六等分の花嫁   作:先導

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アンケートでおしくも外されてしまったメイド喫茶ですが、せっかく多く集まったので、他の話で実用性がないか試行錯誤をしているのですが・・・どうでしょうかね?このまま捨て置くには、少し勿体ない気がするので。

後、最近六海ちゃんのウェディングドレス(原作で言うところの表紙)姿を想像する今日この頃です。きっと似合うんでしょうね。


スクランブルエッグ 二玉目

フロントにいた爺さんに気を取られていたら五月を見失っちまった。俺は五月を探しにこの温泉宿の廊下を走っている。くそっ・・・それにしてもなんだったんだあの爺さん・・・。あの爺さんが六つ子の姉妹の祖父だと?こんな偶然があるもんなのか?いや、今はあの爺さんのことはいい!それよりも今は五月の奴だ!あいつ・・・いったいどういうつもりなんだ・・・?

 

『私たちはパートナーではありません』

 

『私たちの・・・この関係に・・・終止符を打ちましょう』

 

俺を家庭教師を続けることになったのはお前たちのおかげでもある。それが何で今になって終わりと言い出すんだ?俺はどうしても納得ができない。ちゃんと説明してもらうぞ!くそ・・・あいつはどこに・・・。

 

・・・見つけた!2階の奥の部屋だな。早いとこ追いついてどういうことか問い詰めないと・・・!俺はすぐに2階に上がって、五月が走っていった方へむか・・・

 

「上杉君、待ちたまえ」

 

げっ・・・!

 

「お・・・お父さん!!?」

 

「君にお父さんと呼ばれる筋合いはないよ」

 

な、なんてこった・・・こんなとこで六つ子の父親と出くわしちまうなんて・・・!正直、今の状況は絶対によろしくないはずだ・・・!

 

「この先は僕の部屋と娘たちの部屋しかないが、何か用かな?」

 

「えーっと・・・五月さんにご用があるというか・・・ないというか・・・」

 

ここで変な嘘をついたら逆に警戒を強めてしまう可能性がある・・・。だったら少し正直に・・・

 

「・・・上杉君。君には先の学期末試験で娘たち全員を赤点回避してくれた功績がある。依頼者としては、その願いはぜひとも叶えてやりたいね」

 

「!あ、ありがとうございます。で、では・・・」

 

「しかし・・・それとこれとは話は別、父親としては眉をひそめるざるを得ないな。こんな深夜夜中に娘たちの部屋に男を入れてやる父親がいると思うかい?」

 

でっすよねー・・・。くそ・・・わかってたさ・・・二乃の一件もある・・・警戒なんて、最初からしてるに決まってるじゃねぇか・・・。まぁ、俺の発言にも問題があったんだけど・・・。

 

「い・・・嫌だなぁ・・・トイレですよ、トイレ。少し急いでまして・・・」

 

「トイレは向こうにある」

 

「そうでしたね!」

 

くっ・・・!あの父親がいる限り、あいつらの部屋に近づくことすらできねぇ・・・。これじゃあ五月に会うことができやしねぇ・・・。どうすりゃ・・・って、そうだ・・・真鍋がいるじゃねぇか。あいつは六海の友達だからな。あいつに頼れば、少しは警戒を薄めるかもしれねぇ・・・。あいつの部屋は確か俺たちの部屋の近くだったな。俺は真鍋に頼ろうとあいつの部屋に向かっていく。

 

コンコンッ

 

「おーい、真鍋。いるんだろ?ここを開けてくれ。話がある」

 

あいつのいる部屋にたどり着いた俺はとりあえず・・・真鍋の爺さんがいる手前、勝手に開けるわけにもいかないんでノックをして開けてくれるのを待っている。・・・・・・返事がねぇ。留守か?

 

コンコンコンコンコン!

 

「おい、開けてくれ。頼みたいことがあんだ」

 

俺はもう1度ノック・・・それも強めにしてノックをする。

 

ガララッ

 

お、開けてくれたか。じゃあさっそく話・・・

 

安眠妨害よ!!!

 

ボフッ!

 

バンッ!

 

うおっぷ・・・。あいつ・・・開けた瞬間に枕を投げつけやがった・・・。しかもまた閉めやがって・・・これじゃあ話が・・・

 

パサッ

 

ん?なんだこりゃ?手紙?この枕と一緒についてたものか?なんて書いてあんだ?何々・・・

 

『上杉へ

 

院長共々就寝中。絶対に起こさないで。起こしたら・・・

 

ぶっ殺す

 

・・・怖っ!!殺すってとこマジで協調してるんだけど!いや、多分脅しで言ってるんだけど痛い目に合わされるのは間違いねぇな・・・。・・・ともかく、あの様子じゃ話も聞いてくれそうにねぇな・・・。それに爺さんの世話でかかりっきりで明日以降手伝ってくれるかわかんねぇ・・・。それプラス会うこともできない、連絡手段もなし・・・これは・・・詰んだわ。結局話を聞けずじまいになり、部屋に戻って寝ることに決めた俺だった。

 

♡♡♡♡♡♡

 

家族旅行2日目、昨日のことで少し頭が混乱していたので、俺はこのまま寝ることに決めた。

 

「お兄ちゃんー。朝だよー。起きてー」

 

このまま寝続けようとしたららいはがゆさゆさと揺さぶって俺を起こしてくる。やめてくれ・・・昨日からめっちゃ混乱してんだ。このまま寝かせてくれー・・・。

 

「ねぇ、お兄ちゃーん」

 

「んだよ・・・ずっと寝かせてくれよ・・・このまま寝続けて未来へ飛ぶんだ・・・」

 

そもそもこんな風になっているのは五月に原因があるってものだ。くそ・・・五月め・・・言いたいことだけ言いやがって・・・。もう知らん・・・勝手にしろだ・・・。

 

「もう!お兄ちゃんのバカ!・・・もしもし・・・お兄ちゃん、未来へ飛ぶとかわけわかんないことを言っちゃって・・・。せっかく電話をくれたのにごめんね・・・五月さん」

 

おはよう!!今起きた!!

