六等分の花嫁   作:先導

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いよいよ第3章に突入!ぶっちゃけこれずっと書きたかった!


第3章
アドバンテージ


『マルオと江端の会話』

 

「旦那様、無事お嬢様方が同じクラスに配属されたとのことです」

 

「それで?」

 

「"彼"も同じクラスです」

 

「ふっ・・・ご苦労」

 

♡♡♡♡♡♡

 

六海SIDE

 

六海とお姉ちゃんたち、そして風太郎君が同じクラスになれるなんて嬉しいなぁ。嬉しいんだけど・・・

 

「わぁ~・・・」

 

「中野さんが六つ子ってのは知ってたけど・・・」

 

「実際揃ってる所を見るとすげぇな・・・」

 

「やっぱりそっくりなんだねー」

 

始業式早々、同じクラスになったみんなから好奇心な目で詰め寄られてるんだよね・・・。去年転校したての頃はそれほどなのに、どうして姉妹揃ってるとこうなんだろうね?正直、今すごく疲れてるよ・・・。

 

「苗字だとわかりずらいから名前で呼んでもいい?」

 

「うん。その方が私たちもありがたいかもー」

 

「あれやってよ。同じカード当てるってやつ!」

 

「ごめんねー、テレパシーとかないから」

 

「三玖ちゃんも似てるんでしょ?もっと顔見せてよー」

 

「む・・・」

 

一花ちゃんも二乃ちゃん、三玖ちゃんもみんなの好奇心の対応にすごい困ってる・・・。それを言ったら四葉ちゃんも五月ちゃん、六海も同じなんだけど・・・。

 

「ねーもっと教えてよー」

 

「わわっ!」

 

「皆さん、落ち着いてください!」

 

「お、押さないでー!」

 

こんなにいっぱい押し寄せてくるのは初めてで対応に困っちゃうよ。誰か助けてー・・・

 

「おい、お前らどいてくれ」

 

六海たちの思いが届いたのか、風太郎君がみんなの間に割って入ってきた。

 

「フータロー・・・」

 

「上杉さん、助けてくださーい・・・」

 

六海たちはこの状況を何とかしてほしくて、風太郎君にSOSを求めるよ。みんなの視線は風太郎君に向けられた。

 

「何?上杉君も中野さんたちが気になるの?」

 

「気にならねーよ。トイレに行くだけだ。お前ら邪魔だからどいてくれ」

 

風太郎君はあまりに素っ気ない態度で教室から出ていった。そんな態度をとってたら・・・

 

「え・・・」

 

「何あれ・・・」

 

「感じわる・・・」

 

ほらー・・・みんなに悪印象を与えちゃったじゃんかー・・・。こういうところはあんまり変わってないないなぁ・・・。六海たちと初めて会った時もそうだったし・・・

 

「ふ、フータロー・・・」

 

「ちょ、ちょっと・・・」

 

「・・・・・・」

 

二乃ちゃんと六海で声をかけても風太郎君は無視してきた・・・。いけず・・・。

 

「あはは・・・私たちは無視・・・」

 

「相変わらずですね・・・」

 

「何?中野さんたち、上杉君のこと知ってるの?」

 

みんなは六海たちと風太郎君の関係に少しだけ興味を持ってる。本当にほんのちょびっとだけど・・・。

 

「上杉君は2年生の時からあんな感じです。クラスではあえて人に関わらないようにしているというか・・・」

 

「あー・・・私去年同じクラスだったんだけど、林間学校の時も係1人でやろうとしてたね」

 

「はい。上杉君はそういう人です」

 

「根は悪い子じゃないってみんなに知ってもらえたらいいんだけど・・・」

 

「あれはあんな態度をとってるフータローが悪いわよ」

 

まぁ確かにあの態度でみんな誤解しちゃってるけど・・・本当はとっても優しい男の子だっていうのは六海たちはわかってるから、少しずつ六海たちが教えていけばいいんじゃないかなって思うんだけど・・・

 

「ねぇそんなことより中野さん、あれやったことあるでしょ。幽体離脱~みたいなやつ」

 

「シンクロしたりとか・・・」

 

「どこに住んでんの?」

 

みんな興味を六海たちに戻したせいで今はそれどころじゃない・・・。二乃ちゃんだってあまりの質問攻めに笑顔だけどこめかみがかなりひくひくし始めているし・・・。

 

「・・・あんたたちいい加減に・・・」

 

「二乃、落ち着いて・・・」

 

我慢の限界が来たのか二乃ちゃんがみんなに鶴の一声を上げようとして、三玖ちゃんが落ち着かせようとした時・・・

 

「みんな、やめようよ。ね?」

 

1人の男子生徒の声でみんなの勢いが止まった・・・。え・・・誰・・・?

 

「そんなに一気に捲し立てたら中野さんたちが困っちゃうだろ?」

 

「武田君!」

 

うわ!超かっこいい男の子だ!何というか・・・爽やかイケメンって感じ!名前は確か・・・武田祐輔君だったかな・・・?

