拓海と千紗が沼津の果南のところに来て2日目。2人は果南の用意してくれた畳の敷かれた和室で2人くっついて眠っていた
・・・
そこ代われやゴルァァァァァ!!!
「!!!( ゚д゚)!!!!(゚ロ゚;三;゚ロ゚)」
おっと起こしてしまったか。まぁいい思いして寝てたんだからこれぐらいいいだろう。うん。そういうことにしよう
拓海は誰かに怒鳴られた気配を感じ取って勢いよく起き上がった。しかしその部屋を見渡しても誰もいない。ちょっと気のせいかと思ったが自身の体には大量の冷や汗と鳥肌がたっていた。少し、そうほんのすこーし怖くなった
しかし隣で拓海と手を繋いだ状態でスヤスヤと眠っている千紗の寝顔でそんな拓海の気分はスッパーンと虚数の彼方へ飛んで行った
「(◦ˉ ˘ ˉ◦)」
「拓海〜、千紗ちゃ〜ん、朝ごはんできて...なにそのニヤケ顔。ちょっとキモいよ?」
「(; ・`д・´)」
拓海が千紗のカワイイ寝顔を堪能しているところを起こしに来た果南に見られ若干引かれてしまった
しばらくして千紗が起きて果南特製の朝ごはんを食べダイビングの準備に入った
「覗いちゃダメだかんね〜」
「(;゚Д゚)!」
「ちょっ!果南さん!」
水着に着替えるために千紗と奥へ行く前に自分のTシャツを少しめくり肌をチラつかせて拓海を誘惑する果南。普段から女性の肌など見慣れているはずの拓海は未だにウブな反応を見せる拓海。しかしこういう反応をするところも彼の人気の一つだったりする
「た〜く〜み〜」
「(;¬3¬)」
「鼻の下、伸びてるよ」
「(⊃-⊂)!」
「冗談」
「...」
「い、いひゃいよ」
千紗に指摘されすぐさま口元を隠す拓海。しかし千紗に弄られてただけだと知り千紗の頰を優しく引っ張る。側から見たらただ単にイチャコラしてるカップルだ。末永く爆発しろ♪
天気もよく波も穏やかで最高のダイビング日和。午前は普段から潜り慣れている果南に2人がついていく形で楽しんだ。海中の自然は変わるもので何度も来てるのにも関わらず2人は初めて来た感覚になっていた
お昼を食べて午後。今度は午前よりも深いところに行くことになった。なんでも果南が少し気になっている洞窟のような場所があるらしい。拓海と千紗も興味を示しその提案に賛同。実際に潜ってみるとそこには果南の言う通り洞窟のような形状をしたでっかい岩があった。これを本当に岩と言っていものかと疑うぐらい大きいものだった
そこはいい具合に陽の光に照らされその中を沢山の種類の魚が悠々と泳いでいる。それは浅場や水族館では絶対に見れない光景だった
「いや〜いいもの見れたね」
「うん。写真撮りたかった」
「あ〜水中用のカメラあるもんね。けど結構な値段しなかった?」
「綺麗な写真撮りたいなら7、8000円する。いいものだと10000円以上...」
「...」
学生にとってすぐには手が出ない程の金額にこうべを垂れる千紗。それを見た拓海は何やら考え事をしているようだ
そして時刻は16:00。そろそろ拓海と千紗は帰らなければいけない時間となってしまった
「そっか...また会えなくなっちゃうね」
「そこまで遠くないし、また遊びに来ます。今度はサークルみんなで来ますね」
「うん!待ってるね!」
「拓海もまた来てね。それとたまにでいいから連絡ちょうだいよ?」
「( ・ω・)ゞ」
「それじゃあ果南さん、また」
「またね千紗ちゃん。拓海も」
「(・・)/」
別れの挨拶を終えると拓海はアクセルをゆっくり踏んで車を出した。そんな車を果南は名残惜しそうに見えなくなるまで見送っていた。そして拓海の運転する車はとある女性交通人3人の横を通過する
「あれって...」
「そう、だよね...」
「多分...でもどうして?」
「あれ、果南ちゃんだ」
女性3人は拓海の車を拓海のものと認識したのかお互い確かめあう。すると目の前にはその車を見つめる果南の姿。それを見た瞬間3人の推測は確信に変わり一斉に走り出す
「「「果南ちゃん(さん)!!!」」」
「あれ3人ともどうしたの?」
「どうしたのじゃないよ!」
