Fate/GRAND Zi-Order   作:アナザーコゴエンベエ

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解放!囚われの戦士!2016

 

 

 

「ぬっふっふ……」

 

 地上のビルに降り立った怪人、トランパス。

 トランプに描かれたキングの絵のような形状の体のデスガリアン。

 

 彼は悠然と髭を撫でるように手を動かしながら、眼下の人の群れを見渡した。

 そうして視界に映る多くの人間。

 親子か、恋人か、友人か。特に目をつけるのは、二人で行動している連中―――

 

「では、ゲームを始めるのであーる!」

 

 宣言するとともに、その手に乗せた無数のトランプを一気にばら撒く。

 風に乗って舞い上がったカードは高く飛び、次の瞬間。

 

「え、なに!?」

 

「なんだこれ!」

 

 トランパスが目をつけていた人間たちの元へと飛んでいく。

 突然の事態に困惑混じりに悲鳴を上げる者たち。

 トランプは即座に、人ひとりが入るだけの巨大な箱へと変化。

 そして彼が対象として目をつけていた人間を、中へと取り込んでいってしまう。

 

「なんだ、おい! 大丈夫か!?」

 

「無事か!? くそ、どうすりゃいいんだ!」

 

 一瞬前まで自分と一緒にいた人間が、突然箱に閉じ込められるという状況。

 それに困惑しながらも、箱を叩いてみるなりでどうにかしようとする人間たち。

 

 そんな下等生物を眺めながら、トランパスが彼らの側に着地。

 にこやかにさえ聞こえる声で声をかけた。

 

「下等生物たちよ、これはゲームである!

 余のオ4()マイボックスに囚われた人間が助かる方法はたった一つ!」

 

「デ、デスガリアンだ……! デスガリアンが出たぞ!」

 

 怪物が目の前にいて、しかし彼らは逃げられない。

 知人が閉じ込められた箱が目の前にあるのだ。

 それを見捨てて逃げるわけには――――

 

 そんな動揺を前にして、トランパスは紳士的とさえ言える所作で彼らを宥める。

 

「安心するがいい、余が直接お前たちに手を下すことはないのである。

 これは余が開催する由緒正しきブラッドゲーム。もちろん、ルールがある。

 さあ、お前たちと共に居た者を救いたいなら、カードを捲るがいい」

 

 悠然と歩むキングの怪物。

 彼は人間たちの前で箱に張られたカードを指差してみせた。

 箱一つにつき四枚。裏向きに固定されたトランプ。

 

「もし当たりを引ければ、箱が開いてお前たちが助けようとしている者たちを解放できる。

 だが……時間制限がある。それを過ぎてしまうと……ドカン! である」

 

「なんだって……!?」

 

 言いながら広場の中心にある時計を見上げるトランパス。

 それを聞いて、すぐさま一人が動き出した。

 箱の中から聞こえてくる声は随分幼い。子供を捕らえられた父親だろう。

 

 彼は一瞬迷い、しかしカードを一枚選び取り捲る。

 その瞬間―――

 

 爆発に呑まれ、地面に転がった。

 彼の足元に落ちてくる、ジョーカーが描かれたトランプ。

 細かく痙攣しながら、呻き声をあげる男性。

 

 命に別状はない。動けなくなるほどの致命的な傷は受けない。

 もちろん、トランパスがそう仕組んでいるからだ。

 

「……あ、ぐ……」

 

 火傷と裂傷を負ったその男を見て、誰もが一歩退く。

 そんな下等生物の様子を見渡したトランパスが、口に手を当て笑みを零す。

 

「ぬふふふふ、ご安心を! 外れを引いても痛いだけ!

 四枚捲り切る覚悟があれば、絶対にお前たちの大切な人は助けられるのである!

 にしても、いいのであるか?