 

「ね?」

 

武田君は六海たちに向かって爽やかな笑顔を浮かべてきた。

 

「あ、ありがとう・・・」

 

う~ん・・・確かに武田君は爽やかイケメンでみんなにも人望は高いね。・・・高いん・・・だけども・・・

 

「確かに、武田の言うとおりだな・・・」

 

「はしゃぎすぎちゃった・・・ごめんね?」

 

「だけど気持ちは僕にもわかるよ。六つ子だなんて滅多に会えないからね。みんな君たちのことがもっと知りたいんだよ。・・・ね?」

 

なんというか・・・その・・・申し訳ないんだけど・・・爽やかすぎて逆に接しにくいというかなんというか・・・胡散臭さがあると思う。それもあって、六海では武田君とは向き合えない気がする・・・。

 

「は・・・ははは・・・」

 

「・・・・・・」

 

「どーもー」

 

二乃ちゃんも三玖ちゃんも同じ気持ちなのか反応に困ってるよ。一花ちゃんはそうでもなさそうだけど。

 

「おーい、席につけー。オリエンテーションを始めるぞー」

 

「あ、先生だ」

 

あ、話し込んでるうちに先生が来た。みんなそれぞれの席に向かってっちゃった。

 

「じゃあ、また休み時間にでも・・・ね?」

 

武田君も自分の席に向かっていったね。・・・うーんそれにしても本当に爽やかすぎる・・・。悪いってわけでもないんだけど、肌に合わない感じがする。

 

「武田さん!なんて親切な人なんでしょう!」

 

あ、四葉ちゃんは何にも感じなかったみたい。

 

「そう?アタシは胡散臭いと思うわよ?」

 

ちょ・・・二乃ちゃん率直すぎ・・・。

 

「こーら」

 

「思っててもそう言わない」

 

六海も一花ちゃんと三玖ちゃんに同感だよ。いくら思ってても口には・・・おっと、そろそろ席につかなきゃ。六海たちで全員着席した、かな?

 

「えー・・・今日からお前たちは3年生になったわけだ。最高学年としての自覚を持ちながら、後輩たちに示しのつくような学園生活を送るよう心掛け・・・」

 

「はい!!」

 

え・・・ちょっと四葉ちゃん何やってんの?まだオリエンテーションの途中なのに、なんで手上げてるの?

 

「・・・あー・・・それから・・・」

 

「はい!!」

 

「・・・なんだ?中野・・・四女か?」

 

四葉ちゃん、いったい何を言う・・・

 

「私!中野四葉はこのクラスの学級長に立候補します!!」

 

よ、四葉ちゃーーーん!!!???もういきなり学級長の立候補⁉早い!早すぎるよ!

 

「え、えぇー・・・まだ誰も聞いてないけど・・・」

 

ほらー・・・先生もなんか引いちゃってるし・・・。

 

「そこをなんとか!!お願いします!!」

 

「反対もしてないけど・・・」

 

もー・・・四葉ちゃんやめてよー・・・妹として恥ずかしいよ・・・。

 

「まぁ・・・他にやりたい奴がいないのなら・・・いいんじゃないか?」

 

「やった!ありがとうございます!」

 

いいの⁉先生、ちょっと投げやりになってない⁉

 

「皆さん、困ったことがあったら私に何でも言ってくださいねー!」

 

パチパチパチ

 

みんな学級長になった四葉ちゃんに拍手してるし・・・なんかもう・・・オリエンテーション、ぐだぐだになってきてない?

 

「じゃあ、ついでだ。男子の方も決めとくか・・・」

 

なんかいつの間にかオリエンテーションから係決めに変わってるような気がするんだけども・・・。

 

「立候補する奴はいるかー?」

 

「いますかー?」

 

「推薦でもいいぞー?」

 

「いいぞー!」

 

先生、そんな投げやりでいいんですか?後四葉ちゃん、先生に便乗しないでよ。

 

「お前やれよ。適任だろ?」

 

「いや、男子の学級長なんて決まったも同然だろ?」

 

「そうだなー。やっぱ武田しかいねーよな」

 

「ま、そのうち誰か推薦するだろ」

 

「全く・・・やれやれ・・・」

 

やっぱり武田君って人望が結構いいんだ。みんな武田君に推薦しているし。

 

「先生!私、学級長にぴったりな人を知っています!」

 

「ほらな」

 

「ほー?誰だ?」

 

あ・・・なんか六海わかっちゃった・・・これ絶対周りの予想を大きく外れるものだと思う・・・。

 

「それは・・・上杉風太郎さんです!!」

 

「!!!???はあ!!??」

 

うわー・・・やっぱり・・・風太郎君自身もやりたくないだろうに・・・。風太郎君、ご愁傷様・・・。

 

「え・・・上杉君で大丈夫?」

 

「武田君を差し置いてなんて・・・」

 

ざわざわざわ・・・

 

わー・・・みんな風太郎君を指名されたことに驚いてざわついてるよ・・・。どれだけ人望がないんだろうね、風太郎君って・・・。

 

「賛成」

 

え?風太郎君の推薦に賛成してる人がいるの?そんな変わった人なんて・・・

 

「これ以上の適任はそういないと思うわよ?」

 

ま、真鍋さんーーー!!?え?本当に?真鍋さんそれ本気で言ってる?というか真鍋さんも同じクラスなの?やったー!