 

そういやそうだった・・・らいはも五月と連絡先の交換をしてるんだった。連絡先の交換のために交渉材料に使ってたのを忘れてたぜ・・・。俺はらいはのスマホを借りて五月と電話する。さっさと昨日のことを聞いておかないとな・・・

 

「五月!!昨日のあれはどういうことだ!!?ちゃんと説明してくれ!!」

 

≪・・・それはこちらの台詞です。どうして昨日、中庭に来て下さらなかったんですか?≫

 

「・・・え・・・?」

 

ど、どういうことだ?五月はちゃんと中庭に行こうとしていたはずだよな?それは本人の口から聞いた。・・・まぁ、結局宿の中で話したけど。それなのにそれを・・・待てよ?1つだけ思い当たることがある。

 

「ちょ・・・ちょっと待ってくれ。1度会って話をしよう。部屋まで来てくれないか?」

 

≪・・・そうしたいのは山々ですが、できそうにありません≫

 

「・・・父親か」

 

≪はい・・・。お父さんの監視の目もあって、中々抜け出せそうにありません・・・≫

 

俺のところに近づけないのはあいつらも同じか・・・。まいったな・・・。これじゃあ・・・。・・・いや、あるな。監視の目も気にしないで話せる場所。あまり気乗りはせんが仕方がない。

 

「それなら・・・いい場所があるぞ」

 

≪?それは・・・どこですか?≫

 

「それは・・・」

 

俺は五月と話せる場所を指定してから通話を切り、急いでその場所へと向かっていく。もちろん、らいはにスマホ返してからな。

 

♡♡♡♡♡♡

 

俺が五月に指定した場所は・・・風呂場だ。だがその風呂場だが男湯と女湯はまったく近くない。当然ながら柵越しで会話をするのは不可能だ。ならどうするか。簡単だ。男湯と女湯の間には昨日俺たちが入った混浴がある。この混浴で男湯と女湯の会話は聞こえていたのを俺は覚えている。

 

つまり、誰か1人が混浴に入ればあの父親の監視を気にする必要はなくなるのだ。だがだからといって五月がそこに入る訳にはいかん。だから俺が混浴に入り、五月が女湯に入ることで柵越しで会話が可能になるというわけだ。・・・正直、こんなことで混浴に入ることになるとは思わなかったぜ・・・。まぁいい。さっさと五月話を済ませるとするか。つっても、後から来る感じだから待つ必要があるか。とりあえず湯舟に・・・

 

ザバアァ!

 

ん?先客か?わざわざ混浴に入ろうとするなんて物好きな奴。・・・まぁ、俺も人のことは言えねぇが・・・。しかしいったい誰が・・・

 

「・・・ふぅ・・・」

 

・・・な・ん・で・だ・よ!!!

 

今湯舟に潜っていたのは六つ子の姉妹の中の誰かだ。は?なんで?なんであいつがこの混浴に入ってんだよ?五月の奴はちゃんと女湯に入るって言ってたし、五月以外の誰かってことなんだろうけど・・・今のあいつの姿は・・・裸・・・!まずい・・・これはまずい・・・早くこの場を・・・だが五月はどうす・・・

 

「・・・すん・・・」

 

?なんだ?あいつ・・・泣いてんのか?いったいどうしたっていうんだ・・・?そういや、昨日も全員、俺にたいしてよそよそしかったし・・・。なんか悩みでもあるのか?

 

「・・・え?」

 

「・・・あ・・・」

 

俺が考えてるうちに湯舟からあいつは上がってきた。そして今こいつは・・・俺の目の前に・・・。

 

「・・・い・・・い・・・!!」

 

これは・・・やばい・・・確実・・・

 

いやああああああああああああああああああ!!!!!

 

バチイイイイイン!

 

「ぶべらっ!!」

 

・・・わかってたさ・・・ああわかっていたとも、こんな展開になることくらい。・・・いってぇ・・・昨日から踏んだり蹴ったりだ・・・。・・・て!そんなことより早く誤解を解かねぇと・・・。多分あいつ、ここを女湯だと勘違いしてやがる!

 

「な、なななな、なんで・・・女湯にいるの⁉やっぱり風太郎君は変態さんなの⁉」

 

「ちょ・・・待て!話を聞いてくれ!」

 

「うるさいうるさいうるさーーい!!早く出てけーー!!」

 

「待てって!誤解だ!ここは女湯じゃなくて混浴だって!ノレンを見ればわかるだろ!」

 

「・・・うぇ・・・?こん・・・よく・・・?」

 

やっと収まってくれたか・・・。つーか、やっぱここを女湯だと勘違いしてたか・・・。

 

「・・・えええ!!?」

 

ここが混浴とわかったとたん、こいつはさっきよりも顔が真っ赤になった。

 

「・・・まさかとは思うがお前・・・かなり寝ぼけてた?」

 

「あ・・・あわ・・・あわわわわわ・・・」

 

ガッ

 

「あ・・・わあ!!?」

 

ザッパーーン!!

