それから、今後の物語ですが・・・六海ちゃんがどんなアルバイトをするかちょっと悩んでいるので、アンケートを取りたいと思います。ご協力よろしくお願いします。
余談:次回が五等分の花嫁最終回だと考えると・・・寂しい感じがありますね。ですが、私は五等分の花嫁に出会えて、とても幸福です。
四葉SIDE
「ここらへん・・・でいいかな?」
「いい?いっせーので置くわよ。いっせーの・・・」
前に住んでたマンションからこのアパートに引っ越してから一周間、私たちはとっても大忙しです!というのも、まずこの部屋には家具が極端に少ないんです。テレビはない、机は小さいのしかなく、暖房もないと、数を数えきれないほどにないものが多いんですよ。びっくりですね!
とにかくこんな部屋ではとてもではないですが生活できません。なので先日この部屋の家具を揃えるためにみんなのお金を合わせて家具を買いに行きました!もちろん、お父さんの力は借りず、私たちの手で!
その甲斐もあって必要な家具だけは揃える事ができました!まだまだやるべき事がありますが、これでも一歩前進です!そして今は段ボールを運んで、後は中にあるものを整理するだけでこの部屋の整理は完了です!
「よーし!これで半分くらいだね!」
「はぁ・・・もう・・・今日は大晦日だってのに、何でこんなことしなくちゃいけないのよ・・・」
二乃は段ボールを運ぶのが辛かったのかしんどそうに息を整えています。まぁ、確かにこれは重かったよねー。何せ中身は本とか、その他の段ボールには服がぎっしり入ってるからね。
「仕方ないでしょー?昨日でやっと普通の部屋らしくなったばかりなんだから」
「いつまでも文句言わない」
「一花もいれば早めに終われるんですが・・・今日も撮影ですからね・・・」
文句を言ってる二乃にそう言ってきたのは、反対側の部屋の整理を担当していた三玖、五月、六海(スペアメガネ状態)でした。一花はと言いますと、今日はお仕事です。大晦日でもお仕事なんて、やっぱり芸能人ともなると引っ張りだこになるんでしょうね。まぁ、今日は早めに帰ってこれるみたいですけど。
「さすがに猫の手でも借りたい気分ですね。こうも本が多いと」
「じゃあ、フータロー、呼んで手伝ってもらう?」
「一応メッセージ送ったんだけど・・・勉強で忙しいって断られちゃった・・・」
「はあ⁉️何それ⁉信じられない!」
あはは・・・大晦日でも勉強を優先する辺り上杉さんらしいですね。
「それに風太郎君は多分戦力外だと思うよ?だって、もやしっ子だし」
「確かに・・・上杉さん、林間学校でもキャンプファイヤーの丸太を持ち上げられなかったし」
「うわ、ダサッ」
「本当に男の子なんですかね?」
あの時は本当にびっくりしちゃいました。1人ではびくりともしませんでしたし。
「それで?そっちは終わったの?」
「あ、はい。こっちは人数が1人多い分早めに終わりました。ですのでそっちを手伝おうかと」
「助かったわ。じゃあ、残りの段ボールも持ってきてちょうだい」
「これ終わったらさ、デモハンやろうよ、デモハン!」
「一狩り行こうぜ」
六海が言ってるデモハンはデーモンハンターっていうゲームの略でして、これは超がつくほどに爆発的な人気を誇ってる狩りをテーマにしたゲームなんです。実際に私もプレイしてますけど、もう絶賛ドハマり中です!
「アタシは嫌よ!あんな生々しいゲームは!」
二乃の反応でわかるとおり、姉妹でもデモハンをやる人とやらない人はハッキリと別れてるんですよね。二乃はデモハンの演出が嫌でやらないし、五月もゲームは苦手だし、一花はそもそも機械音痴だからできないんです。だからプレイしてるのは私と三玖、六海の3人なんですよね。
「まぁ、わかってた。そもそも二乃と五月には期待してない」
「でも2人ともノリ悪いよ、やっぱり」
「はいはい悪かったわね、ノリが悪くて」
「何で私にまで⁉️」
五月を誘ってるわけじゃないのに三玖と六海から風評被害にあって涙目になってますね、五月。
「わ、私はやるよ?デモハンおもしろいし!」
「さすが四葉ちゃん!同じチームである以上やっぱりそうでなくちゃね!」
チームと言ってもただ単純にこの3人でローカルプレイしてるだけなんですけどね。
「話が脱線しすぎよ!いいから早く手伝いなさい!」
「そうですよ!ゲームは大掃除が終わった後にやってください!」
「じゃあ早く終わらせよう」
「「はーい」」
私たちは早く大掃除を終わらせるためにみんなで協力して段ボール処理を始めます。ちなみに本担当は五月と六海で、服担当は私、二乃、三玖となりました。
♡♡♡♡♡♡
みんなで協力した甲斐もあってあんなにあった服はタンスに、本は本棚に全部しまうことができました!これによって、部屋の整理が終わって大掃除完了です!
「ふぅ・・・何とか全部片付いたわね」
「終わった~・・・疲れたよ~」
「もうすっかり日が暮れてしまったね~」
「あれからずいぶん経ったんだね」
「みんな、お疲れ様でした」
大掃除が終わってみんなは安堵した表情になっています。
「ただいま~」
あ、掃除を終えたタイミングでちょうど一花が帰ってきましたね!
