六等分の花嫁   作:先導

36 / 55
結構時間をかけて、ようやくできましたー。これで2章は完結ですー。よ、ようやく3章を書くことができる・・・。ここまで長かった・・・。

後今話、つまらなかったら本当に申し訳ございません。


本気でやりたいこと

「ほ~ん・・・なるほどなるほど・・・この新聞に載ってる子って君なんだ。道理でこの新聞を捨てるわけだ」

 

私が公園で学校新聞を捨てたのを見たって言うこの女はどういうわけか私を行き付けのラーメン屋まで連れてこられた。・・・何でこうなる?

 

「・・・新聞ではあることないこと書いてあるけどもこれマジ?君はその凶鳥なんっしょ?」

 

確かに凶鳥であることは認めるけど、誰がそんなくだらないことするかっての。そのネタだって子供じみたイタズラでしかない。

 

「デタラメに決まってるでしょ。新聞部が勝手に書いたものよ」

 

私の回答にこの女はにっこり笑ってる。

 

「ははっ、だよね。君がこーんなのするわけないもんね。だって君の目は・・・不良って呼ぶには優しすぎるからさぁ」

 

「は?」

 

こいつ何言ってるの?初対面で何でそんなことがわかるんだっての。というかそもそも・・・

 

「何言ってんの?というかあんた本当に誰よ?」

 

「おっと、自己紹介まだだっけ?めんごめんご」

 

謝罪になってないし、勝手に私を連れ出しといて、よく笑ってられるな・・・。

 

「アタシはMIHOっていうんだ。しがない漫画家でーす。本名は下田っていうんだけど、MIHOって呼んでね♪」

 

ずいぶん馴れ馴れしい奴だ。私はよろしく何てするつもりはないし、仲良くする気もない。付き合ってられない。さっさと帰ろ。

 

「あり?どこ行くわけ?」

 

「帰る」

 

「え~?帰っちゃうの?残念だなぁ・・・ラーメンおごろうかと思ってたのになぁ」

 

くうぅぅ~・・・

 

・・・小腹が空いてきた。・・・私は下田・・・いや、MIHO・・・だっけ?どっちでもいいか。この女の隣とは別の席に座り直す。

 

「あり?帰るんじゃなかったの?」

 

「・・・食べてから帰るんだよ」

 

「んふふ・・・そうこなくっちゃ♪」

 

このまま帰ってもいいけど・・・強引とはいえ、せっかくラーメン屋に来たのに何も食べないのはやっぱり作る人にたいして失礼だ。・・・決して奢りに魅かれたわけじゃない。私は食いしん坊の五月とは違うんだから。

 

「つーかそんなに離れないでよ~。一緒に食事しましょ~」

 

「鬱陶しい・・・あっち行けって、殺すぞ」

 

「やん♡いけずぅ♡」

 

女は私の隣に座るとしたから私は遠ざかる。

 

「・・・で?そんなこと聞くためにわざわざ私を呼び止めたの?そうだとしたら、マジで暇人じゃない?」

 

「暇人ねぇ・・・。キッツイことを仰るねぇ・・・」

 

私の発言にこの女は頭をかいてる。いい年した大人が公園でぶらぶらしてるってことはそういうことでしょうが。

 

「へいお待ちぃ!!」

 

「あーん、もう来ちゃったかぁ。残念」

 

ラーメンが来たからこの女は元の席に戻ってラーメンを啜る。私もさっさとラーメン食べて、さっさと帰ろう。

 

♡♡♡♡♡♡

 

ラーメンを食べ終えて、私は自分が今住んでるマンションまで帰ってきた。お勘定はあの女の宣言通り、奢ってはもらった。私にそんなことしててもいいのかねぇ。・・・ま、いいや。どうせもう会うことはないだろうし。

 

「ただいま」

 

「あ・・・おかえり」

 

「今日はいつもより早かったですね」

 

私たちの部屋に入ると、五月と三玖が迎えてきた。・・・そんなことしなくてもいいのに。

 

「今日は・・・ほっ・・・怪我してないですね」

 

「いつもやってるわけじゃないって、毎回言ってるんだけど?」

 

「ご、ごめん・・・」

 

苛立ちを隠しきれずにそう言った時、三玖が少しビクついた。別に三玖に向かって怒ってるわけじゃないけど、今日はいつもと比べて本当にムカつく。

 

「機嫌悪そうだけど・・・どうしたの?」

 

「別に。変な女に絡まれただけ」

 

「変なって・・・大丈夫なんですか?」

 

「まぁ、悪くない奴だけど・・・正直言って・・・すげぇムカつく」

 

今言った言葉は今日会った変な女にたいしていった。嘘は言ってない。まるで人を見透かしたみたいに・・・気に入らない。

 

♡♡♡♡♡♡

 

次の日、黒薔薇の授業を終えた私はすぐに帰宅の準備を進める。別に授業を受ける義理はこっちにはないんだけど・・・授業を受けないと先生がぐちぐちうるさいんだ。ちゃんと受けないと停学だのなんだのと言われて、仕方なく授業には受けざるを得ないんだ。周りからあんまり冷ややかな目で見られるのはいい気分じゃないけど。まぁ今日はもう終わり。やることもないしさっさと帰ろう。そう思って校門の出口まで向かう。

 

「おっ、やっと来たね♪待ちくたびれたよ~♪」

 

「げっ!」

 

校門まで向かうと、昨日のMIHOっていう女が私を待っていた。・・・何でこいつここにいんの?

 

「人を待たせるなんて、ノンノンだぞ♪さ、レッツゴー♪」

 

「はぁ!!?ちょ・・・待って・・・あんたどこ行くの・・・てか離せって!!」

 

私はこの女に首根っこを掴まれて、無理矢理ながらどっかに連れていかれる。

 

♡♡♡♡♡♡

 

「いい加減・・・離せってば!!」

 

この女に掴まれた首根っこを力ずくで振り払い、女と距離をとった。

 

「ああん、もう・・・恥ずかしがっちゃって・・・照れなくてもいいのにー」

 

「照れてないし、いきなり何すんのよ!こんなとこに無理矢理連れてきて」

 

「だって普通に言ったって逃げるでしょ?君」

 

「だからって無理矢理連れてくるか普通⁉️」

 

この女に常識っていうのがないのか⁉️私が言ったら終わりだけど!

 

「だいたい何で私があの学校にいるってわかったんだよ?」

 

「その制服よん」

 

「は?」

 

私が着込んでる制服?

 

「ところどころ気崩してるけど、それ、黒薔薇のっしょ?新聞にも黒薔薇って書いてたし。そこにいけば会えるかなって思ってさ」

 

ああ、そういうことね。とりあえず何で私が黒薔薇にいるのがわかってるのかはわかった。

 

「・・・で?いい大人がこんな不良になんかご用?」

 

「用ってわけでもないんだけどさぁ・・・」

 

この女はにこにこ笑いながら頭をかいて変なことを言ってきた。

 

「アタシと一緒にゲーセンとかで遊ぼうよ。夜まで暇なの、アタシ♪」

 

「は?」

 

こいつ何言ってんの?そんなことのために私を無理矢理連れ出したっての?