 

慌てふためいてるそいつは足が引っ掛かって転んでそのまま湯船に入ってしまった。・・・何やってんだよ・・・。

 

「うぅ・・・いった~い・・・」

 

「おい、だい・・・じょ・・・」

 

俺がこいつを起こそうと思った時、俺は一瞬だが見ちまって、すぐに視線を反らした。俺が見たのは・・・あいつが身体に纏っていたバスタオル・・・。それはつまり・・・

 

「・・・っ!!!///」

 

そいつは多分自分の今の姿を見たんだろう。恥らいの声が上がっている。

 

「vんきぇgじgvbこrfbこrd!!!!」

 

そいつは悲鳴に近い声を上げながらバスタオルを持って上がっていっちまった。・・・なんか・・・罪悪感が・・・

 

♡♡♡♡♡♡

 

「・・・見られた・・・風太郎君に・・・六海の裸・・・見られた・・・もう・・・お嫁にいけない・・・///」

 

その時の六海の顔はそれはもう、トマトより真っ赤だった。

 

♡♡♡♡♡♡

 

・・・結局、あれは誰だったんだ・・・?

 

「あのー・・・上杉君ー?いるんですよね?何やら六海の悲鳴が聞こえてきたのですが・・・向こうで何があったのですかー?」

 

あ、五月の奴、女湯に入ってきたな。てかあれ、六海だったのか・・・。少し悪いことしたか・・・。後であいつに謝っとくか・・・。

 

「いや・・・何でもねぇ。少し厄介事に巻き込まれただけだ」

 

「はぁ・・・そうですか・・・」

 

「つーかそれよりもだ・・・一応の確認はしておくぞ?」

 

「は、はい」

 

いや、俺の事を上杉君と呼んでいる時点で五月だとわかるんだが・・・一応、念のために確認はとっておくか。事前の打ち合わせ通りの合言葉を。

 

「んー・・・こほん・・・。・・・デミグラス」

 

「・・・は・・・ハンバーグ・・・」

 

よし。答えが帰ってきたということは間違いない。本物の五月だな。

 

「オッケー。・・・ふぅ・・・ようやく本物の五月と話せたぜ」

 

「あ・・・あの・・・電話でも言いましたが、温泉で仕切り越しというのはいくらなんでも・・・」

 

「いや、さすがに同じ湯はまずいだろ」

 

真鍋と一緒に入ったのはまぁ仕方ないとして・・・現にさっき六海のおかげでまずい状況になったからなぁ・・・。

 

「そう言う意味ではありません!!」

 

「だがここなら、あの父親の目も届かない。別にいいだろ」

 

「そうですけど・・・はぁ・・・無茶苦茶です・・・」

 

仕方ないだろ、こうでもしないとあの警戒度が高すぎる父親の目をかいくぐることができねぇんだから。

 

「・・・とりあえず俺から話を進めるぞ」

 

「・・・どうぞ」

 

とりあえず話をつけることができたから、俺は五月に昨日のことを話す。

 

「昨夜、俺はフロントで五月に会い、家庭教師を辞めるよう促された」

 

「え・・・?なんですかそれ?私、知りませんよ?」

 

ふぅ・・・やはり・・・予感的中か。あんま当たってほしくはなかったがな・・・。

 

「そうだな。現にお前自身は知らないと来た。つまりあれはお前じゃなかったってことだ。そして、そんなことができるのは・・・」

 

「ええ・・・私の姉妹しかありえません」

 

決まりだな・・・これではっきりした。五月以外の5人・・・あいつらの中の誰かが俺を拒絶しているというわけか・・・。いったいなぜなんだ・・・?

 

「誰か怪しい奴はいなかったか?つーかわざわざ五月に変装した理由がわからん・・・」

 

「あ、それはですね・・・」

 

ガララッ

 

「!!」

 

「あら、こんなところで偶然ね。あんたとは風呂場でよく会うわね」

 

げっ・・・うっそだろ・・・。また姉妹の誰かが混浴に入ってきやがった・・・。まだ五月との話があるってのに・・・。この状況を誰かに見られたらまずいだろ・・・。

 

「てか、あんたなんで混浴になんて入ってるのよ」

 

「そ・・・それは・・・仕方なく・・・」

 

「ふーん。ま、いいわ。それはともかく・・・せっかく一緒になったんだし・・・体でも洗ってあげるけど・・・どう?」

 

はあ?体を洗うこいつが?俺の体を?何で?絵面的にも誰かに見られたらまずいんだが・・・てかその前に・・・

 

「あー・・・ちょっと待て・・・言いたいことがあるがその前に・・・1ついいか?」

 

「な、何よ?」

 

「・・・お前、誰だ?」

 

「・・・はあ!!?」

 

「五月・・・ではないな。あいつはもっと髪が長いし・・・。と、なるともしかて・・・。いや、それだけで判断は・・・。いや、しかし・・・」

 

さっきの奴は六海だったみたいだが・・・何分全員同じ顔だからなぁ・・・。身わけをつけるためのアクセもないからどうやって区別すればいいか・・・。

 

「~~~~っ!!この・・・バカ!!!」

 

パコーンッ!

 

いて!あいつ・・・近くにあった桶を投げつけやがった・・・。桶を投げるだけ投げてさっさと出ていきやがった・・・。・・・いったい何だったんだ、あいつ?てか本当に誰だ?

