六等分の花嫁   作:先導

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1話目の六海ちゃんの紹介に朝食は何派?を追加しました。本当、それだけですけどね。

後アンケートの現段階では漫画アシスタントとメイド喫茶が同点という状況が続いています。スクランブルエッグ編突入したら、確認してみてどちらかが1票でも多く入っていればその時点でアンケート終了とします。

つまり同点だった場合は、皆様の1票によって、本編での六海ちゃんのアルバイトが決まるというわけです。


最後の試験が姉たちの場合

『最後の試験が三玖の場合』

 

「それでは、試験を開始します」

 

この試験で目指すのは赤点回避だけじゃない。他の姉妹にも負けない・・・バレンタインのあの日・・・そう決めたんだ・・・。

 

♡♡♡♡♡♡

 

1月8日。冬休みが明けて、試験に向けて本格的に勉強を始めた後でも、私はバレンタインに向けて、フータローに渡すチョコの試作品を作ってる。私は甘いものは苦手だから、フータローの好みもよくわからない。だからこうやって夜に試作品を作ったり、フータローに市販のチョコを食べさせてフータローの好みを理解しようとしてる。けど・・・まだまだ前途多難。

 

「ふわぁ・・・まだ起きてたの・・・?」

 

試作品を作ってると、眠そうにしてる六海がキッチンに入ってきた。

 

「六海・・・ごめん、起こした?」

 

「大丈夫ー。それよりどう?そろそろ風太郎君の好みわかってきたかな?」

 

「!・・・やっぱり気づいてたんだ・・・私が、フータローのことが好きだってこと」

 

「六海たちの目の前で告白したり、試作品チョコを無理やり食べさせればそりゃ、ね・・・」

 

・・・それもそうか。菊ちゃんのおままごととはいえ、告白したり、こうやってチョコを作ってたりしたらすぐわかるか・・・。

 

「うわぁ・・・このチョコにもドクロマークが出てるよ・・・」

 

「これは大丈夫な方のドクロマーク・・・」

 

「大丈夫なドクロとはいったい・・・」

 

これまでに何度か試作品チョコを作ってるけど・・・どれもこれもドクロマークが浮かび上がってる・・・。見栄を張ってるけど、これをフータローが食べてくれるかどうかも不安になってくる・・・。

 

「う~ん、困ったなぁ・・・。できれば力になってあげたいけど、六海もお料理下手っぴだからなぁ・・・」

 

私が不安な気持ちになっていると、六海は何かうんうんと頭をひねらせてる。

 

「・・・あ!そうだ!六海の知り合いにお料理が上手な人がいるんだった!」

 

「え?」

 

六海の知り合いに料理上手な人がいる・・・?

 

「その人に教えてもらったらどうかな?」

 

!それって、私の料理の腕が上がる可能性がある?それは私にとって願ったり叶ったりの提案だ。六海がこんな提案をしたのは、料理がよくなるかもしれないとのことかららしい。一言余計だけど、六海の提案には感謝しなくちゃ・・・。

 

♡♡♡♡♡♡

 

1月29日。今日はフータローの勉強会があったけど、今日は料理が得意な人と会う約束の日・・・。だから私は家に戻ってチョコの試作品作りをやってる。ついさっき新しいチョコができたけど・・・これもドクロマークが出てる・・・。でも・・・これならフータローも食べてくれるかな・・・?

 

それにしても六海の顔が広かったのは少し意外だった。友達はそこそこの数だったし。料理上手な人って誰なんだろう・・・?

 

ガチャッ

 

?誰か帰ってきた?一花かな?

 

「あれ?三玖じゃない。1人で何やってんの?」

 

私の予想が外れた。帰ってきたのは二乃だった。

 

「二乃・・・どうしたの?今日は学校で勉強会のはずじゃあ・・・」

 

「六海に呼ばれて戻ってきたのよ」

 

・・・え・・・、六海に・・・呼ばれて・・・?

 

「てことは・・・六海の言ってた人って・・・二乃・・・?」

 

「いったい何のはな・・・」

 

カツーンッ!

 

「「!!?」」

 

び、ビックリした・・・。今の、何の音?玄関あたりから聞こえた気がするんだけど・・・。

 

「何よ、今の音?ビックリしたわね・・・て、こっちにもビックリね」

 

あ・・・二乃、私が作った試作品チョコに気が付いた・・・。

 

「なんなのよこのドクロチョコは?おいしくなさそうだし、見た目もめちゃくちゃじゃない。こんなのあげて、誰が喜ぶのよ?」

 

う・・・あまり言ってほしくなかった言葉だ・・・それ・・・。

 

「あんたは味音痴と不器用のダブルパンチなんだから、変な意地張ってないで大人しく市販のチョコを買ってればいいのよ」

 

「・・・うるさい・・・」

 

私が不器用なのは事実なんだけど・・・そんなことを言われたら、今までやってきたのは無駄だったんじゃないかって不安になる・・・。今にも泣きそうな気分になってきた・・・。

 

「ひっ・・・。で、でも、料理は真心っていうし、手作りに意味があるのよね。私だってたまに失敗することはあるわ。それに少し下手っぴの方が愛嬌があるし、これなんてよく見たら虫みたいでかわいいわよね!」

 

「・・・無理にフォロー入れなくていい・・・」

 

「・・・ごめん・・・」

 

二乃の言ってることは間違ってないから、フォロー入れられる方が悲しくなる。それに、今回の件は手作り云々に問題がある。

 

「・・・最近・・・フータローが私の料理を食べてくれない・・・。心当たりはあるし・・・私が不器用なのは、私自身が知ってる」

 

以前私が作ったコロッケ、あれをフータローに多く食べさせて、フータローの腹痛を起こさせた原因。あの一件以来、フータローは私の作る料理をほぼ全部断り続けられてる。自分に落ち度はあるけど、それでも本当にショックだった。

 

「私に落ち度があるのはわかってる。だけど・・・それでも作りたい・・・思わず食べたくなるようなチョコを」

 

それでも諦めたくない。初めてだったんだ・・・私の料理を、おいしいって言ってくれたのは。決めたんだ・・・私は、私の好きなようにやるって。だから・・・今のままじゃダメ。

 

「お願いします・・・おいしいチョコの作り方を、教えてください」

 

私は二乃に誠心誠意を込めて頭を下げて、チョコづくりの教えを乞う。こんな時にまで見栄なんて、張ってる場合じゃない。絶対に、フータローにおいしいチョコを食べてほしいから。

 

「・・・油分と分離してるわね。湯煎の温度が高いせいね。それに、生クリームを冷たいまま使ったでしょ。舌触りが本当最悪。ていうか、それ以前の問題がありすぎだわ」

 

二乃は私のチョコのダメな部分を1つ1つ的確に指摘してきた。

 

「まったく・・・面倒くさいわね・・・。ほら、やるわよ。準備しなさい」

 

「・・・!うん・・・」

 

二乃にチョコ作りを教えてもらうことになって、私は思わず頬が緩んだ。それほどまでに嬉しかったんだ。

 

「まったく・・・本当、面倒な性格ね」

 

二乃はそんな事を言ってるけど、料理を教える時の顔は、微笑んでいたように見えた。私は、二乃に教えてもらいながら、納得のいくチョコを作っていく。フータロー・・・喜んでくれるかな・・・。

 

♡♡♡♡♡♡

 

ピピピピ、ピピピピ

 

「・・・ん・・・ふわぁ・・・」

 

2月14日、バレンタインデー当日。スマホに設定したアラームで私は目を覚ます。チョコ作り、朝までかかっちゃった・・・。おかげで私も二乃も寝不足・・・眠い・・・。でもその甲斐あって、チョコは今までで最高のものになった気がする。早くフータローに渡したいな・・・。そう考えながらは私はリビングに向かう。

 

「!」

 

「あ、おはようございます、三玖」

 

「三玖ちゃんおはよー」

 

「お前も二乃も、何時まで寝てるつもりだよ」

 

リビングに入ってみると、五月と六海、そしてフータローがそこにいた。

 

「ふ、フータロー・・・来てたんだ・・・」

 

「ああ・・・まぁ、ついでな」

 

今日も家庭教師の日。だけど、まだ朝だからフータローはまだ来ないと思っていた。けど、私にとっては好都合。早めにチョコを渡すことができるから。

 

「来るなら来るって言ってほしかった。でもちょうどよかった。実はフータローに渡したいものが・・・」

 

私はフータローにチョコを渡そうと思って冷蔵庫からチョコを取り出そうと・・・え?