 

「な・・・真鍋!この性悪女!!」

 

「あら、いいじゃない。これで少しは私の苦労もわかるでしょうよ。期待してるわよ?学級長さん?」

 

うーわ・・・真鍋さん、明らかに悪そうな顔をしてるよ・・・。これ絶対楽しんでるよ・・・。

 

「ま、真鍋さんも推薦するの・・・?」

 

「真鍋って去年の学級長だったよな・・・?」

 

「上杉風太郎・・・何者なんだ・・・?」

 

「・・・ふふ・・・」

 

ざわつきも強くなってるよ・・・。そりゃそうだよね。前学級長からの推薦だもん。そうなるよね・・・。

 

「よーし、ほんじゃ他の係も決めておくかー」

 

「先生!!俺はやるとはまだ一言も・・・」

 

風太郎君・・・諦めて・・・こうなったからにはもう絶対に覆らないから・・・。

 

♡♡♡♡♡♡

 

係決めというオリエンテーションが終わってから、六海と三玖ちゃんは風太郎君を探してるよ。結局あの後、風太郎君は男子の学級長に任命されましたとさ。

 

「四葉ちゃんの行動には驚かされたよねー・・・」

 

「恥ずかしい・・・」

 

本当、四葉ちゃんのあの大胆さには驚かされてばかりだよー・・・。

 

「あ、真鍋さー・・・!!?」

 

遠くから真鍋さんを発見して声をかけようと思ったけど、六海は真鍋さんと話してる人を見てすぐに後ろに隠れたよ。

 

「・・・何してるの?」

 

「だ、だって・・・気まずいもん・・・」

 

何が気まずいって?それは真鍋さんに話しかけてる人だよ!その人見たら気まずくなるに決まってる!

 

「・・・あ、坂本君か」

 

「うん・・・」

 

そう、真鍋さんに話しかけてるのは去年六海に告白してきたサッカー部の部員である坂本君なんだよね。六海、坂本君をフッちゃったから顔を合わせると気まずくて・・・。

 

「同じクラスになったんだから慣れないと」

 

「それはわかってるけど・・・」

 

そう簡単になれたらこっちも苦労しないって・・・。

 

「何の話をしてるんだろう?」

 

「真鍋さん、何か不機嫌そう・・・」

 

「あ!坂本君がお腹パンチされた!」

 

「あ・・・行っちゃった・・・」

 

なんか・・・すごい現場を見ちゃった・・・。真鍋さんにぐいぐい来たと思ったらお腹パンチされるって・・・。それにしても坂本君、妙に真鍋さんに積極的だったな・・・。もしかして・・・真鍋さんに・・・?・・・それはないか。

 

「ふぅ・・・」

 

「あ、風太郎君みっけ!」

 

いろいろ驚いていると、男子トイレから風太郎君が出てきた。ラッキー!ちょうど聞きたかったことがあったし!

 

「風太郎くーん!」

 

「ん?六海。それに三玖か」

 

「フータロー、ちょっと聞きたいことがあるんだけど・・・いい?」

 

「聞きたいこと?なんだ?」

 

六海は三玖ちゃんの打ち合わせ通りにスケッチブックを取り出してランプの絵を風太郎君に見せる。

 

「ここに願いを叶える魔法のランプがあります」

 

「・・・ただの絵だろ」

 

「違います。魔法のランプです」

 

もー、風太郎君・・・絵なのはわかってるけど、そんな真顔で返さなくても・・・。

 

「・・・心理テストか?」

 

「そのお願いを6つ叶えてくれるとしたら、フータローはどうする?」

 

さてと・・・この質問に風太郎君はどう返すかな?

 

「突然なんだって言うんだ?やっぱこれ心理テストだろ?」

 

「ねー、そんなことより早く答えてくれないかな?」

 

「そんなことって・・・。・・・そんなの金持ちになる以外を答える奴なんてそういないんじゃないか?」

 

「お金・・・」

 

うわっはー・・・がめつい。風太郎君、それはがめついよ。まぁ1つ目は大体予想してたけどさー・・・。

 

「おい、これでいいか?」

 

「後5つ」

 

「5つ?普通そこは3つだろ?なんで2倍になってんだよ?」

 

「そんなのどうでもいいから答えてよー」

 

「どうでもいいって・・・。う~む・・・」

 

悩む風太郎君を見るのって珍しいかも。ちょっと意地悪な質問過ぎたかな?でもすごい重要なことだから答えてほしいな。

 

「何でもいいんだよ?魔法が使えるんだし」

 

「う~ん・・・」

 

うわぁ・・・真剣に悩んでる・・・。どう返ってくるのかな・・・?

