六等分の花嫁   作:先導

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番外編アンケートの結果は後書きのしたになります。トップバッターの子、おめでとう!

さて、その番外編の達筆も始めなきゃなので、多分ですけど、次が六嫁の今年最後の投稿となるかもしれませんのでご了承下さい。


5年ぶりの再会

日曜日・・・本来この日は家庭教師の立場関係なく、1日勉強したかったが、昨日の出来事もあってそういうわけにはいかなくなっている。俺は今、三玖と六海に呼び出され、あいつらの家まで走ってきている。疲れたなんて言ってられん。あいつらの今の状況を俺は知りたいんだ。

 

「あ、風太郎君が来たよ!」

 

俺があいつらのマンションまでたどり着くとそこには三玖と六海が待っていた。

 

「三玖、六海・・・」

 

「フータロー・・・日曜日なのに呼び出してごめん・・・」

 

「そんなことはどうでもいい。他の4人はどうした?あのケンカの後、何がどうなったんだ?」

 

「ここじゃなんだし、とりあえず上がってよ」

 

三玖と六海に言われた通り、俺はマンションの中に入り、こいつらの住む30階まで上がっていく。あいつらの部屋までたどり着き、俺はあの後の事情を聞くことにする。

 

「風太郎君も知っての通り、あのけんかの後、一度は収まったんだけど・・・」

 

「フータローが帰った後、また大喧嘩して・・・2人とも家を出ていっちゃった」

 

「ふ、2人ともだと・・・?」

 

てことはあれか?あのけんかの後で何かの事情で大喧嘩して、最終的に二乃も五月も家を出てったってのか?確かに五月も家を出るといっていたが、そこまでするか⁉

 

「一花と四葉も説得しようとしたんだけど・・・二乃が昔のことを掘り起こして・・・」

 

「2人とも意地なんか張っちゃって最終的に先に家に帰ったら負けみたいになっちゃってるの」

 

くそ・・・期末試験期間中だっての・・・どうしてこんなことになるんだ・・・!

 

「バカ野郎が・・・!で?その一花と四葉はどこ行った?」

 

今この部屋にいるのは俺と三玖と六海だけだ。二乃たちを説得しようとした一花と四葉もいないのが気になるんだが。

 

「外せない用事があるって・・・」

 

「まぁ、一花ちゃんはお仕事なんだけど・・・四葉ちゃんからは、何も聞いてないよ」

 

一花の方はある程度予想はできたことだからいいが・・・四葉の用事というのが少し気になるな・・・。そういえば最近あいつ、用事で勉強会を欠席することが多くなったな・・・。

 

「こんな時に限って・・・試験勉強はどうする気なんだよ・・・。昨日まで一緒だったのに・・・」

 

「うん・・・こんなに部屋が広いと感じたのは久しぶり・・・」

 

「六海、この広さが逆に寂しいよぅ・・・」

 

三玖と六海の表情は少し暗かった。そうだよな。昨日まで一緒だった姉妹が急に2人も出ていっちまったからな・・・。

 

「なぁ、こういう喧嘩ってのはよく起こることなのか?」

 

「だって姉妹だもん。全然珍しいことじゃないよ」

 

「でも・・・今回のは今までと少し違う気がする・・・」

 

ふーむ・・・そういうものなのか・・・。俺とらいははあいつらのような大喧嘩になったことはないからよくわからんなぁ・・・。

 

「・・・考えても仕方ない。ともかく今は二乃と五月を探そう」

 

「あ、ああ・・・そうだな」

 

「じゃあそういうことなら・・・まず五月ちゃんを迎えに行こうよ」

 

「あ、そっか。五月の場所はもうわかってるもんね」

 

ん?五月の居場所はもうわかってるのか?いつの間に・・・。そんな疑問を抱いている俺に六海は説明する。

 

「実はね、六海の友達の真鍋さんの家に五月ちゃんが泊まりに来たらしいの。昨日は夜遅かったし、明日にっていうことで、今日迎えに行くことになってるの」

 

「そ、そうか。なら早いとこ五月を迎えに行こうぜ」

 

「うん。六海、道案内よろしく」

 

「うん!任されたよー!」

 

俺たちはまずは五月を迎えに行くために家を出て、六海の案内を頼りに六海の友達の家へと向かっていく。

 

♡♡♡♡♡♡

 

五月を迎えに六海の友達の家までたどり着いたんだが・・・こりゃ驚いたぜ。まさか家が孤児院なんて誰が想像できただろうか。孤児院の外ではらいはと同じ年代、あるいはそれ以下の子供たちが外で遊んでる。そのために・・・

 

「姉ちゃん、また会ったなー!」

 

「ねーねー、遊ぼー」

 

「あ、あのね、みんな・・・今はちょっと・・・」

 

「やっぱみんなでかいよなー」

 

「ねー。なんでそんなに成長するんだろう?」

 

「あ、でも春姉ちゃんのほうがでかいか」

 

「だねー」

 

「ふ、フータロー・・・助けて・・・」

 

遊びに飢えてる子供たちに三玖と六海が捕まってる。2人とも困ったような表情をしてこっちに助けを求めてやがる。で、俺の目の前にはいかにも強気そうな女がいる。

 

「連絡はもらってたけど・・・まさか上杉までくるとは思わなかったわ」

 

・・・えーっと、こいつは俺を知ってるようだが・・・俺はこいつのことを全く知らないんだが・・・。

 

「あー・・・すまん・・・お前、誰だっけ?」

 

「やっぱり忘れてるし・・・中学で会ったでしょうが、このクズ野郎」

 

「!・・・その呼び方する女・・・お前かよ、この性悪女」

 

「真鍋よ。いい加減に覚えなさいよ」

 

思い出したぞ・・・出会いは本当に最悪でその際にクズ野郎と罵られた女は俺の記憶ではたった1人、こいつしかいなかったからその際の印象がまだ残っていたようだ。つーかよく見たら・・・そうだな。確かに中学で会った顔だ。それから、林間学校でも一目だけ見てが、六海の友達は確かにこいつだったな。

 

「ていうか、中学で何回か話しかけたでしょうが。それさえ忘れるってどういうことよ?」

 

「あー悪かった悪かった。今お前に構ってる余裕はねぇんだ。五月いるだろ?さっさと出してくれ。時間がもったいねぇ」

 

「いちいち人をイラつかせるわねあんた・・・そういうとこ、本当変わってないわ・・・」

 

俺が真鍋を軽くあしらってやると、真鍋は呆れたような顔つきでため息をついた。

 

「・・・残念だけど、中野さん・・・の五女はいないわよ」

 

「は?」

 

今こいつなんて言った?五月がいない?ここで寝泊まりしたんじゃなかったのか?

 

「確かに中野さんの五女は昨日うちに来たわよ。でも今日朝起きたらいつの間にかいなくなってたのよ。こんな置手紙を置いてね」

 

「置手紙だと?」

 

真鍋は懐に入っていた五月の置手紙を取り出して、俺に渡してきた。いったい何が書いてあるってんだ?