 

「どう?」

 

「・・・バーカ、誰が行くかっての。付き合ってられないっての」

 

あまりにバカバカしく、身勝手な言い分に私は憎まれ口を叩きながら自分たちの家まで帰っていった。

 

♡♡♡♡♡♡

 

それからというもの、私の人生は非常に疲れるものに変わっていった。というのも、どういうわけかあの女、毎日毎日毎日と、私のいる黒薔薇までやって来ては私にしつこく付きまとってきた。何度断っても、その次の日にもまた誘いにくるというその繰り返し。正直うんざりしてくる。唯一の救いなのは休日だけは付きまとうことはないということだ。あまりのしつこさに私は全然気が休まらなかった。そして、現在も・・・

 

「おーい、今日こそはアタシと遊びましょうよ~」

 

「はぁ・・・またか・・・」

 

ほら、やっぱり・・・。これで何回目になるんだよ・・・。うちに来た回数も数えきれないくらいなんだよな・・・。

 

「何度も言ってるけど、私はあんたとも誰ともつるまない。諦めてさっさと帰れよ」

 

「え~?またそれですか~?そ~んなに拒否っちゃって・・・君友達いないっしょ?」

 

「うるさい。早くどっか行け」

 

「冷たいなぁ。どうせやることもねぇんだから暇っしょ?なら今日くらい遊んだって罰は当たんないって」

 

「しつこいって言ってるんだっての」

 

罰当たりとかどうとかの話しじゃなくて、私の生活に干渉するなって言ってるんだ。

 

「あーあ、君の姿を見たら先生はなんて言うんだろうねぇ・・・」

 

「ふん・・・」

 

先生の言うことなんて知るかっての。私は私のやることをやる。それで十分でしょ。

 

「・・・興味ないわけ?アタシの先生に」

 

「興味ないっての。どの先生も全員同じだって。どいつもこいつも・・・頭の固いバカばっかりだ」

 

自分がどうとかを説く前に、まず周りの奴らを気にしろっての。そうしたら・・・姫路さんの事件は起きなかったのに・・・。

 

「そーんなこと言っちゃっていいのかなー?お母さん、悲しむよー?」

 

「あんたにお母さんのことは関係ないでしょ!」

 

「あるよ?」

 

「は?」

 

ますますわけわからない・・・。何でこいつなんかがお母さんと関係があるんだっての。

 

「その証拠として、当ててあげよっか?君のお母さんの名前」

 

「デタラメを言うのもいい加減にして!もうこれ以上・・・」

 

「零奈さんっしょ?君のお母さんの名前」

 

「!!!あんた・・・」

 

単なるデタラメかと思っていたら・・・本当に私たちのお母さんの名前を当ててきた。なんなのこの女?

 

「あんた・・・いったい何者なの・・・?」

 

「もー、前から言ってるじゃーん♪アタシはただのしがない漫画家。それ以上でもそれ以下でもありませーん♪」

 

そういうことを言ってるんじゃない。何でこいつがお母さんの名前を知ってるんだって話だ。

 

「お?その顔は知りたいって顔だね?わかりやすくて結構結構♪」

 

「・・・私に、何を求める気?」

 

一応念のためにこの女が私に何をさせたいのかを訪ねる。

 

「アタシは君と遊びたいだけ♪アタシに付き合ってくれたら、教えてあげるよん♪」

 

やっぱりそうくるか・・・。そりゃそうだよね。何故か私と遊びたいってだけでわざわざこんなところに来るような変人だからね。本当に付き合ってやる義理はないけども・・・このままこの女とお母さんの関係が曖昧になるのは、かなりムカつく。・・・仕方ない。付き合ってやるか

 

「・・・ほら、どこに行くのさ。さっさと案内しなよ」

 

「お?もしかして・・・アタシと遊んでくれるの?」

 

「そうじゃないとお母さんのことは話さないでしょ?・・・今回だけよ」

 

私がそう言うと女はにぱっと笑いながら抱きついてきた。

 

「キャー!ありがとー!ようやくアタシの思いが通じたんだね!」

 

「あああああ!!鬱陶しい!!離れなさいよ!!」

 

本当になんなのこの女。急に抱きついてきて・・・。どうしてそんなに私なんかに構うんだろうか。

 

「さあさあ、時間は有限!いつまでも待っててはくれないからね!さっさと行きましょー!」

 

「だーかーらー・・・首根っこを引っ張るなって!逃げたりしないってーの!」

 

こうして私は不本意ながらもこの女のお遊びというものに付き合うことになった。はぁ・・・こいつがお母さんのこと話さなければ、付き合わなかったのに・・・。

 

♡♡♡♡♡♡

 

あの女に連れてこられて場所はゲームセンターだった。私は特にやりたいものなんて何1つなかったから遊ぶゲームは女のお任せにした。そうしたらこの女・・・2人でできるゲームばかりをチョイスしてきた。お陰で私までゲームをやるはめになる。プレイする気なんて微塵もなかったのに。・・・けど・・・こうやって姉妹以外で遊ぶのは、久しぶりかもしれない。姫路さんの一件以来、遊びたいって気分はなかったから・・・こういうのも・・・悪くないかも・・・。

 

「ふふ、やっと笑った♪」

 

「!!わ・・・笑ってねぇし!!」

 

「まー、そういうことにしてあげよっかな♪」

 

危ない危ない・・・気が緩みそうになってた・・・。気を許すな・・・こいつがどういった奴かなんて、未だにわからないのだから。

 

「さ、次いこうか!次は何のゲームで遊ぼうかなー?」

 

「もう勘弁してよ・・・」

 

まだ続くの・・・?もういい加減終わってお母さんのこと話しなさいってば・・・。

 

♡♡♡♡♡♡

 

ゲーセンで思いっきり遊び終えた頃にはもうすっかる夕方になってしまっている。私と女はカフェで飲み物を飲んでリラックスする。

 

「はぁー、楽しかったー!ね、君もそう思うっしょ?」

 

「・・・ぶっちゃけ・・・疲れた・・・」

 

あんなにはしゃいだのはもうずいぶんと久しぶりな気がする。いや、私以上にはしゃいだのはこの女だけど・・・。でも悪い気はしないな。さてと、それよりも・・・

 

「さあ、約束は約束よ。いい加減、お母さんのことを話しなさいよ」

 

「んー・・・?」

 

私の言ったことにこの女は首を傾げてる。まさかとは思うけど、約束をばっくれる気?

 

「とぼけんな。そういう約束だったでしょうが。忘れたとは言わせないわよ」

 

「いや、覚えてはいるよ?そういう約束だしね」

 

「だったらさっさと・・・」

 

「教えるのは教えるよ?でも君はもう薄々は気づいてるんじゃないの?」

 

は?気づく?何を?わけがわからない。女はコーヒーを一口飲んで一息つく。

 

「もう察してるだろうけど、アタシは学生の頃、零奈先生にお世話になってたのよ。つまりは、先生の、元教え子だねー」

 

「・・・!!?お母さんの・・・教え子・・・?」

 

この女がお母さんの生徒・・・?こんなのが・・・?