「今走って行った車って拓海くんのですよね!?」
「果南ちゃんがそれを見送ってたってことは拓海と果南ちゃん一緒だったんでしょ!?」
「そ、それは...」
隠そうとしても隠しきれていない果南の表情に3人はジト目で見ている
「ねぇ曜ちゃん、梨子ちゃん。これって...」
「絶対そうだよね、千歌ちゃん」
「確信犯ね」
3人は高校生のときに果南と共にスクールアイドルをやっていた高海千歌、渡辺曜、桜内梨子であった。3人とも拓海とは面識があり助けてもらったこともたくさんあった。それもあり3人とも拓海に対して恋心を抱いており拓海が来たならば絶対に会いたかったであろう
「抜け駆けはズルいよ、果南ちゃん」
「抜け駆けって、そんなつもりは...」
「じゃあなんで連絡くれなかったの!」
「それは急な話だったから...」
「これは会議ものですね...」
「そうだね。とりあえずみんなに伝えよう」
「何があったのか全部教えてもらうから覚悟してね、果南ちゃん」
その後集まったかつての仲間たちに1から9まで全部話した果南は16の嫉妬の目に見られていた。しかし最後の1、拓海とあった夜の浜辺での出来事は絶対に話さなかった果南は拓海との秘密ができて内心喜んでいた
果南のところから帰ってきた次の日、拓海は学内の食堂で千紗が伊織に言い寄られているところに鉢合わせてしまった
「頼む千紗!他に何もしなくていいから!ただ側にいてくれるだけでいいんだ!」
「絶対に嫌。諦めて」
千紗が否定してくれたことに涙が出そうになった拓海はそれをぐっと堪え伊織の前に割って入った
「拓海」
「...」
「大丈夫。そんなんじゃないから。行こっ」
千紗は拓海の手を取って受付まで引いていった
「そんな...ただ隣で解答を見させてくれるだけでいいんだぁぁぁぁぁぁ!!!」
「...ε-(´∀`;)」
伊織が千紗に詰め寄っていたのは告白ではなくテストの解答を写させてほしいと懇願していたことを知って拓海は安堵した
「すまん、カンニング交渉は失敗だ」
「そっか」
「どうすっか。このままだと不可だな」
「ドイツ語の単位を落とすのは痛いぞ」
ここに集いしバカ集団は伊織、耕平、野島、山本だ。以前は千紗を泣かせた伊織と顔だけはイケメンの耕平を恨んでいたが、このメンツで合コンに行ったときに大敗を経験し仲良くなった
「仕方がない。自力でなんとかしよう」
「まさか!今から勉強すんのか!」
「試験まで時間がないぞ」
「ノートの縮小コピーの限界に挑戦する」
「自力のカンニングか」
まったくもってバカである。そんなんに勤しむなら頑張って一部だけでも勉強すればいいだろうに
「俺達が読める限界サイズだな」
「大分小さくなったが...」
「隠す場所を考える必要があるな」
「おーい北原ー。カンニングか?俺も混ぜてくれ」
「俺も俺も」
「なんで俺の周りにはこんなクズばかり集まるんだ」
「類友ってやるだろ」
その通りである
「それで、これをどう持ち込む」
「そうだな...」
「例えば筆箱の中」
パターン①:筆箱の中
「飲み物のラベル」
パターン②:飲み物のラベル
「タオルの内側」
パターン③:タオルの内側
「野島はどうするんだ?」
「俺は“わんない”で行く」
「“ワンナイ“?一夜漬けか?」
「いや、”腕内“だ!」
「北原はどうするんだ?」
「団扇の裏かな」
「なら俺は服の裏に仕込むか」
「お前ら、ドイツ語の単位が重要なのを知っているな」
「あぁ!」
「もちろんだとも!」
「絶対に最後まで諦めず、みんなで単位を取るぞー!!!」
『おー!!!』
なら最初からちゃんと勉強をしておけ、というツッコミは今回は控えよう
「拓海はテスト大丈夫?」
「(o´・ω-)b」
「そりゃそっか」
「(•ω•)?」
「私?一応拓海に教えてもらってたし、頑張る」
「(*´∀`*)」
こっちサイドを見習ってほしいとあのバカどもに言いたい
そしてテスト当日。隣の人と1席分開けるようにして座りテスト開始を待っている
「はい、それでは...まず筆箱はしまいなさい」
(げっ!)