 

『孤児院の皆様へ

 

私のわがままでこの孤児院に泊めていただいたこと、大きな感謝を心より申し上げます。非常に勝手で申し訳ございませんが、私は二乃が反省するまで絶対に帰るわけにはいきません。かといって、これ以上孤児院の皆様に迷惑をかけるようなことは致しません。なのでこうしてこの孤児院を発たせていただきました。ここで過ごした時間は楽しかったです。またいつかお会いしましょう。真鍋さんはまた、学校でお会いしましょう。

 

追伸:千尋ちゃんによろしく伝えておいてください。後、ケーキおいしかったです。

 

中野五月より』

 

「・・・あの真面目バカ野郎め・・・!」

 

今日迎えに行くって真鍋を通して知ってんだろうが。なんでわざわざこんなのおいて出ていくんだよ。迷惑と感じているならせめて俺らが来るまで孤児院にいろって話だっつーの。そこまで二乃との溝が深いのかよ。

 

「・・・なぁ、あいつどこへ行くとかなんか、聞いてないのか?」

 

「いいえ、聞いてないわね。私はてっきり姉妹と一緒に帰るものだと思ってたし・・・」

 

はぁ・・・どこまでも面倒な奴め。これじゃあ振り出しに戻っちまってるじゃねぇか・・・。

 

「手間とらせて悪かったな。俺らはもう行く・・・」

 

くいくいっ

 

「ん?」

 

もう用はなくなったからこの場を去ろうとした時、ふいに俺の服の裾を引っ張るような感覚がした。そこを見てみると・・・

 

「兄ちゃん、姉ちゃんたちの連れだろー?」

 

「遊んで遊んでー!」

 

「でー!」

 

子供たちが物欲しそうな面で俺に遊びをせがんでる姿が写った。え・・・マジかよ・・・。三玖と六海は・・・

 

「「・・・・・・」」ぐったり・・・

 

うおっ・・・もうすっかり疲れ切ってるじゃねぇか・・・かなりこのガキ共に振り回されたんだな・・・。

 

「あ、言ってなかったけど、日曜日のこの子たちは遊びに飢えててね、自分たちが満足するまで振り回すのをやめないから」

 

嘘だろおい・・・ここでこのガキ共に付き合ってみろ。どんだけの時間ロスになると思ってんだ。

 

「真鍋、助け・・・」

 

「さーって、私はこの子たちのために買い出しに出かけないとね。ま、精々怪我しない程度に、付き合ってやりなよ」

 

「あ!こらてめ・・・逃げんなこの性悪女!」

 

真鍋よ、俺になんか恨みでもあんのか?ただでさえ体力のない俺にこいつらの遊びに付き合えだと?そうなったら俺も三玖と六海の二の舞になるわ。

 

「ねーねー、遊んでよー」

 

「あ!なんだったらお姉ちゃんたちと一緒でもいいよ!」

 

「「!!??」」

 

「あ!あーし、かくれんぼがいい!」

 

「おー!いいね!じゃ、兄ちゃんが鬼ね!」

 

「だー!!お前ら!少しは俺たちを休ませてくれよーー!!」

 

結局俺たちは子供たちのわがままに付き合わされ、遊びに遊びまくった。それでも満足しないってんだから困ったもんだぜ。ま、帰ってきた同年代の男どものおかげで興味はあいつらの方へ向いたから助かったぜ。

 

♡♡♡♡♡♡

 

「・・・もう・・・疲れた・・・」

 

「五月ちゃんを迎えに来ただけでなんでこんな目に・・・」

 

「しかも、よりにもよって体力なしトリオだしな・・・」

 

あの子供たちを孤児院の男たちに任せて、孤児院から離れたのはいいが・・・あのガキどもどんだけ俺たちを振り回せば気が済むんだ。もう二乃と五月の居場所を尋ねる元気もねぇよ・・・。

 

「はぁ・・・今から探し回る元気もない・・・」

 

「まぁ、どうしてもっていうなら2人の友達に何か聞くっていうのも手だよ・・・」

 

ほう・・・それは実用的な案だな。やみくもに探し回るより手間が省ける。

 

「幸い、二乃と仲がいい友達2人なら知ってる」

 

「風太郎君はどう?五月ちゃんと同じクラスなんでしょ?」

 

「あ、ああ・・・。五月は・・・そういえばあいつ、普段誰とつるんでるんだろう?」

 

「「役立たず」」

 

俺の発言でいきなり戦力外通告された。仕方ねぇだろ!普段教室で話したりしないんだからよ!

 

「もう・・・こうなったら最終手段を使うしかないよ!」

 

「それしかないなら・・・仕方ない・・・あまり使いたくない手だけど・・・」

 

?最終手段?何かいい手でもあるのか?俺がそう考えると、三玖と六海は人が多く集まってる場所へ向かった。何をする気だ?

 

「あの・・・こんな顔の子見ませんでしたか?」

 

「それかこんな顔の子、誰か知りませんか?」

 

多くの人に三玖は五月の顔を、六海は二乃の顔をして目撃者を絞り上げてやがる・・・。なるほど・・・友達がダメなら広場の人間の目撃証言を頼るってことか・・・。それにしても、六つ子ってなんて便利なんでしょう・・・。

 

「・・・あら?メガネの子の顔・・・私の泊まってるホテルで見た顔だわ」

 

「そいつが二乃だーー!!」

 

思っていた以上に二乃の居所が判明したぞ!六つ子の顔マネってすげぇ!こんなすぐに情報を引き出せるとは!

 

「あの・・・そのホテルの場所、教えてくれませんか?」

 

「ええ、いいわよ」

 

ホテルの住所を教えてくれたおばちゃんにお礼を言った後、俺たちはさっそく二乃が泊っているホテルへ急いで向かった。

 

♡♡♡♡♡♡

 

あいつが泊ってるホテルにたどり着いた俺たちのやることはまずあいつの部屋の特定だ。まぁ、三玖が二乃の真似をして、部屋に鍵を忘れたって言ったおかげで普通に案内してくれたぜ。それどころか鍵まで開けてくれて本当、一石二鳥とはこのことをいうのかもな。

 

「この部屋に二乃が・・・」

 

「こういうのは勢いが大事だと思うよ。六海に開けさせて」

 

「本当に勢いは必要なのか?まぁ、頼む」

 

「オッケー!はーい、ドーーンッ!」

 

バァンッ!!

 

六海が勢いよく部屋を開けて、その先にいたのは・・・

 

「え・・・えええ!!?」

 

白い化粧パックを顔に貼ってある二乃だった。何ゆったりとくつろいでんだよこいつ・・・。

 

「ぎゃあああああああ!!?おばけええええええ!!?」

 

「失礼ね!!アタシよ!!」

 

化粧パック姿の二乃に六海は本気で怖がって三玖に抱き着いてきた。六海、二乃の化粧パックは怒った反動ですぐにはがれたからもう大丈夫だぞー。

 

「な・・・なんであんたたちがここに・・・!てか、鍵はどうしたのよ⁉」

 

「部屋に鍵を忘れたって私が言ったら開けてくれた」

 

「なっ・・・!ガバガバセキュリティ!!」

 

「六海たちにセキュリティも何もないと思うけど・・・」

 

確かにな・・・こいつらが二乃の真似をしたら普通に通してくれたし・・・。

 

「・・・二乃、昨日のことは・・・」

 

「出てって!!アタシ達はもう赤の他人よ!!」

 

あ!こいつ!扉を閉める気だな!そうはさせるか!