 

「・・・体力があがったらいいとは考えたことはあるが・・・。

 

おかげで疲れが溜まる一方だから疲労回復もありだな。

 

後勉強のしすぎで肩が凝るからマッサージをしてほしいかもな。

 

それから最近寝つきが悪くて眠くてたまらん。

 

ついでに運気も上げてもらうとしようか」

 

・・・お金、体力向上、疲労回復、マッサージ、睡眠欲、運・・・。ぜ、全然一貫性がない・・・。難しい問題だなぁ・・・。後、風太郎君って全然夢がないよね。

 

「・・・わかった・・・」

 

「何がわかったんだ?心理テストか?」

 

「つーん!風太郎君には教えてなんかあーげない!」

 

「なんで⁉いやだってこれ心理テストだろ⁉なんで教えねぇんだよ⁉」

 

いや・・・だってこれ、心理テストなんかじゃないし。

 

「あー!見つけた!こんな所にいたんだ!」

 

?同じクラスの子?六海になんか用・・・

 

「四葉ちゃん」

 

「先生が呼んでたよ?」

 

「む・・・」

 

四葉ちゃん・・・四葉ちゃんに用かー・・・。そりゃ確かに髪型は四葉ちゃんに似ているけども・・・六海は四葉ちゃんじゃないよ。メガネでわかってよ・・・。

 

「ほらほら」

 

「こっちだよ」

 

「ちょ、ちょっと・・・違・・・」

 

「あ、あの・・・その子は・・・」

 

な、何か勘違いされたまま先生に連れていかれそうなんだけど・・・誰か助けてー!

 

「おい、そいつは四葉じゃないぞ。末っ子の六海だ」

 

ふ、風太郎君・・・!ここで風太郎君が六海たちの違いの指摘なんて意外過ぎる展開だよ・・・!

 

「えっ⁉そうなの⁉」

 

「う、うん」

 

「ついでに言っておくと、隣にいるのは三女の三玖だ」

 

風太郎君の指摘でようやく間違いだって気づいてくれた。た、助かったー・・・。

 

「ごめんねー」

 

「まだ覚えきれなくて」

 

「大丈夫だよ。こういうこともあるある」

 

「うん。慣れてる」

 

こういうのって何回も起きるから六海たちは慣れちゃったよ。・・・ちょっとムカついたりはするけど。

 

「あ、今度こそ四葉ちゃんだー」

 

四葉ちゃんを見つけた?なんか嫌な予感が・・・

 

「おーい、先生が・・・」

 

「ニアピンで外してんじゃねぇか!!指摘したばっかだろ!!」

 

嫌な予感的中!クラスの子が見つけたのは五月ちゃんであって四葉ちゃんじゃない!

 

「もー・・・みんな同じ顔でわかんないよー・・・」

 

いやわかってよ。よく見れば違うってよくわかるから。

 

「・・・あーー!!くそ!!いいか!!面倒なら見につけてるアイテムだけ覚えろ!!俺もそうしてる!!このセンスのかけらもないのが五月だ!!」

 

「いきなり失礼な話ですね・・・」

 

「ヘッドフォンが三玖!黒メガネが六海!そして悪目立ちリボンが四葉だ!!それで覚えておけば間違いない!!」

 

かなりイラついた様子で風太郎君が六海たちの見分け方を言ってきたよ。それはいいんだけど・・・六海たち、そんな覚えられ方してるの?癖とかでわかってよ・・・。

 

「上杉君すごいね!」

 

「ありがと!」

 

「え・・・あ・・・いや・・・」

 

・・・ん?

 

「意外でびっくりしちゃった!ちゃんと中野さんたちのこと見てたんだ!」

 

「いや・・・そうじゃなくてだな・・・その・・・」

 

「さすが学級長だね!」

 

んんん~~・・・?

 

「6人のこともっと教えて!」

 

「は?俺?」

 

「ほらついてきて!向こうにもう1人いたんだー」

 

「おーい、四葉ちゃーん」

 

「いやあれ二乃だって!!」

 

・・・・・・・・・・・・。

 

ぷくーっ×2

 

「・・・あの女生徒・・・フータローにべたべたと・・・」

 

「つーん・・・何さ・・・風太郎君もデレデレしちゃってさ・・・」

 

あの2人、あれどう見たってべったりくっついてるよね。もう少し離れてくんないかな?

 

「まぁいいじゃないですか」

 

全然よくないよ!もし脈ありなんてことがあったら・・・もう・・・

 

「きっと彼も、変わってきてるんですよ。四葉が推薦したのも、間違いじゃなかったんですよね」

 

んー・・・まぁ、そう言われてみれば・・・そうかも。まぁ・・・あれくらいなら大目に見ても・・・

 

「でも少し、妬けてしまうのもわかります」

 

「「!!」」

 

なんですと⁉ま、まさか・・・五月ちゃんも風太郎君を狙って・・・

 

「と、友達としてです⁉あくまで!!」

 

ほっ・・・なんだ、よかった・・・。そりゃそうだよね・・・五月ちゃんに限ってそれはないよね・・・。

 

「・・・どうかしてます。あんな人を好きになるなんて・・・」

 

・・・?五月ちゃん?何か変なこと言ったかな?少し思いつめたような顔をしてるような・・・。

 

「・・・あ、そうだ。聞けたよ、フータローのお願い6つ」

 

・・・と、そうだそうだ。今最も重要なのはこれだよね。風太郎君のお願いについて!まぁ、とりあえずこの話は家に戻ってからでもいいかな?