パターン①ー崩壊
(バカめ。予想できたこと)
(おい!助けてくれ!)
(ん〜どうしようかな〜)
「それと飲食は禁止です」
「ぶふっ!」
パターン②ー崩壊
(そんな目でこっちを見んな)
(てめーでなんとかしろ)
(しかし、なんで他の連中は涼しい顔をしていられるんだ?)
(まさか!自信があるとか...)
「1時開始です。終わったら退席して構いません」
1時になったよ
「では始め」
「「退席します」」
(覚悟を決めた笑みだったか...)
「ぐっ!」
(汗で滲んで文字が読めねぇ!)
(バカが...)
(ふっ、この暑さで腕内に頼るからだ)
(そういえば下川がいないな)
(あーやつならさっき...)
(さっきなんだ?)
(気にするな、死人が増えただけだ)
(しかし、カンペを見てもほとんどできん!)
(これはみんなで協力する必要があるな)
(チームプレーだな)
(任しとけ!)
というか何。お前ら全員新しいタイプのやつらなの?全員一瞬のアイコンタクトだけで会話しやがって。羨ましいからその能力くれ!と変な嫉妬は置いといて藤原がカンニングしようとシャツの中を確認しようとした瞬間、中から1枚の紙がひらひらと教師に向かっていった。教師はそれを素早く掴み書かれているものを確認した
「これは、なにかね...?」
「え、あ...」
藤原が答えに困っているのを裏腹に他の連中はこいつのですと指を指す
「みんなで協力は!!!?」
助けは来ず、教師より不可の紙を貼られてしまった
「みんなできが悪いな〜」
「問題がむずかしすぎるんだよ!」
「仕方がない、サービス問題を出そう」
『おー!』
「講義中の話から出題します。今から言う単語をドイツ語に訳して裏面に書きなさい。第1問、心臓リウマチ」
(わかるかそんなもん!)
(サービスの意味を誰か教えてやれ!)
「第2問、裸でバナナを持つ男」
(講義中になんの話をしていた!)
(本当にドイツ語の講義なのか!?)
「最後の1問、ジェームス・トーマス」
「人名じゃねぇか!」
「しかも明らかに英語だろ!」
「やってられっか!」
そしてテスト返却
「これは酷いな...」
「これで不可確定か」
「どこかで挽回しないと」
「えーみなさん。大変できが悪かったです。なので10点以上なら可、20点以上なら良とします」
『マジで!?』
「やったな」
「まさかイケるとは!」
「だな!助かった!」
「あーまったくだ!...あ?」
喜んだのもつかの間、3人の用紙の下にこう書かれていた。『※裏面を読むこと』。そしてその裏面には『カンニングの疑いがあるので再試。あとで私の所に来ること』
「「「再試?チクショーーーーー!!!!」」」
「またバカやってる...」
「( ´△`)」
紙を破り捨てその場に倒れこんだ3人を後ろから見ていた千紗と拓海は揃って呆れるのであった。ちなみに2人の答案には『83』『85』とどちらも優秀な成績を残していた
「で?合コンはどうだったんだ?」
「散々でしたよ...見てくださいこの写真。こいつら仮装してきやがって」
「気合い入れてあげたんだから感謝しなさいよ」
「君らは期待を裏切らないね〜」
「ところでお前、ウチに入るって言うけどさ」
「どんなサークルか知ってるのか?」
「ダイビングでしょ?ちょっと憧れてたのよね。大人の趣味って感じで。海の中も色とりどりの魚がいっぱいで興味があるし」
「それはそれは」
「南の島の綺麗な海で大学の仲間とダイビング!まるでドラマみたいじゃない?」
「「ならこのサークルはやめておけ」」
「ここダイビングサークルじゃないの?」
「ははっ、冗談だ冗談」
「ダイビングをすることもないわけじゃないが、ない気がしないこともなくもないぞ」
「おーい新入り!歓迎会を始めるぞ!」
「あ、はーい!」
本日は新しく“Peek a Boo”に入った愛菜の歓迎会でサークルのメンバーが全員“Groud Blue”に集まっていた
「とりあえず軽く自己紹介だ」
「青海女子大一年の吉原愛菜です」
『お〜』
「ダイビングに興味はあったのですがやったことはないです」
『お〜』
「なのでこれからいろいろ勉強して...」
ここで愛奈の言葉が途絶えた。なんとびっくり!時田達の服が消えていき最終的には全裸になっているではないか!