 

ガッ!

 

「あっ!この・・・!」

 

扉が閉まる直前に俺が手を出したから何とか閉めるのを阻止することは成功したぜ。

 

「ずいぶんなご挨拶だな。せっかく来たんだ。お茶の一杯くらい出してくれよ」

 

「お断りよ!!てか、入ってこようとすんな!!」

 

「なんか入り方がホラーで怖いんだけど・・・」

 

確かに・・・今の俺の入り方はどこぞのホラー映画にありそうな展開だ。だが二乃が意地でも扉を閉めようとするから入れねぇ。てか、痛いんだけど・・・。

 

「二乃・・・お前、本当にどうしたんだ?お前は誰よりもこいつら姉妹が大好きで・・・あの家が大好きだったはずだ」

 

「・・・っ!だから・・・知ったような口きかないでって言ったでしょ・・・よりにもよってあんたなんかに・・・!

 

「二乃、頼む、ここを・・・」

 

「そもそもこんなことになったのは、全部あんたのせいよ!!」

 

「!!」

 

「あんたなんて・・・来なければよかったのに!」

 

・・・・・・俺のせい・・・か・・・。二乃から見れば・・・そうなるのか・・・。否定する材料も見つからねぇ・・・。

 

「!ちょっと!そのミサンガはアタシのよ!返しなさい!」

 

「あっ・・・」

 

二乃は俺のつけているミサンガを見た瞬間、無理やりミサンガを奪い取った。確かに金太郎の時一時的に渡してやったが・・・それはらいはが俺のために作ってもらったものだ。

 

「そのミサンガは・・・」

 

「そうよ・・・あんたじゃなくてキンタロー君が家庭教師だったらよかったのに・・・!彼はどこにいるのよ?会わせなさいよ!」

 

「「!!」」

 

こ・・・ここで二乃が金太郎を指名するのか・・・!六海は俺が金太郎であることはもう知ってるからいいが・・・二乃はそのことをまだ知らない。だが・・・今ここで正体を明かすわけにはいかねぇ!

 

「それは・・・できない」

 

今俺がここを離れたら逆に怪しまれる。だからと言って今ここで正体を明かせばさらに機嫌が損ねて一生家に戻らないかもしれない。なら今はこれが1番ベストな選択のはずだ。

 

「あっそ。じゃあ用済みだわ。さっさと帰って」

 

「ほ、他にできることならなんでもするぞ!」

 

だが二乃は俺たちを拒絶してる反応を示している。

 

「すみませーん。部屋の中になんかやばい奴がいるんですけど」

 

「なっ・・・!!」

 

こ、こいつ!ルームサービスまで使うのかよ!そうまでして俺らを拒むのか!

 

「フータロー、ここは一時撤退を!」

 

「くっ・・・やむを得ねぇ!」

 

「二乃ちゃん、明日も来るからね!」

 

ホテルの係員が来る前に俺たちはせっせと二乃の部屋から離れ、ホテルから出ていくのだった。

 

♡♡♡♡♡♡

 

ホテルから出た俺たちはもう・・・どっと疲れが出ているぜ。もう日も暮れてるし・・・こりゃ五月探しは無理そうだな。

 

「結局、五月の手掛かりはなし・・・状況は厳しいね・・・」

 

「ま、まぁでも、二乃ちゃんの居場所が分かっただけでも、収穫だと思おうよ!」

 

「・・・そうだな。ポジティブに考えるか」

 

五月の居場所がわからなくて少しまいった気持ちになったが、こういう時の六海のポジティブ思考は助かるな。

 

「今日はもう諦めて、また明日に回すか。どうせ今頃あいつも高級ホテルに泊まってるだろうしな」

 

「・・・えぇーっと・・・そのぅ・・・」

 

な・・・なんだよ・・・俺の言葉に三玖と六海は煮え切らない反応をしてるぞ。なんだっていうんだ?

 

「・・・それが・・・実は・・・あの子、家に財布忘れてる」

 

「・・・マジかよ・・・」

 

「マジです・・・」

 

ってことはあいつ昨日から無一文ってことかよ・・・。どうりで昨日真鍋のところで世話になったわけだ。・・・ちょっと待てよ?今日あいつ、真鍋のところから出ていったわけだろ?もし友達の家に泊まりに行ってなかったら・・・

 

『・・・ぐすん・・・寒い・・・寒いですぅ・・・』

 

一瞬俺の脳裏に浮かび上がったのは公園のベンチで段ボールを布団代わりにして寝てる五月の姿だった。いや、それ以前に・・・

 

「腹すかせてるだろうなぁ・・・」

 

あの腹ぺっこのことだ。飯が食えない状況に涙を流すだろうなぁ・・・。・・・あいつに会ったら飯を恵んでやるか。

 

「お腹すいたといえば・・・晩御飯、今日も私が作ろうか?」

 

「え・・・い、いやいいよ・・・今日は出前頼もうよ・・・。そうだ!ピザがいい!ピザ頼もうよ!」

 

「・・・わかった」

 

そういえばそうか。あいつらの家の料理担当は二乃だって言ってたな。その二乃が家出状態だから作る奴が必然的に三玖しかいねぇのか。つーか、三玖の料理、極端に嫌がってるな、六海・・・。

 

「・・・あ、そうだ。風太郎君、ちょっと六海に付き合ってよ。今日のことで、話したいことができたんだ」

 

「?なんだよ・・・俺もう早く帰りたいんだが・・・」

 

「すぐに済むから。そういうわけだから三玖ちゃん、ちょっと先帰ってて」

 

「?わかった。じゃあフータロー、また明日」

 

六海に言われて、三玖は先に家への道のりを歩いていった。

 

「・・・で?話ってなんだ?」

 

「ここじゃなんだし、カフェで話そうよ。奢ってあげるからさ」

 

「まぁ、構わんが・・・」

 

断る理由もないし、カフェで話を聞くとするか。べ、別に奢りに魅かれたわけじゃねぇからな。

 

♡♡♡♡♡♡

 

六海に連れられたカフェって・・・一花と鉢合わせになったりするこの場所かよ。今一花はいねぇよな・・・?

 

「な、なんか2人っきりって緊張するね・・・///」

 

「そうか?」

 

なんだ?六海の奴?自分から誘っといてもじもじして・・・。

 

「で?話ってなんだよ?」

 

「・・・六海、隠し事って苦手だから、単刀直入に聞くね」

 

六海は頼んだミルクティーを一口飲んで、本題に入った。

 

「・・・キンちゃんのこと、いつ二乃ちゃんに話すの?」

 

「!!?」

 

これだけで六海の言いたいことがすぐにわかった。俺が金太郎であることを知り、俺と六海の関係は一時的にギクシャクしたことがある。六海との件は解決したのはいいが、ニ乃に関してはまだ解決していない。六海の時みたいにならないためにこうして俺に聞いてきたんだろう。

 

「そ・・・それは・・・だな・・・」

 

「・・・あ、ごめん。答えづらかった?じゃあ、別の質問するね」

 

六海はまたミルクティーを飲んでほっと一息ついてる。

 

「風太郎君はキンちゃんのこと、話す気あるの?ないの?どっち?」

 

金太郎のことを話すか話さないかのどっちと言われたら、ある・・・んだが・・・あの強気な二乃のことを考えると、全然勇気が湧いてこない・・・というか、何されるかわかったもんじゃないっていうのが正しい。

 

「どっちって聞かれたら・・・一応、ある・・・」

 

「本当に?」

 

「本当だ。ただ・・・弱みを握られそうでなかなか自分から言い出せない・・・」

 

「あー・・・確かに・・・」

 

俺の解釈に六海は苦い表情をしている。お前もなんかやられたことあるのか?

