にフォールドアウトし到着した事を告げていた。

 

 

 宇宙旅客船アイボリークイーン号。

 

 船内客室にて。

 

 並び座る三人は、右からカケル、ヒョウカ、リクノの順番。

 

 声と共に

「ふぁーっ。」

 両手を掲げ伸び、

「あたたたた…。」

 そのまま、

「長かった…。」

 右肩に左手を起き揉むリクノ。

 

 首を左右に、

「長旅でしたね。」

 捻り解(ほぐ)し同意するカケル。

 

 左右の指を互い違いに通し、

「本当に。」

 腕ごと下へ向け伸ばし賛同するヒョウカ。

 

 解す肩を、

「早いところ…。」

 変え、

「新技術を導入してくれれば良いのにな…。」

 愚痴るリクノ。

 

 解した首を、

「新技術ってなんですか?」

 リクノへと向けるカケル。視線の奥の瞳は興味津々と言っていた。

 

 リクノは解す左手を、

「ほら…。」

 首へと移しながら、

「今のフォールド航行ってさ…。」

 『チラリ』ヒョウカに、

「フォールド断層の宙域は通常空間を移動だろ?」

 向けた視線は「知ってるだろう?」と聞いていた。

 

 ヒョウカの軽く笑った口元は無言で「はい。」と答える。

 

 カケルの少し上に向けた視線は、

「そうですね。」

 虚無に向けられ、

「引っ越しの時にも、通常空間航行に時間かかってました。」

 記憶を探っていた。

 

 いつになく真剣な、

「そのフォールド断層を」

 眼差しで、

「一気に飛び越える新フォールド航行の技術!」

 熱く語るリクノ。

 

 その話は、

「それ…。」

 カケルの瞳を、

「凄ーい!」

 感動で輝かせた。

 

 リクノの強く発した声は、

「だろ!」

 カケルに同調。

「しかしだ…。」

 俯き加減なのは悲しいと無言で語る。

 

 無意識に、

「しかし?」

 繰り返すはカケル。

 

 カケルの視線を浴び、

「技術の開発には一定の目処が立った…。」

 嬉しそうに語るリクノ。

 

 カケルの鳴る喉が、

『ゴクリ。』

 間を埋める。

 

 リクノの切り出しは強く、

「が!」

 少し弱く、

「普及には至らない…。」

 普通に、

「諸々の事情ってやつだな。」

 笑いを含んで。

 

 『カクッ!』効果音を出し、

「なんですか!」

 肩が軽くコケ、

「それ!」

 笑いと共に突っ込むカケル。

 

 口元に当てた右手の甲は、

「その諸事情は、噂レベルの話では…。」

 軽い笑いを含み、

「あのバジュラも関係しているとか…。」

 解説を引き継ぐヒョウカ。

 

 マクロス船団に生きる者としては、

「えっ!」

 他人事ではない話題に驚くカケル。

 

 後頭部で、

「まっ…。」

 腕を組み、

「我々庶民の知る事では無いってことさ。」

 冗談ぽく笑うリクノ。

 

 返すは、

「確かに…。」

 今の発言を受けいる笑顔のカケル。

 

 

 感じるは、軽い揺れ。

 

 収まるタイミングに、

「着岸したみたいですね。」

 揺れの正体を語るヒョウカ。

 

 そう、カケルとリクノはリゾート惑星の宇宙側ターミナルへの到着アナウンスを聞き逃していた。

 

 惑星の衛星軌道上に造られた巨大ターミナル。

 ここから専用のシャトルで行き来する。

 

 

 二人を、

「降りましょうか。」

 促すヒョウカ。

 

 返す、

「はい。」

 カケル。

 

 返す、

「おう。」

 リクノ。

 

 

 三人は荷物を持ち出口へ向かう。

 

 

 不意に、

『この扉って不思議だよね…。』

 出口を見詰め思うカケル。

 

 思い出す乗船の時。

 

『乗る時は入口…。』

 そして今、

『降りる時は出口…。』

 

 その考えに一人おかしくなり、自然と口元が笑っているカケル。

 

 

 見付け、

「おっ!」

 頬が、

「カケルが笑ってら…。」

 目が、

「リゾート惑星のロマンスの始まりってか?」

 からかうリクノ。

 

 思い出し、

「もう!」

 首から桜色が、

「違いますよ!」

 頭頂部へ駆け上がるカケル。

 

 その様子を、

「はい。はい。」

 楽しげに、

「二人共。」

 見詰め、

「降りますよ。」

 笑うヒョウカは、まるで引率。

 

 少し、

「はい。」

 恥ずかしげなカケル。

 

 してやったり、

「おう。」

 そんな顔のリクノ。

 

 

 

 上陸。

 

 正確には、陸ではないのだが…。

 

 船から降りるのだから、そう言われる。

 

 宇宙側ターミナルへ降り立った三人。

 

 

 【ロビー】。

 

 そう呼ばれる場所。

 

 雰囲気。

 

 演出。

 

 それは、紛れもなくリゾート惑星の港。

 

 素直に、

「わーっ!」

 驚き、

「凄ーい!」

 感動するカケル。

 

 見回し、

「おーっ!」

 上げた声も、

「すげーな!」

 驚きと感動のリクノ。

 

 見開いた目に、

「まあ!」

 トーンの上がった声も、

「凄い!」

 驚きと感動が混ざるヒョウカ。

 

 

 三人が見上げた天井部分に作られた巨大なガラス越しに見える、生のリゾート惑星。

 スクリーンではなく、本物を見せる演習は訪れた客を魅了する。

 

 

 

 

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