超時空要塞マクロス ガールズ&ヴァルキリー そのニ 作:ノザ鬼
笑いのテンションが徐々に下がり一段落。
カケルに、
「ところでよぅ…。」
向き、
「ヒビキは行けるのかな?」
質問するリクノ。
カケルは、
「あっ…。」
もう一人の部員を思い出した。
ヒョウカは、
「そうですね。」
静かに、
「折角の対戦ですから…。」
冷静に、
「部員全員で行きたいですね。」
残念そうに。
腕組みから、
「ヒビキ…。」
目を閉じ、
「ちゃんか…。」
首を撚り考えるカケル。
カケルが考えている間に、時間を巻き戻し【ヒビキ】なる人物の事を説明しましょう。
遡る…。
《初フライトの日》から、一番近い学園へ行く日。
まあ、早い話が月曜日。
カケルの自宅。
部屋にて。
朝。
気怠さ。
そこは、ベット。
上半身を起こし、
「何だか、体が重い…。」
首を、
『コキコキ。』
鳴らし、
「【月曜は学校へ行きたくない病】じゃないよね。」
自分に言い聞かせるカケル。
初フライトの後から体が少し重いと感じていた。
シミュレーターと本物の違いから疲れたのだろう。
そう、思い込んでいた。
それは、
「はぁ…。」
行きたくないとの意思表示の溜息。
そんな事を、考えている間にも、朝の貴重な時間は費やされていった。
自分に、
「やば!」
喝を入れ支度。
そして、学校へ向かった。
教室にて。
扉を潜り、
「おはよー。」
皆に挨拶し、席に付くカケル。
勢いよく開かれた扉、
「聞いて!」
駆け込み、
「聞いて!」
慌てた様子の女子生徒。
……。
そうですね。
彼女を仮に【Aさん】としておきましょうか。
何故って?
それは、Aさんの次の台詞を聞いてからに。
Aさんは、
「ねえ。」
握った両手を、
「ねえ。」
上下に振りながら、
「聞いて!」
繰り返し、
「聞いてよ!」
顔は言いたくて仕方ないと雄弁に語っていた。
注目。
注がれる全ての視線に高揚し、知らず知らず口角が上がるAさん。
先ずは、
『コホン。』
定番の音を出し、喉の調子を整え、
「あのね…。」
教室内に行き渡る声で、
「うちのクラスにね…。」
ゆっくりと教室内を見回すAさん。
間。
いや、これは…。
勿体ぶらせる。
集まる視線を楽しみながら、少しだけ優越感に浸るAさん。
臨界、
〘今だ!〙
Aさんの心が、その時を知らせる。
「うちのクラスにね…。」
ため、
「また、転校生が来るのよ!」
開放した。
クラスの、
「おーっ。」
幾重にも重なるどよめきは、
『ぅおん。』
うねりとなる。
ちなみに[また]の付かない転校生はカケルである。
誰ともなく、
「どんな人?」
聞く。
Aさんの結んだ口が、
「…。」
沈黙を出す。
この次の言葉をクラス全員が待つ。
「えっと…。」
また焦らすのかと。
だが、全員が聞きたくて前のめりにる。
左右。
右手を後頭部に当て、
「わかんない!」
目が泳ぐ。
全員が、
『ドテ!』
コケるのは当然の結果。
そこへ、Aさんの、
「アハハハ。」
乾いた笑いが木霊する。
お気付きだろう彼女はクラスの情報屋である。
どの時代の学校にもいる存在なのだ。
時代が進み、情報の入手方法が変った為に、匿名とさせてもらったのだ。
決して犯罪行為ではないと付け加えておく。
ただし、[ギリギリ]は行為の前に付く事はある。
そして…。
扉の開く音と共に、
「こら!」
大人の男性が、
「いつまで騒いでる!」
教室へと入り、
「もう、チャイム鳴ってるだろう!」
教壇に立った。
このクラスの担任の教師である。
ここまでがセットの御約束なのは、この時代も同じである。
翌日。
火曜日。
デジャヴ。
そう呼ばれる現象で、カケルの学校生活が始まった。
勢いよく開かれた扉、
「聞いて!」
駆け込み、
「聞いて!」
慌てた様子の女子生徒。
当然、Aさん。
昨日とは違う展開、
「何?」
誰ともなく、いきなり聞いた。
動じず、
「件の転校生ってさ…。」
やはり注目され、
「女子らしいよ。」
喜びを感じるAさん。
「おーっ。」
新たな情報にクラスが湧いた。
「で…。」
先程とは違う誰かが、
「名前は?」
聞いた。
即、
「わかんない!」
開き直ったAさん。
昨日より小さく、
『カクッ。』
全員が肩からコケる。
この後は、教師も昨日と同じデジャヴを起こすのは、言うまでない事である。