 

「まぁでも、安心したよ。話す気があるようだから。風太郎君はどうだったかは知らないけど、キンちゃんが風太郎君だと知って、六海、本当にショックだったんだよ?泣いちゃうレベルだったんだよ?」

 

「す、すまん・・・」

 

「騙し続けてたらばれた時どうなるか、六海のことで思い知らされたでしょ?だから早めにしゃべった方がいいって六海は思ってるよ。一応タイミングは任せるけど・・・これは二乃ちゃんためにも、風太郎君のためにも言ってるんだよ」

 

「し、しかし・・・今は・・・」

 

「もちろん家出中で傷心状態なのはわかってるよ?でも今も騙し続けるのはダメだと思ってるんでしょ?だったらちゃんと言うべきだよ。キンちゃんは自分だって。大丈夫、もしなんかあったら六海が何とかしてあげるから、がんばろう。ね?」

 

「・・・確かに、その通りだな」

 

金太郎のことはいろいろマイナスな思考ばかりが頭に行っちまうが・・・六海のおかげで少しは気が楽になったぜ。

 

「さ!この話はもう終わり!早くサンドイッチ食べて帰ろ?」

 

話が終わって俺と六海は頼んだサンドイッチを食べてから会計を済ませる。金を払ったのはもちろん六海。奢りって言ってたし。

 

会計を済ませて外に出ると、偶然一花と鉢合わせる。

 

「おや、フータロー君じゃん。ハロー♪」

 

「げっ・・・」

 

おい、本当どうなってんだ?不自然なほどにここでよく会うんだが・・・

 

「あ、一花ちゃん。お仕事お疲れ様~♪」

 

「て、あららー?よくみると六海と一緒とは・・・もしかして、デート?お熱いねぇ~」

 

は?何言ってんだこいつ?

 

「ふぇ⁉ち・・・ちちち、違うよ!あ、でも客観的に見たらそうかも・・・それはそれで・・・えへへ・・・」

 

「全く違うぞ。話をしてただけだ。こんな時に不謹慎なこと言うな」

 

「んふふ、だよね。ちょっとからかいたかっただけ。あ、カフェラテ買ってくるから六海、ちょっと待っててね」

 

そう言って一花はカフェのカフェラテのテイクアウトを買いに行った。全くこんな時にのんきな・・・。いや、こういう時こそいつも通りにしてるのか?よくわからん。

 

「むぅ~・・・」

 

て、何か知らんけど六海が頬を膨らませて睨んでるんだが・・・。

 

「な、なんだよ・・・俺悪いこと言ったか?」

 

「べっつにぃ~?」

 

復元な様子で六海はそっぽを向いた。本当になんなんだよいったい・・・。と、一花が戻ってきた。

 

「お待たせー。三玖はもう先に帰ってるの?」

 

「うん。もう家にいるんじゃないかな?」

 

「そっか。それならいいんだ。あ、それからフータロー君、今日はごめんね?せっかくの休みなのにうちにきて・・・しかも私も四葉も不在で」

 

「外せない仕事なんだろ?だったらとやかく言わねぇよ。幸い、二乃の居場所はわかったからな」

 

「本当にごめんねー。必ず埋め合わせするからさ♪じゃあ、フータロー君、また明日ね。それじゃあ六海、帰ろっか」

 

「うん!」

 

一花は六海を連れて自分の家へ向かって去っていった。ああしてみると、本当に仲がいい姉妹だな。今回の問題、一刻も早く解決しないとな。・・・俺も家に帰るか。

 

♡♡♡♡♡♡

 

俺が家に戻ってきた頃にはもうすっかり飯の時間だな。その証拠に俺んちからはカレーの匂いが立ち込めてきたからな。俺の帰宅にらいはが出迎えてくれた。

 

「お兄ちゃん、おかえりー!」

 

「ただいま。このにおい、カレーだな」

 

「正解!先に食べてるよ!後ね・・・」

 

「らいは、1人分タッパーに移せるか?」

 

「え?うん。たくさん作ったからできるけど・・・なんで?」

 

「まぁ・・・ちょっと懸念があってな・・・」

 

まぁ、その懸念の原因が今どこにいるかわからん状況だが・・・

 

「らいはちゃん、おかわりしてもいいですか?」

 

・・・・・・・・・は?

 

「・・・・・・・・・お・・・お邪魔してます・・・」

 

俺の懸念を作った原因である五月は・・・今、俺のうちに・・・?

 

「わっ⁉お兄ちゃん、どうしたの⁉」

 

「・・・らいは・・・懸念、なくなったわ・・・」

 

いったいどうしてこうなった?

 

♡♡♡♡♡♡

 

「すみません・・・お先にお風呂、いただきました・・・」

 

飯を食い終わった後、五月はうちの風呂に入って、今ちょうど上がってきたところ・・・か・・・。

 

「おう。どうだい、五月ちゃん。うちの大浴場は」

 

「は、はい。狭・・・い、いえ、落ち着ける空間でリラックスできました」

 

「がははは!そうだろう、そうだろう!」

 

いや、あのさぁ・・・親父もらいはも何でそんなフレンドリーな感じなんだよ。

 

「よーし、らいは!次は俺らが入るぞ!」

 

「はーい」

 

親父とらいはが風呂に向かっていった時、五月は俺とは少し離れた場所にちょこんと座りこんだ。

 

・・・

 

・・・・・・

 

「・・・あ・・・」

 

「なんで・・・」

 

俺が言葉を発しようとした時、五月も言葉をかぶせてしまった。

 

「・・・お先にどうぞ・・・」

 

とりあえず、俺が言いたいのは・・・何でお前がここにいんだよ?あれか?真鍋のとこから出てった後、今度はうちに来たってのか?もう・・・こいつがいるだけで居心地が悪い・・・!今なら二乃の気持ちがものすごく理解できるぜ・・・。

 

「お兄ちゃん、お布団敷いといてー」

 

「あ、私がやりますよ。お世話になってる身ですから」

 

やっぱこいつここで泊まる気なのかよ・・・。

 

「へっ、果たしてお嬢様が固い布団で寝られるかな?」

 

「ね、寝られます!」

 

「もー、お兄ちゃん、仲良くしてよー。今夜はお父さんが仕事だから・・・3人で川の字で寝ようね♪」

 

・・・嘘だろ・・・今夜は寝る時までこいつと一緒ってのかよ・・・。

 

♡♡♡♡♡♡

 

就寝時間、らいはの宣言通り、川の字で寝ることになった・・・のだが・・・この間には五月もいるもんだから・・・普通に寝ることもままならねぇ・・・。つーかまだ寝るわけにもいかねぇし・・・。このままじゃいけないのはわかってるが・・・何といえばいいか・・・