 

「信じられねーって顔だね。いいよ、その証拠を見せたげる」

 

女はスマホを操作して、ある写真を私に見せてきた。

 

「ほーれ、くっきり写ってるっしょ?」

 

「・・・お母さん・・・」

 

写真に写ってたのは金髪の不良女とだいぶ雰囲気が違う目の前にいる女・・・そして、もう見ることは叶わないと思っていたお母さんの姿だった。

 

「マジで綺麗だったよ・・・あの人は。女であるアタシや姉さんでさえ、見惚れるくらいの超絶美人だった」

 

「・・・・・・」

 

女がうっとりするのもよくわかる。この写真にお母さんは、私たちが今までに見たことがないくらいに美しかった。もし別の子として生まれたなら、思いきって好きですって伝えたくなるくらいに。

 

「零奈先生には、何度げんこつをもらったかは覚えちゃいないけどさ・・・あの人からいろんな事学んできた日々は、アタシの宝物だよ。あの人さえいなかったら、今のアタシはなかったと思うね」

 

この女・・・よほどお母さんを尊敬してたんだなってしみじみに思えてくる。・・・もし、お母さんが生きてたら、今の私を見たら・・・なんて思うのかな・・・。

 

「・・・それだけに」

 

「・・・?」

 

「それだけにアタシは・・・非常に悲しくて仕方ないよ。零奈先生が亡くなったのと・・・先生の娘である君が、そんな意味ねーことやっててさ」

 

「・・・あっ?」

 

今この女は何て言った?意味がない・・・?それはどういう意味なんだ?

 

「ぶっちゃけて言うとさー・・・一目見たときから君が先生の娘だってのは気づいてたよ。何せむちゃくちゃそっくりだもん。思わず間違えちまうくらいにさ。・・・だからわかんねーんだよね。君が何を思ってそういうことすんのかを。本当に痛いんだよね・・・人を傷つけるのはさ。アタシも同じことやってたからわかるんだよね。でもそれが人助けのためにっていうなら尚更、ね」

 

「・・・っ!」

 

「君が噂の凶鳥と違うんなら、今までのやつは人助けのためだったんしょ?現に今も弱いものいじめはやってねーみたいだし。人助けのためだけなら、別の方法があるのにさ」

 

・・・人助け・・・か。ある意味当たってるけど、別にそんな大層なものじゃない。私はもう二度と姫路さんのような人を産み出さないためやってきただけだから。・・・けど、今となってはどうなのかは、自分でもよくわからない。

 

「・・・人助け・・・ね。最初はまぁ、ある意味人助けのためにって思ってたけど・・・今はもう、よくわかんない」

 

「というと?」

 

「うちの周りの連中は不良とは無縁の環境で育ったからよく疎まれるんだ。それだけならまだいい。慣れてる。けど最近じゃ疎まれる目で見られるたび・・・あの子が思い浮かべてくるんだ」

 

「あの子?」

 

あの子っていうのは言うまでもなく姫路さんだ。

 

「私はただ、あの子と似たような子の救いになってあげたかっただけ。それだけなのに・・・あの子を思い浮かべるたびに・・・私が、あいつらと同類のように見られるたびに・・・罪悪感がこみ上げられて・・・気が付けば、心の安寧のために動くようになってしまったんだ」

 

姫路さんを浮かべるたびに、ほんの少しの安らぎが欲しくて・・・ただ静かな空間が欲しくて・・・周りから、姉妹から逃げて・・・騒ぐ奴らを打ちのめしたりして・・・気が付けば、今の自分がある。・・・ははは、この女の言うとおり、私のやってることなんて、意味ねーのかも・・・。もう、頭ん中ぐちゃぐちゃでわけわかんねぇ・・・。

 

「・・・よくわかんねーけど、君はその・・・あの子?のことを思ってるんだね」

 

「・・・うん」

 

「なら難しく考える必要はないよ。自分のやりたいことを見つけるべきだよ」

 

やりたいこと・・・一花と似たようなことを・・・

 

「ゲーム、バイト、編み物・・・何でもいいよ。自分が本気で熱が入れられそうな・・・本気で取り組んでみたいものを見つけたら、きっと君の価値観は変わるよ」

 

・・・言ってる意味がよく理解できない。姫路さんとは全く関係ないようにも見えるし。

 

「それ今関係なくね?」

 

「今はまだその認識でいいよ。とにかくまずは、自分のやりたいことを見つけな。話はそれからだよ」

 

とことんまで話を逸らすのが好きらしい。重要な部分は何1つとして話やしない。本当にムカつく女だよ、こいつは。

 

「ま、今日は帰ってじっくりと考えてみな。あ、せっかくだからメアド交換しよーよ」

 

「あ!おい勝手に・・・!」

 

女は私のスマホを勝手に奪い取り、私のメアドと自分のメアドを交換していく。この女無茶苦茶だ・・・!

 

「やりたいこと、行き詰まったりしたら話聞いたげるよ。またどっか遊びに行こーね」

 

そう言って女は手を振りながら会計の方へ向かっていった。あいつ・・・人のスマホにこんなメアドを勝手に入れやがって・・・。でも・・・不思議とこのメアドを消す気分にはなれなかった。・・・本気に取り組みたいこと、か・・・。

 

♡♡♡♡♡♡

 

翌日の学校の昼休み、私は教室でただ1人でパンを食べている。いつもならこんなとこ、居心地が悪いから屋上で食べるんだけど・・・今日はここで食べたい気分なんだ。周りの連中の視線が針みたいに突き刺さる。・・・姫路さん・・・今頃、何してんだろう・・・。・・・自分の本気でやりたいこと・・・それが姫路さんとどう関係してんのだろう。

 

「あ、珍しいね。教室でご飯食べてるなんて」

 

「四葉・・・」

 

1人で考え事してたら、ちょうど四葉が教室に入ってきた。

 

「ちょっといい?聞きたいことがあるんだけど・・・」

 

「・・・聞きたいことって何?」

 

四葉が私に相談っていうのは珍しいから話くらいは聞いてみることにした。

 

「・・・六海はいつも1人でいることが多いよね」

 

「は?それがどうかしたの?」

 

「別に・・・ただ、羨ましいなって思っただけ」

 

四葉の真意がいまいちよくわからない。

 

「言ってる意味がわかんないんだけど」

 

「家族旅行の帰りの日に、お母さんが言ってたこと、覚えてる?」

 

「ああ、6人でいることが大事っていうあれでしょ?」

 

まぁ、と言っても一緒にいるだけで変な噂とか流れたら嫌だし、極力避けてるけど。

 

「私、あれの何が大事なのかがよくわかんないだ。私たちバラバラになりかけているこの状況でさ」

 

「・・・それで?」

 

「・・・6人で一緒にいることの意味って、あると思う?」

 

どうもそれが四葉の聞きたい事らしい。

 

「知らないってそんな事。ていうか、そんなつまんないこと考えるより、自分の心配でもしたら?見てみなよ、周りを。あんたの立場も危うくなるでしょ」

 

四葉が私と一緒にいることで周りはひそひそと陰口を叩いてる。・・・全部聞こえてるってーの。

 

「・・・うん。そうみたいだね。知らないなら別にいいや。じゃあね」

 

四葉は素っ気なくそういい放ち、教室から出ていった。・・・なんか最近四葉の機嫌がやたらと悪いな。最近じゃ部屋にこもって勉強ばっかやっててろくに話をしようともしない。

 

「・・・ちっ・・・」

 

変に不機嫌な四葉と、周りの陰口にせいでまともに休息もとれやしない。・・・外に出よ。少しは外の空気を吸おうと外に出ようとすると・・・。

 

「いい加減にしてよ!六海が何をしたっていうのよ!」

 

なんかの言い争いが聞こえてきた。またか・・・。大方二乃が新聞部に言いがかりをつけてるんだろう。

 

・・・やめてよ。私を庇おうとしないで。

 

「だいたい何なのこの記事!ほとんどデタラメじゃない!そんなに六海を陥れたいの⁉️」

 

やめろって・・・!