「一花おかえりー!」
「お~、だいぶきれいになってるね~。なんだか悪いねー、私がいたらもっと早く終われたかもしれなかったはずなのに」
「仕方ありませんよ。今の私たちのお金の事情を考えたら・・・」
私たちがあのマンションからこのアパートに引っ越してからというもの、私たちはほとんどお金がありません。いえ、正確には今後に払うための家賃が足りないんです。一応は一花がお仕事で溜めたお金で次の家賃は払えますが・・・その次はちょっと怪し気な雰囲気がぷんぷんです・・・。なのでそれを解消するために一花は仕事の量を増やしていってるというわけです。
「それに、一花ばかりに負担はかけられないし、これくらいはね?」
「うんうん!それに、一花ちゃんがいたらもっと遅くなってたかもしれないし!」
「むっ・・・六海ぃ~、それはどういうことかなぁ~?」
「どうもなにも、一花ちゃん、すーぐ自分の部屋を汚部屋にしちゃうんだもん。頼りにならないよ」
「いやいや、それを言ったら六海だってそうでしょ?お姉ちゃん、知ってるんだからね~?」
「む、六海の場合は探し物限定だもん!」
一花と六海の間に小さな火花が散って、言い合いになりそうになったとき・・・
ぐううぅぅ・・・
お腹が鳴った音が聞こえてきました。・・・ちなみに私じゃないですよ?
「・・・今の誰の音よ?」
「五月」
「ごめん、今の五月だよね?」
「五月ちゃんだね」
「うん、五月ちゃんしかいないね」
「ちょっと!何で私だと決めつ・・・」
ぐうううぅぅぅ・・・
・・・五月、今このタイミングで反論しても説得力がないよ・・・。
「ほら」
「うううぅぅぅ・・・皆がいじめてきますー!」
反論の余地もない五月は顔を赤くしながら涙目になってます。本当ごめん!
「ま、ちょうどいい時間だし、ご飯の支度でもしましょうか。今日は大晦日だから、年越しそばよ」
「やったぁ!!おそば♪おそば♪」
「お、おかわりとかはありますか?」
「五月ちゃん・・・わんこそばじゃないんだから・・・」
年越しそばかぁ・・・うん!大晦日をかざるにふさわしいメニューだね!お腹を空かせてる五月はもちろん、自称朝は麺派の六海はきらきらと目を輝かせてます!
♡♡♡♡♡♡
大掃除の後、二乃は台所で夕食の準備、私たちは今日設置したこたつで身体をぬくぬくと温まりながらご飯が出来上がるのを待っています!はぁ~・・・このこたつ・・・暖かーい・・・。リビングも担当してた三玖たちに感謝だね!
「ご飯できたわよー」
お!ゆったりとしている間にご飯が出来上がりましたか!
「待ってましたー!おそばー!」
「うーん、いい匂いが漂ってきますね!」
食卓のテーブルに年越しそばとその添えのおかずが並べられていきます。
「おお、今年最後の相応しい食卓だねー」
「二乃、お疲れさまー。疲れてるのにごめんね」
「別にいいわよ。この中でまともに料理できるのはアタシだけだもの」
うっ・・・確かに・・・。細かい調理とかはあまりやったことがないし・・・。
「私だってちゃんとできる。・・・まだ不格好なだけ」
あの・・・一応三玖も料理はできるけど、出来上ってたのはある時は黒焦げコロッケだったり、またある時は茶色いシチューだったんだけど・・・。
「思い返してみるとさ・・・今年はいろいろあったよね」
料理が出そろうと、一花の口からふとそんな言葉が出てきました。
「確かに今年はいろいろあった」
「特に季節終盤、二乃ちゃんと五月ちゃんの家出、四葉ちゃんの陸上部問題もあったしね・・・」
う・・・あの時は本当にみんなに迷惑をかけたと今も思ってる・・・ちゃんと反省しなきゃ・・・。
「あの時は本当にすみませんでした!」
「わ、悪かったわよ・・・」
「私も・・・すみませんでした・・・」
「でも、何も悪いことばかりでもなかったよね」
「うん・・・フータローに出会えた」
「六海にとって出会いは最悪だったけど・・・少しずつ風太郎君と接してことで・・・六海に・・・ううん、みんなにとって、かけがえのない存在になったよね」
「うん。そのために、めちゃくちゃ冷たかった川に飛び込んだわけだしね」
「うまく言えないんだけど・・・これって、幸福っていうべきなんじゃないかな?六海はそう思うんだ」
幸福・・・幸福かぁ・・・確かに上杉さんと出会えたことで、みんなは変わってくれた。最初は躓きはしたけど・・・みんな上杉さんの良さを触れて、前向き勉強する意欲を見せてくれた。そして・・・私も・・・。そう考えると、やっぱり幸福だよ。
「うん。私もそう思うよ」
「同感」
「私も!」
「あ、アタシは・・・別に・・・」
「来年も、幸福な1年でありたいですね」
みんな同じ思いであったのか、幸福を噛みしめるかのようにお互いに笑いあいました。
「さて、と。じゃあ来年も幸福な1年を6等分できることを願って・・・」
「「「「「「よいお年を!いただきます!」」」」」」
来年の幸福を願いながら私たちは今年最後の食事を楽しみました。来年もいいことあるといいなぁ・・・。
食事を終えた後は12時まで起きて、新年を迎えた後に寝ました。
SIDEOUT
♡♡♡♡♡♡
二乃SIDE
新年を迎えた元旦の朝、アタシは姉妹の誰よりも起きて、今日の朝食の準備をする。今日のメニューはお正月らしくおせちね。まぁ・・・去年のようなメニューは出せないけど。なにせ、環境ががらりと変わっちゃったし、簡単なものしか出せなくなっちゃったからね。
さて、と、おせちにいれるのは市販の黒豆とかまぼこ・・・生ハム・・・は今の経済じゃ少し高いから普通のハムを使って・・・それから・・・
「二乃、あけましておめでとう」
アタシがおせちを作ってる間に三玖が起きてきたわね。他の姉妹はまだ寝てるのかしら。あ、ちなみにここの台所ならリビングにいるみんなと話せるくらい近い場所にあるわ。
「ええ。あけましておめでとう。今年もよろしく」
「うん。今年もよろしく」
アタシ達が新年の挨拶を終えた後、三玖はアタシのいる台所に入ってきたわ。
「ところで二乃、おせちに使う材料・・・いくつか残しておいてくれる?後、後で台所を使ってもいい?」
「別にいいけど・・・あんたまたなんか作る気?」
「うん・・・私もおせち作る・・・私の作ったおせち・・・フータローにも食べてもらいたいから」
ドキンッ
浮かれた表情の三玖を見ていると、なぜか上杉の姿と・・・キンタロー君の姿が思い浮かんだ。これ・・・あの時も同じだわ・・・。川でおぼれかけた時に上杉が肩を貸してくれた時と・・・。
・・・いや、そんなはずはないわ。だから、この気持ちは違う・・・。これはキンタロー君のことがまだ、忘れられないだけよ・・・。だってアタシは上杉とキンタロー君は別人だって割り切ったんですもの・・・。じゃないとどう考えたっておかしいわよ・・・。
アタシが・・・上杉のことが好きだなんて、絶対にありえないわ。あんな・・・足を滑らせて川に落ちた男なんて・・・!