 

「・・・上杉君、起きていますか?」

 

「!あ、ああ、起きてるぞ」

 

何か言おうと思ったら、あいつから声をかけてくるとは・・・。

 

「今日は突然すみませんでした・・・そして昨日のことも・・・」

 

「い、いや・・・別に・・・」

 

「実は私はあなたに・・・話したいことが・・・」

 

「う・・・うーん・・・」

 

おっとまずいな・・・近くにはらいはもいるから、ここじゃ起こしちまうな・・・。

 

「ふぅ・・・今日は月がきれいに見えます。少し、外で歩きませんか?」

 

「・・・わかった」

 

俺は五月と一緒にらいはが起きないようそっと布団から出て家から出た。

 

♡♡♡♡♡♡

 

家を出た後、俺と五月は月が見えるような場所へ向かっているのだが・・・少し歩いてると月が雲に隠れちまってるな。

 

「少し曇ってしまいましたね。せっかく今日は月がきれいだったのに・・・」

 

「ああ・・・まぁ・・・そうか?」

 

「まったく、風情がないですね」

 

「あんなにカレーを爆食いしてた奴に風情がどうとか説かれたくないね」

 

「なっ・・・!し、仕方ないじゃないですか・・・今日は朝から何も食べてないんですから・・・」

 

いや、朝飯は真鍋のとこで出してもらえたはずだろう。朝飯を食わなかった五月のそれは真面目っていうより、バカでしかねぇ。

 

「・・・他の姉妹で俺の家に来れるのは六海だけ。そしてその六海はお前がうちにいることを知らない。俺らが黙っとけば、隠れ家としてはお誂え向きだな」

 

「・・・他に行く当てがなかったので・・・」

 

俺が言えたことではないが、こいつ友達少ないんじゃね?

 

「明日には自分の家に帰れよ。三玖も六海、一花も心配してたぞ」

 

「・・・それはできません・・・。今回ばかりは二乃が先に折れるまで帰れません」

 

なんて意地っ張りで強情な奴だ・・・。

 

「もちろん、あなたやあなたの家族には迷惑はかけられません。明日には・・・」

 

「出ていってどうするつもりだ?財布も行く当てもないだろ、無一文」

 

「うっ・・・それは・・・。・・・お、お願いです!もう少しだけいさせてください!なんでもお手伝いいたしますから!」

 

「真鍋のとこはダメでうちならいいってのかよ⁉理不尽すぎるだろ!」

 

「あそこは規模が全く違います!!」

 

まぁ・・・確かに真鍋の家は孤児院だったし、規模の違いはわかるが・・・。

 

「ダメだダメだ!自分ちに帰れ!つーか、お前みたいなお嬢様が庶民の生活に耐えられるとは思えん!」

 

「・・・・・・私たちはお嬢様ではありません」

 

何言ってんだよ。あんな高級マンションに住んどいて・・・

 

「だって私たちも数年前まではあなたと負けず劣らずの生活を送っていましたから。いうなれば・・・貧乏人です」

 

「え?そうなのか?」

 

俺の疑問に五月は首を縦に頷いた。こいつは驚いたな・・・てっきり昔ながらのお嬢様だと思ってたし・・・

 

「私たちの本当の父親は、私たちが六つ子だとわかったとたんに逃げ出したみたいで・・・数年前まで母と姉妹たちで暮らしていました。そのため、今の父と再婚するまで、極貧生活を送っていました。当然です。6人の子供を同時に育てていたのですから」

 

「ほう・・・」

 

「その頃の私たちはまさに六つ子でした。見た目も性格もほとんど同じだったんですよ。けれども・・・女手一つで育ててくれた母は体調を崩し、入院してしまって・・・」

 

その先のことは何となくわかった。言葉に発さなくても伝わってくる。うちのお袋も、こいつらの母親と似たようなものだったし・・・

 

「だから私は母の代わりとなって・・・みんなを導くと決めたんです。・・・決めたはずなのに・・・今も昔も、うまくいかないのが現状です・・・」

 

なるほどな・・・母親の代わりに自分が、か・・・。つまり五月が二乃をぶったのも、母親をまねてのことだったのだろうな・・・。

 

「母親代わりか・・・。だったら、俺は父親の代わりになろう」

 

「・・・・・・え?どう言う意味・・・ですか・・・?」

 

「こんな時にお前らの今の父親は何してんだって話だ!こういう時こそ父親の出番だろう!」

 

昨日からぎもんに思っていることがある。二乃と五月が家で状態だというのになんでこいつらの父親は何もしてないんだ?まだこのことを知らないのか?それとも今回のことを俺に任す気か?どんな考えを持ってるのかわからんが、父親が動かないなら俺がやるしかねぇ。

 

「ま、これも家庭教師の仕事だと割り切るさ。5年前のあの日、京都であの子と出会い、いつか誰かに必要とされる人間になると決めた」

 

俺の脳裏には、いつしか一花に言われたことが浮かぶ。

 

『フータロー君は、何のために勉強してるの?』

 

「俺はそのために勉強してきたんだ」

 

あの時の俺なら、そんなこと微塵も考えなかっただろう。だからそのきっかけを作ってくれたあの子には、とても感謝している。

 

「・・・でもあなたが父親だというのはちょっと抵抗があります・・・」

 

「うるせー!我慢しろ!つーか俺だって抵抗あるわ!」

 

まったく、せっかく気遣っていってやってんのにこの五女は・・・

 

ガサッ

 

「!!」

 

なんだ?今茂みから音が・・・。俺はそこを振り返ってみたが・・・誰もいねぇ・・・。

 

「ど、どうかしたんですか・・・?」

 

「今誰かがいたような気がした」

 

「こ、怖いこと言わないでください!」

 

ああ、そういえば五月、怖いのダメなんだっけ。

 

「あ、見てください。雲が晴れましたよ」

 

「あー、はいはい。そうだな」

 

「もう、ちゃんと見てくださいよ。・・・今日は本当に満月がきれいですよ」

 

曇っていた景色が晴れ、夜に映し出された月を見て、俺はつくづくこいつにたいしてこう思う。

 

「・・・やはりお前はまだまだ勉強不足だな」

 

「なっ!何をおっしゃるんですか⁉」

 

やっぱこいつ、バカだなぁって。

 

♡♡♡♡♡♡

 

「五月さん、卵入れてー」

 

「わかりました。集中しますので少々お待ちください」

 

翌朝、らいはと五月の会話で目を覚ました。今この2人は朝食の準備をしている。

 

「あ、お兄ちゃんおはよー!」

 

「お、おはようございます・・・。早く身支度を整えないと学校に遅刻しますよ」

 

・・・ああ、マジで居心地悪い・・・しかも今日は学校・・・こいつと一緒に登校しなければいけないとか・・・憂鬱だ・・・。

 

♡♡♡♡♡♡

 

朝飯を食い終わった後、俺と五月は学校へ向かう道のりを歩いて・・・いるんだが・・・

 

「・・・五月、うちに・・・」

 

「大っぴらに話しかけないでください!!一緒に登校してると思われてしまいます!!」

 

そりゃ俺だってそう思われたくないが・・・隠れながら移動するとかする必要あるのか?本当、めんどくせぇ奴。

 

「うちから登校するのはいいが教科書どうすんだ?持ってないはずだろ?」

 

「その点については抜かりなく。昨日偶然会った四葉に教材を持ってきてもらいました」

 

「なぜその時に財布を受け取らない」

 

本当に昨日からわからんことだらけだぜ。

 

「私も後から気づいたのですが・・・四葉も忙しそうだったので・・・」

 

「そういえば昨日あいつに会ってなかったな。全く何してんだか・・・」

 

「え・・・?何も聞かされてないのですか?」

 

「何が?」

 

「近いうちに陸上部の大会があるらしく、助っ人として練習してるらしいです」

 

「・・・は?」

 

ちょっと待て・・・助っ人だと?期末試験中に・・・?