 時間がくれば、箱の方が人間など木端微塵になるほどドッカーン! と……」

 

 楽しそうにそう笑いながら、捕まえた人間たちを見回すトランパス。

 彼は時計にも目を向けて、秒針の動きに大仰に一喜一憂を示す。

 

 皆が青い顔をしながら、箱に飛びついていく。

 息を荒くし、しかし恐怖を乗り越えて踏み出していく人間たち。

 そして連続する爆音。

 十数人が一枚目を捲って、誰一人当たりを引けずに地面に転がった。

 

 ―――そんな中、真っ先に吹き飛ばされた者。

 子供を奪われた男が、よろめきながらも立ち上がる。

 ふらつきながら箱へと辿り着き、二枚目のカードに手をかけ――――

 

 

 

 

「―――ご存じの通り、トランパスは下等生物で遊ぶことにかけては中々のもの。

 生かさず殺さず、希望と絶望に踊り狂う下等生物たち。

 この見世物でしたら、ジニス様にも楽しんで頂けるかと……」

 

 そう言って深々と頭を下げるクバル。

 機嫌が余りにも悪いオーナーに対して、彼が出来るのはこれくらいだった。

 先程のザワールドとの戦闘から、そう時間も経っていない。

 ジュウオウジャーたちも対応に入るまで、少し時間がかかるだろう。

 

 とにかく下等生物の悲鳴でジニスの機嫌を回復できればいい。

 それ以外は求めていないならば、トランパスは悪くない人選のはずだ。

 戦闘にはそれほど向いていないが、ああして下等生物を甚振ることに関しては有能な奴だ。

 

「ははっ、あの人間また吹っ飛んだぜ!

 あんな程度の爆発で死にかけなきゃなんねぇなんて、下等生物は大変なこった!」

 

 モニター越しにその光景を見ているアザルドが、おかしそうにテーブルを叩く。

 

 人間どもは必死にトランプを剥がしている。

 全部外れのカードで、全て剥がしたら箱ごと中身も剥がした人間も大爆発するのだが。

 どうやら最初に爆死するのは、あの子供を助けようとしている親になるらしい。

 

 死にかけながらも、何とかトランプを剥がし続ける。

 その結果、助けようとした相手もろとも盛大に爆死するのだ。

 それを見た他の連中が絶望に暮れる顔が、ジニスを楽しませてくれるといいのだが。

 

 そんな光景を眺めていたジニスが、手にしていたグラスを軽く揺らす。

 反応して、すぐさま王の許に傅くナリア。

 

「どちらにせよ、ジュウオウジャーたちも来るだろう。

 さあ、ナリア。ザワールドにも出撃の準備をさせておくといい」

 

「はッ、―――は……? そ、そのジニス様……よろしいのでしょうか。

 まだザワールドには調整を行っておりませんが……」

 

 ジニスの言葉に珍しく口を挟むナリア。

 しかしそれを気にもせず、ジニスは小さく笑みを浮かべた。

 

「構わないさ。もしここで、ザワールドが潰れたとしてもね。

 既に研究データは十分に取れているから、何に困るわけでもない。

 こんなところで使い物にならなくなるなら、所詮は下等生物だったということさ。

 ―――けれど、一応私から声をかけておこう。まずはここに連れてきてくれるかい?」

 

「――――は!」

 

 わざわざ引き戻させたザワールドを、無意味に捨てるような真似。

 しかしそれがジニスの望みならば、否やはない。

 ナリアは即座に頭を垂れて、ザワールドの元へと向かった。

 

 そんな彼女の背中を眺め、クバルが微かに目を伏せる。

 

「いいのかよ、オーナー。せっかく作ったんだろ?」

 

「ああ、もちろん。ただ、所詮は遊ぶために作った玩具。

 いつどんな風に壊れたって構いやしないさ。

 ―――できれば、かけた労力程度には私を楽しませて欲しいけれどね」

 

 そう言って頬杖をつくジニス。

 アザルドがそれを聞き、そんなもんかと軽く肩を竦める。

 

 未だにジニスの機嫌は明確に悪い。

 その事実に体を震わせながら、クバルはモニターを見上げた。

 どうやらその怒りは、ザワールドにも向いているらしい。

 