 

「六海はそんなんじゃない!!あの子は・・・あの子は・・・」

 

「うるっさい黙れぇ!!!!」

 

『!!』ビクッ

 

もう我慢の限界だった。私は今までの不満をここにいる全員にぶつける。

 

「あんたらさぁ・・・こんなデタラメを載せて恥ずかしくないわけ?私をネタにするのは別にいい。けど、こんな嘘を載せたやり方であんたらは満足か?」

 

「そ、それは・・・」

 

「あんたらもあんたらだ!噂とかなんとかを全部鵜呑みにしやがって・・・。陰口も全部聞こえてるんだよ!言いたい事があったら今!ここで!ハッキリ言ったらどうなのよ!えぇ⁉️」

 

『うぅ・・・』

 

「そして何より気に入らないには、二乃!その余計な気遣いなんだよ!そのせいで、私がどれだけ惨めになってるかわかってんの⁉️」

 

「わ・・・私はただ・・・六海のことを・・・」

 

「あーもう何もかもムカつく!ぶつけてやろうか?この溜め込んだ感情を!」

 

怒りが有頂天にまで上り詰めた私はハッキリと言った。

 

「もう嫌なんだよ!5人の姉も、私をバカにする連中も!みんな・・・私の前から消えろ!!!」

 

「・・・っ!!私は・・・そんな・・・」

 

二乃は私のぶつけた不満に顔をしてどこかへ行ってしまった。周りの連中も急にシンと静まり返ってしまう。私はイライラを隠せずにそのまま屋上へ向かった。

 

♡♡♡♡♡♡

 

全部の授業を終えて私は今日は屋上までやってきて、顔をうなだれる。・・・やってしまった・・・。二乃を傷つけるつもりはなかったのに・・・。不満を抑え込むことができなかった。わかってる・・・二乃は何も悪くない。悪いのは全部・・・私だ。ダメだな・・・私・・・。お詫びを言うどころか、逆に相手を傷つけてしまう・・・。こんな私は・・・姉妹と関わる資格なんて・・・

 

もにゅっ

 

「ん・・・」

 

「今日はいつにもましてナーバスだねー。お姉ちゃん、心配になってくるよー」

 

深く落ち込んでいると、急に一花が私の頭に自分の胸を当ててきた。いや、抱いてきた?どっちでもいいけど・・・。隣には三玖もいる。

 

「別に・・・心配される覚えは・・・」

 

「二乃、悲しそうだったけど・・・六海、何かあった?」

 

ああ・・・やっぱ二乃、私の言ったこと気にしてたか・・・。本当、何やってんだろ・・・姉を泣かせておいてさ・・・。

 

「知らないし」

 

こんな時にまで意地を張る自分が恨めしくなってくる。本当は何があったのか知ってるはずなのに・・・。なぜか意地を張って答える気にはなれなかった・・・。

 

「六海、何か悩みがあるなら言って。私たち、力になるから・・・」

 

「何でもないって。それより、いい加減私から離れてくれない?いい加減煩わしいって」

 

「六海・・・」

 

一花、三玖・・・本当に離れて・・・。私・・・また嫌なことを言ってしまうから・・・。

 

「どいつもこいつも、私を見下してさ・・・。みんな、私のことをバカにしてるんでしょ」

 

ほら・・・またこうやって嫌なことを言う・・・。私はあの時から何にも変わってない・・・。黒いもやもやみたいなのが私の中で渦巻いて・・・相手を傷つけてしまう・・・。そして・・・今もずっと・・・もやもやが・・・。心中で後悔していると、一花は急に私の顔を胸に埋めかせた。

 

「むぎゅっ⁉」

 

「ほーら、そんなに強がらないで・・・もっとリラックスして」

 

「もごご・・・!!」

 

「一花、六海が苦しそうだよ」

 

み、三玖・・・!見てないで助けなさいってば!!

 

「ぷは・・・」

 

「六海はどうにも1人で抱え込むことが多いよね。そりゃ不満をぶつけたくなっちゃう気持ちもわかるけどさ・・・そういう時こそ、我慢はしちゃダメだよ」

 

「一花・・・」

 

「六海はいくつになっても、1番下のかわいい妹なんだしさ・・・もっとお姉ちゃんに、頼ってくれないかな。妹の悩みは、お姉ちゃんの悩みとも言うしさ」

 

・・・あのわがまま娘の一花が・・・姉らしいことを言ってくるなんて・・・夢にまで思わなかった・・・。一花の言葉に、私の中のもやもやが、薄れていっている気がする。

 

「・・・一花・・・三玖・・・私・・・私、は・・・」

 

パリイイィィィン!!

 

『きゃああああああ!!』

 

「「「!!?」」」

 

私が言葉を紡がせようとした時、ガラスが割れた音と、黒薔薇生徒の悲鳴が聞こえてきた。

 

「な、何・・・?」

 

気になって私は下の方を覗いてみた。そこにいたのは・・・

 

「おらあ!!凶鳥!!出てこいやゴラァ!!」

 

「ここにいることくらいわかってんだよ!!」

 

「騒いでんじゃねぇ!!ぶっ殺すぞ!!」

 

「なんだ君たちは⁉やめなさい!!」

 

「うるせぇ!!!」

 

ドゴッ!!

 

「ごはぁ!!」

 

数多くの不良たちがこの黒薔薇の校門の前まで好き放題暴れてる。な、なにこれ・・・いったい、どういうこと・・・?

 

「嘘⁉これって・・・カチコミ⁉」

 

「やだ・・・怖い・・・怖いよぅ・・・」

 

「!あいつら・・・」

 

よく目をこしらえて見てみると、あいつらは前に私が痛めつけてきた奴らばっかりだった。あいつら、全員目が血走って、私を・・・凶鳥を探してる・・・!・・・じゃあ・・・この事態を招いたのは・・・私の・・・せい・・・?

 

「ち・・・違う・・・」

 

「六海⁉どうしたの⁉」

 

「違う・・・私・・・私は・・・こんなつもりじゃ・・・」

 

私はただ・・・痛い目に合わせてやれば、更正できるって思ってたのに・・・こんなことになるなんて・・・。私は・・・なんて取り返しのつかないことを・・・!

 

「六海!!しっかりして!!」

 

「・・・はっ!い、一花・・・」

 

「大丈夫。ここにいれば、大丈夫だから・・・!」

 

一花は罪悪感で押しつぶされそうになる私と、怖がってる三玖を抱きかかえる。あいつらは・・・まだ暴れながら私を探してる。・・・今この場にはまだ帰ってない生徒もわんさかいる・・・。この事態を招いたのが私なら・・・全部の責任は、私にある・・・だったら!

 

「!六海、ダメ!行かないで!」

 

私のやろうとした事を察したのか一花は私の手を握ってそれを止める。

 

「一花・・・」

 

なんだろう・・・さっきまであんなに姉妹のことを避けてたのに・・・今は、少なくとも、ちゃんと向き合えてるような気がする。

 

「私の事をしっかりみててくれて・・・ありがとう。でも・・・自分のやったことは自分で、どうにかしないと。私が行かなくちゃいけないの。だから・・・こんな妹で、ごめん」

 

「六海・・・」

 

私は一花の手を優しく離して、まだ怖がってる三玖に視線を向ける。

 

「三玖、怖い思いをさせて・・・ごめん。大丈夫・・・これが終われば全部元通りになるから・・・。これ以上、怖がらせたりしないから・・・。だから・・・戻ってきたら笑顔を見せて」

 

「・・・うん・・・うん・・・」

 

一花と三玖に言いたいことをいい終えたら、私はすぐにあいつらのところへ向かうために階段を降りていく。

 

私は・・・どうしようもないほどのバカで、人に迷惑をかけてばかりだ。だけど今だけは・・・今だけはどうか・・・皆を・・・守らせてほしい!

