ブラックブレットの世界を使って。 作:とくめいん
本編読むのもおすしおすし。
あ、どうぞ。
俺は、呪われていて、それでいて、完璧だ。
突如現れた謎の生命体、ガストレア。
彼らは人類を蹂躙し、世界の人口を20分の1にまで減らした。
世界中の軍隊が、自分の国を守るため、地雷、不発弾、人間程度なら瞬殺できるトラップなど、恐ろしい兵器を森に、林に、町に仕掛けた。
そして、ガストレアに対して有効であることが証明された【バラニウム】と呼ばれる物質でできた建造物、モノリスによって守られた街に国民を避難させた。
今、この世界で外に出るという行為は絶対の自殺行為であることが世界共通認識である。
そんな世界を無視し、未踏査領域内で会話をする、子供とその保護者が、そこにはいた。
「なあ、お前は、今までの怨みを晴らしたいか?」
「はい、師匠。」
「そうか、ならいこうか。」
「どこへですか?」
「あの 勇者どもを従える王様、イアソンを殺しに、な。」
「ピクシスの軍団のところですか?いいんですか!?」
「ああ、お前はそれなりに強くなったからな。殺ってこい、かたきを取ってこい。」
「はい。わかりました。やります。
作戦を練りましょう。」
☆☆☆☆☆☆☆
「厄介なのは、進行方向にいるタウリスの軍団ですね。」
「それは俺のイニシエーターを向かわしてある。頭を潰してこい。と言ったからきちんと処理するさ。」
「ありがとうございます。」
「礼はあいつに。そうだ。この任務が終わったら俺は、‘’ひとりで‘’好きなところで好きにやる。終わるまでの間、あいつを任していいか?」
「いつものですね。分かりました、師匠の望むままに。」
「いいこだ。任せるよ。さて、行こうか。君の復讐を見に。」
「はい。師匠。」
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世界に突如表れたステージⅤ。
その中の一体は、ステージⅣを連れて、南アメリカを縦断し、その通り道にある都市9つを蹂躙し、メキシコ辺りで海に出ていった。
そのステージⅤの名前は、ピクシス。羅針盤座の名前がつけられている。
神話では、イアソンという王子が、自分の父、アイソンの国を乗っ取った叔父のペリアドからもう一度取り返すという物語の主人公。
彼は50人の勇者を連れて旅立つ。
様々な苦難を乗り越え、
王女メディアに助言をもらい、
イアソンは、無事に国を取り戻す。
そしてイアソンの乗っていた船は星となった。
そんな星であるが、彼の星の一部の名前がつけられたステージⅤ。
羅針盤というだけあって、周囲のガストレアを完璧に統制するその手腕と、イアソンの残虐性をあわせ持つこのガストレアの強さは、タリウスと同格、あるいはそれ以上。
一度測った調査によると再生レベルはⅢ。
ゾデアックの冠を持つ絶対王。
部隊を率いる統治者で、従うのは、ステージⅣのメディアを筆頭としたステージⅣ、その数50体。
ステージⅠやⅡ、Ⅲも四千という数を彼の手の中にいれる。
奴自身の戦闘能力は皆無。
だが、そいつは確実に世界を滅ぼす一端を担っていた。
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俺が6歳のとき、仙台とメキシコのアカプリコの間で就学前児童長期交換留学があった。
僕はこの時、孤児院にいた。
2年前に長野から引っ越してきたその矢先に始まった第一次ガストレア大戦によって親を失ったからだ。
この頃は、塞ぎぎみでたしかに周りを見ることが出来なかった。昔からご近所さんだった幼馴染みが慰めてくれるようになって2年。
学校に行って、授業を受けて、帰る。これを機械のように行うようになっていた。
もはや健全な小学一年生ができないのは、誰の目から見ても明らかだったのだろう。厄介払いという意味もあったのか、僕はこのプログラムに参加した。
その時、その幼馴染みもいっしょに参加するといってくれたことが唯一の救いだったのを鮮明に覚えている。
現地に送られてから早一年。小学校に通うようになって誕生日も迎えた。もっとも、祝ってくれたのはその幼馴染みだけだったが。
その日、僕らは最悪な事態を迎えた。
忘れもしない。2022年8月16日、空が灰色に染まり、地面は深紅色で覆われていたことを。
手を繋いでいた幼馴染みがいつの間にか消えて、手には、さっきまでそこに存在した ほんのりとした温もりのある、人間の腕だけが存在したことを。
