ガンダムSEED Recovery   作:naomi

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EP1 大地に立つG

C・E(コズミック・イラ)73に起こったオーブ連邦首長国とプラント間で起きた『メサイア攻防戦』での停戦から世界は小規模な紛争は発生していたもののC・Eの歴史上最も平和な月日を過ごしていた。

 

世の中は戦場の歌姫の戻ったプラントとオーブの戦女神主導で生まれ変わった地球連合に変わる新たな統治機構地球国家群『OEPP(オーピス)』が手を取り合い数々の問題をゆっくりではあるが確実に解決していった。二人の姫の尽力で世界は平和になると誰もが夢見ていた。

 

しかしC・E83ある事件が再びこの世界を戦乱の世の中へと誘ってしまった…

 

そして時はC・E91

 

オーピスが治める火星の人口生活圏「フロンティア」。人類は新たな生活拠点として火星を再開発し生存圏を広げたが皮肉にもまだ不安定な秩序のこの星が新たなる戦場の舞台となっていた。

 

「マコトそっちはどうだ」

 

「準備OKだよ。スガン」

 

とある学校で二人の生徒があるものを完成させた。

 

「出来たな…」

 

「うん。このシステムがあればきっと世界は…」

 

「二人ともなにやってるんだ」

 

アロハシャツを着て片眼に傷を持つ男が二人に近づいてくる

 

「しまった。アンドリューおじさんだ」

 

「お前ら人を迎えに来させてなにやってんだ」

 

「おじさん見てよ、ついに完成したよ俺達の開発したシステム」

 

「おー、ついに完成したか…じゃない。まだそんなことやってたのかあれだけヤメろと言っただろう」

 

「でもこれは…」

 

「こういうのは大人に任せればいいんだ」

(お前らはまだ活躍しなくてもいいんだ…)

 

二人は認めて貰えず気を落とした。

 

「スガン、お母さんから連絡来てたぞ」

 

「なっ母さんから。なんで」

 

「知らん急用だとよ」

 

「なんなんだよ、普段ちっとも連絡取れないくせに」

 

文句をいいながらスガンは部屋をあとにした。

 

「マコトもクララにたまには連絡してやれよ心配してたぞ」

 

「はーい」

 

使っていた部屋を立ち去るマコト。アンドリューおじさんことアンドリュー・バルトフェルドは二人の完成させたシステムをチェックした。

 

(これは…。ったく弱冠18にして考えただと、お前達の子どもには驚かされっぱなしだ)

 

ウーンー…突然のサイレンが鳴り響く

 

「隊長」

 

1人の男が部屋に慌てて走ってきた。

 

「ダコスタ…ここでは隊長は止めろとあれほど…」

 

「すみません。ザフトの奇襲です」

 

「…二人は」

 

「マコト・アスハとスガン・ザラはまだ保護していません」

 

「急いで保護しろ、最悪艦を発進させる全員に準備させろ」

 

「はい」

 

(目的はなんだ…このシステムではないとは思うが、ったくあれ以来プラントも過激な連中が増えたもんだ)

 

 

その頃

 

「マコト大丈夫だったか」

 

「うんそっちも大丈夫そうだね」

 

「ザフトが攻撃してきているみたいだ、さっき警備の人が慌ててた」

 

「どうする」

 

「俺は戦う」

 

「戦うってスガンどうやって」

 

「父さんからMSの扱い方は学んでるから基地で拝借してやるさ、マコトは早くシェルターに」

 

「うん。わかった」

 

別々の道を進んだ二人

 

「ちょっと君ここは民間人は立ち入り禁止だ」

 

「認識番号285002オーピス宇宙軍総司令アスラン・ザラの息子スガン・ザラ、本人確認ならザラ総司令にしてくれ」

 

スガンは当たり前のように近くの基地に進入した。

 

「おじさん使えるMSは」

 

「そこのウィンダムⅡなら…ってお前さん誰だ」

 

「ありがとう整備のおじさん」

 

ウィンダムⅡで出撃したスガンが見たのは、変わり果てた町の姿だった。

 

「ひどい…。はっレーダーにMS、あれはゲイツリバイブ…お前らかこんなことした奴等は」

 

ビームライフルを発砲しながらスガンは戦場に突き進んだ。

 

 

 

「ここもダメか」

 

時間が経ち、どこのシェルターも一杯になっていた。

 

途方に暮れながら探し回るマコト、鳴り響く銃声目の前で銃撃戦が始まる。

 

マコトは一目散に近くにある倉庫へ身を隠したが…そこも銃撃戦の真っ只中ただ見つかるまいと必死に身を隠した。

 

「なにかを守ってる…ここに何かあるのかな、あっ」

 

手榴弾の爆風で身体が戦場に投げ出される。

 

一瞬銃撃が止まる戦場

 

(マズイ殺される)

 

「君こっちへ走ってこい」一人の男の声に導かれマコトは必死に走る

 

「しまった。パイロットらしき男が例のMSに乗ろうとしているぞ、乗せるな」

 

銃撃がこちらにも飛んでくる

 

男はマコトを庇いながらMSの側まで行ったが、銃弾に倒れてしまう

 

「大丈夫ですか」

 

「…走れ」

 

「えっ」

 

「いいかい坊や。そのMSをオーピスとザフトに渡してはいけない私の変わりにエターナルに…」

 

「『エターナル』って…」

 

「行けー生きろ」

 

あるデバイスを渡しマコトを突き飛ばすさらに銃弾が身体を貫き助けてくれた男は息絶えてしまった。

 

言われたとおりコックピットに入るマコト

 

「作戦失敗、例のMSに民間人が…」

 

「これってどうやったら動くんだ」

 

「…おいヘンジーどうしたヘンジー応答しろ」

 

デバイスから聞き慣れた声がする。

 

「バルトフェルドさん」

 

「その声…マコトかなんでお前がそのデバイスを持ってる」

 

「…ヘンジーって方だったんですね。シェルターに入れなくてさ迷っていたところを助けてもらいました」

 

「…そうか。これも何かの運命か、マコトよく聞け今からそのMSを動かしてそこから脱出しろ」

 

「動かすって、えーっ」

 

「生き残りたいなら指示に従え」

 

そこには普段の陽気なアンドリューおじさんはいなかった

 

「はい」

 

「よし、まず中央にある赤いボタンを押せそれでそのMSは起動する」

 

ボタンを押すと画面が起動しモニターに外の様子が写る、このMSを多くの軍人が銃撃している。

 

「ガ・ン・ダ・ム」

 

「お前もその頭文字をそう読むか。まあいいレバーをゆっくり前に倒せ」

 

MSが徐々に立ち上がる、慌てて退避する軍人達

 

「よし、もう一回赤いボタンを押せ」

 

ボタンを押すと灰色だったMSに色がつき始める

 

「よしそれで起動だ」

 

一機の新たなMSが大地に立った瞬間であった。


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