 

♡♡♡♡♡♡

 

家に戻って全員集合したところで六海たちは風太郎君のお願い事6つをまとめ上げていくよ。

 

「お金持ちになりたい・・・」

 

「体力向上、マッサージ・・・」

 

「寝つきをよくして疲労回復・・・」

 

「運気アップとかどうしろっていうのよ・・・」

 

うーん・・・やっぱり1番難題なのはその運気アップだよね・・・どうしよう・・・。

 

「全然的を射ないわね・・・」

 

「どうしよっか?」

 

「いずれにせよ、急いだほうがいいかもね」

 

「うん。もうすぐだもんね・・・風太郎君の誕生日!!」

 

4月15日は風太郎君の誕生日!休み時間で心理テストに見せかけて聞いたのはそのためなんだよね。風太郎君の喜ぶ顔・・・早く見てみたいなぁ・・・。

 

・・・ちなみに翌日、風太郎君は六海たち関連のことでよく頼まれごとを受けるようになった。・・・なんで誰も六海たちの顔を覚えてくれないんだろうね?

 

SIDEOUT

 

♡♡♡♡♡♡

 

二乃SIDE

 

翌日のホームルーム、学級長になった四葉とフータローが1学期のイベントについての話し合いの進行役をやっているわ。

 

「えー・・・我々も3年生になったということで・・・」

 

「すみませーん。上杉学級長、声が小さくて何を言ってるか聞き取れません。もう少し声を大きくお願いします。・・・ね?」

 

あの胡散臭い彼・・・武田がなんだかちょくちょくフータローに突っかかってきてるような気がするのは気のせいかしら?

 

「・・・1学期のメインと言ってもいいあのイベントについて話し合いたいと思います」

 

あら、意外と進行役が様になってるじゃない。フータローにちゃんと務まるか心配だったけど・・・その心配はなかったみたいね。

 

「いよいよ始まります・・・全国実力模試が!!」

 

「修学旅行ですね!!皆さん、全力で楽しみましょーね!」

 

「えぇー・・・そっちか・・・」

 

前言撤回。いつも通りのフータローだったわ。四葉のおかげでなんとか軌道修正したみたいだけど・・・。

 

ツンツンッ

 

あら、学級長のホームルームを聞いていると、後ろの席にいる三玖が私の背中をつんつんしてきたわね。

 

「何よ三玖」

 

「二乃、今日放課後バイト?」

 

「ええ。今日が初日だわ」

 

先日、フータローが働いているケーキ屋のアルバイトの面接で合格したわけなんだけど、今日がアルバイトの初日よ。けどそれがどうしたっていうのかしら?

 

「じゃあ頼みたいことがある」

 

「!何よ。今更入れ替わりたいなんて言っても変わってあげないわよ?」

 

「いや、それは別にいい。そんなこと望んでないし」

 

入れ替わりじゃない?じゃあいったい何をアタシに頼みたいっていうのかしら?

 

「もし・・・今日フータローと一緒だったら誕生日プレゼントのこと、さりげなく探っといて」

 

「え?アタシが?いいの?」

 

「うん。私も今日からバイトだから聞けそうにないから」

 

ふーん・・・なるほどね・・・。そういえば今日の放課後、一花も仕事、四葉も六海もアルバイトだったわね。

 

「私・・・誕生日にフータローが喜んでもらえるように、頑張るんだ」

 

ふ・・・ふーん・・・。フータローに・・・ねぇ・・・。ちらっと一花と六海に視線を向けてみたけど、こっちに笑みを浮かべるだけだったわ。これまでの行動を見て、・・・三玖も一花も・・・そして六海もまだ踏み出した様子はないみたいね。それなのに私に譲るだなんて・・・ずいぶん余裕じゃない。春休みの旅行はいろいろあったけど・・・私がリードしてる・・・はずよ・・・。はずなのに・・・何なのよ・・・この焦燥感は・・・!何なの・・・この焦りは・・・!

 

『・・・私の経験では・・・だけど・・・ごめん。そういうことはなかったかな』

 

『・・・最初は本当に驚いたけど・・・うん。六海も・・・特別な感情は湧かなかったな』

 

・・・告白したのに意識されてないなんてこと・・・ないわよね・・・?もし意識されてないとしたら・・・アタシは・・・

 

♡♡♡♡♡♡

 

放課後のケーキ屋、Revival。アタシはさっそく用意してくれたケーキ屋の制服を着こんだ。髪は・・・そうね・・・。いつもの感じじゃあいつはきっと見向きもしないだろうから・・・ポニテにしておこうかしら。

 

「二乃ちゃ~ん?着替え終わった~?」

 

アタシが着替え終えるとアルバイト先輩の春が入ってきた。初めてのアルバイトっていうことで教育係的な役目を春が担うことになったみたい。理由は年の近い女の子同士なら気が楽だろうということみたい。・・・フータローの方がよかったわ。

 

「わあ~、よく似合ってるよ~。恵理子ちゃんと同じくらいかわいい~」

 