「そ・・・そう・・・まぁ、適当に頑張りなさい」
「うん。・・・あ、言っておくけど、先にフータローに食べてもらうんだから、食べちゃダメだよ」
「はいはい、食べないから安心なさい」
というより、見た目の悪い、味も微妙な三玖の料理なんて貧乏舌である上杉以外誰も食べようなんてしないでしょうに。
「ふわぁ~・・・あ、二乃、三玖、あけおめ~・・・」
「明けましておめでとう!今年もよろしくね!」
「あけおめー!今年もよろしくにゃー♪」
「あけましておめでとうございます。今年もどうかよろしくお願いしますね」
三玖と話している間に他の姉妹たちが起きてリビングに入ってきた。やっば、まだおせちできてないじゃない。それにもう少ししたらアタシのお気にの俳優が出てるドラマが始まっちゃうわ。早いとこちゃちゃっと作っちゃいましょっと。
♡♡♡♡♡♡
おせちができた後、アタシは食卓におせちとそれを取り分けるための皿を並べていく。そして、料理が出そろったところでアタシ達はテレビのドラマを見ながらおせちを食べているわ。うん、我ながらこのおせち、なかなかいい味してるんじゃないかしら。
「ねぇねぇ、今年の初詣はどうする?」
すると、六海が今年の初詣について訪ねてきたわ。
「どうするって・・・行くんじゃないの?」
「うん。行くのは行くよ?ただ、着ていく服はどうしようかなーって」
「要は振袖ってことでしょ?」
「あー、なるほどねぇ・・・」
実はこのアパートに引っ越しをする際、本とか服とかを持ってきているのは当たり前なんだけど・・・全部っていうわけにはいかなかったからほとんどの本や服はあのアパートに残してきてしまったの。振袖もその1つよ。だから今の私たちは初詣に着ていく振袖が持ち合わせてないのよ。
「どうするって言われても・・・晴れ着はあのマンションに置いたままだし・・・」
「でもだからと言ってあそこに行くわけにもいきませんし・・・」
「というか、私がカードキー全部捨てちゃったよー!」
ああ、そういえばそうだったわね・・・マンションに入るために必要なカードキーは・・・1度家庭教師をやめようとした上杉に勉強を見てもらうためのアタシ達の決意表明として四葉が川に捨てたんだったわ・・・。つまり再発行しない限り、あのマンションはアタシ達でも入ることができなくなったというわけ。
「大家さんに借りてもらおうよ。そうすれば、この件も解決するでしょ?」
アタシ達が悩んでいると、一花がそんな提案をしてきたわ。
「え?でも・・・いいんでしょうか?」
「大丈夫だってー。大家さん、結構気さくな人だったから、頼んだら借りてもらえるって」
「六海、ちょっと大家さんに電話してみるね」
六海は大家さんに振袖を貸してもらえるか確認するために電話を入れたわね。さあ、どんな答えがでるのやら・・・
待つこと1分ぐらい・・・
「振袖、借りてもいいって!」
「ほらね」
「やったね!」
「これで問題解決」
「なんだか、大家さんに申し訳ないですね・・・」
「あんた真面目すぎ」
まぁとにもかくにも、振袖を確保することができてよかったわね。
「出発はご飯食べた後でいいかな?」
「え、でもドラマがまだ・・・」
「大丈夫!そうだと思ってちゃんと録画してるから!」
「おー!手際がいいね!」
「まぁ、二乃と三玖の前例がありましたし・・・」
「そういえばあったね、そんなこと」
ああ・・・あの時は確か・・・アタシがバラエティ番組で三玖がドキュメンタリー番組めぐっていたっけ。ちなみうやむやになってはいたけど、あの2つの番組はとりあえず録画できたわ。
「じゃあそれでいいわ」
「うん。じゃあご飯の後に大家さんの部屋に行こうか」
振袖を借りるという方針が決まったところでアタシ達は食事を再開させる。
「・・・あ、そうそう、六海はそのスペアメガネ外してきてねー」
「コンタクトはつけてあげるから」
「そ、そんな⁉また六海のアイデンティティを奪う気⁉」
そういえば秋の花火大会でもそんなこと言ってたわね。でもアタシ達にはそんなアイデンティティを問われても困るんだけどね。
♡♡♡♡♡♡
ご飯を食べ終えた後、アタシ達は大家さんから借りた振袖を着て、神社までやってきた。一時は晴れ着どうしようかと思ったけど・・・何とかなってよかったわ。
「やっぱり新年を迎えたからには、お参りはしとかないとね」
「ううぅぅ・・・落ち着かないぃ~・・・」
ちなみに六海は他の姉妹の全会一致によってメガネは外した素顔の状態になっているわ。本当に落ち着かなくてそわそわしているのがわかるわね。
「だ、大丈夫ですよ六海。例えメガネがなくとも、六海はかわいいです!」
「そういうことじゃない!メガネなしで言われてもちっとも嬉しくないし!!」
「えええー⁉どうしろっていうんですかー⁉」
若干ながら論点がずれてる五月にたいして六海が怒ってる。普段からメガネをかけてないとイライラしやすいところ、本当どうにかならないかしら?
