Fate/GRAND Zi-Order 作:アナザーコゴエンベエ
ヒーローは、一度死んで蘇る。
漂流!ゴーストの世界!2016
俺は天空寺タケル。
18歳の誕生日に襲ってきた眼魔に倒され、生き返るために仮面ライダーゴーストとなって英雄の眼魂を集めている。
残された時間が無くなって、消えてしまうかと思ったけど、俺の前に父さんが現れて奇跡が起こった! 生き返ったわけじゃないけど、もう一度15個の眼魂を集める時間ができた。
残された時間は、あと98日……
ガタガタガタ、そんな何もかもひっくり返すような音。
それを背後に聞きながら、一人の坊主が庭を掃いていた。
ここは大天空寺。坊主はこの寺の住職(代理)。
名を山ノ内御成といった。
「タケル殿、落ち着かない気持ちも分かります。
ですがこういう時こそ、泰然自若と構え目の前の問題に落ち着いて取り組むことが―――」
「そうじゃなくて!」
ばん、と床を鳴らしてこの寺の跡取り。
天空寺タケルが外に飛び出してきた。
そんな彼の落ち着かない様子に、御成はやれやれと首を振る。
「何がそうじゃないのですかな。まずは落ち着きなさい、拙僧のように。
どのような問題があっても、常に拙僧のような余裕をですな……」
「英雄の眼魂が全部なくなってるんだ! 8個! 全部!」
ふむ、と。タケルの言葉を頭の中で吟味する御成。
彼はゆっくりと一度頷き、問い返す。
「眼魂が無くなった?」
「そう!」
「8個?」
「そう!」
「全部?」
「そう!」
確認事項を終えて、御成の手から箒が落ちる。
「ぬわぁあんですとぉおおおお!?!?
ムサシ殿にエジソン殿にロビンフッド殿にニュートン殿にビリー・ザ・キッド殿にベートーベン殿にベンケイ殿にゴエモン殿の英雄眼魂が! 全部!?」
御成の叫びに指折り数え、その数が間違っていないと確認。
そうしてから、タケルは一度頷き肯定する。
「そう!」
「そう! じゃありませんぞタケル殿! 眼魂を15個揃える事こそ、タケル殿が生き返るために必要なこと! そんなのんびり構えている場合じゃありませぬ!」
指折り数えていたタケルの手を叩き落とす御成。
その焦りっぷりに自然とタケルの方がクールダウンしていく。
叩き落とされた腕を抑えながら恨みがましい目で御成を見つめるタケル。
「さっきは落ち着けって言ってたのに……」
「時と場合を考えなさい!」
「どうしたんですか、御成さん」
その騒ぎを聞きつけて、大天空寺の修行僧。
シブヤとナリタという二人の青年が外に出てくる。
丁度いい! と御成がその二人を指差した。
「シブヤ! ナリタ! 留守を任せましたぞ!
タケル殿! すぐに眼魂を探しに行きますぞぉ―――っ!」
「ちょ、まっ……ああ、もう……! ごめん、二人とも!
ちょっとお願い!」
返事も聞かずに走り出す御成。
留守を任せる二人に謝り、それを追うタケル。
そんな二人を見送って、二人は顔を見合わせるのであった。
更にそんな二人の後ろで、寺の後ろの壁によりかかった青年。
彼は、今し方タケルたちが消えたと言っていたもの―――
八つの眼魂を、その手の中で遊ばせていた。
「そんな闇雲に探し回って見つかるわけ……」
「いいえ! いつの間にか無くなっていたということは……
恐らく眼魂が勝手に飛び出したということ!」
「それは、まあ……そうかもしれないけど」
御成の推論を聞きながら、手元に残っている赤い眼魂を握る。
タケルが消滅する寸前、タケルの父親……天空寺龍から託された力。
これは残っていた、ということはあくまで無くなったのは英雄眼魂。
その時、龍はタケルに英雄たちの心を繋げと言い残していった。
言われた途端にこれは、まるで自分には英雄の心は繋げないと言われているような―――
「つまり! まずはこうして近場の森の中!
この辺りにきっと森の中の英雄であるロビンフッド殿などがっ、あたぁー!?」
「御成!?」
ぼうっとしていたタケルの前で、御成が頭を抱えて蹲る。
どうやら石が転がり落ちてきて頭に当たったらしい。
大声で叫んだが言うほど痛くもなかったらしく、彼はすぐに立ち上がった。
落ちてきた石も拾い上げて。
「むむむっ……
ロビンフッド殿を探す拙僧の声に応え、出てきてくれたわけではないようですな……」
「そりゃあね」
御成が拾い上げた石、それは眼魂のような球状どころか正反対。
サイコロのようなキューブ状だった。
しかし綺麗にキューブになっている石だな、とそれを眺めていると―――
「す、すいません! それ落としたの俺です! 大丈夫ですか!?