「そ、そう・・・?ありがと・・・」

 

そう言われると・・・ちょっと照れるわね・・・。・・・フータローがアタシの制服姿を見たら・・・どう反応するのかしら・・・。

 

「二乃ちゃん、お仕事初めてだっけ?慣れてないこともあるかもだけど~・・・大丈夫♪私たちが、し~っかりサポートしてあげるからね~」

 

「ありがと。足を引っ張らないように頑張るわ」

 

まぁ、普段から姉妹の食事は全部アタシが管理しているから、一通りはこなせると思うけど。まぁ、手助けしてくれるのは悪い気分じゃないわ。

 

「春ちゃん、ちょっと来てほしいんだけど・・・」

 

「あ、はーい。じゃ、また後でね♪」

 

春は先輩の女性に呼ばれて女子更衣室から出ていった。アタシも今日からここで働くわけだし・・・頑張らないとね。アタシが更衣室から出てキッチンに入っていくと、材料を運んでいるフータローと出くわした。

 

「お、二乃。今日からだったな」

 

「そ・・・そうよ・・・。さっそくキッチンに入れてもらえるみたい」

 

「そうか」

 

・・・・・・い、いざ一緒になると、緊張してきたわ・・・。

 

「そ、それより・・・この髪型、どう・・・かしら?」

 

「・・・ま、まぁ、いいんじゃないか?仕事しやすそうで」

 

・・・なんだか思ったような反応じゃないわ・・・。やっぱりアタシのこと、なんとも思ってないのかしら・・・。

 

「・・・足は引っ張るなよ」

 

「ふん!アタシを誰だと思ってるのよ!こんな仕事くらい朝飯前だわ!」

 

「くくく・・・」

 

アタシが見栄を張ってそう言うと、フータローは不敵な笑い声をあげたわ。

 

「いくら家事担当といえど、所詮は金持ちのお嬢様よ。仕事の・・・社会の厳しさを思い知ってくるがいい・・・」

 

な、なんかフータローが大人げないようにも見えるんだけど・・・。でも・・・仕事さえうまくいけば・・・フータローはアタシを見てくれるかしら・・・。

 

♡♡♡♡♡♡

 

その後、キッチンで店長に教わった通りのケーキを習った通りの作り方でアタシの腕を店長とキッチンを担当する人たちに見せつけた。結果は・・・

 

「素晴らしい!!完璧だよ!!初日からこれほどまでのものを作れるなんて君は天才だ!!」

 

「えー?そうですかー?店長が教えるのが上手なんですよー」

 

「そんなことないよ~。私でもキッチンに入るまで1年はかかったんだから~。二乃ちゃんはすごいね~」

 

「ふふふ、ありがと」

 

店長と春を含めて全員大絶賛。ま、普段からスイーツを作ってるアタシからすれば朝飯前よ♪

 

「・・・マジか・・・」

 

フータローはこの光景を覗いてたけど、すぐに自分の仕事に向かっていっちゃった・・・。・・・なんか、前より距離が遠くなった気がする・・・。やっぱ告白しない方がよかったのかしら・・・。

 

「いやぁ、中野さんが来てくれて本当に助かったよ。今夜大切な予約が入ってるんでね」

 

「大切な予約、ですか?」

 

「そういえば今日はバイトも総動員ですね」

 

「そういえば~・・・普段は会わない先輩もいましたね~。団体のお客様が来るんですか~?」

 

「いいや、1人だ」

 

え?たった1人で従業員を総動員させたっていうの?いったいなんで・・・

 

「君たちもレビュワー名は聞いたことはあるだろう?M・A・Y(メイ)

 

M・A・Y(メイ)・・・英語でいうと5月ってことね。ずいぶんと変わったレビュワー名ね。

 

「この界隈では知る人ぞ知る有名レビュワーだ。素顔は誰にも晒さず、正体も誰も知らないんだ。しかしだ。口コミサイトに星を付けた分だけ客が倍増すると言われてるほどにその評価は的確なんだ。そのM・A・Y(メイ)さんは度々この店にも訪れてるらしくてね。その度に危機から救ってくれた救世主様なんだよ」

 

そ、そんなすごい人がバイト初日に来るなんて・・・。あまりのすごさにアタシと春、従業員全員は固唾をのんだ。

 

「今夜初めてのご予約が入ったんだ。失敗は許されない。M・A・Y(メイ)さんはこの春の新作をご所望だ!!目指せ、星5!!」

 

「「「はい!!」」」

 

「よし!みんな、すぐに作業に取り掛かってくれ!!」

 

「「「はい!!!」」」

 

店長の合図で、アタシ達は各各々の業務に取り掛かった。頑張らなきゃ・・・この店の一員に早くなって・・・フータローにもちゃんと近づいて、認めてもらうんだ!そのためにも・・・春の教えは絶対にこぼさないようにしないと・・・!

 

「すみません、この生地を作ったのは誰ですか?」

 

「あ、それ二乃ちゃんです~」

 

?アタシが作った生地がどうしたのかしら・・・?

 

「店長・・・これ・・・味に違和感が・・・」

 

「え・・・」

 

「・・・本当だ。これは店には出せないな」

 

う、嘘・・・アタシミスっちゃった・・・?失敗できないって時に限って失敗するなんて・・・

 

「すぐに作り直そう!」

 

「「は、はい!」」

 

と・・・いけないけない!失敗はすぐにでも取り戻さないと!1秒でも早くこの店の一員にならないと・・・!

 

♡♡♡♡♡♡

 

だいぶお客さんをさばけたのか、キッチンはだいぶ落ち着いてきた。アタシはと言うと、失敗を取り戻すために1つでも多く、完璧なスイーツを作り続けてる。

 

「二乃ちゃーん・・・そろそろ休憩入ったらどうなの~?少しでも身体を休めないと・・・」

 

「大丈夫・・・アタシならまだやれる。だから気にしないで」

 

春の気遣いはありがたいけど、自分の失敗は自分で取り戻さないと・・・。それに今はまだ動きたい気分なのよ。

 

「休憩入りまーす」

 

フータローは休憩時間になったから休憩室に向かっていったわ。

 

「ん、オッケー。中野さんも今のうちに休んどいて」

 

「いえ、まだやれます。やらせてください!」

 

だってもとはと言えばアタシの失敗で忙しくなったし・・・みんなにも迷惑かけたし・・・。

 

「さっきからこの調子で~・・・どうしましょう~・・・」

 

「・・・もうすぐM・A・Y(メイ)さんが来る。休める時は休んだ方がいいよ。新人の君には特に大変だったろう?ごめんね」

 

「・・・わかりました・・・」

 

店長にそう言われたら、従ざわるを得ないわね・・・。アタシも作業を止めて、休憩室に入っていく。けど、とても休憩できるような心境じゃないわ・・・。

 

「どうしよう・・・アタシのせいでみんな忙しそうだったわ・・・。やっぱり戻って・・・」

 

「店長も言ってたがお前は何も悪くない。フォローは春に任せてくれればいいし・・・つーか新人に大仕事を任せた店長が100%悪い。気にするな」

 

フータローやみんなは気にするなって言ってるけど・・・普段ならこんな失敗なんて・・・。なんで今日に限って・・・。・・・フータローの前でかっこ悪いところを見せちゃったわ・・・。最悪・・・。

 

「・・・これ見てみろよ。ただし、じっくりは見るんじゃねぇぞ」

 

「?」

 

フータローが持ってきた段ボールの中にはクリスマスで使うサンタの飾りつけだった。

 

「これは?」

 

「見ての通りこれはクリスマスの時に百個のところを俺が間違えて千個注文したサンタの飾りつけだ。向こう十年はこれでやっていけてるぜ」

 

「え?」

 

「後この机の傷な、俺が1人で転んだ時にできたものだ」

 

「な、何を言ってるの?」

 

言っていることがよくわからない・・・いったい何を伝えようと・・・

 

「他にもまだまだ、客のテーブルに別のケーキ運んだり、皿を割った枚数も春よりも全然多いし数えきれねぇ。これらに比べたら小さいミスだ」

 

!もしかして・・・それって今までフータローが経験したバイトの失敗談?

 

「・・・・・・もしかして、アタシを励ましてくれてる?」

 

「!ば・・・そうじゃねぇって。仕事がどれだけ過酷か教えてやってんだよ。春より後に入ったが・・・一応、俺も・・・先輩だしな・・・」

 

「!・・・なんで・・・」

 

それならなんでアタシを避けようとするの?なんでアタシから距離を遠のこうとするの?

 

「・・・あー・・・気を使っちゃったわね。ごめんね・・・アタシとじゃやりにくかったでしょ?だって・・・アタシは今まであんたに・・・」

 

「・・・いや・・・それとは関係ない」

 

?アタシのやってきたこと、気にしてないの?じゃあ・・・何で・・・

 

「・・・以前にも言ったが俺は様々なバイトを経験してきた。そのたびにいろいろな失敗を繰り返してきた。そして事あるごとに痛感するわけだ。・・・俺は勉強しかできない男だ」

 

「!」

 

「ただ頭がよくて・・・学年1位で・・・同級生6人の家庭教師くらいならこなせてしまう男だ」

 

「そこ一点に自信持ちすぎでしょ・・・」

 

いや、まぁすごいっていえばすごいけど・・・。

 

「・・・これまで勉強のことばかり考えてきた。誰かに話しかけられても適当に流し続けてきた。家族以外の人間関係を断ち切ったみたいにな。・・・だから・・・その・・・初めてなんだ。誰かに告白されたのは・・・」

 

!!アタシの告白が・・・初めて・・・?