 

♡♡♡♡♡♡

 

「・・・はあ・・・はあ・・・」

 

先ほど風太郎に桶を投げつけ、恥ずかしさで顔を赤くしている者正体は二乃であった。

 

「・・・勇気出したのに・・・昨日真鍋とは入ったのに・・・許さないわ・・・///」

 

二乃の脳裏に浮かび上がったのは先日、上杉家が混浴に入った後、真鍋と院長が混浴に入った光景、そして今日、風太郎がたった1人で混浴に入っていく光景だった。

 

♡♡♡♡♡♡

 

六海といいさっきの奴といい・・・なんでこうも混浴に入ってくることが多いんだろうな?

 

「・・・さっきの会話、一部始終まで聞かせてもらいましたが、今のは上杉君が悪いです」

 

「んな無茶な。全員同じ顔なんだぞ?全部同じ柄の神経衰弱をしている気分だ」

 

「それは逆に簡単なのでは?」

 

あ、本当だ。ていうか同じ柄の神経衰弱なんて、簡単にクリアしてしまうから面白味はないな。て、そんなことはいい・・・とにかく五月を含め、あいつらを見分けるなんて・・・簡単にできるとは思えん。小テスト0点事件の時だって全然見分けられんかったし。

 

「しかし全てが同じというわけではないと思いますよ。現に私たちは見分けられています。きっとあなたもできるはずです」

 

「そうかぁ・・・?」

 

「そうです!できるはずです!があれば!!」

 

「出たよトンデモ理論」

 

いつ聞いても意味不明な理論だ。だいたい愛があればって・・・そんなのどうやって育めばいいっていうんだよ・・・。

 

「しかし疑問ですね・・・あれほど上杉君を毛嫌いをしていた二乃がどういう風の吹き回しでしょう・・・」

 

あ、あれ二乃だったか・・・。全然気が付かなかった・・・。

 

「二乃だけではありません。一花も、三玖も、四葉も、そして六海も・・・春休みに入ってからどこか変なのです」

 

「あいつらが変?」

 

「はい・・・。昨夜はそれを尋ねるためにあなたを呼び出しました。何かご存じありませんか?」

 

俺が感じていた違和感・・・そしてあいつらのよそよそしさ・・・やはり気のせいじゃなかったみたいだな・・・。だがそれ違和感が何なのかは、こっちが聞きたいくらいだ。まぁ、二乃はともかくだがな。

 

「ご存じないな。お前が姉妹に直で聞いてみたらいいだろ?」

 

「身内の私より、上杉君の方が適任かと思うのですが・・・」

 

俺の方が適任だと?それはどういうことだ?また姉妹同士で喧嘩でもしたのか?まさか、六海のさっきの涙はそれ関係か?ふむ・・・だとしたら、あいつらの成績が及ばんように何とかせねば・・・てっ!!

 

「何俺が前向き解決する流れになってんだ!!?」

 

「わっ⁉️」

 

「今の俺が最優先すべきなのは偽五月だ!偽五月の真意が理解できないとこのままじゃ本当に家庭教師に影響しかねん!五月には悪いが、あいつらの悩み相談は後だ!」

 

「そ、そうですよね・・・すみません」

 

もちろん、あいつらの悩みも何とかせねばいかんが、まずは偽五月の方が先だ。あいつら5人の中の誰かだと思うのだが、いったい誰が俺を・・・

 

「しかし、実は私も1つだけ・・・偽五月に共感できるものがあります」

 

ん?五月が偽五月に共感できるもの?

 

「なんだそりゃ?」

 

「はい、私たちはもうパートナーではありません」

 

「えぇー・・・お前までそんなこと・・・」

 

「もちろん、偽五月がどういった心境でそう言ったのかはわかりませんが・・・すでに利害一致しているというだけのパートナーではないはずです」

 

・・・ん?利害一致?どういうことだ?

 

「だってそうでしょう?数々の試験勉強の日々、花火大会、林間学校、年末年始・・・他にも様々な出来事・・・。これだけの多くの時間を共に共有してきたのですよ。

 

それはもはやパートナーではなく、友達、でしょう?」

 

・・・友達、か。百歩譲って赤の他人と言い張りやがったあの五月が・・・なぁ・・・。あれからまだ半年しかたってないのに、ずいぶん変わったな。

 

「・・・恥ずかしいことを堂々と言いやがって・・・せっかくの旅行が台無しだぜ・・・」

 

だが・・・不思議と悪い気分ではなかったな。偽五月の問題が最優先・・・それは今も変わってはないが・・・あいつらも放っておくわけにもいかんか・・・。

 

「・・・やるか。お悩み相談」

 

それに少なくとも、あいつらの悩みさえ解決すれば、偽五月の真意を知ることもでき、それを解消することができるかもしれん。一石二鳥というのだろうな、この場合だと。

 

「・・・・・・」

 

「・・・五月?」

 

なんだ?声が聞こえなくなったぞ?聞こえてないのか?どうなってんだ?

 

ガラララッ!

 

「ありがとうございます!!!」

 

「!!?」

 

はああ!!?ちょ・・・待て!待て待て待て!な、な、なんで五月が混浴に入ってきてんだよ!!

 

「お、お前!何でこっちに入ってくんだ!!」

 

「混浴なので問題ありません!!」

 

そういう問題じゃねぇ!!