「ねぇ!このサークルおかしくない!?」
「ん?」
「いつの間に脱いだの!?」
言うまでもないが伊織と耕平もすでにパン一の状態だ
「そう驚かれてもなぁ〜」
「伊豆春祭で呑んでるとき散々見ただろ」
「あれは学祭でテンション上がりきってたからじゃないんだ...」
「どうしたの愛菜?」
「どうしたもなにも...」
「ん?」
「なんでもないです...」
同じ大学の先輩である梓もTシャツを脱いで下着姿になっている
(で、でも。古手川さんだけは普通の人のはず...!)
「頼む古手川!」
「やっぱりお前が合コンを!」
外から戻ってきた千紗に土下座で合コンのセッティングを頼む伊織と耕平。そして当人の千紗はというと土下座している伊織の背中に座って足を組んでいる
「違うぞ千紗。そう言う意味じゃない」
「踏めばよかった...?」
(...もないな)
「2人とも何をしてるの?」
「別に」
「奈々華さん」
「ほら千紗ちゃん、伊織くんから降りて」
「( ・ω・)っ」
「あ...ありがと拓海...」
伊織の上に座っていた千紗を奈々華が注意し、その千紗が立つために手を差し伸べる拓海。その手を取る千紗はどこか嬉しそうだ
「よかった!普通の人がいてくれた!」
「えっ?」
「お疲れ様です」
「奈々華さんも一杯どうですか?」
「ありがと、それじゃ...これもらうね!」
「え、それは古手川さんの飲みかけ...」
「...」
千紗の飲みかけのジュースを姉としてはしてはいけない顔をしながら飲もうとする奈々華を拓海が止めた
「...あら拓海くん。何かしら」
「( ˙࿁˙ )」
「別に姉妹なんだからこれくらいいいのよ...?だからその手を離してくれないかしら...」
「(`・д・)」
「あらあら...こんなことで嫉妬してるの...?でもこのグラスは渡せないわ...」
ここから始まる奈々華vs拓海の攻防。ここは関ヶ原であるか...
「ねぇ...」
「何も聞くな...」
「お前は何も見ていない。いいな」
「こらお前ら」
「きちんと乾杯をしなきゃダメじゃないか」
「え、あちょっ」
奈々華と拓海の攻防劇を見て見ぬ振りをする伊織と耕平は背後から忍び寄ってきた時田と寿に捕まり連行されていった
「あの、吉原さん」
「あ、はい」
「ダイビングに興味あるの?」
「うん一応。それが何か?」
「いや、別になんでもないんだけど。嬉しいな、って...」
「そうよねぇ」
「ダイビングに興味を持って入会したの愛菜だけだもんね」
「は、はぁ...」
その通りである。伊織や耕平はどちらもダイビングに興味があってこのサークルに入ったわけではないのだ。拓海はそもそも千紗についてきただけだし千紗としても拓海がいなければ入っていたかどうかわからない。よって始めてサークル入会の動機が単純にダイビングに興味があるというのが愛菜が初めてであった
「どころでダイビングって何を用意しておいたらいいんですか?」
「ん〜そうね」
「いろいろあるんだけど」
「最初はレンタルでいいんじゃないかな」
「とりあえずはタオルとか水着かしら」
「み、水着ですか!?」
「水着は嫌?」
「嫌というか恥ずかしくって...」
「うふふ、大丈夫よ」
「恥ずかしいことなんて何もないって!」
「それはダイビングに慣れてるからで、普通の人は...」
「ん?」
愛菜は一旦、一旦周りを見渡す
『わーっしょい!わーっしょい!』
(普通の人がどこにもいない!)