そして、僕の背中はあいつによって囓られたことを。
あいつに体液を入れられたことを。
絶対に忘れない。
よし、目が覚めた。やるか。
このガストレアたちの死角から攻撃して、頭を潰して逃げる作戦は、俺が要だ。
数千のガストレアは向かってくる敵を師匠と影胤が駆逐して、俺を守ってくれる。
ステージⅣに囲まれ進軍するそいつは、まさに『船』。
ノアの方舟は人の生を乗せて進む。だがこいつは、真逆。人の死を乗せて進む。
スコープ越しに奴を睨み付ける。今構えているのは
Der Walt Schlussel 50
こいつは、Der Walt Schlusselの改造型。
師匠の持ち物で、
バレルの長さが通常の3,5倍の長さをもち、銃の口径もノーマルの5,0倍。初速はマッハ5以上。
形が歪に歪んだこの特殊な銃は重さも通常の比ではない。
弾丸も特殊型の10番。
敵の体内で膨張、破裂する。
その爆風は秒速8000メートルを越えて更に、内部の物質を爆発物の一部に変えて、連鎖反応を起こす。
その爆発は小さな都市なら余裕で消し炭に変えることができるほど。
製造方法は特殊で1年で2発のみという超貴重な弾。
使用法が一つに限られていて、数もほぼない現世界最凶の銃弾。
この銃も地面に置かないと使えない、いわば固定砲台であるがゆえに世界で一挺しかない。ステージⅤのためだけの銃。
それは今、大地に三脚で固定され、俺の意思と同化している。
引き金に指を当てる。
息をゆっくり出しきり、そして止める。
今。
引き金を引く。
反動で手が痺れ、銃が大地を離れ、宙に舞う。
命中。表層の装甲部分に命中し、表面の一部を焼き払う。
だが最大威力の弾を撃ち込んでなお、奴は止まらない。それどころか反撃の指示を出すー俺にはそう見えた。
ステージⅣの首が一斉にこっちを向き、それぞれ、攻撃を行おうとする。
慌てずに2発目を撃ち込む。
今度は、クリーンヒットだったようだ。
初擊と同じところに寸分違わず当たり、内部にめり込む。内部で破裂したようで、目で見える部分が膨らみ、苦しみだした。
周りのガストレアは主を守ろうと、俺らに攻撃する。
だが、影胤の斥力フィールドによって、攻撃は無効化、師匠の剣の一振りでステージⅣのガストレアたちの攻撃は打ち消され、攻撃を仕掛けたガストレアが粉塵とかす。
俺の右肩は銃の反動だけで砕けそうだ。
3発目。胴体内で止まり、発火。
船で言うキールにあたる部分を砕き、奴はまっぷたつになった。
ガストレアたちは、攻撃の手を止めないのだが、師匠らは全てを無に返す。
もう俺の肩が限界だ。
それでも、もう一発。
だめ押しに撃ち込む。
自分の肩の骨が折れた嫌な音と共に、スコープ越しに見えた巨体は倒れ、地面に穴を空ける。
世界が壊れるような音が地面を伝い、俺らを揺らす。
爆発の余波は周囲の草木をなぎ倒して進む。
意外とあっけないな。王なんてこんなもんか。
そう思って周りのガストレアを見るとーー
ピクシスの周りにいたガストレアは、ボスの消失を知り、全ての攻撃を止めてボスの方へ向かい、心配するそぶりを見せる。
こうべを垂れる者、嘆く者、寄り添う者、死体に触れる者。
なんなんだ。
俺が抱いたのは、助かったという安堵でも、憐れみでも、ましてや同情でもない。
恐怖だ。
隣を見ると、師匠も、影胤も、俺と同じ顔をしている。
あり得ない。
ガストレアに同情や心配、愛情など存在しないのがこの世界の真理ーー
ーーーーーだと言うのに。これはなんだ?
右肩が壊れたまま、片手にバラニウム製のナイフを握り、特攻をかける。
3体、4体と屠るのにさほど時間はかからなかった。
師匠はもう20体は屠っている。
だというのに、なんで反撃しない?
一切の反撃がなく、頭を下げている。
殺すのに格好の的だ。
ーー殺してくれと懇願している?
あり得ない光景を、身体を動かすことで早く記憶から消そうとする。
ナイフをふるい、首を切り落とし、心臓を突き、絶命させる。
ーーー15時間もした頃だろうか、戦闘を仕掛けたのは夜明け前だったがいまはもう夜だ。
四千以上のガストレアは全て例外なく、俺と師匠と影胤に屠られていた。
無抵抗の状態を保って、首を落とされて。
俺が、俺達が戦っていたのは、戦っているのは、なんだ?
この世界は、なんなんだ?
続くぜ☆
どうでもいいけど、この世界って色々ヤバイよな。
そのぶん何でもあり、かな?
つぎもがんばる。ひょうかくれ。し、しぬ。
ぐはっ。あ、死んだ。
え、生きてるじゃん。
あ、ばれた。