 

「あれっ!!?」

 

ない・・・どこにもない・・・私がフータローに渡そうと・・・一生懸命作ったチョコが・・・!

 

「こ・・・ここに置いてあったチョコは・・・?」

 

「え?チョコ?・・・五月ちゃん・・・」

 

「ちょっと!何で真っ先に私を疑うんですか⁉️私じゃないですよ!」

 

六海は真っ先に五月が食べたのではないかと疑ってる。日頃の行いがあれだし・・・六海のカプセルチョコだって全部食べたことあったし・・・。

 

「ああ、あれ三玖が用意したものだったのか」

 

フータローは気がついたような反応をしている。・・・あれ?そういえば、フータロー、今日はチョコ渡してないのに鼻血が・・・

 

「あれなら今日も俺が食っといた」

 

私がフータローに渡そうとしたチョコが・・・フータロー自身が・・・?

 

「あれ手作りだったろ?うまかったぞ」

 

!今、フータローに・・・私のチョコをおいしいって言ってくれた・・・私の作った手作りチョコで・・・。おいしいって言ってもらえたのは、いつ以来だろう・・・。すごく・・・うれしい・・・。

 

「あ、ありがとう・・・。そうなんだ・・・そのチョコは・・・」

 

「三玖。お前にはやはり伝えておくべきだったな」

 

?フータロー・・・?

 

「三玖・・・やはりお前が1番だ」

 

「え・・・?」

 

私が・・・1番・・・?

 

「い・・・一番って・・・それは・・・どう言う意味で・・・?」

 

やばい・・・今すごくドキドキしてる・・・。も、もしかして・・・私のことを・・・

 

「それはな・・・」

 

「それは・・・?」

 

ドキドキドキ・・・

 

「先日行った模擬試験の結果に決まっているさ!見ろ!これがお前の点数、65点だ!お前が1番の成績だぜ!!」

 

・・・・・・・・・・・・。

 

「・・・あ・・・そう・・・」

 

期待してたのと全然違う・・・。フータローって、やっぱりフータローだね・・・。はぁ・・・期待して損した気分・・・。

 

「いける・・・いけるぞこの全員家庭教師案!これは希望が見えてきたぜーー!!」

 

・・・そうだよね・・・。私たちとフータローの関係は・・・生徒と教師・・・ただそれだけ・・・。・・・決めた。

 

「私、頑張るから・・・見ててね、フータロー」

 

学期末試験でも、私が他の姉妹より1番の成績を収める。そして、私の気持ちを伝えて・・・その関係を終わらせる・・・。

 

♡♡♡♡♡♡

 

模擬試験の結果を聞いた後、気持ちを整理するためにリビングで空気を吸う。たまにはこういうのも、悪くないかも。

 

「うー、さむさむ・・・」

 

私が外の景色を眺めていると、一花が帰ってきた。

 

「おかえり、お仕事お疲れ様」

 

「三玖、ここで何してるの?」

 

「・・・一花は・・・フータローにチョコあげないの?」

 

「!」

 

私は一花にたいして気になっていることを聞いてみた。

 

「ど・・・どうしたの?急に・・・」

 

「いいから」

 

「チョコって言うと、バレンタイン、だよね?」

 

「うん」

 

「・・・そりゃ、誰もあげなかったらかわいそうだし、お姉さんが買ってあげようと思ったけど・・・三玖があげたんなら、安心だね」

 

・・・安心?

 

「安心って・・・何が?」

 

「え・・・」

 

やっぱり・・・未だに一花は私のことを気を使ってる・・・。そういうの、いらないのに・・・。

 

「そもそも誰もあげてないって考えが間違ってる。今日、六海もフータローにチョコ渡してた。いつものあのチョコだけど」

 

「えっと・・・それは・・・」

 

「それに、フータローは私たちのことを全然女子として見てない。フータローにとって私たちは、ただの生徒」

 

「三玖・・・」

 

「だから決めた。この期末試験で赤点回避する。しかも6人の中で1番で。そうやって自信をもってフータローの生徒を卒業できたら・・・今度こそ、フータローに好きって伝えるんだ」

 

これが私の決めたこと・・・。今のままでは・・・フータローに、1人の異性として、見てもらえないから・・・。

 

♡♡♡♡♡♡

 

学期末試験終了後の3月9日。今日、テストが返されてきた。

 

私は・・・一花や六海を待ってあげない。全員・・・平等じゃなくて、公平に・・・。早い者勝ち、だから。

 

♡♡♡♡♡♡

 

三玖の試験結果

 

国語45点

数学46点

理科43点

歴史74点

地理49点

英語32点

 

総合点289点

 

結果:合格

   たいへんよくできました!

 

♡♡♡♡♡♡

 

『最後の試験が四葉の場合』

 

「それでは、試験を開始します」

 

今まで失敗続きの私だけど・・・勉強の神様、どうか今だけは私に力を貸してください!!だって・・・あんなにみんなで頑張ったんだから・・・絶対に成果を上げないと、みんなに顔向けができない!!

 

♡♡♡♡♡♡

 

試験勉強が本格的に始まって1ヵ月が経った2月4日。先日、みんなの集中力が途切れて、問題に集中できなかったことを危惧した上杉さんは時には飴を、ということで今日みんなで遊園地に連れてきてもらいました。上杉さんのそのお心遣いはありがたいのですが・・・今の私に、そんな遊んでる余裕なんか、これっぽっちもないので内心焦りが生じてます。だって私、おバカですから!

 

「次はあれに乗りましょう!あれに!」

 

「また絶叫形かぁ・・・まぁ、五月ちゃんがいいならいいけどね」

 

そんな私の気持ちとは逆に姉妹たちは遊園地を心行くまで楽しんでます。

 

「みんなも乗りましょうよ」

 

「アタシは嫌よ。怖いじゃない」

 

「私も嫌」

 

「六海もやだよ。せっかく新調したメガネが飛ばされたらたまんないもん」

 

「つーか、好き好んで絶叫形に乗るのはお前らくらいだろ」

 

「うー・・・」

 

「みんなノリ悪いなー」

 

五月が乗ろうとしている絶叫マシーンにみんなを誘ってましたが、一花以外全員乗ろうとしません。そんな事より私は早く勉強したいです・・・。・・・て、五月がこちらをじっと見つめています。

 

「四葉はどうですか?こういうのは割と得意ですよね?行きましょうよぉ・・・」

 

ああ・・・やめて・・・そんな風に見つめられたら断るに断れないからやめて・・・。

 

「ダメ・・・ですか・・・」

 

「うぅ・・・わかったよ・・・1回だけだからね?」

 

結局私は五月の甘えたような瞳に負けてしまい、絶叫マシーンに乗ることにしました。その時の五月の顔はパァっと笑顔になっていました。・・・早く勉強したいなぁ・・・。

 

♡♡♡♡♡♡

 

絶叫マシーンから降りた後でも、メリーゴーランドに乗ったりなどしましたが、これでいいのかなという気持ちが出ていました。今日1日だけお休みとはいいますが、私は不安です。私は、姉妹の中でも1番おバカですし・・・また試験に落ちたら、なんて思うといても立ってもいられなせん。

 

そんな思いもあって、私は『お腹が痛いからおトイレに行く』という内容のメールを三玖に送り、みんなから離れて、1人で観覧車に乗って、勉強をすることにしました。もうこれ以上私のことでみんなに迷惑をかけたくなかったし・・・もう二度と同じ失敗はしないって決めたから。

 

♡♡♡♡♡♡

 

「ええ⁉️もう一周ですか⁉️」

 

観覧車は1周を回ってしまい、普通なら降りなければいけません。ですが、1周回った程度ではとても勉強したとは言えません。私はスタッフさんに頼んでもう1周するように頼み込みます。

 

「お願いします!」

 

「並んでるお客さんもいないのでいいですけど・・・一体何周するつもりなんですか⁉️」

 

スタッフは仕方ないと言わんばかりに承諾・・・

 

「すみません、俺乗りまーす」

 

「え⁉️」

 

うぇ⁉️こ・・・この声は・・・

 

「すみません!今別のお客様が・・・」

 

「大丈夫です。俺の連れなんで」

 

お構い無しと言わんばかりに私の乗ってる観覧車に入ってきたには・・・

 

「相乗り。別にいいだろ?」

 

「ど、どうぞ・・・」

 

みんなと一緒に行動してたはずの上杉さんでした。な、何でここにいるってわかったの⁉️

 

♡♡♡♡♡♡

 

上杉さんが乗り込んできたところで、観覧車はゆっくりと回っていきます。しかし・・・今とっても気になることがあります。

 

「うーん、どうして見つかったのでしょう?バッチリ隠れてたはずなんですが・・・」

 

ここの観覧車なら、隠れられると思ったんですが・・・何ででしょう?

 

「だって見えてたからな、そのウサリボン」

 

「ああ!!体隠してリボン隠さずですね!!」

 

なるほど!私のこのデカリボンがあったらそりゃ見えますね!失敗失敗・・・にしし・・・

 

「!なんだ、ここで勉強してたのか」

 

あ・・・ついでに私がここで勉強してたのもバレちゃいました。

 

「はい・・・六海には個人じゃなくて全員の問題って言われましたけど・・・私はみんなより体力があるのでまだやれると思ったんです」

 

「お前らしいな」

 

「それに、ここだけの話、実は、私は姉妹の中で1番おバカなんです!」

 

「それはみんな知ってる。だがな、せっかく与えた休日なんだ。今日くらいは休め。貯金をはたいてまで来た遊園地なんだ。羽を伸ばさなきゃ損だろ」

 

「そういうわけにもいかないんです。私が1番頑張らないと・・・。それに上杉さんは知りませんよ・・・私が・・・どれだけのおバカなのか」

 

「・・・訳アリみたいだな」

 

私の顔を見て、上杉さんはいろいろと事情を察しましたね。

 

「私たちが旭学園に転校してきた理由をご存知ですか?」

 

「ああ・・・。この前一花から聞いたぞ・・・。落第寸前だったんだな・・・」

 

「あはは・・・まぁ、その通りですが」

 

私たちが旭学園に転校してきた経緯を上杉さんに話します。

 

「私たちが前にいた高校・・・黒薔薇女子学院というんですが・・・そこはいわゆる名門というところでして・・・試験に落ちれば落第なんて珍しい話ではありませんでした」

 

「そういや・・・春も確かそこだったな・・・」

 

「成績の悪い私たちは当然落ちるのですが・・・」

 

「当然落ちるな」

 

「追試のチャンスが与えられたのです。もちろん、みんなで勉強して再起を図りましたが・・・」

 

実際私の場合は再起したのかどうか、ものすごく怪しいところではありますが・・・みんなは真剣でした。だからこそ申し訳ないんです。

 

「・・・!四葉、まさか・・・お前だけ・・・落ちたのか?」

 

「・・・・・・さすが、上杉さんは何でも正解しちゃいますね」

 

やっぱり直接言われるときついですね・・・。そう、あの試験に落ちて落第してしまったのは私だけ。他の姉妹はみんな合格しました。本当ならみんな、あの黒薔薇女子に残るはずだったんです。

 

「・・・お前1人だけ落ちたのに姉妹全員が転校してきたってことは・・・」

 

「はい。みんな私についてきてくれたんです。いやな顔1つせずに」

 

「例の、6人でいることが重要とかいう教えか・・・。なるほどな・・・お前の行動にも納得だ」

 

その教えが私の支えであり・・・あれがあったからこそ、今の私が成立しているんです。だからこそ、私がまた試験に落ちてしまったら、その意味がなくなってしまうんです。だからこそ誰よりも勉強しなくちゃいけなかったんです。

 

「だからお願いです・・・今は少しでも勉強させてください。もう足は引っ張りたくないんです」

 

私は少しでも勉強ができるように上杉さんに頭を下げます。

 

「・・・ダメだ。今日は休日だって言ったろ。休める時には休んだ方が効率がいいに決まってる」

 

ああ・・・やっぱり・・・そうですよね・・・そう言われる気がしたから、隠れて勉強してたのに・・・。

 

「・・・と、言いたいところだが、残り半周。今は手持ち無沙汰だしな・・・。やることもないし暇だから・・・やるか。マンツーマン授業」

 

!!それってつまり・・・私の勉強に付き合ってくれる・・・ということですか!

 

「い・・・いんですか⁉」

 

「特別だ。ただし、他の姉妹には秘密な」

 

「は・・・はい!!」

 

上杉さん・・・ありがとうございます。マンツーマン授業かぁ・・・なんだか学校で2人きりの勉強会を思い出します。

 

「くくく・・・いい機会だ!昨日教えきれなかった国語の文章問題!今度こそ理解させてやるぜ!!」

 

「あ、それは結構です。大丈夫です」

 

「えぇー・・・」

 

「昨日ちゃんとできるようになりましたから!」

 

上杉さんはみんなができなかった国語の文章問題を私が先に解いた事にぽかんとしています。

 

「・・・マジで?」

 

「マジです!」

 

「・・・ちょっと見せてみろ」

 

「はい!どうぞ!」

 

疑っている上杉さんに私は昨日出来上がった国語の文章問題の答えを上杉さんに見せます。

 

「・・・本当だ・・・。他の姉妹に教えるのにはあんなに苦労したのに・・・」

 

ししし、意外そうな顔をしていますね、上杉さん。私だってやればできるんです!えっへん!

 

「・・・ん?待てよ・・・?・・・!そうか・・・これなら・・・」

 

「上杉さん?」

 

「四葉!!」

 

「んなぁ!!?」

 

ひぇっ!!?う、上杉さんが急に私の肩を掴んで、近づいてきたぁ!!?

 

「な、何をするつもりなんですか!!?確かに頂上で絶好のタイミングですが・・・まさかマンツーマンじゃなくてマウストゥーマウスをしようだなんて!!?お、お正月のあのキスは事故でして・・・!!そのせいで三玖や六海に殺すような目で睨まれたんですからね!!」

 

「何言ってんだお前・・・そういうあれじゃねーよ」

 

え・・・?違うのですか・・・?じゃあ何をするつもりなのですか・・・。

 

「試験突破の光明が見えてきたぜ」

 

・・・?光明・・・?

 

「・・・?どういうことでしょう?」

 

「俺には教師のノウハウがねぇ。1対6じゃ限界がある・・・お前らの親父は正しい。だがその正しさがポイントだ」

 

「???」

 

「俺1人ではなく、二人体制ならなんとかなるかもしれねぇぞ」

 

「・・・えーっと・・・おバカな私でも分かりやすく説明を・・・」

 

「四葉、国語はお前も教えるんだ。俺と一緒にな」

 

「え・・・」

 

私が・・・国語を・・・教える・・・おバカな・・・私が!!?

 

「無理無理無理無理!!!」

 

「無理じゃねぇ!よく聞け!」

 

いやだって!だってですよ⁉️おバカな私にいったい国語の何を教えればいいんですか⁉️

 

「今までのテスト結果から姉妹でも各々得意科目があるのは気づいてた。一花なら数学、二乃なら英語・・・三玖は歴史、五月は理科、六海は地理・・・そして四葉、お前は国語が得意なんだ」

 

「私の・・・得意科目・・・」

 

「難しく考える必要はない。何も特別なことはしなくていい。お前が感じたままに言えば伝わるはずだ。お前ができるなら、他の5人もできるはずだ。六つ子だからな」

 

私が・・・感じたままに・・・

 

「・・・おバカな私がみんなの役に立てるのですか?」

 

「至らぬ教師ですまないな。これからは全員生徒で全員家庭教師だ」

 

「おバカな私にできることがあるんですか?」

 

「そうだ。お前にしかできない仕事だ」

 

「もう足を引っ張るだけの私じゃないんですか?」

 

「ああ。今度は・・・お前がみんなの手を引いていくんだ」

 

上杉さんは自信をもってそう言いました。私が・・・みんなの手を・・・。こんなおバカな私でも・・・みんなの役に立てられる・・・。

 

上杉さん・・・ありがとうございます。私・・・自信が湧いてきました。私にも、できることがあるってわかりましたから。

 

「任せてください!!私が必ずや、5人を合格に導いてみせます!!」

 

「おいおい、お前が最優先だっていうのを忘れるなよ・・・」

 

学力的に致命的ですが、上杉さんの提案によって、私の中の不安は不思議と和らいでいきました。

 

残り半周の中で上杉の授業を受けた後は7人で楽しめるアトラクションで休日の幕を閉じました。

 

そしてその後日に、さっそく全員家庭教師案が実施されました。

 

♡♡♡♡♡♡

 

期末試験終了後の3月9日、今日は答案用紙が返却されました。テストの結果には、私自身も驚いています。

 

「四葉!結果は・・・どうだった?」

 

試験結果が気になってた上杉さんがわざわざ私のところに来ました。

 

「上杉さん・・・すみません」

 

私は上杉さんに向けて頭を下げてしゃざいしました。

 

「実をいうと・・・姉妹に教えてもらった方がわかりやすい時もありました。不出来な生徒ですみません・・・。そして、ありがとうございます」

 

「と、いうことは・・・」

 

「私・・・初めて報われた気がします」

 

私の人生は失敗ばかりでした。そんな私が今・・・成功を成し遂げたと思うと・・・涙が止まりません・・・。

 

これも上杉さんのおかげです・・・。本当に・・・ありがとうございました・・・

 

♡♡♡♡♡♡

 

四葉の試験結果

 

国語53点

数学33点

理科32点

歴史34点

地理32点

英語32点

 

総合点216点

 

結果:合格

   たいへんよくできました!

 

♡♡♡♡♡♡

 

『最後の試験が五月の場合』

 

「それでは、試験を開始します」

 

お父さんとの約束のこともありますが・・・私が見つけた私自身の夢のため、まずはこの試験を通って進級しないことには話になりません。この試験・・・何が何でも合格してみせます!

 

♡♡♡♡♡♡

 

試験勉強が始まって1週間が経った1月14日。今日は私はただ1人で墓地に来て、お母さんのお墓参りをしております。お母さんの本来の命日は8月14日ですが・・・私は毎月14日には、こうしてお母さんのお墓参りに来ております。けれど・・・時々不安になることがあります。

 

「お母さん・・・。私は・・・お母さんのようになれるのでしょうか・・・」

 

お母さんが亡くなって以来、私は姉妹を纏めると決めました。ですが・・・結果はいつも空回り・・・。中学生の時も・・・二乃との喧嘩の時も・・・。こんなことではいけないとは、わかってはいるのですが・・・。

 

「お?珍しいな。先客がいるなんて」

 

私が思い更けていると、物珍しそうな声が聞こえてきました。私がそちらに視線を移すと、そこにはスーツ姿でメガネをかけた黒髪の短髪の女性が立っていました。この人もお墓参りでしょうか。

 

「え、えっと・・・初めまして・・・」

 

「うげっ!!?」

 

女性の方は私の方を見ると苦手な人に出会ったみたいな反応をしました。

 

「せ・・・先生・・・?」

 

・・・え?先生って・・・私のことを指しているのですか・・・?

 

♡♡♡♡♡♡

 

「わっはっは!いやぁ、悪ぃ悪ぃ!お嬢ちゃんがあまりに先生にクリソツだったから間違えちまった!よく考えたら先生はとっくの昔にくたばってたわ!」

 

私は墓地で出会ったこの人・・・塾の講師をしている下田さんに連れられてケーキ屋さんRevivalまでやってきていますが・・・驚くことばかりで私は少しぽかんとしています。

 

「おっと娘さんの前で言うことじゃねぇな!許してくれ!昔から口が悪くて先生によく叱られたもんだ!」

 

唖然としている私とは別に、下田さんは愉快そうに笑っています。

 

「ここで会ったのも何かの縁だ!先生への恩返しってことで好きなだけケーキを奢ってやるよ!」

 

「す・・・好きなだけ・・・」

 

な、なんという魅力的な提案なのでしょう・・・。ですが・・・なんだか申し訳ないです・・・。

 

「遠慮すんな!ここのケーキはうめぇぞ!店長はちょっと感じ悪いがな!」

 

「言われてますよ~、店長~」

 

「言わないでくれ・・・」

 

「で・・・では・・・お言葉に甘えて・・・」

 

私は下田さんのお言葉に甘えて好きなケーキを注文します。ここのケーキ、以前春さんと真鍋さんの孤児院でお世話になった時、クリスマスイヴの時に食べましたが本当においしかったです。だからどれにしようか悩んじゃいますね。

 

・・・それにしてもこの下田さんという方・・・どこかで会ったでしょうか?初めて会ったはずなのに・・・不思議とそんな感じはしないのですが・・・。うんうんと首を捻っていますとふと、六海がお世話になった方、MIHOさんの面影が重なりました。よく見てみれば・・・やはり似ていますね・・・。・・・ここに来るまでに話した下田さんの話が本当なら・・・もしかして・・・

 

「あの・・・下田さんが話してた妹とは・・・MIHOさん、ですか・・・?」

 

「お、よくわかったな!あいつが私の妹だ!」

 

やはりそうでしたか・・・どうにも少し雰囲気が似ていましたからもしかしてと思いましたが・・・MIHOさんのお姉さんでしたか・・・。

 

「なんだお嬢ちゃん、あいつの知り合いだったのか!」

 

「い、いえ・・・私ではなく、私の妹がお世話に・・・。その際に少し」

 

「・・・てことはあいつが言ってた妹ちゃんの姉貴がお嬢ちゃんってことか!こいつはまぁ不思議な縁があるもんだなぁ!」

 

確かに・・・。六海がお世話になった人のお姉さんとこうやって知り合うとは・・・世の中何があるかわかりませんね・・・。・・・ということはです・・・。

 

「あの・・・ということは・・・お2人はお母さんの・・・」

 

「ああ!元教え子だな!お母ちゃんには何度ゲンコツをもらったか覚えてないね!」

 

「そ・・・それです!」

 

「ん?」

 

「お母さんがどんな人だったのか教えていただけませんか?」

 

下田さんがお母さんが所属してた学校の教え子だったのなら・・・きっと・・・私の知らないお母さんのことを聞けるかもしれません。

 

「あいつからなんも聞いてねぇのか?てかそれ以前に覚えてないのか?5年前だから・・・結構大きかっただろ?」

 

「ええ・・・そうですが・・・私は家庭でのお母さんしか知りません。MIHOさんに聞こうにも・・・少しバタバタしていましたし、あの人がお母さんの生徒ということも知りませんでした」

 

私たちはお母さんが教師であることは知ってはいましたが、その当時はまだ小学生でしたし、お仕事云々のお話をすることはありませんでしたので、教師としてのお母さんを知る機会は1度もありませんでした。

 

「お母さんが先生としてどんなお仕事をしていたのか、知りたいのです」

 

「ふーん・・・。まぁ、聞きてぇならいくらでも話してやれるが・・・何分先生とは高2の1年間しか思い出がねぇ。それでもいいか?」

 

下田さんの問いかけに私は了承の意味を込め、首を縦に頷きます。それを見た下田さんは当時高校2年生の下田さんから見たお母さんを話してくれました。

 

「先生は・・・そうだなぁ・・・私やMIHOが少々・・・おてんばだったからかもしんねぇが、とにかく怖ぇ-先生だったな」

 

お母さんが怖い、ですか・・・。確かにお母さんは怒る時は怖かったですね・・・。

 

「愛想も悪く生徒にも媚びない。学校であの人が笑ったところを1度も見たことがねぇ」

 

「はは・・・さぞ生徒さんには怖がられたのでしょうね・・・」

 

「いーや・・・それが違うんだよなぁ・・・」

 

私が苦笑しながらそう言うと、下田さんは少し困ったような表情になりました。

 

「どんなに恐ろしくても、鉄仮面でも許されてしまう。愛されてしまう。慕われてしまう。先生はそれほどまでに・・・めちゃ美人だった

 

「・・・!めちゃ美人・・・!」

 

「ただでさえ新卒で私たちと歳が近い女教師でしかも超絶美人。それだけで同学年のみならず学校の全ての男子はメロメロよ」

 

「め・・・メロメロですか・・・」

 

聞けば聞くほどお母さんがすごい人だというのがひしひし伝わってきます・・・。お母さんは確かにきれいな人でしたが・・・まさかそこまでの域を行くとは思いませんでした・・・。

 

「・・・ま、それは言わずもがなだな!お嬢ちゃんも先生似だし、案外いけるんじゃねーか?」

 

「わっ・・・⁉そ、そんなことありません!私なんてそんな・・・」

 

私がそんな・・・お母さんには遠く及びませんし、何より恐れ多いです・・・。

 

「あの人の美しさは学生のみならず教師にまで轟いたものさ。ファンクラブもあったくらいだしな。とにかく女である私やMIHOまで惚れちまうほどの美人だった」

 

「下田さんやMIHOさんまで・・・」

 

「あの無表情から繰り出される鉄拳に私ら不良は恐れおののいたもんだ。こっちの言い分もまるで聞く耳なし。まさに鬼教師だ。だがその中にも先生の信念みたいなもんを感じて・・・いつの間にか見た目以上に惚れちまってた」

 

下田さんの話を聞けば聞くほど、私は教師という職にとても魅入っていました。

 

「結局1年間怒られた記憶しかねぇ。いい思い出も1個もねぇな。ただ、あの1年間がなかったら・・・MIHOは漫画家にはならなかったし・・・私も・・・教師に憧れて、塾講師なんてなってねーだろうな」

 

六海を救ってくれた恩人であるMIHOさん。そのMIHOさんを導いてくれたのはお母さん。そして、お母さんに憧れて塾の講師となった下田さん・・・。それが・・・現在までに至る・・・お母さんが歩んできた道のり・・・。

 

「下田さん、ありがとうございます。下田さんの話を聞けて、踏ん切りがつきました」

 

話を聞き終えて私は、かばんから進路希望調査書を取り出します。

 

「学校で進路希望調査が配られたのです。下田さんのようにお母さんみたいになれるなら・・・やはり私にはこれしかありません!」

 

下田さんがお母さんに憧れて塾講師になれたのです。だったら、私にだって、お母さんのようになれる。そう思って進路希望調査書に第1志望を書きます。

 

ガッ

 

「・・・え?」

 

私が第1志望を書こうとしたら、下田さんがフォークで私のペンを突き刺して止めてきました。

 

「ちょいと待ちな。母親に憧れるのは大いに結構だ。憧れの人のようになろうとするのも決して悪いことじゃない。実際私もそうだしな。だがお嬢ちゃんは教師になりたいんじゃなくて・・・お母ちゃんになりたいだけなんじゃないか?」

 

「!!!」

 

「そいつはやりたいこととは到底言えないんじゃないか?なりたいだけなら、教師に拘らなくても、他にも手はあるさ」

 

「・・・・・・」

 

「・・・ま、とはいえ、人の夢に口出しする権利は誰にもねえさ。生徒に勉強を教えるのも楽しいし、やりがいがあっていい仕事だよ。お嬢ちゃんが教師になるっていうなら目指すといいさ。・・・『先生』になりたい理由があるなら、な」

 

「・・・私は・・・」

 

下田さんの的をついたような発言に、私は何も言い返せませんでした。お母さんとしてではなく・・・本当に先生になりたい理由・・・。教師という職は確かに素晴らしいお仕事ですが・・・心の奥底からなりたいのか、と言われると・・・正直、よくわかりません・・・。なろうと思ったのは、お母さんみたいになれると思っただけで・・・先生としてと言われても・・・教えの経験がないので、実感がわきません。

 

「おっと、こんな時まで説教だなんて・・・先生としての悪いところが出ちまったな。悪かったな、えらそうなこと言って」

 

「い、いえ・・・貴重なお話、ありがとうございました」

 

「これも何かの縁だ。連絡先交換しようぜ」

 

お話の後、私と下田さんはお互いの連絡先を交換し合いました。

 

「お母ちゃんの話が聞きたくなったらいつでも話してやる。またどこかで会おうぜ」

 

下田さんはかばんと伝票を持って、会計を済ませてお店から去っていきました。お母さんとしてではなく、先生として・・・。私が、本当に目指したいものとは、なんなのでしょう・・・。

 

♡♡♡♡♡♡

 

下田さんと出会ってから3週間後の2月4日。上杉君から今日から全員家庭教師案が発表され、さっそくそれを実施しているところです。実際のところ、いい傾向に進んでいると思います。問題の解説が苦手な六海も地理に関しては誰よりも群を抜いていましたし、何よりわかりやすかったですし。

 

時間が経ち、次は理科の授業・・・理科担当は私です。私は現在、わからないところは上杉君に教えてもらいながら、姉妹が苦戦している問題の解き方を四葉に教えている最中です。それはそうと・・・

 

「わっ!すごいわかりやすいよ!五月、ありがと!」

 

この気持ちはいったいなんでしょう・・・私が教えたことを理解してくれた喜びでしょうか?私が教えている相手から感謝をされた喜びでしょうか?それとも、誰かに勉強を教えていくことへの楽しさなんでしょうか?・・・いいえ、おそらくその全てなのでしょう。私は今までこれほどまでの気持ちを味わったことは、1度もありませんでした。お母さんも・・・このような気持ちを、経験したのでしょうか。

 

・・・見つけた・・・私が、本当に目指したいものを・・・。

 

♡♡♡♡♡♡

 

10日が経って2月14日。私は今月もお母さんのお墓参りに来ています。今日は不思議と今までの不安はありません。お母さんに私の見つけた夢を教えたい気分でした。

 

「本当に毎月いるんだな。墓なんて全部同じで見つからないと思ってたが・・・いい目印があったな」

 

私がお線香をあげていると、上杉君がやってきました。

 

「上杉君・・・なぜここに・・・?」

 

「いや・・・お前らのお袋に挨拶をと思っただけだ」

 

どうやら上杉君は私たちのお母さんに挨拶をしにお参りに来たようですね。上杉君も律儀ですね・・・。初めて会った時には考えられなかったことですね。

 

「俺なんて、必要ないと思うが、一応な」

 

「いいえ、きっとお母さんも喜んでくれますよ。どうぞ」

 

「お、おう」

 

上杉君はお母さんのお墓の前に立ち、手を合わせて会釈をします。

 

「・・・全員家庭教師案ですが、いい傾向にあります。教わる以上に教えることで租借できることもあると実感しました。もっと早くにすべきでしたね、全員家庭教師案」

 

「そうだな・・・って、俺なんて必要ないと言いたいのか?初めて会った時みたいに」

 

「ふふふ、違いますよあなたに教わったことを噛んでいるんですよ。感謝してます」

 

「・・・そうか」

 

少なくとも上杉君と出会っていなければ、誰にかに勉強を教えることはなかったですし、何より、私の目指したいものも、見つからなかったかもしれません。

 

「教えた相手にお礼を言われるのはどんな気持ちですか?」

 

「なんだよ、恩着せがましいな」

 

「私は・・・あの時の気持ちを大切にしたいです」

 

私は・・・あの時四葉に言ってもらった感謝・・・そして、誰かに勉強を教えることの楽しさを、決して忘れたりはしません。今も・・・そして、これからも・・・。

 

♡♡♡♡♡♡

 

期末試験終了後の3月9日、今日は私の答案用紙が返却されました。

 

お母さん・・・私・・・進みたい道がわかりました。私は・・・その道に向かって、前に進みます。お母さん・・・私は・・・教師を目指します。

 

♡♡♡♡♡♡

 

五月の試験結果

 

国語45点

数学35点

理科72点

歴史34点

地理45点

英語40点

 

総合点271点

 

結果:合格

   たいへんよくできました!

 

♡♡♡♡♡♡

 

『最後の試験が一花の場合』

 

「それでは、試験を開始します」

 

余計なことを考えちゃダメ・・・。今は赤点を回避することだけに集中しよう・・・。余計なことを考えちゃダメ・・・考えちゃ・・・。

 

♡♡♡♡♡♡

 

試験勉強が本格的に始まった1月8日の夜。私は少し妙に寝付けなくて少し困っていた。少し小腹もすいてくるし・・・。このまま黙ってても眠れないから私はみんなを起こさないようにキッチンの方へ向かう。

 

「六海の知り合いにお料理が上手な人がいるんだった!」

 

おっと、先客がいたか・・・。キッチンにいるのは・・・三玖と六海?何の話をしてるんだろう?

 

「その人に教えてもらったらどうかな?」

 

教える?教えるって料理かな?そういえばなんか甘い香りが漂ってくるような・・・。・・・ああ、そっか。来月はバレンタインだっけ?そんなこと、今まで意識したことなかったよ・・・。どうしよう、私もフータロー君にチョコ渡そうかなぁ・・・。でも・・・そうしたら三玖、悲しむかなぁ・・・。

 

・・・うん、やっぱ邪魔しちゃダメだよね。三玖は三玖のやりたいようにやりたいようにやればいい。私がつけ入る余地なんて、どこにもない。そう思って私は寝室に戻って、六海の睡眠薬を使って今日は無理やりにでも眠ることにした。

 

♡♡♡♡♡♡

 

1月29日。六海の話が正しければ、今日は三玖が二乃からチョコ作りを教わる日。私は窓からこっそりとその様子を見つめている。・・・お、やってるやってる・・・。ふふふ、六海も粋な計らいをするじゃん。お菓子作りなら二乃の十八番だからね。これなら三玖はバレンタインチョコを渡せるわけだ。

 

「ふふ、いくら鈍感で鈍ちんなフータロー君でもビックリするだろうなぁ・・・」

 

チクッ

 

私が三玖のことを思うのとは別で、フータロー君のことになると、なぜか胸が刺されたように痛む・・・。本当、どうしてフータロー君のこと、意識しちゃうんだろう?

 

「・・・はぁ・・・なんで好きになっちゃったんだろう・・・」

 

林間学校の時からだよ、私がフータロー君を意識しちゃったのは・・・。しかも、先日の映画の撮影以来、余計にフータロー君を意識しちゃうし・・・

 

「・・・なんだ一花・・・蹲ってどうした?大丈夫か?」

 

「~~~~!!?」

 

ふ、フータロー君⁉な、なんでここに⁉今日は学校で勉強会のはずじゃあ・・・⁉

 

「フータロー君⁉ど、どうして・・・」

 

ドンッ、カツーンッ!

 

「痛っ!」

 

「何してんだ、お前・・・」

 

「やば・・・」

 

驚きすぎて鉄柵に聞き手を当てちゃった・・・。それより、三玖や二乃に気付かれてないよね?

 

「そ、それよりどうしてここに?」

 

「四葉が参考書を家に忘れたっていうから俺が取りに・・・」

 

「あ・・・あー!それこの前私が捨てちゃったかも!」

 

「はあ!!?お前何してくれ・・・」

 

「い、今から買いに行くからついてきて!ほら、行こ!」

 

「お、おい!」

 

私は三玖や二乃にバレないうちにフータロー君を無理やり連れて本屋へと向かっていく。もー・・・どうしてこうなるのかなぁ・・・

 

♡♡♡♡♡♡

 

本屋にたどり着いた私は現在の貯金を確認する。実際参考書、捨ててなかったのになぁ・・・変な言い訳しなきゃよかった。ただでさえ家賃でお金がやばいのに・・・トホホ・・・。

 

「お、あったぞ。これだ。一花、結構いい値段だが金は大丈夫か?」

 

!!ふ、フータロー君・・・もう見つけてきたんだ・・・というより・・・近づきすぎ・・・///

 

「え、えっと・・・心配しなくて大丈夫!じゃあ、これ、買ってくるよ!」

 

「おう」

 

あまりにいたたまれなくて私は参考書をもって会計に・・・?おや?フータロー君の手には別の本が?

 

「おや?そっちの本は?」

 

「いや、これは・・・別にいい・・・」

 

む・・・そう言われると逆に気にな・・・はっ!ま、まさか・・・

 

「ま、まさか本当にエッチな本とか⁉️」

 

「お、おい!」

 

男の子ならそういうの買うだろうなって思ってたけど・・・本当に・・・?

 

「ん?エッチ?今エッチな本って誰か言ったかな?」

 

「な、何でもないですよ!さあさ、行きましょう!!」

 

あれ?今六海の声が聞こえたような・・・誰かと一緒なのかな?あれ?そもそも六海、勉強会に参加してたんじゃ・・・やっぱり人違いかなぁ?

 

「ん?今六海の声が・・・」

 

「き、気のせいなんじゃないかな⁉そ、それよりその本は何かな⁉」

 

そんなことより今はフータロー君が持ってる本!それが気になる・・・!エッチな本だったら黙ってるわけには・・・

 

「いや・・・これは・・・まだ買うと決めたわけではないが・・・」

 

よく見てみるとフータロー君の持ってる本はいい教師になるためのいろはって書いてある。なんだ・・・教師になるための参考書か・・・。

 

「へ~、いい先生になりたいんだ~?」

 

「う、うっせ!別にいいだろ!」

 

少しからかってみると、フータロー君は照れてる。結構かわいいところあるじゃん。よし、そんなフータロー君のために買ってあげようかな。

 

「照れないの。どうせだし、参考書と一緒に買ってあげるよ」

 

「これくらいなんとかなる。自分で買えるって」

 

「遠慮しないで。もしかしたら、今度こそ落第するかもしれないし」

 

「落第なんてさせねぇ・・・って・・・ん?今度こそ?」

 

「あれっ?言ってなかったっけ?」

 

「聞いてないっていうか・・・話すらしてなかったな」

 

んー?そうだったっけ?まぁでも、フータロー君になら、少しは話してもいいか。

 

「私たちの前の学校の期末試験に落ちちゃって・・・落第寸前に立たされちゃってね」

 

「お前らならあり得る話だな」

 

「で、その追試のことでちょっと問題が発生しちゃってさ・・・そのことをみんなで話し合った結果、転校しようってことになったんだ。三玖と六海が前の学校を嫌う理由がそれ」

 

「そうだったか・・・。なら、前の問題のことは、深くは尋ねないでおこう」

 

私たちの転校事情を聞いたフータロー君は納得した表情になっている。問題のことについて訪ねないのは、フータロー君の優しさ、かな?

 

「まぁだからね、これはあくまで赤点回避のための出費だからってことで、納得してくれないかな?」

 

「む・・・まぁ・・・それなら・・・仕方ねぇな・・・。じゃあ、これよろしく」

 

「うん。オッケー。じゃあ支払いしとくから、その辺ぶらぶらしといて」

 

「一花」

 

「?」

 

フータロー君から本を受け取って参考書と一緒に会計しようとしたら呼び止められた。なんだろう?

 

「この際だから言うが、実はお前が姉妹の中で1番器用で飲み込みも早い」

 

「え?そうかな?」

 

「ああ。仕事と両立を保てているのが何よりの証拠だ。今まで試験落ちっ放しだったが・・・今度こそ、合格するぞ!お前たちならできる!」

 

「!・・・うん。やるだけやってみるよ」

 

フータロー君に期待されてる・・・。なら、その分私も頑張らないとね。何より、転校がかかってるもんね。前の学校はダメだったけど、今の私たちなら、きっと・・・合格できるよね。

 

♡♡♡♡♡♡

 

とりあえず参考書と教師のいろはを買ったけど・・・本当に高かったよ・・・。貯金もギリギリなのに、お姉さんぶって見栄を張っちゃったかも・・・。・・・でも、これならフータロー君も喜んでくれるよね・・・?

 

・・・・・・って!ダメダメ!私がこんな気持ちを抱いたらダメ!こんな関係絶対間違ってる!だって・・・もし私たちが付き合っちゃったらこんな風に私が貢いじゃって、フータロー君がダメ男になっちゃうのが容易に想像できるもん・・・。

 

だから・・・私のこの恋は諦めよう。うん、これが正解。そうすれば、誰も傷つかないしね。さて、早くフータロー君のところに・・・

 

「な、中野さん!」

 

「あ、水澤君に谷田部君」

 

「ぷ・・・プライベート中野さんだ・・・!」

 

フータロー君のところに戻ろうとしたら私のクラスの同級生の水澤君と谷田部君とばったり会っちゃった。

 

「こんな所でお会いできるなんて・・・!」

 

「しかも名前まで覚えてくださってるなんて・・・感激です!」

 

「まぁ、同じクラスだしね・・・あ、でも私って、クラスのみんなのお誘いをほとんど断っちゃってるし、そう思われても仕方ないかな?ごめんね?」

 

とんでもない!!!むしろありです!!!

 

中野さんは俺らみたいな下界の人間とは別次元のお方ですから!!!

 

おわっ⁉この2人、ぐいぐいと来てるなぁ・・・。なんていうか・・狂信的、みたいな・・・。それだけ慕われていたなんて思わなかったなぁ・・・。

 

「今日は何をしに・・・」

 

「バカ、本を買いにきたに決まってんだろ?」

 

そんな私が映画で何度も殺されてるなんて、誰も思わないだろうなぁ・・・。私が女優業をしてるってことをまだ学校でバレてないのは小さな映画しか出演してないからなんだろうけどね。うーん・・・こうやって慕ってくれるのはうれしいんだけど・・・女優として見られてないのは・・・うれしいような悲しいような・・・複雑な気分・・・。

 

ズキッ

 

ん?なんか利き手に痛みが出たような・・・。気になって利き手を見てみたら、手に甲が腫れてた。なんで・・・て、しまった・・・あの時アパートでできたやつかぁ・・・。しくったなぁ・・・。

 

「「( ゚Д゚)」」

 

て、あれ?水澤君と谷田部君、なんかムンクみたいな顔になってるような・・・。

 

「な・・・ななな、中野さんのお美しい手が!!」

 

「だ、だだだ、大丈夫ですか⁉」

 

「え・・・あ・・・」

 

水澤君と谷田部君は私の腫れた手を見て、大袈裟な反応をしてる。

 

「いやぁ・・・このくらい大したこと・・・」

 

「少々お待ちください!!!今救急車をお呼びします!!!」

 

「すみません!!!このお店にどなたかお医者さんはいませんかー!!!」

 

「もー!大袈裟!」

 

いや、大袈裟にもほどがあるってこれ!私を心配しての行動なんだろうけど、これはやりすぎ!他の人に迷惑だし、何より恥ずかしすぎるって!

 

「わ、私急いでるからもう行くね。2人とも、また学校で」

 

「「ああ!中野さん!どこへ!!?」」

 

大事にならないように私は速足で水澤君と谷田部君から離れる。なんていうかもう・・・どっと疲れちゃった・・・。心配してくれるのはうれしいけど・・・あれだけはどうにかならないのかなぁ・・・。・・・まぁ、考えても仕方ない。フータロー君は・・・あ、いたいた。

 

「おーい、フータロー君」

 

「お、買ってきたか。サンキュー」

 

「フータロー君はもういいの?買うもの買ったなら戻ろっか」

 

「そうだな。あいつらも待ってるだろうし、六海も戻ってきただろ」

 

「あれ?学校までは一緒じゃなかったの?」

 

「ああ、参考書買いに行くって言っててな」

 

「ふーん」

 

買うべき本を買い終えて、私とフータロー君は本屋を後にする。

 

「もしかしたら、六海もここで参考書買ったり・・・」

 

「!一花、その手はどうした?腫れてるじゃないか」

 

あ・・・フータロー君もこの手に気が付いたんだ・・・。

 

「これはさっきのアパートで鉄柵に当たっちゃって・・・あ、でもそんなに痛くないから心配しなくても・・・」

 

「ふーん。林間学校でも思ったが、お前って、やっぱドジだな」

 

ドキンッ

 

「ま、気をつけろよ」

 

・・・きっと、こういうところなんだろうなぁ。私のことを大きく持ち上げないで、ただ1人の女の子として、普通に接してくれるところ。

 

・・・これ以上好きになっちゃいけないのに・・・その思いとは裏腹に、私の気持ちは、フータロー君のことで、大きく揺れ動いていた。

 

♡♡♡♡♡♡

 

「この期末試験で赤点回避する。しかも6人の中で1番で。そうやって自信をもってフータローの生徒を卒業できたら・・・今度こそ、フータローに好きって伝えるんだ」

 

2月14日のバレンタイン。7人で今の関係を望んでいる私の気持ちに三玖が追い打ちをかけるよう発言をした。

 

「・・・・・・い、いいんじゃないかな?それが三玖のけじめのつけ方ならさ」

 

三玖に私の気持ちが悟られないように、私はそう発言した。

 

「三玖ならできるよ」

 

「・・・私は・・・一花や六海を待ってあげない。全員・・・平等じゃなくて、公平に・・・。早い者勝ち、だから・・・」

 

三玖の決意はまったく揺るぎなかった。三玖は本気なんだ・・・。本気で姉妹の中で1番をとって、フータロー君に・・・。私は・・・

 

「・・・うん。そうだね・・・。でも私も、手を抜いてられる余裕なんてないから・・・」

 

「わかってる」

 

「頑張ってね、三玖」

 

♡♡♡♡♡♡

 

・・・・・・頑張ってね、なんて・・・何様のつもりなんだろう・・・私・・・。三玖のことは応援はしている。けど・・・それとは逆に、応援できない自分もいるだんて・・・ダメだな・・・私・・・。

 

三玖はどんどん変わっていく・・・。内気な三玖が素直に前を向いてくれるのは非常に嬉しい。それなのに・・・それを素直に受け止められない自分がいる。

 

『後悔がないようにしなよ?今がいつまでも続くとは限らないんだから』

 

林間学校で私が三玖に言ったことなのに・・・。今が続くとは限らないとわかってる・・・わかっているんだけど・・・。せめてもう少し・・・もう少しだけ・・・

 

♡♡♡♡♡♡

 

『点数が1番大きいのは』

 

「四葉、やりましたね!」

 

「姉妹で1番危なかったけど、何とかなったね!」

 

「おめでとう」

 

「えへへ」

 

テストが返ってきた3月9日、ケーキ屋Revivalで中野家六つ子の姉妹はお互いのテスト結果を発表していく。現段階で全員合格、特に1番危なかった四葉も赤点回避できたことで三玖、五月、六海は喜び合っている。四葉もうれしそうにしており、風太郎も微笑んでいる。

 

「私史上1番の得点です!合計216点とギリギリでしたけど・・・次はそれを超えたいです!」

 

「私は計271点でした。少し危ない科目があったのが今後の課題です」

 

「六海も五月ちゃんと同じ271点だったよ。今度は300点越えを目標にしたいね」

 

総合得点を見て、四葉、五月、六海は今後の目標を立てていく。

 

「ね、三玖ちゃんは何点だった?」

 

「私は・・・289点」

 

「えー!すごい!」

 

「さすがは三玖ですね!」

 

「さすが姉妹1の頭脳派だね!」

 

現段階で三玖が1番の成績を収めたことに四葉、五月、六海は三玖を称賛している。そう話しているうちに一花も入店してきた。

 

「あ、一花も来たよ!二乃はまだかな?」

 

「試験結果が返ってきたらここに集まると伝えたはずなのですが・・・もしかして・・・」

 

「もう少し待ってみようよ。きっと来るはずだって」

 

3人が話している間に風太郎は三玖に声をかける。

 

「三玖、見違えたな!やはりお前が1番の成長株だな!嬉しく思うぞ!」

 

「フータロー・・・」

 

風太郎に褒められて、うれしい気持ちがいっぱいになる。

 

「フータロー・・・あのね・・・私・・・」

 

現在自分が1番の成績を収めた。三玖は勇気を振り絞って一花に宣言したとおり、風太郎に告白を試みる。

 

「よかったー、一花も赤点なかったんだ」

 

「それで、一花ちゃんは合計何点だったの?」

 

「えーっとねぇ・・・290点」

 

「!」

 

だが一花の総合得点を聞いて、三玖の告白は思いとどまった。290点・・・無情にも三玖の289点より1点多かった。たかが1点、されど1点・・・三玖は一花の点数に届かなかったのだ。留まる理由は、それで十分だった。

 

「ってことは・・・」

 

「一花が1番じゃないですか!」

 

「すごいよ一花ちゃん!急成長したね!」

 

三玖の心情を知らない四葉、五月、六海は一花の急成長ぶりに驚いていた。

 

「・・・・・・あ、そうなんだ」

 

その時に浮かべた一花の表情は笑みを浮かべていた。

 

「やった」

 

ただその笑みは、魔女のように、どことなく冷たく感じた。

 

♡♡♡♡♡♡

 

一花の試験結果

 

国語40点

数学65点

理科52点

歴史42点

地理44点

英語47点

 

総合点290点

 

結果:合格

   たいへんよくできました!

 

28「最後の試験が姉たちの場合」

 

つづく




おまけ

末っ子ちゃんのバレンタインデー

風太郎「さて、と、ちょっと早いが、先に勉強をやっておこうか」

六海「あ!ちょっと待って!その前に・・・はい!風太郎君にチョコあげる!」

風太郎「・・・お前も俺にチョコ食わすのかよ・・・」

六海「嫌?(´;ω;`)」

風太郎「・・・まぁ、食うけど・・・」

六海「(^▽^)」

五月「あ、あの・・・私にも1つカプセルチョコを・・・」

六海「つーん、五月ちゃんには1つもあげないよーヽ(`Д´)ノプンプン」

五月「そ、そんなー( ノД`)シクシク…」

風太郎「ん・・・?なんだこれ?」

六海「あああああ!!それ、六海が狙ってたマジカルナナカちゃんだ!1発で出せるなんてすごいよ風太郎君!いいなぁ・・・°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°」

風太郎「ふーん。・・・これ、らいはのお返しにちょうどよさ・・・」

六海「しゅん・・・(´・ω・`)」

風太郎(・・・なんか、良心が痛む・・・)

六海の物寂しそうな表情に負け、フィギュアは六海に渡し、らいはへのお返しは別に考える風太郎であった。

末っ子ちゃんのバレンタインデー  おわり

次回、二乃視点

六海のアルバイトはどれがいい?

  • 漫画アシスタント
  • メイド喫茶
  • コンビニの店員
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