 

「俺がいるんだけど!!絵的にもやばいだろ!!」

 

「何を言っているんですか!友達ならこれくらい・・・当然・・・」

 

「・・・・・・」

 

「・・・ではないですね・・・///」

 

急に冷静になった。まぁ、ひっきりなしに暴れたり、人目を気にしないでいるよりかはマシだな・・・。た、助かった・・・。

 

「すみません・・・忘れていただけると幸いです・・・」

 

「ふぅ・・・お前にはやってもらわなきゃいけないことがあるんだ。しっかり頼むぞ」

 

「え?何をですか?」

 

まぁ・・・とりあえず俺は五月にやってもらうことを説明してから、混浴から上がって、それを実行に移すことにする。

 

♡♡♡♡♡♡

 

五月にやってもらうこと・・・それは、俺が六つ子の部屋に入れるようにするためにあいつらの父親を監視場所から引き離すことだ。今現在、五月がそれを実践する。

 

「お父さん・・・少し、お話があるのですが・・・」

 

「なんだい?」

 

「ここではなんですし・・・部屋にお邪魔してもいいですか・・・?」

 

「・・・いいだろう」

 

よし!五月が父親を引き離してくれた!ここさえ突破できれば、後はちょろいもんだぜ!五月が父と一緒に部屋に入るのを見計らって俺は一気に六つ子の部屋へと向かっていく。とりあえず部屋にたどり着いたらあいつら1人1人に話を聞いてやればいい!そうすれば、偽五月の特定に繋がる大きな手掛かりに成りうる!どうせ大したことない悩みだ。バッチリ解決してやる!一花、二乃、三玖、四葉、六海、待ってろよ!六つ子の部屋にたどり着き、俺は堂々と部屋を開け・・・

 

「・・・は?」

 

扉を開けた瞬間、俺は目の前の光景に目を疑った。俺は夢でも見ているのか?見ているのなら、どうか早く目を覚ましてくれ。そして現実ならば・・・どういうことかちゃんと説明してくれ。この光景は・・・あまりにも非現実的すぎる・・・!この光景は、一言で例えるのならば・・・

 

「五月の森・・・!」

 

俺の目の前に広がっていたのは、姉妹全員が、五月の姿をしているのだった。これを五月の森と呼ばずしてなんと呼べばいいというんだ・・・!

 

「な、な、な・・・なんで全員五月になってんだ・・・?」

 

「フータロー君、ノックくらいしてよ」

 

「ビックリさせちゃったね」

 

「・・・・・・///」

 

「えーっと、これはですね・・・」

 

「ちょっと待ちさなさい」

 

俺が混乱しているのをよそに、五月1号?は説明をしようとしたが、五月2号?がストップをかけてきた。

 

「ちょうどいいところに来てくれたわね。あんたにはもう1度試してみたかったのよ」

 

確かめる?確かめるって・・・何を?

 

「覚えているかしら?六つ子ゲーム」

 

「え?」

 

「前は絵の誰かをだったけど、あんたが次に特定するのは、アタシたち自身」

 

え?え?え?は、話が勝手に進んでいく・・・。

 

「アタシ達が誰が誰だか、当ててみなさいよ」

 

♡♡♡♡♡♡

 

何故か急に始まった六つ子ゲーム。どういうことか説明してほしいのにどうしてこうなった?ただあいつらの悩みを解決すればいいと思っていた俺が浅はかだったぜ・・・。まぁいい。確か今回の六つ子ゲームのルールはこうだったな。

 

1つ、今から偽五月が1人ずつ部屋に入ってきて、その姿を確認する。

2つ、俺が何かしらの質問をし、偽五月がそれに答える。

3つ、5人全員の偽五月に質問を終えれば、誰が誰かを当てていく。

 

ざっとこんなところか。正直、当てられる自信はないが・・・もしかしたら、昨日会った偽五月の特定ができるかもしれねぇ。なら、やれるだけやってみるか。

 

まずは1人目・・・まずは無難に自己紹介だな。

 

「自己紹介ですね。私は中野五月、17歳、5月5日生まれのA型です」

 

ふむ・・・じゃあ次、2人目・・・質問は、好きなことだな。

 

「好きなこと・・・ですか・・・。やはりおいしいものを食べているときが幸せですね」

 

う・・・ん・・・?まぁ・・・次、3人目・・・質問は、将来の夢について話してもらうか。

 

「将来の夢、ですね。私の将来の夢は学校の先生になることです。これも、あなたのおかげで見つけた夢です。感謝していますよ」

 

う・・・うーん・・・?じゃあ次・・・4人目・・・質問は・・・ちょっといじわる系なものにするか。

 

「なぁっ!!?そんなこと答えられるわけないじゃないですか!!上杉君!女の子にそのような質問をするのはいけません!どうかしていますよ!!」

 

・・・・・・次、5人目・・・。

 

「お待たせしました」

 

「ぬああああああ!!!くそおお!!!全然!!全く!!違いがわからねぇ!!」

 

こうして5人の偽五月を確認したわけだが・・・どこがどう違うのかが全くわからねぇ!改めて思うが、六つ子ってこんなに似るものなのか?五月のクローンがいるんじゃないかって疑うレベルだぞ・・・。それも六姉妹ときたもんだから気絶じゃすまんかもしれん。

 

「あのー・・・質問がないなら、もう行ってもいいですか?」

 

おっと、考えすぎて質問を忘れていた。

 

「あー、すまん。とりあえずこれだけは聞いておきたいんだが・・・何で全員五月の変装なんてしてんだ?」

 

「・・・それは・・・その、少し事情がありまして・・・」

 

事情?事情ってどんな事情なんだ?

