超時空要塞マクロス ガールズ&ヴァルキリー そのニ 作:ノザ鬼
時は、放課後。
ところは、部室。
真面目な顔さえ緩む、楽しい時間へ…。
二人に向かい、
「今日は…。」
切り出したヒョウカ。
聞き慣れた、
『ガチャン。』
部室の扉が開く音が割り込む。
続き、
「お邪魔するわよ。」
三人の視線を集める先頭の女生徒とお付の一団。
お付の一団は、よく使われる表現なら【ゆかいな仲間たち】であろうか。
その先頭の女生徒をカケルが、
「生徒会長。」
肩書きで呼んだ。
一瞥し、
「何(なん)か用か?」
声と表情が不機嫌になるリクノ。入部の時以来、好きでは無いと言っていた事を体現していた。
視線を送り、
「お珍しい。」
観察し、
「今日は何か?」
訝(いぶか)しげに対応するヒョウカ。
眼鏡の奥の瞳が、生徒会長がここに来た訳を探り始めていた。
満面の作り笑顔を、
「今日は…。」
浮かべ、
「新入部員を連れて参りました。」
微妙に傾げる首の生徒会長。
驚き、
「し、新入部員ですか!」
オウム返しするカケル。
返す顔も、
「はい。」
満面の作り笑顔の生徒会長。
後頭部に両手をやり、
「また、犠牲者か?」
組みながらリクノが目線を送る。
[また]が付かない犠牲者は自分達の事なのだが…。
今は楽しく部活動をやっているので、入部の時の事を恨みに思っての嫌味なのである。
腕組みから、
「新入部員ですか…。」
右手を立て、
「人数が増えるのは助かります…。」
顎を触り、
「が…。」
最後の言葉に力を込め、生徒会長の企みに探りを入れるヒョウカ。
気にした風もなく、
「それは、良かったです。」
髪をかき上げ、
「わざわざ、案内したかいがありました。」
もう一度、満面の作り笑顔の生徒会長。
その笑顔に禍々しさを感じ、その奥に未来の【政治家】を見る三人。
右手を軽く握り口元へ。
そこに作られた虚空へと吐き出す。
それは、
『コホン。』
喉の調子を整えるばかりか、始まりの合図でもある。
オーバーリアクション。
右腕を天へ掲げ、
「では…。」
左腕は前に突き出し、
「新入部員さん…。」
両腕で英字の【L】を作り、
『ドロロロットロロ〜♫』
背後から、あのドラムの効果音をオーラで出す生徒会長。
後、脚さえ上げればバレリーナに見えただろう。
三人から見て左側へとステップする生徒会長。
時を見計らい、お付の一団が作っていた人垣を開門する。
合わせ、
「登場です!」
見事なポーズで、
『ジャーン!』
次の効果音を出し紹介した生徒会長。
「あっ!?」
カケルの口が開いたままに。
「へっ!?」
リクノの動きが固まったままに。
「えっ!?」
ヒョウカの目が見開かれたままに。
それぞれの表現方法は異なるが、現れた人物を見た反応は三人共に同じ…。
驚き。
そして、三人の時は止まった。
堪能。
三人の表情を見詰め、
〘なんて、良い表情なの…。〙
愉しむ生徒会長。
カケルが止まった時間を、
「ヒ…。」
打ち破り、
「ヒビキ…。」
口が、
「ちゃん…。」
新入部員の名前を読んだ。
続き、
「ほ…。」
ヒョウカが、
「本人…。」
停止の、
「ですか?」
呪縛を破る。
最後に、
「ま…。」
リクノが、
「まさかの…。」
動き、
「新入部員…。」
出す。