超時空要塞マクロス ガールズ&ヴァルキリー そのニ 作:ノザ鬼
翌日。
水曜日。
デジャヴ。
また、そう呼ばれる現象でカケルの学校生活が始まった。
勢いよく開かれた扉、
「聞いて!」
駆け込み、
「聞いて!」
慌てた様子の女子生徒。
当然、Aさん。
またも、教室内の注目を集め悦に入る。
目の動きだけで教室を見回すと、〘今だ!〙
そう心が叫んだ。
離れる。
上唇と下唇が名残惜しそうに互いと別れ、そこから喉を通って来た声を出そうとした。
出鼻を挫(くじ)く。
一人の女生徒が、
「今日来る転校生の事?」
発言した。
Aさんの見開かれた目と口は、
「えっ!?」
驚きを目一杯体現していた。
暫時。
Aさんの硬直が解けるまでの時間。
そして、
「な、なんで…。」
自分の自己同一性が、
「それを…。」
崩れる音を聞いた。
*自己同一性だと解り難いですが、[アイデンティティ]の方が解り易い(笑)
「だって…。」
先程の女生徒が、
「見慣れない車止まってたよ。」
半笑いで答えた。
そして、周りの生徒が、
「あれって高級車ってやつじゃないのか?」
「そうそう。ネットとかでしか見ないやつだよな。」
「運転手いたんじゃない?」
「だったら、お金持ちかな?」
Aさんを忘れ、噂話に花を咲かせた。
Aさんの自信喪失に、
「そんなぁ……。」
続き、
『へなへなへな。』
両膝が音を出し、
「みんな知ってたの…。」
床へと崩れた。
こちらも扉が開く音と、
「こら!」
共に、
「もう、チャイム鳴ってるだろう!」
いつもの台詞の教師。
生徒それぞれが口にした台詞をまとめると、
「わーっ。」
それが教室に響く。
注目。
席に着いた生徒の全ての視線を独り占めする存在が教師に続き入って来る。
教壇から生徒全員に向かい、
「今日から、このクラスで一緒に学ぶ事となった。」
紹介するが生徒の大半は聞いていない。
何故なら…。
生徒達は思い思いに、
「お人形さんみたい。」
「可愛い。」
「何処かで見たような…。」
などと、小さく声を上げていた。
視線を隣に立つ転校生へ向け、
「自己紹介を。」
話をふる教師。
『…。』
『……。』
静寂が音を出し、
『………。』
転校生の台詞を待つ、皆の期待を煽る。
そして、誰かが飲んだ固唾が、
『ゴクリ。』
教室の静寂をより深みへと誘う。
リアルタイムにして役一分程の静寂。
限界。
転校生へ頭を近付け、
「自己紹介を…。」
もう一度促した教師。
一秒。
二秒。
三秒。
四秒。
五秒。
誰かが計測していたわけではないから、それぐらい後。
「あっ。」
反応し、
「私ですか?」
答えた転校生。
何とか、
『カクッ。』
首だけでコケを止め、
「お願いできるかな?」
優しく言えた教師。
ちなみに、生徒も一斉に画面の外で軽くコケていたのは言うまでもない。