 

「六海⁉️」

 

私が下へ向かっていくと、四葉と出くわした。そうだ・・・四葉にも、言いたいことを言っておかないと・・・。

 

「四葉・・・お母さんが言っていたことの意味は、正直、私にもわからないし、意味なんてないのかもしれない」

 

「こんな時に何言ってるの⁉️早く・・・」

 

「でも・・・それでいいのかもしれない。私、こんな状況の中で、やっと気付いたんだ」

 

「気付いたって何が・・・」

 

「私は・・・どんなに姉妹から逃げようとも、突き放そうとも・・・姉妹が、大好きなんだって。だから・・・そんな姉妹のために、私は行くね」

 

「!む、六海ー!」

 

私は四葉の言いたいことを言ってから、再び走り始める。そうだ・・・これは責任のためだけじゃない・・・姉妹のために・・・今度こそ姉妹を守るために・・・!

 

「む、六海・・・」

 

「!二乃・・・」

 

今度は二乃と出くわした。二乃とも謝りたいけど・・・今は時間が惜しい。せめて今は最低限のことだけでも・・・。

 

「昼休みの時は・・・ごめん。ちょっと、カッてなるすぎた・・・。最低だよね、私・・・」

 

「う・・・ううん・・・そんなこと・・・気にしないから・・・早くどこかに・・・」

 

「悪いけど、それはできないよ。これは私がやらかしたことなんだ。私が止めないと・・・意味がないんだ」

 

「そんなことどうだっていい!私は・・・六海が・・・姉妹に何かあったら・・・私・・・」

 

「二乃・・・全部終わったら、渡したいものがあるんだ。だから・・・ここで待ってて。すぐに・・・終わらせて、すぐ戻るから!」

 

「待って!行かないで!六海!」

 

私は今の言いたいことをいい終えたら、すぐに走り出す。お願い、わかって、二乃。みんなが無事でいるためには、私がいかなくちゃいけないんだ。あいつらはまだ1階にいる・・・もうすぐで到着できる・・・。

 

「いたぞー!凶鳥だー!!」

 

!もう見つかったか・・・でもちょうどいい・・・早いとこ首謀者のとこに・・・

 

「こっちだこっち!」

 

「やられた借りを倍にして返してやる!!」

 

・・・あ?あいつら・・・どっちに行ってるんだ?私がいる場所とは全く真逆じゃないか。

 

「お前凶鳥だろ?こっちに来やがれ!!」

 

「なっ・・・なんですか⁉放してください!!」

 

「うるせぇ!!いいからこっちに来やがれ!!」

 

「ちょ・・・えっ・・・えっ・・・?」

 

あいつらが連れてきた相手は・・・は⁉五月⁉まさか・・・あいつら、私と五月を間違えたのか⁉なんてことなの・・・こんな時に同じ顔が裏目に出るなんて・・・!五月はあいつらの首謀者の元まで連れてかれた。あいつが・・・こんなことを・・・。

 

「よぉ・・・また会えたなぁ、凶鳥。俺はお前に打ちのめされてから、今日という復讐の日のために地道ながらに仲間を集めてきたぜぇ。お前を・・・ボッコボコにするためになぁ!」

 

私がやった暴力がこんな悲劇が起こるなんて・・・!い、いけないいけない!早く止めないと!

 

「・・・私は凶鳥ではありません」

 

『は?』

 

「私はあなたたちなんて知りません。凶鳥もこの学校にはいません。全て、あなたたちの妄想です!」

 

あのバカ・・・!!あいつらを刺激するような真似を・・・!

 

「どうぞ、お帰り下さい」

 

「てめぇ!ふざけてんのか!!」

 

「まぁ待てよ。面白いことを言ってくれるじゃねぇか・・・なぁ、おい」

 

まずい・・完全に刺激しちゃったから・・・今にも殴り掛かりそうだ・・・。そんなことさせない!

 

「ちょっとそれ貸して!」

 

「あ!ちょっと・・・」

 

私は近くにいた生徒の持ってたボールを取り上げる。

 

「だったら・・・思い出させてやるよ・・・これでなぁ!!」

 

「・・・っ!!」

 

「ダメーーー!!!」

 

ドカッ!

 

「うおっ⁉」

 

私は五月からあいつらの視線をこっちに向けさせるためボールをあいつらに当ててやった。

 

「そいつは凶鳥じゃない!!私が本物だ!!」

 

「む・・・六海・・・ダメ、です・・・」

 

「凶鳥が・・・2人⁉」

 

「どういうことだこれ⁉」

 

「今そっちに行ってやるよ!!」

 

私はすぐにあいつらが集まってる広場に来て、首謀者の前に立つ。

 

「お前・・・マジで凶鳥なんか・・・」

 

私は首謀者に向かって首を縦に頷いた後、頭を深く下げて、こんなことをやめるように促す。

 

「お願い!!この学校の生徒や先生には手を出さないで!!私はどうなっても構わないから!!」

 

私の懇願に首謀者はわけわかんないといった顔になっている。

 

「はぁ?何言ってんだ?自分の立場をわかってんのか?いいか?ここにいる連中はお前のせいで気が立ってる。それに加えて、今のお前のボールでさらにイラついてんだよ。そんな中で・・・お前の言うのことを聞くと思うか?」

 

わかってた。ただでは絶対に言うことを聞かないことを。だから私は、今あいつらが求めていそうなことを、今ここで行う。

 

「六海⁉」

 

「お願い・・・します・・・。私ならどうなっても構いませんから・・・。どうか・・・ここにいるみんなだけは・・・」

 

私は、皆を守ろうと必死になっているのだろう。自分の中の小さなプライドをかなぐり捨てて、必死にここを守ろうと、あいつらに土下座をしている。

 

「おいおい・・・マジかよ・・・」

 

「傑作だ!あの凶鳥が俺らに土下座かよ!だっせー!」

 

あいつらは私の行為が面白いのかゲラゲラと笑ってる。これでみんなを・・・姉妹を守れるなら、小さなプライドなんて捨ててやる!

 

「こいつぁ・・・面白いもんが見れたなぁ・・・。それに免じて・・・」

 

「いや・・・やめてください!!」

 

「望み通り、お前を・・・いたぶってやるよぉ!!」

 

恐らくだけど、首謀者が何かを振るおうとしてるんだろう。五月の制止も耳を傾けない。これでいいんだ・・・これで・・・。

 

「五月・・・いっつもごちゃごちゃと言ってて・・・すっごいムカつく。本当にうるさかった・・・けれども・・・思いやりのある五月が・・・大好きだよ!!」

 

私は土下座をしてる最中で五月に対する思いをぶつける。これから来るであろう痛みを覚悟しながら・・・

 

げんこつっ!!