 

♡♡♡♡♡♡

 

「四葉ぁ!!!試験週間に入ったら助っ人やめるんじゃなかったのか!!?」

 

「ひえぇぇぇ!!すみません~!!」

 

「ふ、風太郎君、そんな乱暴に・・・」

 

事の事情を知るために俺はすぐに四葉にこのことをデカリボンを掴みながら問い詰めた。ジャージ着てるってことはマジなんだろうけど。ちなみ六海は休憩中の四葉に呼ばれてマッサージしてただけで事情は今知ったようだ。

 

「ていうか試験中に助っ人はまずくない?ただでさえ勉強不足なのに・・・」

 

「そうだ!バスケ部の時みたいに断れよ!」

 

「一度はお断りしました・・・。でもこのままじゃ駅伝に出られないと・・・。それで・・・」

 

くっ・・・ここでいつものお人好しが出るとは・・・。

 

「ああ・・・四葉ちゃん、優しいもんね」

 

「お人好しは大いに結構だ。だが試験期間中は迷惑だ。頼むから今すぐやめろ。これ以上問題を増やさないでくれ」

 

「内緒にしててすみません・・・。でも家では上杉さんの問題集を進めてます・・・」

 

「えっ・・・六海、全然あれ進めてないのに、すごいね・・・」

 

なんと・・・四葉は陸上の練習してるのにあれを進めていたのか・・・。確かにあれを覚えてくれればいいが・・・四葉にそんな器用なことができるとは思えん・・・。後六海、課題2倍にしてやるからな?これで安心して覚えられるぞ。

 

「中野さーん、練習再開するよー」

 

「はーい!あの!私、がんばりますから!」

 

「あ!四葉ちゃん!マッサージ終わってないよー!」

 

「マッサージはいいんだよ!!待て四葉!!話は終わってねぇぞ!!」

 

くそ!四葉の奴、陸上の練習に戻っていきやがった!逃がしてたまるかよ!!

 

♡♡♡♡♡♡

 

逃がしたーーー!!!

 

「ぜっ・・・はぁ・・・ぜっ・・・はぁ・・・!!」

 

くそ!こんな時に自分の体力のなさと運動能力のなさに嫌気がさす!くぅ・・・このままじゃいけねぇ・・・息を整えねぇと・・・。て、ん?あそこにいるのは・・・二乃じゃねぇか。

 

「おーい、二乃!」

 

俺は早速二乃に近づいて、家に変えるように説得する。

 

「なんだ、学校には来てたのか。この前のことはみんな気にしてないから帰ろうぜ!な?また姉妹揃って仲良くできるって!また昔みたいにさ・・・」

 

「・・・わかったわ。帰るわよ」

 

「お、おお!そうか!」

 

案外物分かりがよくて助かる・・・のだがなんだろう?嫌な予感がする。ちょっとついていってみようか・・・。

 

♡♡♡♡♡♡

 

「・・・って!!昨日のホテルじゃねぇか!!」

 

嫌な予感的中。二乃が帰っていったのは家じゃなくて寝泊まりしているホテルだった。くそ!こんなんじゃ意味ねぇってのに!

 

「お客様以外の立ち入りはご遠慮お願いします」

 

「俺はあいつの関係者、家庭教師だ!話だけでもさせてくれ!」

 

ホテルの警備員は俺を中に入らせようとはしない。くそ!二乃がどんどん離れていく。

 

「二乃!試験はどうするんだ!このままじゃまた赤点だぞ!」

 

「・・・・・・」

 

「俺が合格させてやる!だから中に入れてくれ!!」

 

俺は必死で二乃を説得する。が、帰ってきた答えは・・・

 

「・・・試験なんて、合格したからなんだっていうの?どうだっていいわよ」

 

完全なる拒絶。完全なる疎外。だが・・・今日がダメでも、俺は諦めねぇぞ!

 

♡♡♡♡♡♡

 

俺は試験に向けて、問題解決に向けて、俺はできることを徹底的にやる。

 

「フータロー君、本当に大丈夫なの・・・?」

 

「いいから。あいつらは俺に任せてお前らは試験勉強に集中してくれ」

 

「・・・わかった。無理しないでね」

 

まぁ、一花と三玖の気遣いはありがたいが、こいつらの学力向上のため、こうするしかない。

 

「お兄ちゃん、もう少し五月さんをいさせてあげようよ。ダメ・・・?」

 

「はぁ・・・勝手にしろ・・・」

 

「すみません・・・」

 

ちなみに五月は結局家にしばらく滞在することになった。

 

「やあ、奇遇だね」

 

学校で二乃に声をかけても無視される。だが、諦めねぇ。

 

「私、がんばりますのでー!」

 

「四葉ちゃん、マッサージーー!!」

 

「だからマッサージはいいって言ってんだろ!待て四葉!」

 

陸上の練習を続けてる四葉を止めようとしたが、あえなく失敗。絶対に諦めねぇ。

 

「二乃!話を聞いてくれ!!」

 

ホテルで二乃に話を聞こうとしてもやっぱり無視される。絶対に、諦めてたまるか・・・!!

 

「また来るぞ!俺は絶対に諦めねぇからな!!」

 

これまでのことを行っていると、時間は早くも過ぎ去ってしまう。それでも・・・問題の解決には至らなかった。

 

♡♡♡♡♡♡

 

こんなことをやっているうちに試験開始までもう4日に迫ってきている。全然進展がないことに、俺は悩まされる。

 

「・・・どうしたら、あいつらがまとまってくれるんだ?」

 

そんなことを考えながら川を眺めていると、変なことを思い浮かぶ。

 

「・・・ここで俺がおぼれたら全員心配して集まってきたりして・・・。あ、今俺、やばい考え方してるぞ。・・・でも・・・もしかしたら・・・」

 

そう思って俺は・・・自分の身を川に飛び込もうと足を一歩・・・

 

・・・いや、やっぱありえねぇわ。あいつらがわざわざ俺のことでここまで来るはずがない。

 

・・・そうとも・・・俺のやり方が間違っていたんだ。少しはあいつらに頼られて、信頼されて、内心舞い上がって勘違いをしていたのかもしれねぇ。そもそもこれはあいつらの問題・・・赤の他人である俺が入り込む余地なんてなかった。だから他人の家の姉妹の仲を取り持とうなんて、俺には過ぎた役割だったんだ。

 

・・・いや、そうじゃねぇな。むしろ・・・

 

『あんたなんて・・・来なければよかったのに!』

 

・・・そうだ。最初っから間違えていたんだ。勉強だけをやってきた俺は・・・何の役にも立たない。役に立ちたいって必死になってただけだ・・・。

 

「・・・あいつらに、俺は不要だ・・・」

 

これじゃ昔の俺となんも変わってねぇ・・・ただ変わった気になってただけだ。はは・・・何やってんだろうな・・・俺・・・。

 

「また落ち込んでる」

 

・・・?誰だ・・・?

