超時空要塞マクロス ガールズ&ヴァルキリー そのニ 作:ノザ鬼
それは、
『ひょい。』
タニヤの足の裏が地面から離れる音。
眼下だったタニヤの視線が、三人の並び立つ高さへ上がる。
カケルは無意識に、
「えっ。」
顔と目線がタニヤを追い、
「えっ!?」
後ろに持ち上げた人物を見る驚き。
タニヤの左側から首を回し、
「こんな…。」
ゆっくりと、
「所にいた。」
発した、
「探したんですからね。」
声は怒りのはずだが、
『ぷんぷん。』
何故か恐ろしさは感じず、寧ろ諭していると思える。
擬音なら、
『だら〜り。』
描写なら、
〘後ろから脇を抱えられ、持ち上げられた猫。〙
そんな状態のタニヤ。
当然、本人の意志とは感かけなく、
『ニャ〜。』
口から出される効果音。
首を、
「こら!」
後ろへ、
「離せ!」
両手と、
『バタバタ』
両足は、
「副部長!」
暴れさせるタニヤ。
きっぱりと、
「駄目です。」
言い放ち、
「離したら、また何処かへ行っちゃうでしょ…。」
持ち上げたタニヤを少し前に出し、攻撃範囲から遠ざける副部長と呼ばれた女性。
傍目にも『こんな状況に慣れている。』と思わせる対応である。
少し遅れたが、ここで副部長を描写しておこう。
年齢はカケルと同年代か、一つ二つ上といったところ。
軍服に見える制服を着ているのはタニヤと同じだが、二人には決定的な違いが見て取れる。
それは、隆起。制服を内側から持ち上げるものの違い。
タニヤ風に言うなら『ボン・キュ・ボン』の見事なボディは、制服では隠しきれない。
少し赤みがかった茶色い髪は、腰の辺りまで伸びる。
髪の毛に縁取られた顔には、目尻の下がった大きな目。ふっくらとした頬。筋の通った鼻。その下に、唇が艷やかに並ぶ。
美人ではなく、可愛いと表現されるタイプである。
タニヤの、
「離せ!」
バタつかせる手足は、
「離せ!」
駄々っ子。
有無を、
「駄目です!」
言わせぬ、
「皆、待ってるんですからね。」
強さなのだが、
「行きますよ。」
何故かおっとりと聞こえる。
嘘の様に、
『しゅん…。』
大人しくなり、
「そうか…。」
項垂れ、
「つい、楽しくて話し込んでしまったのだ…。」
カケル達を一瞥するタニヤ。
その動きに釣られ、目で追う副部長。
《トゲトゲ!》
効果線を出し驚く副部長。
そして、カケル達を、
「ごめんなさい…。」
ゆっくりと見ると、
「気が付かなくて…。」
タニヤごと頭を下げた。
呆れ。
顔に表示するカケル。
呆然。
顔に表示するリクノ。
茫然。
顔に表示するヒョウカ。
そう、副部長と呼ばれた女性はカケル達三人に気が付いてなかった。
カケル達三人の、
「アハハ…。」
乾いた笑い。
首を、
「リクノ殿!」
向け、
「それに、カケル殿。ヒョウカ殿。」
口元が、
『ニィッ。』
笑い、
「楽しい時間だったぞ!」
愉しそうな表情を作るタニヤ。
突然のフリ。
反応が、
「は、はい。」
遅れるカケル。
反応が、
「お、おう。」
遅れるリクノ。
反応が、
「え、えぇ。」
遅れるヒョウカ。
タニヤの熱い視線が、
「また…。」
放たれ、
「語り合いたいな…。」
伸びる先に、
「リクノ殿。」
刺さる。
反応した、
『ニィッ。』
口元が効果音を出し、
「あぁ…。」
右の親指も、
『グイッ!』
音出し、
「また、話そうぜ!」
サムズアップとなるリクノ。
語るのは、
『グイッ!』
タニヤのサムズアップ。
首だけ振り返り、
「何を!」
強い、
「もたもたしている!」
口調で、
「行くぞ!」
副部長に命令するタニヤ。
その顔は、
「はい。」
受け流す、
「はい。」
余裕を見せ、
「解りました。」
笑顔で答える副部長。
首を向け、
「またな。」
口元で、
「御三人。」
笑い、
「さらばだ!」
左手で、
『ビシッ!』
敬礼し挨拶とするタニヤは、今だ副部長の両手で持ち上げられたまま空中であった。
タニヤを抱えたまま、
「どうも…。」
頭を下げ、
「失礼します。」
機械的な美しさで、
『カッ。』
向きを変える副部長。
小さくなる二人の足音。
大きくなる三人との距離。
今だ持ち上げられたままのタニヤへ、
「よろしかったのですか?」
正面を向いたままの副部長が、
「部長。」
囁(ささや)く。
目だけが、
「何だ?」
後ろを、
「副部長。」
鋭く見るタニヤ。
今度は、
「さっきの三人って…。」
副部長の目が、
「今度の対戦相手ですよね。」
後ろの三人へ向く。
愉しそうな、
『ニィッ。』
口元に、
「よく判ったな。」
目は、
「副部長。」
獲物を狙う捕食者。
副部長の斜め上を、
「そんな人達に…。」
見る目は、
「こっちの情報を渡して良かったのかなぁ〜って。」
何かを考える仕草。
目を、