 

・・・・・・?痛みが・・・来ない?恐る恐る、前の方を向いてみると・・・

 

カランっ・・・

 

「お・・・おごご・・・」

 

首謀者はバットを落としてしまっている。それだけじゃない。痛みで頭を抑えてる・・・。そして・・・目の前にいるのは・・・

 

「まったくー・・・君は無茶をするね」

 

何度も何度も私を連れまわす・・・MIHOがそこにいた。あの人は今、げんこつの構えをしてる。

 

「な、なんで・・・ここに・・・」

 

「もうー、もっと自分を大事にしなよ。かわいい顔に傷がついたら大変っしょ?」

 

私の問いに全く答えになってない返答が返ってきた。

 

『なんだてめぇ!!邪魔すんじゃねぇ!!』

 

周り連中が一斉にMIHOに向かっていった。

 

「あ、危ない!!」

 

私が声を上げたら、MIHOはくすりと笑って・・・

 

げんこつっ!!

 

『う・・・ご・・・お・・・』

 

向かってきた全員にげんこつ一発で沈めた。すげぇ・・・。

 

「君たちの怒る気持ちはアタシ、すごーくわかるよ。けどさ・・・ここはアタシに免じて、許してくんない?」

 

『あ・・・あぁ・・・?いちち・・・』

 

「この子はさぁ、自分が認めてもらえるような何かを探すのに必死なんだよ。例えどんなことをしてでもさ。それは、君たちも同じじゃないの?」

 

「何言ってや・・・」

 

「でもさ、アタシはこの子や・・・君たちにそんな事をしてほしくないな。もちろん、傷つく姿を見るのもね」

 

MIHOは今までに見たことがないほどの慈愛の声で、不良たちに呼び掛けてきた。その姿はまるで・・・

 

「だってそうでしょう?人っていうのは、何者にも勝る宝物であり・・・その中でも君たち若者は・・・価値が高い美しい原石なのだから」

 

大袈裟に言えば神様にも等しく、私からすれば、お母さんと錯覚してしまいそうな美しさだった。

 

『・・・・・・』

 

不良たちはMIHOを見て顔を赤く染めあげ、お互いを見回している。

 

「・・・あ・・・あーあ、シラケちまった。なんつーか、やる気でなくなったわ・・・。行こうぜ、お前ら」

 

『お、おう・・・』

 

う、嘘・・・あんなに殺気だってたあいつらが・・・MIHOの説得に応じた?いや、美しさに魅了・・・されたのか?

 

「おい凶鳥」

 

「!」

 

「お前・・・運が良かったな」

 

首謀者はそれだけ言うと、仲間を連れて学校を去っていった。

 

「いやー・・・先生の真似事をしてみたんだけど・・・意外となんとかなったね」

 

MIHOはもうすっかり元通りになって、私に視線を向けた。

 

「大丈夫だった?」

 

「何で・・・」

 

「やー、今日も君に会いに行こうと思ったらさっきのあいつらがなんかヤバい感じでさー・・・なにやらただ事じゃない予感がして来てみたら案の定だったってわけ。無事で何よりだよー」

 

違う・・・私が聞きたいのはそんな事じゃない。何で・・・

 

「何で・・・私を助けたの?」

 

「・・・アタシはさ、あの先生には何度もお世話になったし、借りもいくつもあった。そんな先生の娘である君になんかあったら、アタシは先生に顔向けができないよ」

 

MIHOは私に視線を向けながら、にっこりと微笑んだ。

 

「それに・・・友達を助けんのに、理由なんかいらない・・・でしょ?」

 

!!友達・・・この人は・・・私のことを・・・そんな風に思っていたんだ・・・。何度拒絶して、何度も突き放したのに・・・。

 

「・・・もし・・・その後で・・・私があんたを裏切ったら・・・どうする・・・」

 

私は、自分の経験してきた事が未だに忘れられない。だから聞いたんだと思う。そしたらMIHOはさも平然とした様子で・・・

 

「いいんじゃない?それも愛敬ってことで!」

 

「愛敬って・・・」

 

「それに・・・例えそうなっても、大好きであったって事には変わらねーし、その思いが残ってるなら、またいつも通りに戻るよ」

 

「!」

 

「まあつっても、これも先生の真似事で何の根拠もないんだけどさ」

 

そうだ・・・私は・・・今でも、姫路さんが大好きだ。その思いは今でも変わってない。それなのに私は・・・簡単に仲直りしたいって思いも捨てて・・・。今の自分が恥ずかしくて・・・情けなくて・・・私はあの時以上の後悔でいっぱいになった。

 

「・・・ごめん・・・」

 

「んー・・・謝る相手がちょっち違うんじゃない?」

 

MIHOが指をさした方向を視線を向けるとそこには、いつの間にか集まっていた姉妹たちがいた。

 

「さーって、みなさーん、MIHO先生のサインが欲しい人はアタシのとこまで集合~♪」

 

『きゃああああ♡』

 

MIHOは私から離れて別の場所に行っちゃった。周りの生徒はMIHOのサインをもらいに向かっていった。あんな危険な目にあっておきながら・・・現金な奴ら。・・・私は・・・自分のやるべきことをやらないと。私は姉妹の方まで向かっていく。

 

「「「「「六海・・・」」」」」

 

「みんな・・・ごめん!!」

 

私は今までの迷惑をかけたことにたいして・・・そして今回のことの謝罪のために、頭を深く下げる。

 

「みんな私に気を使ってたのに・・・それを無下にして・・・そのうえ、こんな事態まで招いて・・・みんなに迷惑をかけてしまった・・・。本当に・・・ごめん・・・」

 

こんなことしたって許されるわけじゃないのはわかってる。だけどそれでも・・・迷惑をかけたことへの謝罪はしないと・・・。

 

「・・・六海、顔を上げてください」

 

五月の声に私はみんなに視線を向ける。

 

「大丈夫だよ、私たち、怒ってはいないよ」

 

「お姉ちゃんは六海が無事だっただけで安心したよー」

 

「うん。六海が、私たちを守ろうとしてくれただけでも嬉しかったよ」

 

「というより・・・私、ちゃんと六海気持ち、わかってあげれなかった。こっちこそ・・・ごめん・・・」

 

み、みんな・・・怒ってない・・・?なんで・・・?

 

「なんでって顔ですね。当たり前じゃないですか。だって私たち、家族でしょう?六海も大切に決まってるじゃないですか」

 

「み・・・みんな・・・」

 

迷惑をかけたにも関わらず、私のことを家族と考えてくれてる姉妹たちに私は・・・涙腺が壊れかけて、涙が溢れそうになる。

 

「そ、そうだ・・・二乃、渡したいものがあるって言ったよね。それに、皆にも・・・お詫びの印として・・・」

 

私は持ってきていたカバンから5人分のお詫びの品を渡す。昨日、ゲーセンで取ってきた奴だ。

 

「みんな欲しがってたぬいぐるみ・・・どうしても渡したくて・・・頑張って取ってきたんだ」

 

私が渡してきたぬいぐるみを見て、みんなは唖然としている。

 

「・・・ははは、まさかプレゼントをもらうなんて・・・驚いたな」

 

「うん。ありがとう」

 

今までまともに姉妹の顔色を窺ったことなんてなかったけど・・・喜んでもらえたなら・・・何より、かな。

 

(・・・渡すもの、被っちゃいましたね)

 

(また別の日にでも、渡しちゃおっか)

 

こうして、私にとっては、後悔でしかないこの事件は幕を閉じ、元の日常に戻っていった。

 

♡♡♡♡♡♡

 