った、った、った、っとわぁっ!?」
「おおおおぉおぉおおおっ!?」
石が転がり落ちてきた斜面を、赤いジャケットを着た青年が駆け下りてきた。
が、途中で転んでそのまま倒れ込んでくる。
御成を巻き込んで転倒する彼。
あちゃー、なんて。
そんな声を出しながら、タケルが倒れてきた彼を引き起こす。
「大丈夫ですか?」
「あ、はい。すみません。そちらの方は……」
「ええ、いや。これでも拙僧は鍛えてますからな! なんのこれしき!」
引き起こされた彼がどいた後に立ち上がる御成。
法衣を軽く叩いた彼は、何でもないと微笑んでみせた。
「良かった……あ、と。それで、重ね重ねすみません。
さっき落とした石なんですけど……」
「ああ、これですかな」
サイコロのような石。
ただの石ではなく、何か透明感を感じる綺麗なものだ。
御成が差し出したそれを受け取り、青年はほっとした様子で息を吐いた。
「すみません、ありがとうございます。これ、大切なもので……」
「それは良かった……拙僧たちもいま、大切な……
そーうでしたタケル殿! 早く探しに行きましょうぞ!
ロビンフッド殿ー! 一体この森の何処にぃー!」
「ちょ、御成……! もう、ここにあるって決まったわけじゃ……!」
思い出して慌てふためき、そして走り出す御成。
どたどたと走り出した彼は、そのまま木々を縫ってどこかへ消えていく。
それを追おうとしたタケルが一度振り返り、赤ジャケットの青年に頭を下げた。
「すいません、俺たちはこれで! 森の中、気を付けてください!」
「あっ……ありがとう! そっちこそ気を付けて!」
走り去る二人の背中を見送りながら、青年はキューブを握る。
それが手に戻ったことに安堵の溜め息を吐いて―――
「大変なことになりました」
真っ先に口を開いたのは、立香だった。
ソウゴ、ツクヨミも沈痛な面持ちでそれを聞く。
マシュがどこか居心地が悪そうに、視線を彷徨わせている。
彼女たちは第六特異点の後、謎の眼に吸い込まれた。
その後放り出されたのは、黒ウォズが言い残したように日本。
2016年の日本に違いなかった。
今までと比べ、とても整備された生活環境の街。
何の準備もないまま放り出されても、すぐに死ぬような極限の地ではない。
―――だが、だからこそ。
「お金がありません」
この環境で生活するための手段を、彼女たちは所持していなかった。
通信も途絶していて、カルデアとは繋がらない。
理屈で考えれば、カルデアが存在を証明してくれるから特異点にいられるのだ。
捕捉はされていると思うが、実際のところは分からない。
考えてもしょうがない、ということもある。
立香の実家や、ソウゴの住んでいたクジゴジ堂。
そこに行けば打開できるかもしれないが……それは。
いや、それは今考えるべきことではないだろう。
とにかく。今、一番重要の問題はただ一つ。
食料? 宿? 通信? いいや、違う。
―――レイシフトしている以上、彼らは霊子体。
それが事実上肉体と変わらないと言ってもだ。
カルデアから出力されている霊子なことには、変わらないのだ。
だから何、というと。
「さっきから街を歩いていますが。
マシュがコスプレしている外国人の女の子として、とても目立っています」
「…………」
シールダーのデミ・サーヴァント。
そうとしてレイシフトしている以上、彼女は常にシールダーだ。
カルデアであれば武装解除し、シールダーから簡単に人に戻れるだろう。
だが残念なことに、いま彼女が変更可能なのは鎧の有無程度。
盾やシールダーのスーツなどは変えられない。
街を歩けば百人が百人、「え…? えっ!?」という視線で彼女を見る。
巨大な盾にこの服装では、無理もないだろう。
『変わった外人さん』止まりで通報はされていないようで何より、と言ってもいい。
「せめてコートか何か……体を隠せる服が欲しいわね」
ふぅ、と息を吐きながら周囲を見回すツクヨミ。
軽く見て回った感じ、彼女が知識として知っている2010年代と変わらない。
もちろんそれはオーマジオウが君臨する2019年オーマの日までの話だが。
ただ、住んでいた当事者である立香とソウゴの反応が妙な気はする。
二人揃って違和感を感じつつ、その違和感の正体が分かっていないような。
「それもそうだけど。流石にお腹空いてきた……あと眠い」
何となく服くらいならウィザードウォッチでどうにかできそうだ。