「大丈夫?」
「とにかく!今日は私の歓迎会なんだから!みんな服を着てくださーい!!!」
いや、誰かの歓迎会ってときだけじゃなく常時着ているのが普通である
「( ・ω・)っ」
「あ、どうも」
「拓海。どこ行ってたかと思ったらこれ作ってたの?」
「( ゚ー゚)( 。_。)」
愛菜が心の叫びを露わにしたのと同時に拓海が片手にケーキを持ってやってきた
「これ、私に?」
「( ゚ー゚)( 。_。)」
「ちょっと〜、私達のは〜」
「(*`・ω・)」
「お、さっすが〜。わかってるね」
拓海は一旦キッチンの方に戻っていった
「え、今のでわかるんですか?」
「拓海くん、滅多に声出さないから。表情や仕種でなんとなく理解するのよ」
「サークルのほとんどはもう慣れてる」
「伊織と耕平はまだ完全じゃないみたいだけどね〜」
「なるほど」
「でもこれはいい練習になるのよ?」
「練習?」
「ダイビングって水の中で声を出せないでしょ?だから水の中でのコミュニケーションは声以外のものを使う必要があるの」
「ハンドシグナルっていうのがあるんだけど、目元も結構注意して見なくちゃダメなんだ」
「この人疲れてるってすぐわかっちゃうからね〜」
「確かに。意外なところで勉強になっちゃったな〜」
「( ˙-˙ )?」
戻ってきた拓海には何の話か全く見当がついていなかった
「ん?」
「どうしました?」
「酒がきれた」
「え!?」
「一本もないの!?」
「数を見誤ったな」
「そんな先輩ともあろう人が...」
歓迎会は夜まで続いた。終電なり明日朝からバイトというメンバーは先に帰ったので、まぁいつものメンバー+愛菜が残っている。ちなみに全員服を着ている。明日は槍でも降るのか!?
「あ、じゃあ私買ってきます」
「重いだろう。俺達が行くぞ」
「いいですよコンビニ近いですし」
「じゃあ私も」
「( ・ω・)ノ」
「拓海は先輩達の監視してて」
「( ´ · _ · ` )」
「じゃあ行ってきま〜す」
「はいは〜い」
「ちゃんと服着ててくださいね」
「...はいは〜い」
拓海を監視として残し千紗と愛菜は買い出しに出かけた
「あいつも早く慣れないとな〜」
「まったくだ」
「2人は慣れるの早すぎなんだけどね」
「おいおい誰だよ。“きのこ”と間違えて“たけのこ”を買ったのは」
「あ?何言ってるんだ?普通は”きのこ“より”たけのこ“だろ」
「冗談はよせよ。“たけのこ”なんて味覚音痴の食べ物だろうが!」
「いやいや?“きのこ”の方がバカ舌の食べ物だろ!」
「おいコラなんて言った!クラッカーとクッキーの味の差の違いもわからない味音痴が!」
「あ“ぁ“ん”?売り上げ比較したことねぇのか!?」
「てんめ、それを言ったらもう戦争だろうがぁぁ!!!」
「やんのかゴラァァァ!!!」
※決して”きのこ“と”たけのこ“のことを侮辱しているわけではありませんのでご注意ください
「待て待て」
「ケンカはいかんぞケンカは」
「「ですが!!!」」
「こういうときはゲームでとあれほど言っただろうが」
「いいでしょう」
「でもなんのゲームで勝負したらいいんですか?」
「( ゚д゚)!」
ここで拓海の危険信号に反応があった。『ゲームを決めるにもどうやって決めるか』→『それぞれが案を出す』→『どれをやるのか』→『じゃんけんで決める』→『野球拳だから必然的に服を脱ぐ』。この流れが画一されてしまう
「そうだなぁ」
「あみだで決めるか」
なんだと...じゃんけんじゃないだと...天変地異でも起こるのか!?