「まぁまぁ、お参り済むまでの辛抱だよ」
「うぅ・・・早く帰ってメガネかけたい・・・」
四葉がなだめてくれたおかげで六海がこれ以上荒れることは抑えられたわね。ナイスよ四葉。
「じゃあ、六海のために早いところ済ませよう」
アタシ達は早いところお賽銭箱に小銭を入れて、6人全員で手を合わせ、今年に向けての願い事を祈った。
「これでよし」
「ねぇねぇ、何の願い事をした?」
「秘密よ」
「えー・・・ケチだなー・・・」
四葉が何を願ったのか聞いてきたけど、それを言ってしまったら大したことじゃないとはいえ、叶わなくなる可能性があるわ。だから何があっても絶対に言わないわ。
「もう済んだよね?じゃあ早く帰ろうよ。メガネないとおちつ・・・」
「あ、そうだ。おみくじ引いていこうよ」
一刻も早く帰りたい六海を遮って一花がおみくじを引こうと提案してきたわ。それによって六海が一花を睨んできたわ。
「・・・一花ちゃん・・・」
「いいじゃん。今年の運勢って気になるでしょ?」
まぁ・・・確かに・・・。一花の言い分に六海は渋々ながら了承したわね。全員が納得したと同時にアタシ達はおみくじを引いて今年の運勢を見てみた。出てきたのは・・・大吉だったわ。
「あ!大吉だ!」
「四葉も?実は、私も」
「おー、奇遇だね。私も大吉だよ」
「わ、私も大吉でした」
「・・・アタシもよ」
「全員が大吉だなんて・・・珍しいね!」
大吉・・・ね・・・。確かに全員大吉なのは珍しいけど・・・アタシにはこの運勢は逆なんじゃないかって思っているわ。大吉の逆といえば・・・大凶よ。そう思うのは・・・こんな時にまであいつを思い浮かべてしまうからよ。そうに決まってるわ・・・あいつと出会った時から・・・
「げっ・・・お前ら・・・」
「わー!きれいー!」
声をした方向を見てみると、そこにいたのはらいはちゃん・・・と、アタシが思い浮かべた相手である・・・上杉だった。
・・・ほら、やっぱり大凶じゃない・・・。
「なんでいっつもがいんのよ!」
「おー、フータロー君、あけおめー」
「お前らまで来てたのかよ・・・」
「ああ・・・風太郎君・・・アイデンティティを失った六海の顔を見ないで・・・」
「花火大会の時バリバリ素顔見せてただろうが」
上杉と出会ったことでみんなは各々の反応を見せているわ。
「上杉さんにらいはちゃん!あけましておめでとうございます!よかったらうちに寄っていきませんか?」
ちょ、ちょっと!四葉!新年1発目でそれは・・・!
「いや・・・悪いが・・・」
「行くーーー!!お兄ちゃんも行くでしょ?」
「・・・・・・」
ああ、らいはちゃん・・・そんな純粋無垢な笑顔で言われたら、招き入れたくなるじゃない。上杉は嫌そうな顔はしていたけど。
SIDEOUT
♡♡♡♡♡♡
一花SIDE
フータロー君とらいはちゃんを我が家に招き入れた後、私たちは振袖から普段着に着替えてからリビングでのんびりと過ごしている。二乃、四葉、五月ちゃんは録画したドラマをじっくりと見ているね。
『私、あなたが好きなの!』
『僕も君が好きだ!』
『『チュッ』』
「き・・・キスしました・・・///」
「ロマンチックだわ~・・・」
「録画しておいてよかったね!」
3人ともドラマのキスシーンでかなり盛り上がってるね~。やっぱり、先輩役者の演技はすごいなぁ~・・・。
「・・・何のために俺を呼んだんだよ・・・。らいは、帰るぞ」
フータロー君が帰ろうとしたところを六海がストップをかけてきた。
「ダメダメ!せっかく来たんだからゆっくりしていってよ~・・・」
「関係あるか。俺は早く帰って初勉強したいんだ」
うーん、大晦日でも勉強、そして元旦でも勉強をしようとする姿勢は相変わらずだねー。
「まぁまぁ、六海の言うとおり、お正月ぐらいゆっくり過ごそうよ」
「そうは言うがな・・・」
「フータロー、あけましておめでとう」
「お、おう・・・」
「今年もよろしく。おせち作ったんだけど、食べる?というか、食べて」
「「・・・っ!」」
三玖は冷蔵庫から三玖自身が作ったおせちを取り出してきたね。いつの間に作ったんだ、それ・・・て、あれ?三玖のおせちを見た瞬間フータロー君と六海は顔色悪くしてお腹抑えてるね。お腹でも痛いのかな?