などと思いながら、そう言って目を擦るソウゴ。
どっちにしろウィザードウォッチは今使えない。力を使い切っている。
黒ウォズは、あの瞬間こそ元旦だと言っていた。
なのに、到着したこの時代はどうやら10日ほど進んでいるようだ。
それはともかく、ソウゴたちにとっては決戦直後。
その前に休息があったとはいえ、夜通し戦っていたのだ。
お腹は減るし、眠いし。
ソウゴが口に出したことで、立香も空を仰いだ。
今はまさに時間はお昼時。
周囲の食事処からしてくる匂いで、余計にお腹が空いてくるような気がした。
「周りからはいい匂いがしてくるね……あれ?」
「……どうかしましたか、先輩?」
空を見上げながらその違和感に首を傾げる立香。
そんな様子に問いかけてるマシュ。
いまいちその感覚の正体が分からなくて、立香は考え込み―――
「?」
俄かに騒ぎ出した周囲の状況に、思考から引き戻された。
「なんか騒がしくなってきたね」
「わたしのせい、でしょうか?」
盾を抱えながら縮こまるマシュ。
だがそういうわけでもなさそうに見える。
何やら、うどん処と書いてある店の前で騒ぎが起こっているようだ。
「……この特異点に関わる事、ではないでしょうけど。
ソウゴ、一応見てきてよ」
「え、俺? いいけど……」
確かに、人混みの中に今のマシュを連れていくわけにはいかないだろう。
三人を残して、ソウゴはそちらの方へと歩み寄っていく。
―――そこでは何やら、青い着物の女性が土下座をしていた。
「まったく見つかりませんでしたな……もしかしたら、眼魔に盗まれたのやも!?」
一通りめぼしい場所を巡り、戦果なしという状況。
実際に眼魂を手に入れた場所も巡ってこの結果。
何一つ見つからなかったということは、眼魂が消えたというだけではないのかもしれない。
「それは……いや、ありえるかも……
そうだ! だったら早くマコト兄ちゃんにも教えておかないと!」
「確かにそうですな! マコト殿も眼魂を持っているのですから!
今、マコト殿は……」
「病院! カノンちゃんにずっとついてるはず!」
「でしたらすぐに……なんですかな? 辺りが騒がしいようですが……」
大天空寺への帰路。
そんな会話をしながら歩いていた彼らが、街の喧噪に意識を向ける。
もしかしたら、眼魔が何らかの騒ぎを起こしている可能性もあるからだ。
だがその喧噪の元は、どうやらうどん屋の前での騒ぎだったようだ。
「眼魔が原因、じゃなさそうかな?」
「そのようですな。
ですがあのうどん屋さん、前に行ったことがありますがとても美味でしたぞ」
「それは訊いてないから」
何やら店の前で着物の女性が、店員らしき人物に土下座しているようだ。
土下座されている方も困り顔で、どうしたものかと首を傾げている。
「参ったなぁ、そんな旧いお金しか持ってないんじゃ……
ウチは骨董品屋じゃないんだよ」
「はい、まったくその通り……
ここが日の本の国と聞いて、手持ちの銭が使えるだろうと思い込んだ私の不明。
美味しそうなうどんの香りに、ふらふらと誘いこまれてしまった私の失敗。
それはそうとここのおうどん、とても美味しかったわ!」
つらつらと反省してるのかどうなのか、という言葉を並べる女性。
とりあえず称賛は受け取り、店員―――店長だろう彼は溜め息をついた。
「そう言ってくれるのは嬉しいけどねぇ。とりあえず頭上げてくれないか?」
言われると、女性は素直に頭を上げて立ち上がる。
ミニスカート染みた丈の青い着物。
腰には刀を提げている、まるでサムライの様相だ。
もちろんコスプレか何かだろうが。
「骨董品屋に私の持ち金が買い取ってもらえそうなら、それで払わせてくれないかしら。
美味しいおうどん相手に食い逃げなんてする気もなし。
これは言い訳にしかならないけど、ちょっと勘違いしていただけなの。ホント」
「勘違いねぇ」
今を一体いつだと勘違いしていたのか、という古銭。
そうやって何とかならないか、と会話している中。
その騒ぎを遠巻きに見ている人混みの中から――――
「おぁあぁあああああああ―――――ッ!?!?」
突如として奇声が上がり、法衣の坊主が二人の前に駆け込んできた。
いきなり現れた坊主に、二人揃ってきょとんとする。
彼は完全に着物の女性を見ている。正確には、その刀を。
「何をしておられるのですか、ムサシ殿!?」
「へ?」
「ちょ、いきなり何するんだよ御成!