 

「私たちは昔からそっくりな六つ子で自他共に認める仲良し姉妹だったのです。おじいちゃんもそれを見て喜んでいました」

 

「あの爺さんが、なぁ・・・」

 

「しかしある日、姉妹の1人がみんなと違う恰好をしていたんです」

 

「ふーん・・・そいつはどんな格好なんだ?」

 

「格好ですか?それは今と変わらないウサギリボンでした」

 

「ウサギリボン?それって四葉か?」

 

「はい、四葉です」

 

なるほどな・・・六つ子の中で最初に変わったのは・・・悪い言い方をすれば輪を乱したのは四葉というわけか・・・。だがそれと五月の変装とどう関係しているんだ?・・・それにしても、ボロを出さねぇなぁ・・・四葉ならすぐに暴けると思ったのに・・・。

 

「それでですね、6人同じじゃない私たちを見ておじいちゃんはものすごく心配していました。仲が悪くなったんじゃないかと・・・。しまいには倒れてしまったんですよ」

 

「そいつはまぁ・・・」

 

「それ以来おじいちゃんの前では全員そっくりな姿でいると決めました。話し合いの結果、変装は私に決まったというわけです」

 

だいたいの事情はわかった・・・こいつらが何で五月の変装をしているのかというのを。なんつーか、改めて面倒くさいな・・・。

 

「だから、本当に四葉が心配になってくるのです」

 

「え?なんで四葉が出てくるんだ?」

 

「知っての通り、四葉は変装が得意ではないので・・・ボロを出さないか心配で・・・。本人も不安がっていましたし・・・」

 

!四葉が変そうにたいして・・・不安がっていた?

 

「まさかとは思うが・・・四葉の悩みって、変装のことだったのか?」

 

「?間違いないと思いますよ?私の前で何度も腹痛にあってるようですし・・・」

 

ふむ・・・多少は進歩したな・・・。結局誰が四葉なのかはわからなかったが・・・悩み自体は聞くことができた。これで四葉が偽五月という線はかなり薄くなったな。四葉がよそよそしかったのはこれが原因だったとは・・・案の定しょうもない悩みだな。

 

「あんな怖い爺さんのために、お前らは偉いな」

 

「いえ、とても優しい人ですよ。私、おじいちゃんが大好きですよ」

 

今回の五月の変装は、こいつらなりにあの爺さんを慮ってのことだろうな。俺からすればしょうもない悩みだろうが、こいつらにとっては真剣な問題だ。五月が父親の目を逸らしてるうちに他の奴らの話も聞ければいいんだがな・・・。

 

「どうやら質問は全て終わったみたいですね」

 

俺が考え事をしていると、残りの偽五月が全員入ってきた。

 

「さて、一通り話し終えましたが、どうですか?見分けられましたか?」

 

・・・あ、そういえばまだ六つ子ゲームの最中だった。どうしよう・・・まだ誰1人として見分けられてないんだが・・・。

 

「あー・・・いや・・・その・・・だな・・・」

 

「・・・わからなかったのですね」

 

「はぁ・・・ガッカリ・・・やっぱ全然だめね」

 

俺がこいつらを見分けられなくて、偽五月はがっかりした気持ちが出ているのがわかる。

 

「ちょ・・・待ってくれ・・・もう1度チャンスを・・・」

 

コンコンッ

 

や、やば!誰か来やがった!まずい・・・俺がこの場にいることをこいつらの父親に見られたら・・・うぅ・・・想像したくねぇ・・・。

 

「フータロー君、早くこの中に!」

 

「!お、おう」

 

偽五月の1人が機転を利かせてこたつの布団を開けた。少し抵抗はあったが、しのごの言ってられん!今はこの状況を切り抜けることが優先だ!俺はすぐさまこたつの中に入り、身を潜ませた。

 

ガララッ

 

「・・・・・・」

 

「あ、おじいちゃん」

 