 

「やっぱり君は変わらないね」

 

俺の目の前に現れたのは・・・白い服を着て、顔を長いハット帽子で隠し、腰まである長い髪をなびかせた女だった。

 

「久しぶり。上杉風太郎君」

 

・・・ん?今こいつなんて言った?久しぶり?俺、こいつに会ったことあったっけ?

 

「・・・・・・・・・あー、はいはい。久し・・・ぶり・・・だな。ああ!俺、今から用事があるから・・・じゃあな」

 

「全然思い出せてないでしょ」

 

うっ・・・バレた・・・。真鍋の時と言い、なんで俺はこうも相手のことを忘れるんだろうな。

 

「うーん、おっかしいなー。私なりに頑張ってあの頃を再現してみたんだけど・・・」

 

「そう言われてもな・・・。つーか、そうやって顔を隠されたら思い出せるもんも思い出せんのだが」

 

「あ、これは許してほしいな。こっちにもふかーい事情があってね・・・」

 

どんな事情だよ・・・

 

「あ、そうだ。これなら思い出せるかな?」

 

そう言ってこいつが取り出したのは・・・ずいぶんと見覚えのあるものだった。あれは・・・5年前の修学旅行で会ったあの子が買ったお守り・・・。

 

「・・・!!まさか・・・」

 

思い当たる節があって俺は生徒手帳を出して中の俺の写真を取り出し、確認する。俺の隣に映ってる写真の子と・・・今目の前のこいつ・・・顔は見えないが・・・あの時と酷似していた。

 

「もしかしなくても・・・京都の・・・?」

 

俺の問いかけに彼女は首を縦に頷いた。マジ・・・かよ・・・。こんなことが・・・あるのか・・・?

 

「・・・・・・え、えーっと・・・元気そうで何より・・・」

 

俺はそんな言葉を発した後、その場から逃げようとする。

 

「え⁉ちょ、ちょっと待って!」

 

だが無情にも彼女は俺の服を引っ張って引き留めてきた。

 

「どうして逃げようとするの⁉」

 

「俺はまだお前に会うことはできないからだ!!」

 

「なんで!!」

 

何でも何もねぇよ。何も変わってない俺が彼女と会うのは間違ってる。会う資格もないのに。

 

「むぅ~・・・なら・・・」

 

「あっ!」

 

彼女は俺の手に持っていた生徒手帳を無理やりひったくっていった。しかも生徒手帳にはこの子の写真も入っている!

 

「これを返してほしかったら私の言うことを聞いてね!」

 

「き、汚ねぇ・・・」

 

そんなことされたら、いうことを聞かざるおえねぇじゃねぇか・・・。

 

「でも、これだけじゃ足りないなぁ・・・もう逃げられないように・・・あ、いいの発見!」

 

彼女が指をさしたのは複数あるボートだった。どうやらここはボートに乗って景色を楽しむ場所らしい。

 

「ね、あれに乗ろうよ」

 

「・・・どっちにしろそれ返してほしいし・・・仕方ねぇ・・・」

 

「やった♪」

 

俺と彼女はボートに乗り込む。で、オールをこぐ役目は必然的に男である俺なんだが・・・少しこいだだけでも・・・し、しんどい・・・!

 

「ほらほらがんばって。あそこまでついたら生徒手帳、返してあげるよ」

 

「はぁ・・・はぁ・・・げ、限界・・・」

 

「もー、体力ないなー」

 

・・・つーか未だに信じられん・・・本当に目の前に5年前のあの子がいるなんて・・・。・・・いや、彼女やあの子呼びじゃダメだな。名前で・・・。あ、名前知らねぇや・・・。

 

「・・・ん?どうしたの?」

 

「いや、名前・・・」

 

「え?」

 

「俺はお前の名前を知らない・・・」

 

「私の名前?」

 

いつまでも名前で呼ばないのは失礼だからな・・・ちゃんと知っておかねば・・・

 

「・・・・・・そうだなぁ・・・。本名は言えないけど・・・じゃあ、零奈。私は零奈だよ。5年ぶりだね、風太郎君」

 

「零奈・・・」

 

それが、彼女の名・・・。本名じゃないようだが・・・それも深い事情とか言うんだろうな・・・。

 

「風太郎君も元気そうで安心したよ。髪も金髪じゃないから驚いちゃった。あ、もしかしてイメチェン?その黒髪、似合ってるよ。で、今高校生デビューしてる?何年生?」

 

零奈は俺に質問をぐいぐいしてるが・・・そんなことを気にしてる場合じゃない。

 

「・・・なんでここに来たんだ?」

 

「君に会うために、だよ」

 

わざわざ俺に会うためにここに来たのか?というか、なんで俺がここにいるとわかってるんだ?謎な女だな・・・。

 

「それより聞いたよ。あれから頑張って勉強して、学年1位になって・・・今は家庭教師をやってるんだってね。すごいよ」

 

この子にそう言われるのはうれしいが・・・それよりも零奈の言葉に引っかかりがある。

 

「・・・聞いたって、誰から聞いたんだ?」

 

「えっ⁉そ、そういう細かいことは気にしないの!」

 

いやまぁ確かに細かいと思うが・・・俺が家庭教師をやってるなんて、誰にも言ってないぞ俺は。

 

「そ、それより生徒さん!どんな子なの?聞かせて」

 

「む・・・」

 

はぐらかされたように思うが・・・そう言われたら答えないといけないか・・・

 

「・・・信じられないと思うが・・・教えてる生徒は同級生の六つ子で・・・」

 

「うんうん」

 

「・・・意外と驚かないんだな」

 

「え⁉あ!む、六つ子って本当にいるんだね!いやぁ、ドラマやアニメでしか見たことがないよ!うんうん!」

 

なんか今更感があるが・・・まぁいい。続けるか。

 

「そいつらが困ったことに、全員揃ってバカばっかりなんだよ。

 

まず、長女は夢追いバカ。あの長女の夢は今やってる女優業を極めることなんだ。俺はどうせ叶いっこないといっているんだがな。まぁ、根気はあるみたいで評価はしてる。だがバカだ。

 

次、次女は身内バカ。あいつは姉妹の誰よりも姉妹が大好きでな。だから姉妹贔屓ですぐ俺にかみついてくるんだ。・・・が、それだけと思っていたが、今はよくわからん。だがバカだ。

 

次、三女は卑屈バカ。初めて出会った頃は暗くて覇気がない顔をしてたんだが、近ごろは見るたびに生き生きしていて安心している。これからもそうして欲しいと願っている。だがバカだ。

 

次、四女は能筋バカ。姉妹の中で1番やる気があって頼りになるが同時に悩みの種でもある。なんせ伸びしろが1番悪いから。それに・・・いや、これは俺の思い過ごしか・・・。だがバカだ。

