ブラックブレットの世界を使って。 作:とくめいん
4話完結目指す。
よろしく
千寿夏世との出逢い、それと4日の同棲(仮)その1
2030年2月10日 その日は黒い雲が立ち込める、珍しい日だった。
俺は、最近新しく手に入れた武器,SV-98をテニスラケットケースに分解して入れて、モノリスの外へと歩きだした。
今日は学校が休みで、監視のおっさんも、羽を広げるための長期休暇をうちの民警のトップ、三ケ島さんに申請して、今オーストラリアでバカンスを楽しんでいる。
他の民警ペアも次々と休んでいるらしいが。
こんな監視のない自由な時間をそうやすやすと見逃したくなかったので、天気予報は雨だが、今日もアパートをでて、鍵を閉める。
こんな日でも、電車は動き、車は規則的に道を走る。
平和だと思いながらも、なぜ人間どもはこんなことをして生活を支えるのか、意味がわからない。
ガストレアという格好の敵をお前らは見逃している。
バカなやつらだ。
その、バカな人間を見ながら歩く俺はもっとバカだな。
ため息が宙を舞う。
都会の喧騒に、そのため息は吸い込まれていった。
「ここはだめだ。もっと奥にいかないと。」
そう呟いて、北側ゲートを目指す。
10分も歩いただろうか、見渡すと周りにはバラックのようなものが増えてー赤い目を持つ子供、それも全て女児ーが目立つようになった。
「ーー彼らは呪われた子供たちです。近づくと呪われますよ。近づいたり、食べ物をあげてはいけません。」
編入した時の中学校の教師の言葉がふと頭の中で再生される。
そんなことない。それは嘘だ。と言おうが取り合ってくれなかったあの教師。今年に入って、いつの間にか学校からいなくなっていた。
一説には、ガストレアになったとか。
過ぎたことだと思う。
頭の中から意識を現実にむけ、思考を止める。
周りにいた彼女らは、遠巻きにこちらを見ていたりするだけで、特になにもしないようだ。
ガストレアに対抗できる、ガストレア予備軍と言う名前の人間。
ガストレアを倒す戦力なのだ。なのにしいたげるなど、頭の可笑しいゴミのやることだ。
ガストレアに変わるなら、変わってから殺せばいいのだ。
だから俺はなにもしない。
そのまま道を進む。
途中で、大剣を担いだ黒スカーフ男を見つけた。
見たことがある。三ケ島社長のお側つきまで、剣一本でのしあがった実力者。序列が2000番台と、若干弱いが、この世界では強いのだろう。
こいつのイニシエーターはいないが、きっと一人の方がいいんだろうな。
このままいけば、きっと生身で3桁に入るんだろう。
そんなことを思わせる風格を身に纏うこいつは、俺に声をかけてきた。
「よう。。。クソガキ。」
「なんだ?死にたいのか?」
「ああン?」
「はなしがないならどけ。じゃま。」
「すまん。声をかけたのは、頼み事があるからなんだ。聞いてくれないか?」
彼との会話はこんな感じだ。一番始めに出逢ったとき、こいつの剣を木っ端微塵にしたから俺の方が強いと認識してくれたみたいだ。最近は喧嘩を吹っ掛けてこないので、俺の気分はいい。
「気分がいい。聞いてやる。」
「相変わらず上から目線だな。クソガキ。」
「やっぱ止める。」
「うそだろ!?すまない。だから待て。」
「早くいえカス。時間がない。」
「..カsだと。ゴホン。この先に千寿夏世というイニシエーターがいる。頼む。面倒を見てやってくれ。俺は今日から三ケ島さんについていって、博多の会合の護衛をしないといけないんだ。」
「つれていかないのか?」
「道具としてまだ未熟だ。まだ俺がふるって連れられるような強さがない。だからたのむ。」
「今日は気分がいい。そう言った。」
「いいってことかよ!?」
「戦闘の面倒まではみんぞ。」
「充分だ。ありがとう。」
「えらく下手に出るな。いつもなら感謝のかの字もでないくせに。」
「あいつは道具だ。俺の大切な。あんたにもいるんだろ?」
「そうか。」
「7日だ。7日で戻ってくる。それまで任せたい。宜しくな。」
「え?日帰りじゃないの?」
あいつはそこにはもういなかった。
速えよ。1日経ったら気分も変わる。しってんのか?
でも、借りが多いし、あいつのイニシエーターだ。
死んだら困る。
ーーーーーーーしょうがない。やるか。飽きたら捨てる。完璧なプランだ。
黒スカーフ男と話してから更に歩いて6分。銃声が聞こえ、物体の質量のある音が聞こえる。
この音は、亀虫と蟻、バッタだろう。それぞれ2体ずつで、どれもステージⅠかⅡだ。
この量なら2000番台なら楽勝だと思った。だが、一向に攻撃の音が止まない。
俺はSV-98を組み立て、弾倉に銃弾を込めて、走り出す。何が起きてもいいように速度をセーブし、銃を構えながら丘を駆け上がりそこの光景を見る。
目に入ったのは金髪の女児が4体のガストレアに囲まれ、倒れたところだった。
彼女が千寿夏世。何度か面識があるだけの同業者。
そういうイメージだったが、今彼女は苦戦している。
弱いな。
確かに2000番台のプロモーターに付き添える実力があるとは思えない。
まあ、今危険なのは彼女だ。
試し撃ちに使う予定だったSV-98でいきなり正確に狙うのは出来ないので、腰からバラニウム製ナイフを引き抜き、接近する。
やつらまでの距離、60メートルくらいを一息で駆けてナイフをやつらの頭に一回ずつ突く。
全員のヘイトが集まったところで左腰に装着しているサイドアーム、Px-4をドロウして、一体一体に狙いをつけて引き金を2回立て続けに引く。2点バースト。師匠に教わった命中率重視の撃ち方。軽い音と同時に熱くなった薬莢が排出され、地面に軽い音をたてて転がる。
蟻の目に撃ち込んだ後、バッタの脚を切り落とし、亀虫固有の特殊攻撃の毒ガスを回避して誘導し、蟻に浴びせる。
そのままナイフでやつらの心臓、脳ミソ、首に差し込み、そのまま切る。
全員の息の音が止まったのを確認して、彼女ー千寿夏世に近付く。
顔、身体、足。
負傷していないところが無いくらいの傷つき様だった。
一応因子が発動していて自動回復を行っているが、間に合わないと判断したので、銃とナイフをしまい、彼女を抱える。
SV-98は拾わず、全力でモノリスの中に走りだした。
途中、うちの民警の所有している治療院を見つけて駆け込む。
現在休業中という看板がかかっていて、正面は閉まっていたが、窓の鍵が開いていたので窓を開けて、中にはいる。
俺に治療の心得はあるが、全て自分を治すためのみのスキル、だから一応いろんな薬品を用意はしたが何をしていいかわからない。
だから見よう見まねで
前に手術を受けたときのように麻酔を打って、傷口を縫合して、ガストレアウイルスに対する抗薬を撃ち込む。
彼女は何とか生きているようだ。
呪われた子供たちは回復力が異常。これは知っている。
だから、このまま様子を見る。
2時間後、彼女は目を開けた。
ほっとして、声をかける。
「大丈夫かい?」と。
これが彼女と僕の、初めての会話だった。
将監キャラ変わってます。少し。
夏世は気付かなかったみたいですが。
まあ、そんなことより次も頑張ります。