「聞いていたのに、気付いて無いフリとは。」
細め、
「やるではないか。」
わざと、
「副部長。」
ゆっくりと呼んだ。
負けじと、
「お褒めいただき…。」
目の奥に、
「ありがとうございます。」
現れるしたたかな光。
笑う、
『フッ』
口元に、
「たかが、機体の情報…。」
寄る、
「そんな些末な事で、我々が負けるとでも?」
眉間の皺は、副部長の台詞が不満だと語るタニヤ。
副部長は、
「あら…。」
ゆったりと、
「考えていたのですね。」
驚いた。
不意に、
「当たり前だ!」
歪めた、
「それにな…。」
口元が、
「全てを知り、全力で戦う相手を倒してこそ…。」
副部長に、
「本当の勝利だ!」
〘まだまだ、解っていない。〙と説教するタニヤ。
開いた口は、
「失礼しました。」
驚き、
「おっしゃる…。」
ゆっくりと瞬きは、
「通りです。」
副部長の敬服の現れであった。
タニヤの胸の前で組んだ腕に、
「解れば良い。」
瞑った目は、
「副部長。」
どことなく満足げであった。
不意に、
「あの人達…。」
遠くなる二人の背中を見詰めたまま、
「手強そうですね…。」
独り言だが、リクノとヒョウカへ話しかけるカケル。
後頭部で、
「ん?」
腕を組み、
「何でだ?」
カケルへ頭を向けるリクノ。
反応し、
「はい?」
カケルへ、
「何故?」
向くヒョウカ。
二人へ、
「だって…。」
頭を向け、
「機体の情報を教えてくれるなんて…。」
疑問を話すカケル。
視線を遠くなる二人の背中へ、
「まっ、そうだな。」
戻すリクノ。
戻した視線で、
「本当に、そうですね。」
離れて行く二人の背中を追うヒョウカ。
頭の上に、
『ピコン!』
電球を出し、
「あっ!」
右手で、
「私…。」
左手のひらを打つカケル。
また、
「ん?」
カケルへ視線を移すリクノ。
再度、
「えっ?」
カケルに視線を向けるヒョウカ。
カケルが、
「分かりました!」
リクノとヒョウカへ向けた満面の笑顔。
カケルの反応に、
「げっ…。」
左の頬を、
「まさか…。」
引きつらせるリクノ。
上げる、
「えっ…。」
左手の甲が、
「まさか…。」
驚く口元を隠すヒョウカ。
カケルの握った両の拳は、
「私達の戦いは!」
声と共に力強く。
さらに、
「げっ!」
右の頬も引きつらせるリクノ。
上げた左手の圧は、
「はっ!」
身体を仰け反らせるヒョウカ。
声と握り拳の強い力は、
「ここから始まるんですね!」
全身を震わせるカケル。
予想通りの、
「あちゃぁ。」
答えに、
「言っちまった…。」
半ば諦めのリクノ。
ため息混じりと、
「やはり…。」
共に、
「言っちゃいましたね…。」
諦めを吐き出すヒョウカ。
二人の反応に、
「何か、マズかったですか?」
今の言葉が気になるカケル。
浮かべるのは、
「いや…。」
苦笑いのリクノ。
浮かんだのは、
「まあ…。」
苦笑のヒョウカ。
苦笑いを、
「大丈夫だろう!」
打ち消す笑顔になるリクノ。
苦笑を、
「大丈夫でしょう。」
上書きする微笑みのヒョウカ。
全身に漲った力を、
「頑張るぞぉーーー!」
ジャンプと共に開放するカケル。
その後ろには…。
後頭部で腕を組むリクノ。
メガネのブリッジを左の中指で上げるヒョウカ。
その瞬間(とき)。
この音で、
『カシャ!』
切り取られた三人の一瞬は、永遠となる…。
これは…。
彼女達【飛行機道部】の青春を駆け抜け、大空を舞う物語である。
そして、始まる空中大決戦。
それぞれの思いを乗せて。
〜 終劇 〜
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
昔に考えたネタを思い出したところへ…。
某映画を見て…。
このキャラに語らせれば!
「ネタを組み込める!」
そう、思い立ち…。
軽い気持ちで書き始めたのですが…。
前作の伏線を少し回収しようとしたところ…。
ネタよりも、伏線回収の方が長くなってしまいました(笑)
あっ…。
読んでいただいた方は、当然お解りでしょうが…。
念の為に…。
【デストロイド・ヴァルキリー】
は、私の妄想が生んだ機体です!
そこからの派生も当然、妄想ですので…。
えっ?
言われるまでも無い。
はい。
解っております…。
あくまでも、念の為です。
もしかしたら…。
もう出ているネタかもしれませんが、ネタって事でお許しを。
後…。
前作から時間があったにも関わらず…。
元ネタにした某作品は全く…、
見たり…
読んだり…
関われて無いです…。
これで!
書いていた小説の完成を目指して…。
まあ、書いてるとネタが浮かんで、浮気して書きたくなるのは…。
私の悪い癖。
ですが(笑)
次回作を、気長に待っていただけると、喜びます(笑)