 

次、五女は真面目バカ。あいつとはまず俺と相性が悪い。不器用でもあるから会うたびにすぐ喧嘩腰になってしまう。だが本当はやれる奴だ。このままじゃもったいない。だがバカだ。

 

最後、六女は芸術バカ。四六時中絵のことばっかり考えてる。本人は芸術家じゃないって言ってるが、誰が見ても芸術家気質なんだ。だがそれもあって、仕上がる絵はプロ級だ。だがバカだ」

 

あいつらを語るたび、俺の脳裏にはあいつらと過ごした日々が蘇ってくる。

 

「・・・まぁ、こんなところだが・・・?どうした?」

 

よく見たら零奈の奴、顔を俯かせてるじゃねぇか。今どんな表情をしてるのか、帽子のせいでわからんが。

 

「・・・ううん、何でもないよ。でも・・・そうだなぁ・・・びっくりしたけど・・・真剣に向き合ってるんだね!きっと君は、もう必要とされてる人になれてるよ。すごいなぁ・・・」

 

「!!・・・五月にも同じことを言われたことがある」

 

零奈の言葉で俺はどれだけ報われたことか・・・俺はほっとし・・・

 

『あんたなんて・・・来なければよかったのに!』

 

・・・いや・・・ダメだ。もし本当に必要とされているなら、こんなことにはならなかった。必要のある人間には・・・程遠い・・・。

 

「・・・いや・・・俺はあの日から何も変わってない・・・」

 

そう・・・俺は何も変わってない・・・あの頃のまま・・・変わろうとしてただ勉強していただけだ・・・。

 

「・・・そっか。じゃあ・・・君を縛る私は、消えなくちゃね

 

「?なんて・・・?」

 

よく聞き取れなかったのでもう1度聞こうとした時・・・

 

ブシャアアアア!

 

川の中から噴水が湧きだしてきた。

 

「わあ!噴水だー!あはは!」

 

「めっちゃ近かったし、普通にあぶねぇな」

 

まったく、誰だよ、こんなとこに噴水を仕掛けた奴は。頭おかしいんじゃねぇか?

 

「わー!つめたーい!にっげろー♪」

 

「俺任せでだろうが!!」

 

「風太郎君おっそーい!」

 

「お前も少しは手伝え!」

 

俺は噴水から逃げるようにボートをこぎまくった。ひ、非常に疲れる・・・。だが・・・5年ぶりに会ったこの子と、こうして過ごすのは・・・悪くない。

 

♡♡♡♡♡♡

 

こぎ続けて、ようやく目的地の桟橋にたどり着いた。ぼ、ボートをこぐのってこんなにしんどいんだな・・・。

 

「はい、お疲れ様」

 

「つ、疲れた・・・」

 

零奈は桟橋につくなり、ボートを降りていった。

 

「じゃあ約束通り、これは返すよ。・・・でも、これは返してあげない」

 

!!生徒手帳を返してもらったのはいい。だが零奈の持っているのは、その手帳に挟んであった写真だ。

 

「は?なんで・・・」

 

「私は・・・もう君に会えないから」

 

!!!もう・・・会えない・・・だと・・・?

 

「お、俺を呼び止めておいて・・・どういうことだ!説明してくれ!」

 

零奈は説明を求めても何も言わず、その場に去ろうとする。

 

「ま、待ってくれ!頼む!」

 

俺の声を聞いた零奈は服から何かを取り出し、俺に渡してきた。これは・・・修学旅行の時のお守り・・・。

 

「自分を認められるようになったら、それを開けて」

 

「なっ・・・それはどういう・・・」

 

がこっ

 

俺が零奈に何かを問い詰めようとした時、ボートが傾き、足元をつまずかせ・・・

 

「さようなら」

 

どぼんっ!

 

零奈の言葉と一緒に、俺は川の中へと落ちていった。桟橋だったということもあり、俺はおぼれることはなく、すぐに川から浮き上がる。

 

「はぁ・・・はぁ・・・お前は何をしに・・・」

 

問いかけても零奈の姿はもう、どこにも見当たらなかった・・・。

 

♡♡♡♡♡♡

 

なぜだ・・・なぜなんだ・・・零奈・・・。零奈の真意がわからず、俺に残っているのは無気力感だけ・・・。

 

「わ!上杉さん⁉」

 

ぼーっとしていると、四葉が来たが・・・そっちを向く気力がない・・・。

 

「こんなところで何して・・・」

 

「中野さーん、止まってないで走るよー」

 

「は、はい。すみません。あのー・・・少し休憩・・・というか・・・帰って勉強をしたいのですが・・・」

 

「何言ってんの?3年生の先輩も大学受験がある中来てくれてるんだよ?」

 

「そ、そう・・・ですよね。すみません・・・」

 

四葉と陸上部員がなんか話しているようだが・・・もう何を言ってるのかわからなかった。

 

「で、では私は行きますので!勉強、がんばりますので、二乃と五月をお願いします!」

 

四葉は・・・行ってしまったか・・・。ぼーっとしすぎて本題を忘れてしまった・・・。・・・そうだ・・・二乃・・・二乃のところにも・・・行かないと・・・。正直、そんな気力はないが・・・せめて・・・せめて家に帰さないと・・・。

 

♡♡♡♡♡♡

 

二乃が泊っているホテルに来たが・・・警備員に止められてしまう。・・・そりゃそうだよな・・・。もう・・・話を聞く気分ではないな・・・。

 

「何度言ったらわかるんですか。お客様の迷惑ですよ」

 

「・・・すみません。帰ります・・・」

 

零奈・・・お前は俺に何を求めていたんだ・・・こんな何もできない俺を・・・。

 

バサッ

 

「警備員さんの言うとおり、あんたみたいなみすぼらしい奴がこんなとこにいたら他の人の目汚しになるわ」

 

無気力な俺にタオルを投げつけてきたのは・・・

 

「邪魔よ。アタシの部屋まで来なさい」

 

今まで俺を拒絶してきたはずの二乃だった。

 

20「5年ぶりの再会」

 

つづく




おまけ

先日の食卓事情

三玖「今日の晩御飯は私が作った。食べて」

四葉「・・・えーっと、これ何?」

三玖「シチュー」

六海「・・・シチューってこんなに茶色だったっけ?」

一花「あ!わかった!ビーフシチューでしょ?そうなんでしょ?」

三玖「普通のシチュー」

一花「あ、はい・・・」

六海「ど、どうしよう・・・四葉ちゃん・・・」

三玖「・・・食べないの?」

四葉「い、いただきます・・・」

3人は三玖の作ったシチューを渋々ながら食べた。三玖の頑張りを無駄にしないために嘘をついて三玖をその場から離れさせ、三玖の分も食べた。

三玖は自分の分はたべれなかったが、おいしいといってくれたので満足。これを機に3人は二乃が帰ってくるまで今後のご飯は出前か弁当にすると決めた。ちなみに三玖の今晩のご飯はサンドイッチになった。

先日の食卓事情  終わり

次回、二乃視点

選ばれた花嫁の番外編、どっちから先に見る?②

  • 五月
  • 六海
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