いきなり女の人にムサシなんて……! すみません! すぐ連れ帰るんで……!」
後から追ってきたタケルが、今にもその女性に掴みかからんばかりの御成を止める。
彼を後ろから羽交い絞めにして、引っ張っていこうとするタケル。
拘束を何のそのと、御成の腕が女性が腰から提げた刀を指す。
「そうではありませんぞ! よく見なさい、タケル殿!
その女性が持っている刀!」
「え?」
言われ、御成を押さえ付けながら彼の視線が刀を見る。
本物っぽいが、流石にコスプレ用か何かの―――
「あ、あぁあああああ――――っ!?」
「のわぁあああっ!?」
抑え込まれていた御成が手放されて、そのまま女性に突っ込んでいく。
ひょいと躱した女性の横を抜け、彼は地面に転がった。
それに構わずタケルが自分の首にかかった紐。
紐に通してペンダントのようにしてある、父の遺品。
―――宮本武蔵の刀の鍔を取り出した。
「宮本武蔵の刀の鍔! 同じだ!」
「―――――」
微かに目を見開く女性。
その肩に後ろから、すぐさま立ち直ってきた御成が手をかけた。
「すみませぬ、店主殿! こちらの方、大天空寺に来る予定だった客人でして!
ええ、ほら! 先代の住職は顔が広かったもので!
あ、お幾らですかな。拙僧たちがちゃんと払いますのでどうか!」
「大天空寺の? まあ、そういうならいいが……うどん六杯食べたよ、この人」
「ほうほう六杯。ろっぱ……六杯!?」
財布を出しながら驚愕する御成。
彼はすぐさま気を取り直して、会計のために店の中に入っていく。
集まっていた人だかりも散り始める。
龍さんは結構変わった人と知り合いだったからなぁ、なんて。
彼を知っている人がそんな事を口にしながら、日常へと帰っていく。
その中で一人、女性から視線を外さない少年がいた。
視線は向けず、意識だけ向けてから。
カチン、と。彼女の手が刀の鍔を鳴らす。
―――反応なし。
理解していながら、気にも留めず。
少年は他の人間たちと同じように、どこかへと歩き去っていく。
去っていく少年から意識を外す。
そして、彼女はうどん屋に頭を下げに行った方の少年に意識を戻した。
「……うーん。今度は命のやり取りから掛け離れた平和な世界。
―――かと思っていたけど、これはなかなか。いつの世も兵とはいるものなのね」
ひとしきり頭を下げていた彼ら。
それが彼女の元に戻ってくる。
何やらいつの間にかおかしなことになっているが、自分のために頭を下げさせてしまった。
ただ、
「―――ムサシさん! なんでそんな、そんなことに!?」
「ムサシ殿! いいですかな! 幾らうどんが食べたかったとは言え、女性に憑りつきうどんを食べるなど! しかも六杯! その方が体形を気にされていたら……いや、その女性の体形はその、とてもあれですが。それはそれとして!」
「あー、その。ごめんなさい」
何やらムサシに縁のあるらしい二人の言葉を押し留める。
ぱたぱたと手を振る彼女に、二人は何を言うのかとそこで黙った。
そうしてから、彼女は改めて名乗りをあげる。
「ええ、あなたたちの言う通り。私こそ二天一流、
―――それで、その。あなたたちはどちらさま?」
「どちらさまって……俺です! 天空寺タケル!