「おはよー」

 

~~~

 

「え?何々?何て言ってるの?」

 

「なんか心配してるみたいだよ」

 

「安心して、おじいちゃん!今でもずっとそっくり仲良し姉妹だから!」

 

「(^ー^)」ニコッ

 

・・・・・・あ、あっぶねぇ・・・こいつらの爺さんだったか・・・父親だったらマジでやばかったぜ・・・。結果オーライってやつか・・・。

 

「朝ごはん教えに来てくれたんだ」

 

「確か大広間だったよね?」

 

・・・それにしても、あの爺さんが優しいだと?冗談じゃねぇぞ・・・いきなりぶん投げられるわ、ものすごく物騒なこと言いだしたんだぞ。怖すぎるわ・・・。

 

「痛っ!」

 

「?」

 

「あ、あはは・・・何でもないよ」

 

「ちょっと、踏んでるわよ」

 

「お、おお・・・悪い・・・」

 

少し動いちまったせいか偽五月の誰かの足を踏んじまったみたいだな・・・って、待てよ?そういや昨日の偽五月、足を角にぶつけてたような・・・もしかしたら・・・

 

もぞもぞ・・・

 

「!!?」

 

「ちょ・・・ちょっと・・・」

 

「や・・・やぁ・・・ん・・・」

 

「だ・・・ダメ・・・」

 

「ちょっと!何してんのよ⁉️」

 

すまん、俺がもぞもぞ動いててくすぐったいのはわかるが、我慢してくれ。確かめないといかんのだ。この中に昨日の偽五月がいるのだとしたら、もしかしたら昨日の偽五月に足のケガが残ってるかもしれん。

 

「・・・!」

 

見つけた・・・こいつの足には昨日角にぶつかった痣が残ってる。間違いない・・・こいつが昨日の偽五月だ。俺はすぐに昨日の真相を確かめるためにこの偽五月・・・

 

「じゃあ大広間に行こっか」

 

「今日は海に行こう」

 

「え?まだ寒くない?」

 

あ!くそ!離れていきやがった!確認したいことがあるのに行くんじゃないっての!・・・ああ、くそ!行っちまいやがった・・・。・・・まぁ一応、成果はあったな。再確認することができただけでも進歩だな。しかしいったいなぜなんだ?期末試験も無事合格して、順調だったはずなのに・・・。・・・考えても仕方ねぇ。いつまでもここにいるわけにはいかねぇし、さっさと部屋を出るか。

 

「ちょっといいですか?」

 

俺が部屋から出ると、偽五月が待っていた。・・・えーっと・・・こいつは誰だ?マジでそっくりだからわからねぇ・・・。

 

「・・・えーっと・・・一花か?」

 

「ブー。ではここでヒントです」

 

ヒントと言ってこの偽五月は長い髪を首元まで持ち上げた。

 

「六海か?」

 

「ブー」

 

「えー・・・じゃあ・・・四葉」

 

「・・・・・・」

 

「そうか!まさかの五月本人だな!」

 

「・・・フータロー・・・わざと間違えてるでしょ?」

 

すまん・・・ガチでわからん・・・。

 

「はぁ・・・私、三玖だよ」

 

「み、三玖だったか・・・」

 

何度も言うが、本当に全員そっくりだからこいつが三玖だってことも全く分からなかったんだ。本当にすまん、三玖。

 

「突然お父さんがいて驚いたでしょ?実は前に六海と真鍋さんと一緒にスーパーに行って、応募懸賞をやったんだ。それでA賞が当たった」

 

「そうか、それでここに・・・」

 

「でもその懸賞で間違えて前の住所を書いちゃったんだ」

 

「あー・・・なるほど・・・ドジったわけだな」

 

「まぁ、おかげで全員で旅行に行れたわけなんだけどね」

 

とりあえずこいつらが何で家族旅行に来ている理由はわかった。まぁそれはいい・・・しっかし、やっぱり外見だけでは三玖が昨日の偽五月かどうかはわかんねぇな・・・。

 

『できるはずです!があれば!!』

 

いや、五月のアドバイスがあればきっと何とか・・・!諦めんなよ俺!しっかり観察すればきっとわかるはずだ!今こそ、愛100%だ!!

 

「・・・・・・」じーっ・・・

 

五月が言うには、どうやら三玖にも悩みがあるそうだな。しかし俺には先月あたりから1つだけ心当たりがあるんだ。まさかとは思うが、三玖の悩みとはもしかして・・・。全く、我ながら呆れちまうぜ。俺はいつからそんなことを考えるようになったんだろうな・・・。

 

(なんかいやらしい視線を感じる・・・)

 

・・・ダメだ・・・考えれば考えるほどわけわかんねぇ・・・。

 

「・・・はぁ、降参だ。俺の負けでいいから意地悪せずに誰が誰だか教えてくれよ」

 

「それはダメ。ルール違反」

 

「しかしだなぁ・・・」

 

「もう少し頑張ってみてよ・・・。私も・・・当ててほしい。フータローに」

 

・・・そう言われてしまっては・・・もう少し頑張ってはみるが・・・一応俺には昨日の偽五月を見つけないといかんから悠長はしてられん。

 

「じゃあせめて足を見せてくれ」

 

「え⁉なんで⁉」

 

「いや、本当に頼む」

 

「ほ、本当にどうしたの、フータロー⁉」

 

俺は足のケガを確認するために三玖に迫っている。いや、見せてくれるだけでいいから。

 

~~~

 

「あ、おじいちゃん・・・」

 

うげっ・・・爺さん・・・。

 

~~~

 

相変わらず声が小さくて聞こえやしねぇ・・・。とりあえず、耳を傾けて、爺さんの言葉を聞いてみるか・・・。

 

「見てたぞ。また孫に手を出そうとしていたな?場合によっては・・・ぶち殺す」

 

あ、圧がめっちゃすげぇ・・・。しかもまた物騒なことを言ってるし・・・。怖い、怖すぎる・・・。

 

「い・・・いやだなぁ・・・あっはっは・・・俺は何もしていませんよ・・・」

 

「・・・三玖よ、何もされとらんかったか?」

 

「う、うん。大丈夫」

 

「ならいい。~~~

 

三玖の安全がわかったら爺さんは立ち去っていった。ふぅ・・・今日は投げられずにすんだぜ・・・。本当に怖いんだよなぁ・・・あの爺さん・・・って、待てよ?今あの爺さん・・・っは!!閃いたぜ!!

 

「三玖、すまん!先に大広間に行っててくれ!」

 

「えっ⁉フータロー⁉」

 

俺はすぐさまあの爺さんの元へと駆け付けていく。あの爺さん・・・顔を見ただけであいつを三玖だと判別してやがった!怖い爺さんだが・・・あの人、やはり只者じゃねぇ!なら俺のやることは決まったも同然だ!

 

「爺さん!!・・・いや、師匠!!」

 

「?」

 

「お願いがあります!!」

 

今の俺にやるべきことはただ1つ・・・この爺さんの弟子になって、あいつらの見分け方を教えてもらうことだ!この六つ子ゲーム・・・思ったより早く終わりの糸口が見えてきたかもしれん。待ってろよ・・・絶対にあいつらを見分けるようになってやる!

 

♡♡♡♡♡♡

 

『1人で待つ四葉』

 

祖父から朝食の知らせを受け取った六つ子の姉妹の5人は全員大広間に向かった・・・というわけではなく、途中で一花、二乃、六海はどこかへ行ってしまい、三玖と離れてしまい、今大広間にいるのは四葉だけだった。

 

「みんな遅いなー・・・。一花と二乃、六海もどこかに行っちゃうし・・・五月はどこにいるんだろう・・・。お腹すいたなー・・・」

 

四葉はお腹を空かせながら待っていた時、自分の言った発言に少し違和感を感じる。というのも、今の四葉の姿は五月なのだ。ならば五月そっくりにしなければいけないのだ。それも全て、祖父のために。

 

「・・・うーん・・・。こうじゃないなぁ・・・。・・・お腹がすきました!・・・ちょっと違うなぁ・・・」

 

四葉はいろいろと試行錯誤をし、五月にまねていく。

 

「お腹がすきましたぁ~!・・・うんうん、五月はこんな感じ!」

 

四葉が納得している。そしてその様子をついさっきこの大広間に来た真鍋と孤児院の院長に見られていた。

 

「・・・あ・・・」

 

「・・・五月、あんた何してんの?」

 

「え・・・え~っと・・・これは・・・」

 

今の場面を見られて四葉は少し恥ずかしさがこみあげてくる。

 

「ほっほっほ。暇を持て余していたのですかな?」

 

「えと・・・そ、そう!そうなんです!」

 

「そうですか。暇つぶしとして、よければこのジジイの話し相手になってもらえませんか?」

 

「も、もちろん!構いませんとも!」

 

四葉は恥ずかしさをごまかすために院長の話し相手になってあげた。その様子に真鍋は四葉(五月として見ている)に呆れている。

 

「はぁ・・・。にしても上杉の奴、何の用だったのかしら?昨日あんなにドンドンと」

 

真鍋は何用で昨日風太郎がやってきたのかというのを考えながら朝食がくるのを待っていた。

 

♡♡♡♡♡♡

 

『二乃の恋愛相談』

 

一方その頃、一花、二乃、六海は大広間に向かわず、先に女湯で朝風呂に入っていた。

 

『一花、六海。一緒に朝風呂に入らない?』

 

この二乃の一言でこうなっているわけで、現在は六海は一花の背中を、二乃は六海の背中を流しあいをしている。

 

「一花ちゃん、背中かゆくない?大丈夫?」

 

「うん。大丈夫だよ。快適快適♪」

 

「それはよかった。でも・・・わざわざ二乃ちゃんが六海の背中を洗わなくても・・・」

 

「あら、アタシがこうしたいのだから気にしないでいいわよ」

 

背中の流しあいをしていると二乃は一花と六海の足にケガができていることに気づいた。

 

「あら?あんたたち、足どうしたのよ?」

 

「え?あー・・・ちょっとトラブルがあってさ・・・」

 

「大丈夫なの?平気?」

 

「うん。大丈夫。痛くはないかな」

 

本人たちは痛くないと言っているので二乃は気にしないことにした。

 

「この温泉も変わらないね」

 

「昔は6人で入ってたっけ」

 

「うんうん。懐かしいな~」

 

3人はこの温泉での昔の思い出を振り返り、懐かしがっていた。

 

「・・・それで・・・今日は何で私たちだけなんだろう?」

 

ここで一花は本題に入り、二乃は一花と六海を呼んだ理由を話す。

 

「一花と六海の話が聞きたくなったのよ。ほら・・・あんたって、告白とかたくさんされているじゃない?」

 

「!」

 

「六海だって・・・坂本って奴に告白されたわけだし」

 

「・・・っ」

 

「こんなこと、他の子には言えないわ」

 

二乃の会話からして、一花と六海は嫌な予感がひしひしと混み上がってくる。当の二乃はまるで恋する乙女のように、頬を赤く染め上げていた。

 

「アタシ・・・好きな人ができたの」

 

一花と六海の予感が見事に的中した。二乃に好きな人ができた・・・それは2人にとって1番聞きたくなかった言葉だった。

 

♡♡♡♡♡♡

 

『オチ』

 

「そ・・・それでですね、カーテンを買いに行った時の話なのですが何色にしようかと姉妹で話し合いましたのですが好みは6人6色全員が違うものを選び一時は険悪な雰囲気に・・・」

 

「・・・・・・」

 

(上杉君・・・私はいつまでここでお父さんと話せばよいのでしょう・・・?まだ朝ごはんも食べていませんのに・・・)

 

くぅー・・・

 

(そ・・・そろそろお腹がすきました~!)

 

31「スクランブルエッグ 二玉目」

 

つづく




おまけ 六つ子ちゃんは身長を6等分できない

四葉「私たちの身長は6人で合わせると、954cmです!」

三玖「これらを6等分すると・・・」

二乃「1人159cmってとこね」

一花「う~ん・・・もう止まっちゃったのかなぁ?」

四葉「とにかく、全員同じってことで・・・」

五月「待ってください。これを見てください、これ」

ゆらゆらと揺れ動く五月のアホ毛

五月「私が1番身長が高い、それでいいですよね?」

六海「い・・・いやぁ・・・でもそれ、アホ毛・・・」

五月「それでいいですよね?」

六海「あ、はい」

六つ子ちゃんは身長を6等分できない  終わり

次回、一花、六海視点
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