「んじゃとっきーとぶっきーはゲームの案出して」
出されたゲームの案も一応確認する拓海。”PaB式びらめっこ“、”腕相撲“、“ポッチーゲーム”。今のところ裸になる要素はなさそうである
「よし決めたな」
「「はい」」
「それじゃあ結果はっと」
「ポッチーゲームだな」
「「なんてものを!!!」」
確かにこれは...オエェェェェ!!!
「ちょっと待ってくださいよ!誰の案ですかこんな...梓さぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
「チャンスチャンス!」
「んじゃポッチーゲームで決着をつけてもらうぞ」
「いやいや!」
「おかしいですって!」
「おかしくない!おかしくない!」
「神聖なあみだの結果だ。諦めろ」
「でもポッチーがないですし...」
「やりたくてもできないですし...」
「ふむ」
「確かにないね」
「ならこれを使うか」
そう言って寿が取り出したのはなんと特大黒糖麩菓子だった
「ちょっと大きいが問題ないだろ」
「先に口を離した方が負けな」
「じょよーい、スタート!」
梓のスタートの合図で2人は勢いよく食べ進めていく
「想像以上にひどい絵面だな」
「ちーちゃん達には見せられないね」
「(´―ω―`)」
そして2人は少し食べ進めたあたりで同時に口を離した
「決着つかずか」
「引き分けとはだらしがない」
「これはムリですよ」
「口の中大変なことになってですからね」
「仕方ないな〜」
「梓さんなにを?」
「ポッチーを用意しようと思ってね」
梓は今買い出し中の千紗にポッチーを買ってきてとお願いのメッセージを送った
「というか先輩達楽しんでますよね!?拓海だってポーカーフェイスの下で笑ってるんだろ!」
「それなら先輩達と我那覇にも参加してもらいます!」
「まぁな」
「別にいいけど」
「俺も構わんがゲームをする2人をどう決める」
「それは...」
「( ゚д゚)!」
ここでまた拓海の頭の中で“じゃんけん”という単語が思い浮かんだ。伊織達の発言を止めようとするが...
「まぁ“じゃんけん”か何かで...」
「そうか!!!」
「じゃんけんとなると!!!」
「はいはい!了解!!!」
時すでに遅し...拓海無念...
「「ただいま〜」」
『アウトー!!セーフ!!よよいのー!!!あ、おかえりー』
「どうしてそうなるんですか!」
「待てケバ子。これには訳がある」
「俺達はポッチーゲームをする人を決めるためにまずじゃんけんをしていただけなんだ」
「じゃんけんするだけなら脱ぐ必要ないでしょ!!!?」
「野球拳なんだから脱ぐ必要があるだろ」
「まったくだ」
「野球拳以外のじゃんけんも覚えなさいよー!!!」
なんとなくデジャブ。初めは伊織もそんなことを言う側だったのに。慣れとは怖いものだ
「梓さん...」
「な〜に〜?ちーちゃん」
「今すぐ拓海を返してください...」
「どうして〜?」
ただいまソファに座って魂の抜けている拓海の背中に覆いかぶさるように抱きついている梓が目のハイライトがなくなっている千紗の前の光景だ。ちなみに拓海はなぜ魂が抜けているのかというのは千紗との先輩達の監視という約束を守れなかったからである
「( ° 。°)」
「拓海〜、ちーちゃん帰ってきたよ〜」
「( ゚д゚)!」
「...ただいま」
「...」
「拓海はまだこれを堪能したいのかな?」
「Σ( ゜Д゜)!!」
梓は拓海の後頭部に胸を押し付ける
「拓海...」
「(((;゚д゚;)))」
「あん....もう、暴れないの」
今の状況と目の前の千紗に汗が止まらない拓海。千紗は一歩一歩拓海に近づいていきテーブルに置いてあった缶チューハイを一気飲みする
「わぉ」
「=͟͟͞͞(¯−︎¯)」
そして千紗は空になった缶を投げ捨て拓海の目の前から抱きついた
「((?・・)」
「おぉ!ちーちゃんも大胆だね〜」
「...」
千紗は言葉を発しなかった。拓海は無意識に千紗の頭を撫でる。梓は拓海に胸を押し当てながらその光景を嬉しそうに見ているのであった
普通に羨ましいんじゃボケがぁぁぁぁぁ!!!!!