 それどころかザワールドが主体とさえ言えるのやも。

 ならば、もしかしたら何とかなるかもしれない。

 

 ―――ここはジュウオウジャーどもに任せましょうか。

 ―――ザワールドなど、さっさと処分してくれた方がこちらのためです。

 

 

 

 

 満身創痍の男が、最期の一枚に手をかける。

 相当数の人間が1/4から上がり続ける確率のクジに挑んでいる。

 だというのに、誰一人助かった人間が出てこない。

 

 既におかしいなどとは判断できている。

 だが彼にそれ以外に出来ることはないのだ。

 デスガリアンという災害に巻き込まれた以上、一縷の望みをかけて―――

 彼は、最期の一枚になったトランプを捲った。

 

「大正解である!」

 

 ―――彼が捲ったカードには、『大当たり』と書かれていた。

 今までのジョーカーとは明確に違うカード。

 

 その事実に一瞬だけ彼はフリーズし、すぐさま箱に抱き着いた。

 子供を助けられたという事実に、傷だらけの彼の表情は喜びに染まる。

 

「それはそれとして、大爆発であーる!」

 

 それと同じくらい。楽しげに喜ぶトランパス。

 助けられた、と喜色に溢れた男の顔が、一気に絶望に染まる。

 

 感情の急落下。

 今から消し飛ぶ下等生物の無様な姿に、怪人は拍手を送った。

 

「はい! ドカー」

 

 言い切る前に迸る雷光。

 箱を横合いから殴りつける獅子の腕。

 それがトランパスのオ4マイボックスを、思い切り殴り飛ばしていた。

 

 吹き飛ばされた箱が、トランパスに向け飛んでくる。

 

「ン!?」

 

 言い切った瞬間、彼の目の前まで飛んできていた箱が大爆発。

 トランパス自身を吹っ飛ばした。

 直撃でこそなかったが、爆風に煽られて彼は地面を転がる。

 

「むむ、ジュウオウジャー!」

 

 転がされた彼が起き上がり、敵に向き直る。

 獅子の爪を有する黄色い戦士、ジュウオウライオン。

 

「好き放題しやがって……! これ以上はやらせねえぞ!!」

 

「いやいや。まだまだ余の好き放題である! よいか、ジュウオウジャー?

 オ4マイボックスの起爆は、余の意思一つで好きにできる。

 つまりお前たちが余に刃向かえば、辺り一帯の人間どもはドカンと……」

 

 握った拳を開くことで、爆発する様を示す。

 そんなトランパスが目を向けるのは今まさに子供が爆死した親で―――

 

「おや?」

 

 などということはなく。

 箱に入っていたはずの子供と、満身創痍の親が抱擁している。

 思わず自分の周囲に視線をやっても、箱の残骸だけで爆死した子供の死体はない。

 

 つまり爆発する前に箱から逃げられていた、ということ。

 彼の意思以外で箱を開閉するのは不可能だ。

 だというのに、

 

「なんで?」

 

「さあ? 有り得ない事が起きたんなら―――魔法使いの仕業かもね」

 

 困惑するトランパスの前に、地面を割りながら浮き上がってくるジオウ。

 彼は地上に出ると同時、魔法陣を二つに割ったようなローブを腕で大きく払った。

 

 同時に、ノイズがかかって彼のウィザードアーマーが消えていく。

 回復し切っていない魔力を再び使い果たし、宝石の鎧は光と消える。

 

 地下に潜り、箱の下に人が一人だけ入れる空間を作り。

 そして箱の下にフォールの魔法で穴を開ける。

 結果、箱の中に閉じ込められていた人は、全て地面の中に落ちていた。

 周辺一帯にばら撒かれた箱には、最早誰も入っていない。

 

「タスク!」

 

「ああ、飛ばすぞ! 野性解放―――ッ!!」

 

 それを確認して、大地を揺らす緑の象。

 彼が地面に足を叩き付けると、地表だけにエネルギーが奔っていく。

 衝撃で全ての箱だけを綺麗に吹っ飛ばす緑の波動。

 

〈カメンライド! ディケイド!〉

〈ファイナルフォームタイム! ガ・ガ・ガ・鎧武!〉

 

 その下に滑り込みながら、ジオウが新たなる姿に変身する。

 ドライバーにディケイドウォッチを装填。

 回転させた直後に、ディケイドウォッチへと更にウォッチを装着した。

 

 紺色のアンダースーツ、DCDカチドキライドウェア。

 腰から下を覆う橙色のアーマー、DCDカチドキブロック。

 胸のインディケーターの浮かぶ文字は、鎧武・カチドキへ。

 

 ディメンジョンフェイスに浮かぶのは、黄金の角を持つ鎧武者。

 変わった彼がその両腕に握るのは、橙色の布がはためく旗印。

 鎧武のクレストが描かれた二本のカチドキ旗を手に、ジオウが大きく一歩踏み込んだ。

 

「ハァアアア……ッ!」

 

 掲げたフラッグを横に一振り。

 その軌跡に火線が走り、周囲の重力が大きく歪む。

 歪んだ空間に落ちてきた箱が全て、空中で漂流し始めた。

 

「セイハァアアア――――ッ!!」

 

 直後、もう一本の旗が縦に振り抜かれる。

 放たれた衝撃は、箱を全てトランパスの方へと撃ち出した。

 

 十数個の箱、爆発物が一気に自分の方へと飛んでくる。

 その事実にトランパスが口に両手を当て悲鳴を上げた。

 

「あわわ……! 爆発禁止であるぅ―――っ!」

 

 即座に箱に対して爆発を禁じるトランパス。

 それでも箱自体には激突されて、どんどんその中に埋まっていく。

 箱に埋もれ、身動きが取れなくなる怪人。

 

 そんなトランパスの姿を前に、ジオウは手にしていた旗を両方放り投げた。

 代わりに現すのは、ジカンギレード。

 そうして構え直す彼の背後に出現するのは、ストールを爆風に流す青年。

 

「祝え! 全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え過去と未来をしろしめす時の王者。

 その名も仮面ライダージオウ・ディケイドアーマー鎧武フォーム!

 また一つ、魔王の力が新たなるステージへと歩を進めた瞬間である!」

 

 いつも通りの黒ウォズの更に背後から。

 地下に避難させていた被害者たちを引っ張り上げ、逃がしていた他のメンバー。

 彼らがそこで合流し、トドメを刺すために武器を構える。

 

「決めるよ!」

 

〈ジュウオウシュート!〉

〈ガ・ガ・ガ・鎧武! ファイナルアタックタイムブレーク!!〉

 

「ひぃ!」

 

 ジュウオウバスター、そしてジカンギレードによる六人の同時銃撃。

 トランパスは箱に埋もれながら、必殺のエネルギーが高まっていくのを見る。

 逃れようがない必殺の体勢に、彼は喉を引き攣らせた。

 

 

 

 

 その光景を見て、ジニスが指を軽く動かす。

 玉座の間に既に来ていたナリアとザワールド。

 二人の姿が、彼女の出したコインに包まれていく。

 

「―――今度こそ、失敗はしないね? ザワールド」

 

「はい。もちろんです、ジニス様」

 

 コインに呑まれていく三色の戦士。

 彼は声を揺らすこともなく、確かにジニスにそう返す。

 その態度に小さく笑ったジニスが、手にしたグラスを軽く掲げた。

 

「それは良かった。―――では、君に期待をさせて貰おうかな?

 しっかりと、応えてほしいものだ」

 

「お任せ下さい、ジニス様」

 

 積み上がったコインが割れ、消えていく。

 そうして彼らは瞬時に地球へと出現することになる。

 

 身を晒す場所はトランパスのすぐ前。

 今にも六つの砲撃が直撃しようという地獄の光景。

 それを前にして、ザワールドは咆哮を上げた。

 

「野性、大解放――――ッ!!」

 

 右腕に鰐の尾、左腕に狼の爪、そして肩には犀の角。

 全てのジューマンパワーを解放した彼が、砲撃に対して一歩踏み込む。

 激突して爆炎を上げるザワールド。

 

 その光景を見た全員が息を呑む。

 

「……来やがったぜ、ザワールド……!」

 

「まずは、私たちの気持ちを伝える……だね」

 

 鰐尾が薙ぎ払われ、爆炎を消し飛ばす。

 当然のように生還した黒、金、銀のトリコロール。

 彼は大きなダメージもなさそうに、軽く腕を回してみせる。

 

「ジニス様からの御命令だ。

 お前たちが俺たちに反抗する闘争心を適度に砕いてやれ、とな。

 玩具には玩具なりの、身の程があるってことを教えてやるよ―――!」

 

 疾走するザワールド。

 狼の速さで迫りくるそれに、鮫の背ビレが回転鋸の如く襲い掛かる。

 それを正面から鰐の尾で殴りつけ、地面に叩き落とす。

 

 だがジュウオウシャークは地面に激突することなく、地面に()()した。

 まるで水を泳ぐように、地面の中を泳ぎ始める鮫。

 

「ふん……!」

 

 ならば、と。地面ごと粉砕せんと彼が右腕を大きく振り上げた。

 振り上げた時に倍する速度で、一気に振り下ろす黄金の尾。

 だがそれが地面に届く前に、赤い巨体が立ちはだかっていた。

 

 自分が打ち据えられることにも構わず、割り込んでくるジュウオウゴリラ。

 彼が胴体でそれを受け止め、両腕で抱いて攻撃を止めた。

 

「止めてくれ、ザワールド! 俺たちは君と話がしたいんだ!」

 

「話? 勝手に好きなだけすればいい。

 どうせ途中からは、命乞いの悲鳴になるだろうがな!!」

 

 左腕の銀狼の爪が唸りを上げる。

 振り上げるその腕に、しかしライオンとタイガーがしがみ付く。

 

「許可は取ったぜ……!」

 

「じゃあ好き放題、話をさせてもらおっかな!」

 

 舌打ちして、その三人を纏めて振り払おうとする。

 

 ところに、地面から浮上したシャークが左足に抱き着いた。

 続けて、スライディングしてきたエレファントが象の脚を右足に絡める。

 四肢を拘束されて、動きを封じられるザワールド。

 

「言ったからには、こっちが諦めるまでお前には付き合ってもらう!」

 

「諦める気なんて、さらさら無いけどね!」

 

「こいつら……!」

 

 つまり洗脳解除が目的なのだ、と。

 ナリアが舌打ちして、自分の武装に手をかけた。

 ジニスはやられるならそれまでだ、と言いはした。

 だがジニスが作った玩具を奪われるとなれば、黙って見てはいられない。

 

「ジュウオウジャー……!」

 

「ここね」

 

 自分の得物であるヌンチャクラッシャーを抜こうとしたナリア。

 彼女がそうした瞬間に、その耳に静かな声が届いた。

 

 殺気を感じて飛び退いた瞬間、体が一部斬られて地面に落ちる。

 

「――――ッ!?」

 

 攻撃により欠けた体の一部。

 彼女はそこに手を触れながら、下手人を強く睨みつけた。

 睨まれながら、女剣士は刀の峰を軽く肩に乗せる。

 

「不意打ちごめんなさい。

 けどお生憎様、私ってば外道に対しての遠慮は持ち合わせてないの」

 

 冷たく言い切り、武蔵が踏み切って加速する。

 迫りくる下等生物を前にして、ナリアがヌンチャクラッシャーを引き抜いた。

 円を描く軌跡で躍る破砕棍が、武蔵に対して向けられる。

 

「下等生物如きが生意気な―――!」

 

「上等生物ぶるならせめて……

 この程度のことに、いちいち目くじら立てないくらいの余裕は欲しいわよ?」

 

 火花を立てて交差するヌンチャクと剣。

 確実に相手の攻撃を逸らし、再度疾走の体勢に入る武蔵。

 その彼女の前で、ナリアがