超時空要塞マクロス ガールズ&ヴァルキリー そのニ 作:ノザ鬼
カケルの、
「広っ!」
リクノの、
「広れぇ!」
ヒョウカの、
「広い!」
三人が口にしたのは、驚きの声。
自動操縦のオープンカーが辿り着いた、この場所は貨物ターミナル。
最初に降り立った旅客ターミナル等比べ物にならない程に広い敷地。
入念なチェックの元に中へと入る三人。
『キョロキョロ』と、
「何処へ行けば…。」
見回すカケル。
同じく『キョロキョロ』と、
「どっちだ?」
見回すリクノ。
手にした携帯端末をいじり、
「貨物ターミナルのナビゲーションとリンクさせました。」
さり気無く作業していたヒョウカ。
カケルとリクノが向けたヒョウカへの視線は、〘なるほど!〙と無言で語る。
スワイプ、
「こちらですね。」
読み取り、歩き出すヒョウカ。
後に、
「はーい。」
続くカケル。
同じく、
「おう。」
続くリクノ。
迷宮。
そんな言葉が脳裏に浮かぶ道程。
携帯端末のナビゲーションが、
『ピッー。』
音で到着を伝えた。
それを受け、
「ここのようですね。」
目の前の大型貨物シャトルに視線を送るヒョウカ。
周囲を、
「にしてもよ…。」
見回す、
「貨物シャトル多いな…。」
リクノ。
釣られ、
「本当に…。」
周囲を、
「貨物シャトルが多い…。」
見回すカケル。
二人に視線を、
「それは…。」
移し、
「この惑星(ほし)の生産性が皆無だからだと思われます。」
答えるヒョウカ。
後頭部で、
「なるほど…。」
腕を、
「全部、持ち込み…。」
組み、
「ってか。」
少し呆れ気味のリクノ。
不意。
それは、話題の切り替わり。
いえ、本題に突入。
右手の、
「あっ!」
人差し指で、
「降りてきました。」
指すカケル。
その声に反応し、リクノとヒョウカが向く。
そこには、牽引車に引かれた台車が、ソレを乗せていた。
それは、
「あれ?」
驚く、
「うちのヴァルキリーじゃない…。」
反応のカケル。
続き、
「そうですね…。」
驚くヒョウカ。
この時、二人はリクノの反応に気が付いていなかった。
カケルとヒョウカを驚かせたものは…。
飛行機。
ヴァルキリーが流線型なのに対し、この飛行機は先端から細部に至るまで、直線の組み合わせで形成されていた。
簡単な言葉で表現するなら、角張っている。
そして、纏う雰囲気は紛れもなく【戦闘機】であった。
それも、初代マクロス時代のものである。
無言。
観察。
カケルとヒョウカは、角張った戦闘機に魅入られていた。
そして、
「あれって…。」
見付け、
「ヴァルキリーですよね?」
導き出したカケル。
視線は、
「ええ…。」
角張った戦闘機から、
「確かに…。」
外さず、
「細部にヴァルキリーの特徴が見て取れますね…。」
カケルの意見に賛同するヒョウカ。
観察は、好奇心へと昇華される。
切り出しは、
「でも…。」
否定から、
「あんなヴァルキリー見た事ないです。」
始めたカケル。
傾げる、
「当時の…。」
首は、
「資料にも…。」
疑問の上に、
「ありませんでしたねぇ…。」
語尾は小さくなるヒョウカ。
不意。
唐突に、
「まさかな…。」
口を開くリクノ。
二人が、同時にリクノへ向く。
目を、
「知ってるの?」
見開くカケル。
目を、
「知ってるのですか?」
丸くするヒョウカ。
前で組んだ腕を右だけ立て、顎を掴む親指と人差し指は思い出す仕草のリクノ。
間を取り、
「ああ…。」
最初は、
「俺の気が確かなら…。」
ゆっくりと、
「アレは…。」
切り出すリクノ。
『ゴクリ』
カケルの飲んだ固唾の音が周囲の作業音よりも、この場を支配した。
そして、
「アレは…。」
繰り返すリクノ。
興味が引力となり、カケルとヒョウカを惹き付ける。
その距離、約五センチメートル。
無意識に、
「アレは…。」
繰り返すカケル。
同じく、
「アレは…。」
繰り返すヒョウカ。
リクノにより作られる、作為的な間。
テレビならば、ここでCMだろう。
だが…。
これは小説なので、次の話へと飛びます。