 

「だから、どう話せばいいか、わからなかったんだ。距離を取って、すまん」

 

フータロー・・・アタシの告白・・・気にしてて・・・それで・・・距離を・・・

 

「だが今、ここで答えることにする。俺は・・・お前のこと・・・」

 

「待って。まだ言わないで」

 

フータローが何かを言おうとした時、アタシはそれを妨げた。

 

「だが・・・」

 

「あんたがアタシのことを好きじゃないなんてのはとっくに知ってる。ずっときつく当たってたんだもの。当然よ」

 

「いや・・・それは・・・」

 

「でも、まだ決めないで。一緒のバイトになったのに、まだ何も伝えられてないわ。だから・・・アタシのこと、もっと知ってほしいの・・・アタシがどれだけフータローのことを好きなのか、ちゃんと知ってほしい!!」

 

アタシは今の自分の気持ちをフータローにありったけに伝えたわ。

 

「・・・そうかよ」

 

・・・れ、冷静に考えてみたら・・・今かなりアタシ、小恥ずかしこと口走ったかしら・・・。や、やだ・・・顔が熱くなってきたわ・・・///胸のドキドキも止まらないし・・・。

 

「・・・そろそろ休憩終わりだ。行くぞ」

 

「え、えぇ・・・」

 

そろそろ仕事に戻ろうとしたところにちょうどニコニコと笑ってる春が休憩室に入ってきた。

 

「お~い、2人とも~、M・A・Y(メイ)さんが来たみたいだよ~。そろそろ接客に向かっちゃおうよ~」

 

「おう、今行く」

 

フータローは何ともなかったかのように休憩室から出て・・・

 

「あれあれ~?フータロー君、ど~したのかな~?な~んか、と~ても顔が赤いけど~?」ニヤニヤ

 

「う・・・うるせぇ・・・」

 

!もしかして・・・フータロー・・・照れてるの?なんだ・・・ちゃんと意識してくれてるじゃない・・・。

 

「これから、覚悟しててね・・・。ね、フー君♡」

 

アタシはフータロー・・・ううん、フー君にそう耳打ちをして休憩室から出ていったわ。思わず、鼻歌を歌いたくなるくらい、アタシは上機嫌だった。

 

「フー君、だって~♡私も呼んじゃおっかな~?フー君って~」

 

「やめてくれ・・・」

 

「冗談だよ~♪さ、急いで行こ♪」

 

フー君と春も後からついてきてフロントまで到着する。

 

「あれがM・A・Y(メイ)さん・・・」

 

「誰がオーダー取りに行く?」

 

「お前行けよ。俺は嫌だ」

 

「は?俺も嫌だよ。怖ぇーもん」

 

他の従業員の人がこそこそ隠れてM・A・Y(メイ)さんが座っているだろうテーブルを覗いてるわね・・・。そんなに怖い人が来たのかしら・・・。

 

「どこのテーブルだ?」

 

「3番テーブルにいるみたいだけど~・・・」

 

「3番テーブルって・・・あれね・・・って・・・」

 

3番テーブルにはマスクとサングラスをつけている女性がいる・・・みたいなんだけど・・・なんか見覚えのある長い髪に・・・それに、ぴょこんと出ているアホ毛であれが誰なのかわかっちゃったわ。あれ・・・どう見ても五月じゃない。五月・・・5月・・・MAY・・・そ、それでM・A・Y(メイ)ってわけなのね・・・。

 

「「・・・ふふふ・・・」」

 

「・・・くく・・・」

 

フー君と春もM・A・Y(メイ)の正体をわかったみたいでお互いに顔を見合わせて、3人でクスリと笑ったわ。あー、変に身構えて損したわ。五月相手なら、やっぱりアタシが行かないとね。

 

「あの、アタシ行ってきます!」

 

アタシは先輩たちにそう言って3番テーブルへと向かっていく。

 

「二乃ちゃん、頑張れ~♪」

 

「中野さんすげぇ・・・」

 

「新人なのに根性あるなぁ・・・」

 

「・・・・・・」

 

あ、そうだ。忘れるところだったわ。

 

「・・・チュッ♡」

 

「・・・っ・・・あのバカ・・・仕事中だぞ・・・」

 

アタシはフー君に向けて投げキッスを放ってあげたわ。フー君、これからのアタシを、しっかり見ててね♡

 

「・・・ちょっと五月、あんたバイトも探さず何やってんの?」

 

「に、二乃・・・こ、これは・・・」

 

まぁ文句を言いながらもアタシは五月が望むケーキを作ってあげたわけだけどね。あ、でも罰として1週間おかわり禁止令を発令するつもりだけど。

 

37「アドバンテージ」

 

つづく




おまけ

真鍋は何か隠してる?

春「ふふ~ん♡今日はいいものが見れちゃった♡今後の二乃ちゃんとフータロー君に期待だなぁ~♡」

真鍋「あら、春じゃない。今バイト帰り?」

春「あ、恵理子ちゃん~。そうなんだよ~。恵理子ちゃんも今帰り~?」

真鍋「え、えぇ・・・まぁ、ね・・・」

春「そういえば~・・・最近私と一緒に帰る時間が多くなったよね?何かあったの?」

真鍋「ギクッ!そ、それは・・・そう!ソフトボールの練習よ!少しでも腕を磨いとかないと!さあ、早く帰りましょうか!」

春「・・・恵理子ちゃん・・・何か隠し事をしてるのかなぁ・・・?」

真鍋は何か隠してる?  終わり

次回、四葉、風太郎、一花視点
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