「2人ともどうしたの?」
「や・・・大丈夫大丈夫・・・あははは・・・」
「お、おう・・・何でもねぇよ・・・」
うーん・・・何でもないことないと思うんだけどなー・・・て、そういえばらいはちゃん、何か言いたそうな顔になってる。
「あれ?どうしたの?らいはちゃん」
「え・・・えーっと・・・私、勘違いしてたみたい。中野さんのお宅はお金持ちって聞いてたから・・・私、てっきり・・・」
あー、そういえばらいはちゃんは私たちの住んでた住所を知らなかったっけ。それから、最近このアパートに引っ越したことも。
「あはは・・・いろいろありまして・・・」
「ごめんねー、らいはちゃん。何にもない部屋で」
「あ、いえいえ!そんな・・・」
「振袖も後で大家さんに返しに行かなくちゃ」
「ひとまずは必要なものから揃えてる段階です」
一応はある程度の家具は揃えたけど、まだまだ足りない家具はあるからねー。
「じゃあテレビは後回しでもいいだろ」
「それじゃあ暇をつぶすことできないじゃない。わかってないわねー」
「うちテレビないし」
「まぁまぁ、とにかく自分の家だと思ってくつろいでよ」
「お前ら・・・本当に大丈夫か?無理してないだろうな?」
「大丈夫大丈夫♪無理なんてしてないよ♪」
「・・・ならいいが・・・」
フータロー君は私たちに気遣った後、こたつとは離れた場所に座ろうとした。
「ちょっと。なんでそこに座んのよ?」
「?何か問題があるのか?」
いやいや、フータロー君がそこに座ることが問題なんだよ。
「寒いでしょ。こたつ入んなさい」
せーっかくフータロー君とらいはちゃんが来てるんだもん。お客さんにそこに座らせるなんて私たちにはできないよ。肝心のフータロー君はというと自分は入らず、らいはちゃんを優先してる。
「・・・じゃあらいは、こたつで暖まってこい」
「ほーら!遠慮しないで!」
「いや、遠慮してないが・・・」
こたつに入ってない時点で遠慮してるって・・・あ、いいこと思いついた♪
「そうだ、マッサージしてあげるよ。お疲れでしょ?」
「え・・・いや、別に疲れてないが・・・」
「いーや、これは疲れが溜まってるねー」
私がフータロー君に首筋をマッサージしてると、妹たちがフータロー君に駆け付けてきた。
「一花だけずるい。そこ代わって」
「嫌でーす。早い者勝ちだよー」
「じゃあ私、腕取ったー!」
「じゃあ六海も腕をマッサージ!」
「仕方ないわね・・・肩くらい揉んであげるわよ」
「私は足を揉ませていただきます」
「わ、私も足を・・・」
「・・・なんだこれ・・・」
どういうわけか姉妹全員でフータロー君をマッサージすることになっちゃった。ふふふ、こんな美少女に囲まれてマッサージだなんて・・・幸せ者め♪でもまだまだ・・・私たちのおもてなしはこんなもんじゃないよー♪
「お兄ちゃんが急にモテだした・・・!・・・お母さん、お兄ちゃんに一足早い春が来ました」
「ら、らいは・・・違うからな?」
そう照れない照れない♪この喜びを噛みしめなよー。
「・・・つーかお前ら・・・何のつもりだ・・・。やけに親切に接してるが・・・」
ギクッ・・・いけないいけない・・・ちょっと感づかれちゃったかなー?
「な、何でもないですよー!」
「日頃の感謝だけなんだよ?」
「嘘つけ!」
ふ、フータロー君・・・妙に鋭いなぁ・・・。
「いつもお疲れ様♪」
二乃はにっこりと笑顔で労いの言葉をかけ・・・
「わ、私のでよければ・・・どうぞ・・・食べてください・・・」
五月ちゃんは自分のお菓子をあげたり・・・実はここは私も驚いたりしてるけど・・・
「お正月らしく福笑いでもどうですか?六つ子バージョンを作りましたー!」
「ちなみに、福笑いの絵は六海が描いたんだよー!」
四葉と六海は福笑いをフータロー君に勧めたりしてるねー。
「・・・お前ら・・・本当に怪しすぎるぞ・・・後福笑いは難しすぎる・・・」
あら・・・逆に怪しまれちゃってるね。
「えっと・・・あの・・・フータローに渡したいものが・・・」
「!三玖!それはまだ早いよ!」
「みんな、隣の部屋に行こっか」
「すみません、上杉君。少々お待ちください」
私たちはフータロー君とらいはちゃんをリビングに残して、隣の部屋で六つ子会議を開始させた。
SIDEOUT
六海SIDE
隣の部屋の隅っこに移動した後、六海たちは緊急六つ子会議開催させたよ。議題は、風太郎君へのお礼という内容だよ。
「それで・・・どうする?」
「どうするって言っても・・・風太郎君、気にしてなさそうだったよ?」
「でも、このままじゃ悪いよ・・・。クビになった上杉さんに仕事でもないのに家庭教師を続けてもらうんだもん」
確かに・・・。家庭教師を続けてるといっても、実際にはパパからクビを言い渡されたんだもん。お給料がない状況で風太郎君に勉強を教えてもらうのは・・・ちょっと、抵抗があるよ。
「何かしてあげたい・・・」
「お父さんにはできるだけ頼りたくないしね・・・」
それも言えてる・・・パパの反対を押し切ってまでこのアパートに引っ越したんだもん。あんまり頼りたくはない。
「とはいえ、アタシ達が彼にしてあげられることって・・・」
「何があるでしょう・・・」
じっくりと考えているとふと思いついたのは・・・男女同士のキス・・・それも・・・唇と唇で・・・///
「不純です!!!」
「あんたも同じこと考えたでしょ!!」
どうやらみんな同じことを考えてたみたいで顔が赤くなってるのがよくわかるよ。だって六海も顔が赤くなってるのわかるもん。
「あはは・・・それでフータロー君が喜ぶとは思えないけど・・・」
「あいつも男だからわかんないわよ?女優ならほっぺにくらいできるんじゃない?」
「じょ、女優を何だと思ってるの!」
いくら女優さんでもそういう恥じらいの気持ちはあると六海も思うなー。
「む、六海はいいと思うよ、キスでお礼っていうのも。だって・・・だって・・・」
♡♡♡♡♡♡
『風太郎君・・・んー・・・チュッ♡』
『!六海!!』
『ふぇっ⁉な、何・・・?』
『俺を・・・本気にさせたな?お前がそう来るなら・・・俺も遠慮なんてしない。もう、止められないぜ・・・』
『ふえええ!!?ふ、風太郎君・・・そんな・・・大胆な・・・///』
『お前が・・・いけないだぜ?』
『そ、そんな・・・でも・・・いいよ・・・風太郎君なら・・・///』
『六海・・・』
『風太郎君・・・思いっきり来てぇ・・・♡』
注意:これは六海の妄想です
♡♡♡♡♡♡
「・・・んん・・・♡んふぅ・・・♡風太郎君のキスの味・・・とっても・・・甘酸っぱいよぅ・・・♡」
「む、六海がエロい妄想してるーー!!」
「不純すぎます!!」
「六海、起きて。それ以上は許さない」
バチンッ!バチンッ!
「いったぁ!!?」
「ちょ、三玖!叩きすぎよ!」
三玖ちゃんのビンタで六海は正気に戻った。いけないいけない・・・つい妄想にトリップしちゃったよ。・・・それより頬が痛いよぅ・・・三玖ちゃん・・・強く叩きすぎぃ・・・しかも連続で・・・(´;ω;`)
「や・・・やっぱり、キスはなしの方向で・・・いい、かな。うん・・・」
「賢明な判断」
よくよく考えたら風太郎君は絶対にそんなキャラじゃないし、自分からとか、ありえないよね・・・。そして何より六海の身が危ない気がする・・・!
「・・・ねぇみんな?何の話をしてるの?」
あ、なんか四葉ちゃんだけ話題についていけてないみたい。
「無難に料理でいいのではないのでしょうか?二乃も得意ですし、お菓子でも作ってあげましょうよ」
とかいいつつ五月ちゃん・・・本当は自分が食べたいだけなんじゃない?・・・と思ったけど、さっき自分のお菓子あげてたし・・・これ言ったら怒られちゃうかな?
「・・・お菓子・・・。料理は・・・ダメ。今忘れようとしてるのに、無駄に思い出しちゃうから・・・」
「???」
あー、なんか六海わかっちゃった、二乃ちゃんの心境・・・。詳しいことはわかんないけどキンちゃんの関係でなんかあったんだ。今は風太郎君が好きだけど、六海もキンちゃんに惚れてたことがあったから二乃ちゃんの気持ちはすっごくわかる。
「じゃあ私が・・・」
「い、いやー、料理は気持ちだけで十分じゃないかな?うん・・・」
「むぅ・・・」
三玖ちゃんが料理しようと提案したら一花ちゃんがストップをかけた。一花ちゃんマジグッジョブ!
「・・・と、なると・・・やっぱりお年玉しかないんじゃないかな?」
風太郎君が1番喜びそうなものといえばやっぱりお金。これまでのお給料と比べたら小さい額だけど、これでも十分に喜ぶよね。それに、今はお正月だからちょうどいいよね。
「うん・・・そうだね。じゃあ、予定通りあげちゃおっか」
「ですね。上杉君も1番喜ぶと思います」
「決まりだね。じゃあ、これ、フータローに渡してくるね」
話の方針が決まって三玖ちゃんがお年玉を持って風太郎君とらいはちゃんのいる部屋に向かっていく。
「ねぇ、フータ・・・」
「三玖」
三玖ちゃんが扉を開けた瞬間・・・風太郎君が三玖ちゃんにすぐそばまで近づいてきた。え・・・何?この流れ・・・?まさか・・・き、き、キスを・・・⁉
SIDEOUT
三玖SIDE
え・・・?何?この流れ・・・?私が扉を開けたらすぐそこにフータローがいて・・・その距離は・・・き、き、キスが・・・できそうなほど・・・
「え・・・え・・・?」
「そこを動くんじゃないぞ」
え・・・?まさか・・・この流れって・・・もしかして・・・フータローが・・・私に・・・?
♡♡♡♡♡♡
『ふ・・・フータロー・・・いったい何を・・・?』
『三玖・・・俺はもう我慢できない・・・キス、してもいいか?』
『ええええ!!?』
『いいよな・・・もう、止められそうにないんだ・・・』
『え・・・え・・・止められないって・・・』
注意:これは三玖の妄想です
♡♡♡♡♡♡
「だ・・・ダメだよ・・・フータロー・・・やめて・・・///。・・・いや、やっぱりやめないで・・・///」
「・・・お前は何を言ってるんだ?」
「三玖ちゃんがエッチな妄想してるよー!!?」
「三玖、あんたが止まりなさい」
・・・はっ・・・まだキスしてないのにあんな妄想をしてしまった・・・。ああ、みんなかなり引いてる・・・。でも・・・あれ?それでもフータローはまだ私から離れようとしてない?しかも視線は口に向けてる・・・。ま、まさか・・・本当に・・・?
「いいから。動くな」
「えっ・・・ちょ・・・ま、ま・・・」
もしかして・・・もしかしなくとも・・・本当に、さっきの妄想が現実に・・・?でも・・・いいよ・・・フータローになら・・・キスされても・・・。
「んん・・・」
「ちょ、ちょっとストップ!!それはダメだってばぁ!!」
六海がなんか止めるような声が聞こえてきたけどこの距離だし、もう遅い。さぁ・・・フータロー・・・きて・・・♡
「やはり!!予想通りだ!!」
・・・・・・・・・え?
「これが三玖の口だ!間違いないぞ!!」
「えー?こっちだと思うなー」
呆気に取られながらも視線の先には・・・四葉と六海が作った福笑いがあった。フータローもそっちに行っちゃったし・・・さっきフータローが私に近づいたのは・・・それを確認するために・・・?
「わー!遊んでくれてるんですね!」
「ルール、ちょっと変わっちゃったけど・・・」
・・・・・・どうやら本当にさっきのは私の口を確認するために近づいただけだったんだ・・・。
「・・・・・・なんだ・・・」ずーん・・・
「今度は落ち込んだよ⁉」
「ど、どうしたんですか、三玖⁉」
「ど、どんまい、三玖!」
「き、気にする必要ないわよ」
本当・・・無理・・・。変な妄想したり勘違いしたり・・・恥ずかしい・・・穴があったら入りたい・・・。
「四葉、これはどうだ?そっくりだろ?」
「えー・・・どれどれ・・・?・・・あ、上杉さん。ほっぺにクリームがついていますよ」
チュッ
「「「「「!!!!!?????」」」」」
い、今・・・四葉が・・・フータローの頬に・・・キスを・・・?
「んー、このクリーム、甘いですねー」
「な・・・なっ・・・?」
「お、お兄ちゃん⁉四葉さん⁉」
四葉がキスしたことで私たちはもちろん、フータローもらいはちゃんも驚いてる。
「・・・あ・・・。・・・・・・え、えーっと・・・今のほっぺにチューが家庭教師のお礼、ということで・・・///」
「?????どういうことだ?」
・・・・・・まさかの四葉・・・完全に油断してた・・・。
(話にすらついていけてなかったのに・・・ノーガードだったよ・・・!)
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・×2
「はっ!!殺気!!?」
「・・・なぁ、どういうことだ?さっきお礼だとか言っていたが・・・俺、なんかしたか?」
・・・だいたい四葉のせいでお礼の件がバレちゃった・・・。
「あの・・・その件ですが・・・今の私たちでは十分な報酬を差し上げられない状況でして・・・。ですが、さすがに何もないのは申し訳ないので、せめてもと思いまして・・・」
五月の説明で私たちの今日のこれまでの行動に納得したフータローは頭をかいてる。
「・・・なんだよ。そういうことはもっと早く言え。ずっとそのことを気にしてたのかよ?」
「は、はい・・・」
「俺がやりたくてやってるんだ。給料のことなら気にすんな」
「上杉君・・・」
フータロー・・・やっぱりやさ・・・
「出世払いで結構だ」
・・・・・・・・・・・・・・・
「「「「「「・・・え?」」」」」」
「その代わりちゃんと書いとけよな!!一人1日五千円ぽっきり!!1円たりともまけねぇからな!!わかったか!!」
「・・・こいつはこういう奴だったわね・・・」
・・・相変わらずの平常運転というか、お金にがめついというか・・・なんだかこれまでお礼について悩まされていた私たちがバカみたいに思えてきた・・・。
「・・・あ、そういや俺に俺に渡すものがあるって言ってた気がするが・・・なんだ?」
あ・・・私が言いかけてたこと覚えてたんだ・・・。
「え、えーっと・・・今日渡さなくてもいっか・・・」
「うん・・・出世したら・・・てことで・・・」
結局私たちはフータローにお年玉を渡すのは、フータローが出世したらということに決めたのだった。
SIDEOUT
♡♡♡♡♡♡
五月SIDE
問題解決・・・といっていいのかわかりませんが・・・まぁ、本人が出世払いでというので・・・私たちもあまり深く考えないようにしましょうか。
「・・・あ、あー・・・それよりお雑煮食べる?まだアタシたちも食べてないし・・・」
!そ、そうです!それよりお雑煮です!いろいろバタバタしてたので、まだお雑煮に食べれてないじゃないですか!
「いや、俺は別に・・・」
「食べたい!」
上杉君は遠慮しようとしてましたが、らいはちゃんは正直ですね。・・・私も同じく、お雑煮食べたいですから。
「上杉さんはどうします?」
「いや、だから俺は・・・」
ぐううぅぅ・・・
「・・・じゃあ・・・頼むわ」
口では否定していたとしても、上杉君のお腹も正直なんですね。
「そう。じゃあちょっと待ってなさい。用意してくるから」
二乃はお雑煮の準備のために台所の方へと向かっていきました。お雑煮・・・考えただけでもよだれが出てきそうです・・・。
「五月、よだれ・・・」
「じゃあ、その間、何しよっか?」
「福笑いでもしますー?四葉&六海のお手製ですよー!」
「もしくは、四葉ちゃん&六海のお手製人生ゲームはどうかな?」
「・・・六海も四葉も、どうしてその意欲を勉強に回せないんだ・・・」
「あはは・・・すみません」
「だが・・・人生ゲームか・・・。あの時は散々な結果だったしな・・・」
「そういえばそうだったわね。お金めっちゃ少なかったし・・・」
ああ・・・中間試験中にやってたあれですか・・・。ちらっと見た程度ですが、確かにあの時の上杉君のお金は少なかったですね。
「あのままやられっぱなしは癪だ。六海!人生ゲームを持って来い!次こそ俺が億万長者に・・・!」
「お、お兄ちゃんがいつにもまして燃えてる・・・!」
相当悔しかったんですね・・・お金が少なかったのが・・・。
「オッケー!じゃあさっそく持ってくるね!その間福笑いでもしてて!」
そう言って六海は隣の部屋に移動していきました。
「福笑いか・・・さっきは三玖だったし、今度は誰にするか・・・」
「次は一花さんはどうかな?」
「ええ?わ、私より・・・六海の方がいいんじゃない?」
「あ、じゃあ二乃はどうでしょう?」
「アタシは嫌!言い出しっぺの四葉にしなさいよ」
みんなそれぞれ福笑いで誰の顔を作るか話していますね。それにしても・・・ああやって福笑いを楽しんでいるところを見ると、上杉君にも心境変化があったんだなぁ、としみじみと感じています。
「お待たせー!持ってきたよ、人生ゲーム!」
福笑いを楽しんでいると、六海が人生ゲームを持って戻ってきました。
「・・・あ、そうだ。みんなにちょっと聞きたいことがあるんだけど・・・」
「何?改まって・・・」
「ちらっとだけど・・・うちじゃ見たことない白い服があったんだけど・・・あれ誰の?」
?見たことない白い服?そんなのありましたっけ・・・?
「白い服?知らないけど・・・」
「私も知らない」
「言っとくけどアタシも知らないわよ」
「なんだ?またなんかあったのか?」
「そうではないと思いたいです」
「六海、他に特徴はないのですか?」
「他に?うーん・・・あれが入ってたのは確か・・・白い箱だったっけ。それから・・・ハイヒールや帽子も入ってたっけ・・・。色はそれも白」
・・・・・・んんん?なんだか・・・思い当たる節があるのですが・・・。確かにあれは白い箱に・・・って!!?ま、まさか・・・
「それから・・・なんか鬘もあったなぁ。まぁ、姉妹の変装道具だと思うけど・・・」
か、確信してしまいました・・・。ま、ま、ま・・・まずいです・・・よりにもよって"あれ"の存在が好奇心旺盛の六海に見られてしまうなんて・・・!あれがなんなのかは今ここで・・・特に上杉君に知られるわけには・・・!!
「うーん、知らないな~」
「あれー?おっかしいなあ。あれは絶対姉妹の・・・」
「む、六海!ちょっと確認しましょうか!ほら!行きますよ!」
「え⁉️五月ちゃん⁉️何⁉️」
これ以上余計なことを言われる前に私は六海を連れて隣の部屋に強引に入って行きます。
「・・・いったい何なんだあれ?」
♡♡♡♡♡♡
「えーっと・・・何かな?五月ちゃん・・・」
私はあれの存在が出回らないようにするので必死なのでしょう。今私は六海に向かって両手で壁ドン状態です。
「・・・六海・・・まさかとは思いますけど・・・あれのことを言ってるのですか?」
私の視線の先には、私が箱で隠したはずの白い箱がそこに置いてあるではないですか。
「うん、そうだよー。お手製おもちゃが入った箱を取ったらその下にあれがあったんだー。まるで隠れてるみたいにさー」
な、なんということでしょう・・・誰にも見つからないようと思って箱で隠したのに・・・!よりにもよってあれらがおもちゃ箱だったなんて・・・!あれで隠そうとした私のミスでした・・・!それよりもあれを広めないようにしなければ・・・!
「もしかして、あれ五月ちゃんの?あのマッシロシロスケみたいな服どこで手に入れたの?」
「・・・六海、お願いです。あれはみんなに・・・特に上杉君には秘密にしてください・・・!」
「え?なんで?別にいいじゃん。ただの変装道具でしょ?あれ」
確かにそうなんですが・・・その中身が問題なんですよ・・・。
「いいですから・・・お願いしますよ・・・」
「うーん?・・・まぁ・・・そこまで言うなら・・・黙っておいてあげるけど・・・」
「本当にお願いします。・・・もししゃべったりしたらゴーヤ丸かじりの刑に処しますよ」
「ええええ!?ゴーヤやだぁ!!わかった!わかりました!何があっても絶対にしゃべりませんから!ゴーヤだけは勘弁してください!!」
ふうぅ・・・これでなんとか手を打つことができました。例えバレそうになっても私がフォローをすればよいのですからこれで問題解決です。
「じゃあ、私はこれを処理しますので、先に戻って結構ですよ」
「うぅ・・・わかりました・・・」
六海はとぼとぼとした様子でみんなのところへ戻っていきました。・・・少しやりすぎましたかね・・・。でも、こうでもしないとバラされる可能性がある以上、こうでもしなければ・・・。・・・とにかくこれは今は使い終えた段ボールに入れて、後でより見つからない場所に隠さなければ・・・。
箱の処理を終えた後はみんなのいる部屋に戻り、人生ゲームを楽しんだり、お雑煮を食べました。おいしかったです。ちなみに人生ゲームの結果は上杉君はボロ負けでしたね。
♡♡♡♡♡♡
もうちょうどいい時間帯になったころ合いになり、上杉君とらいはちゃんはそろそろお帰りになります。ちなみにらいはちゃんは疲れたのか眠っており、上杉君におぶられています。
「なんか・・・悪かったな。いろいろと。雑煮までもらって・・・」
「いえ・・・私たちも、いろいろ振り回して、すみません。お雑煮はそのお詫び・・・ということで・・・」
「そうか・・・。まぁ・・・なんだかんだ言って、楽しめた」
上杉君はらいはちゃんをおぶったまま帰り道を歩いていきます。
「上杉君。今年1年、よろしくお願いしますね」
上杉君は歩いたままこちらを見て、少し笑った顔を見せてくれました。・・・私たちも、上杉君の頑張りに負けないように、しっかりと勉強しないと・・・。
これから始まるのです。私たち六つ子と上杉君の新しい1年が。
24「初の春」
つづく
おまけ
デーモンハンタープレイ様子
三玖「四葉、六海、でかい攻撃が来る。注意して」
六海「あれくらうと痛いし、体力回復しとかなくちゃ」
四葉「あれ⁉アイテム間違えたー!」
三玖「・・・なんで大型を前にしてお肉を焼いてるの?」
四葉「ま、間違えたんだってばー!」
ゲーム内『上手に焼けましたー』
六海「いや上手に焼けたはいいからっ・・・てああ!攻撃来ちゃうーー!!」
四葉「わあああ!間に合わないーー!」
ゲーム内『グワアア!』
四葉「あああ!死んだー!!」
六海「バカー!!」
三玖「・・・クエスト失敗・・・」
一・二・五(・・・ちょっとうるさい・・・)
デーモンハンタープレイ様子 終わり
次回、二乃、一花視点
六海のアルバイトはどれがいい?
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漫画アシスタント
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メイド喫茶
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コンビニの店員