あの事件の後、私はすぐに先生に呼ばれた。この度の事件が起こったのは、私が起こしたのだから、言い逃れはするつもりはない。反省もしている。ただ、姉妹たちが弁明をしてくれたときは、申し訳なくも思いつつも、嬉しかった。それもあってか、私はいつも通り学校生活を送ってもいいことになった。まぁ、次に問題を起こしたら退学っていう厳しい条件付きもあったけど。

 

その後の環境は変わっていった。学校の方では先生方はいつも以上に警戒をしていて、鋭い目つきで見られることが多くなった。けど、生徒の方はというと、私の行動を見ていたからか、1、2人程度だが、気兼ねなく話しかけてくるようになった。ほんの少しずつだけど・・・周りの生徒の心境は間違いなく変わっていっている。そう感じるようになってきた。

 

そして何より変わったのが・・・私自身だ。あれから私は学校では姉妹と一緒に過ごすことが多くなって、それから・・・不良たちのケンカはもう一切やめた。もう二度と、あんなことが起きないために。だけども・・・姫路さんのことは忘れられなくて、未だに自分がやりたいことについてずっと考え続けている。

 

「・・・本気でやりたいこと、か」

 

そんな6月の熱いある日のこと、私はアイスを食べながら自分が本気でやりたいことについてずっと考えていた。スポーツをやっても、勉強に勤しんでも、ボランティア活動をやっても、何1つとしてやりたいことが見つからなかった。いったい私は、何を目指したいんだろう。そう考え続けているとふと、本屋を発見する。そこの店のすぐにあった漫画雑誌が視界に映りこんだ。

 

「そういえば今日発売だっけ。読んでおくか」

 

私がよく読む漫画雑誌には魔法少女マジカルナナカが載ってある。だからこの漫画雑誌は毎回チェックしている。そういえば・・・マジカルナナカってMIHOさんが描いたんだっけ?私は気になってすぐマジカルナナカが載ってるページを開く。えっと原作者は・・・MIHO・・・。

 

「・・・本当にあの人が描いてたんだ・・・」

 

なんていうか、あんなナリでこんなにかわいい作品を描けるなんて。人を見かけで判断するなとはよくいったものだ。まぁそれはいいとして・・・今回の話はナナカとウェンディの最終決戦か。この話は結構気になってたから楽しみだ。そうして私はマジカルナナカを読み進んでいった。

 

勝負の行方は一方的だった。ウェンディはナナカに向かって氷の魔法を何発も打ったにも関わらず、ナナカは魔法を1回も使わなかった。あまりに一方的すぎて、もう見てられなかった。それでも私は読み続けていった。

 

『なんで・・・なんで攻撃してこないの?』

 

『だって・・・友達、だから・・・』

 

・・・ナナカは、たった数日で仲良くなったウェンディをずっと友達でい続けたんだな。そんな友達が敵として現れても、傷ついたとしても、手を差し伸べるナナカの優しさ・・・すごいなぁ。ウェンディは戸惑いはしたけど、それでも攻撃し続けたけど、やっぱりナナカと過ごしてきた時間は大切だということがわかって、和解した、かぁ。今までになかった展開だ・・・。私、なんか感動したな。それに・・・何だろうな・・・。こう・・・ナナカを詠み続けてきたら、なんかこう・・・体の奥深くから、めらめらとこみあがってくるものがある。

 

「・・・こんな話、描いてみたいな・・・」

 

ふと私はそんなことを口にした。今までこんなこと口にしたことなかったのに・・・どうしてだろう・・・。そんな時に、MIHOさんのことが頭によぎる。

 

『本気で取り組んでみたいものを見つけたら、きっと君の価値観は変わるよ』

 

・・・はは、なんだ。私の取り組みたいこと、すぐ近くにあったじゃん。もちろん、きっかけは今回の話ではあるけど。でも、今の私じゃどうにもできない。だったら・・・やることは1つだ。

 

♡♡♡♡♡♡

 

「絵を教えてほしい?」

 

あの後、私はすぐにMIHOさんを呼び出して、絵を教えてもらおうと思って、深く頭を下げる。

 

「いきなりで急だなぁ・・・。なんかきっかけでも?」

 

きっかけか・・・。そんなのは、私の中でもうとっくに出ている。

 

「私は・・・マジカルナナカが好きなんだ」

 

「へ?」

 

「それを描いてるのがあなただとわかって・・・あなたでもこんなにすごい作品を作り出せるんだって・・・今話のような心に響く作品をこの目で見れて・・・それで、感じてしまったんだ」

 

「?」

 

「私は・・・これを超えるような漫画をこの手で描いてみたい。私が描いた漫画を、皆に読んでもらいたい。それで世間に残して・・・あの子に、今の私を見てもらいたいんだ」

 

これが私の中で芽生えた思い・・・そして、私が姫路さんにたいしてできる、唯一の謝罪方法だ。MIHOさんは私の思いを聞いて、にかっと笑った。

 

「・・・アタシの教えは厳しいよ?ついてこられる?」

 

「!う、うん!」

 

MIHOさんの了承をもらって、私は笑顔になる。よかった、これでダメだったらどうしようかと思ったよ。

 

「まずは君の実力を見せてもらおうか」

 

「うん!」

 

私はMIHOさんに渡された紙を使ってとりあえず猫を描いてみることにした。うまく描けるかな・・・。

 

絵を描き始めて数分、完成はしたんだけど・・・

 

「・・・ド下手くそにもほどがあるっしょ。なんつーか、生き物じゃねぇって感じでさ・・・」

 

ぼろくそに言われてしまった。これでも頑張って描いたのに・・・少しは褒めたっていいでしょ⁉

 

「んー・・・このままじゃ話になんねーし・・・こりゃ基礎から叩き込む必要があるねぇ」

 

MIHOさんは私の絵をまじまじと見つめた後、ぎらりとこっちを見つめてきた。え・・・なんか怖いんだけど・・・。

 

「つーわけで・・・覚悟しなよぉ?」

 

「ひぎゃああああああ⁉️」

 

私はMIHOさんから絵の基礎を端から端までたっぷりと叩き込まれた。・・・別の人にお願いすればよかった。

 

♡♡♡♡♡♡

 

MIHOさんに絵を毎日教えてもらうようになってから、私は毎日のように絵を描くようになった。それは学校であろうと家であろうと、どこへでも。毎日描いていくうちに、絵を描くことの楽しさに目覚めていった。そうしたら、日常に変化が起きた。

 

今まで私を避けていた子が私を見て、一緒に絵を描かないかと言ってきた。正直戸惑いはしたけど・・・断る理由もなかったし、了承した。今までになかった出来事ではあったけど・・・正直嬉しかった。なんだか、私を認めてくれたような気がしたから。それから毎日というほど、私の周りには、絵に関する仕事につきたいという志を持った同志たちと一緒にいることが多くなった。これは・・・私が長らく、望んでいたものなのかもしれない。願わくば、姫路さんとも一緒にこうしたかったと言う思いはあったけど。

 

そんな楽しい日々を過ごしていたある日、今日もMIHOさんに絵を教えてもらうのだが、今日はいつもと雰囲気が違った。いったいどうしたんだろう?

 

「あの・・・どうしたの?今日も絵を教えてくれるんでしょ?」

 

「・・・実は君に大切な話があるんだ」

 

大切な話?またこの人は突然に・・・。慣れたからいいけどさ。

 

「話って?」

 

「実はアタシ・・・東京に行くことになったんだ」

 

「・・・え?」

 

MIHOさんが・・・東京に・・・?

 

「今まで魔法少女マジカルナナカはアタシ1人で描いてきた。人気作品をアタシ1人でさ。でも、さすがに1人で描くのも、地元で描き続けるのも、さすがに限界でさ。それを気を利かせた担当編集者がね、東京での活動拠点と人手を多く用意してくれてるみたいなんだよね」

 

「そう、なんですか・・・」

 

「アタシは・・・マジカルナナカをまだまだ描き続けたい。原作者として、誇りを持ちたいのさ。だからアタシは東京に行く。そして・・・君に絵を教えられるのは、今日が最後ってわけ」

 

MIHOさんが東京に行く理由はわかった。それが大人の世界なら・・・きちんと応じるべきだ。だけど・・・納得できていない自分がいた。

 

「そーんな顔しないでよー。何も二度と会えなくなるわけじゃないでしょ?そりゃ、もう絵は教えられないけどさ・・・君にはもう、頼れる人たちを、たくさんできたじゃん」

 

「それは・・・そうなんですが・・・」

 

「・・・こっから先は、先生としてじゃなく、友人としての話ね」

 

友人としての・・・話・・・?

 

「君の絵はまだ下手くそだけど、確実に成長していってる。それこそ、アタシを超えるかもってくらいにさ。でもアタシにだって、プロとして、負けたくないって気持ちはあるよ。そこに、年もキャリアも関係ないのさ。負けてられねぇのさ、アタシだって。頑張って成長している君には、さ」

 

「・・・MIHO・・・先生・・・」

 

「負けたくないのさ・・・友人として・・・ライバルとして、ね」

 

MIHO先生の思いを聞いて、私は・・・これ以上何も言えなかった。強い覚悟を持った瞳で・・・そしてなにより、下手くそのままな私を、そんな風に思ってくれている先生に、今更咎めることはできない。

 

「よし!その分今日はとことんまで絵を教えるよ!準備はいいかい?」

 

「・・・はい!!」

 

私は・・・先生の意思をくみ取ることを決めた。そのために・・・私自身が・・・できることは・・・

 

♡♡♡♡♡♡

 

『未来の漫画家』

 

「向こうでも体調には気を付けるんだぞ」

 

「姉さんこそ、病気とかにはならないでよね。じゃあ、行ってくるね」

 

「おう、しっかりな」

 

MIHOが東京へ出発する日・・・MIHOは姉の下田に見送られながら、東京行きの電車に乗り込んだ。電車は東京へ向けて出発し、MIHOは指定座席に座り、外の景色を眺める。そこでふと、六海のことが頭によぎった。

 

「・・・そういや、最後まで名前、聞けなかったな」

 

若干ながら名前を聞けなかったことを悔いていると、MIHOの視線に目を疑う光景が目に浮かんだ。それは、車が電車を追いかけるように追いかけるように走って、車の窓から六海が大声でMIHOに語り掛けてる。

 

「MIHOさーーん!!聞こえますかーーー!!」

 

「あの子・・・」

 

「私、中野六海は・・・必ず絵を上達させてみせる!!絶対にうまくなって・・・いつか・・・私は、漫画家になって見せる!!そして必ず・・・必ず、あんたを超えた作品を作り上げてやる!!それまで・・・誇り高い漫画家であり続けて!!絶対・・・追い越してやるんだからーーー!!!」

 

六海の挑戦的な発言にMIHOは目を見開き、そして、笑みを浮かべて座席に座り直す。

 

「・・・期待しているよ・・・未来の漫画家、中野六海ちゃん」

 

MIHOは六海の今後に期待をしながら、東京へと向かっていった。これで終わりというわけではない。いや、新たな始まりともいうべきであろう。凶鳥・・・不幸の鳥は死んだ。これからは・・・未来へと羽ばたいていく、希望を抱いた神話鳥の始まりでもあった。

 

♡♡♡♡♡♡

 

そして時がたって現在・・・

 

これが六海が辿ってきた凶鳥としての2年間だよ。それからっていうと、六海は自分を変えようと思って自慢だった長い髪を短く切って、カチューシャを外して、メガネをかけるようになったよ。その先も結構いろいろな事があったけど・・・それでも、今の六海がいるのは、MIHO先生のおかげなんだと思うの。

 

凶鳥時代は今でも後悔しかない2年だった。でも・・・何も嫌なことばかりでもなかった。MIHOさんに会えたこと・・・そして、六海はお姉ちゃんたちが大好きであることを、思い出させてくれた。全部忘れちゃ、いけないことだってたくさんあるってことを、この写真で思い出させてくれた。

 

・・・この写真は残しておこう。いつかちゃんと・・・凶鳥としての自分を克服するために・・・。過去の過ちを、戒めを忘れられないために。自分が・・・前に進むためにも。きっと・・・彼女が同じ立場だったらそうすると思う。きっとそうだよね・・・姫路さん。

 

「・・・うん!今日もバッチリ!」

 

六海は洗面所で自分の顔を洗って、学校へ行く準備を整えたよ。

 

「六海ー、早くしないと置いていくわよー」

 

「あ、はーい!」

 

六海はメガネをかけて鞄を持ってお姉ちゃんたちのもとへと向かっていった。

 

♡♡♡♡♡♡

 

『クラス発表』

 

今日から六つ子と風太郎は3年生となった。それにともない、学校ではクラス発表が行われている。風太郎のクラスは3年1組となった。そして・・・六つ子はというと・・・

 

中野一花

中野五月

中野二乃

中野三玖

中野六海

中野四葉

 

3年1組

 

姉妹全員が風太郎と同じクラスになっていた。

 

(マジかよ・・・こんなことあるか?六つ子だぞ?ありえねぇだろ・・・)

 

心の中ではそんな事を思いつつも、内心ではどこか、嬉しく感じている風太郎。

 

「たく・・・同じなのは顔だけにしてくれって」

 

36「本気でやりたいこと」

 

つづく




予告

六等分の花嫁 第3章開幕!

六つ子たちと風太郎も、いよいよ3年生。

風太郎にライバル登場?そして家庭教師解雇の危機再び?

真鍋のバイト先で六つ子が巻き込まれる?

「「「「「おかえりなさいませ、ご主人様」」」」」

「帰っていいか?」

「なんでよ!!」

六つ子たちが風太郎とデート?

「今日1日、お姉さんと付き合おっか」

「フー君、アタシとデートしなさい!!」

「フータロー、どこか出かけようよ」

「よければ、ご一緒しませんか?」

「せっかくなので、また行きませんか?」

「風太郎君、ちょっと外に出てきてよー」

ついに掴む・・・六海の夢が

「六海が臨み続けたものなんだ・・・。このチャンス、絶対に逃さないよ!」

そして修学旅行で巻き起こる・・・第1次シスターズウォーが・・・

「私と四葉、そしてフータロー君で一班・・・いいよね?」

「フータローは誰と班を組むの?」

「当然六海と組むよね?」

「アタシとフー君が2人っきりの班を組むの」

「清水寺いきましょうよ」

「後悔のない修学旅行にしましょうね!」

変わりゆく風太郎の気持ち

「あいつらもいたら・・・もっと楽しいんだろうな・・・」

六等分の花嫁 第3章 制作開始

六つ子が一緒にいられるのもあと少し・・・

卒業は・・・もうすぐそこまで迫ってきている。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。