今までムサシさんの眼魂と一緒に戦ってきた……」
詰め寄ってくるタケルを制しながら、武蔵が片目を瞑る。
彼が口にした、ムサシと戦ってきたという言葉の真贋を探るように。
数秒黙り込んだ彼女は、一度頷くと口を開く。
「ええと。あなたが武蔵と知り合い、というのは事実でしょう。
その刀の鍔も、たぶん武蔵本人のものに違いないのでしょう。
でも、悪いけど私はあなたと初対面……というか、この世界にはさっき来たばかりなの」
「この世界……ですか?」
ここじゃない世界。彼らはそれを知っている。
彼らが戦う眼魔たちが住まう、眼魔世界。
大体怪物として現れる彼らだが、彼らの中にも人間と同じ姿を持つものがいた。
もしや彼女も、と身構える彼らの前で―――
彼女は、にっこりと微笑みながらそれを告げた。
「ええ、そうね。あなたたちに分かり易く言えば……
私は、異世界から迷い込んだ女に生まれた宮本武蔵だったりするのです!」
「……えぇえええええ――――ッ!?!?」
―――
人理焼却によって燃え尽きた地球。
それは外から見れば異常な磁場に覆われた地獄の光景。
そこにあえて接近してくる、一つの船があった。
黄金の弓矢を思わせる造形。
その名を、サジタリアーク。
「見えました、地球です」
船の中からその姿を見止めた、女性らしきシルエット。
緑色のスライムを纏ったような人型。
彼女が、自分の主に告げるようにそう口にした。
「おいおい。なんだよ、ありゃあ! 豊かな星、って話はどこ行ったんだよ。
本当に下等生物どもがちゃんと住んでんのかぁ?」
同じ光景を見たのは、青いキューブが無数に連結して人型になった怪物。
彼は地球の惨状を眺め、呆れるようにそう言った。
そんな存在の隣に立つ金色のマントのようなパーツを纏った人型機械。
それがこの空間の主であるものに振り返り、問いかける。
「記念すべき百個目に滅ぼす星……ここでよろしいのですか?」
「おいクバル! やっと辿り着いた星なんだぜ?
暴れずに帰るなんて言わせねえぞ!」
「ジャグド。それを決めるのはあなたではありません」
船のメインモニターに映った燃える星。
そこに歩み寄りながら跳ねる黒い悪魔の如きもの。
彼の肩を掴み、引き戻すのは緑の女性型。
そんな彼女を笑うのは、青いキューブの塊。
「まあまあ、いいじゃねえかナリア。
俺たちゃ暴れたりなくて体が鈍ってんだよ!」
「アザルド、あなたもです。決定は全て―――」
その場の主、この船の玉座につく魔人が身を捩る。
透き通ったイエローのボディ。それを覆う白いフレーム。
下半身は人型のそれではなく、玉座と一体となっているような台座。
それは黄金の瞳をちらりと光らせ、モニターに映る星を観た。
「ナリア。あの星にかかっている光帯は何だい?」
「は! ―――光帯、ですか?」
言われて。ナリア、アザルド、クバル、ジャグド。
皆が改めてその星を見る。
「……ふむ。確かに何か……うっすらと光の帯が見えますね」
「虹か何かじゃねえのか?」
「宇宙に虹がかかるかよ!」
「解析します」
王は配下の動きをゆったりと見送り、腕をアームレストに乗せた。
頬杖をつきながら地球を観る彼の眼の中に、様々な感情が浮かび―――消える。
すぐさま仕事を終えたナリアの報告が上がってきた。
「申し訳ありません。あんなものを見逃していただなんて……
あれは凄まじいエネルギーベルトです。
そのエネルギー総量は、あの星を消し飛ばして余りあるかと」
「星を吹っ飛ばして余りあるたぁ、随分景気がいいじゃねえか!
なんだ、俺たち以外にもあの星で遊んでる奴が既にいるってことか?」
自分の拳同士を打ち付け、ばんばんと音を立てるアザルド。
彼がそのまま振り返り、王に対して頼み込む。
「だったら、今あの星にはそんなことを出来る奴がいるかもしれねえってことだろ?
やろうぜオーナー! 百個目の星に相応しいド派手なブラッドゲームを!」
「アザルド……それ以上の無礼な真似は―――!」
「ナリア」
彼に詰め寄るアザルド。
それを静止しようとするナリアが、彼の声で動きを止める。
―――王の指が虚空を撫でた。
伸ばした手、広げた掌が、モニターに映る地球を光帯ごと包み込むように伸ばされる。
「是非、楽しもうじゃないか。最高のブラッドゲームを……」
下された決定。
それに、すぐさまナリアは跪いていた。
「は! 全てはジニス様の御心のままに―――」
本能覚醒!!
グレートアイザー、メーバ様、これでメガヘクスの二倍達成。
ジュウオウには海賊も出てくるのでディエンドと並べば役満ですな。
ジャグドくんは画面外で勝手に死ぬのでもう忘れていいです。
多分その刀の鍔全然デザイン違うと思うんですけど(名推理)
まあ影山とネイティブ影山レベルの間違いなら誤差だよ誤差。
切嗣の知り合いだと言い張れば誰でも衛宮邸に泊まれる説。
項羽! 雷帝! 呂布(馬)!
藤ねえにジェットストリーム外国から来た切嗣の知り合いアタックをしかけるぞ!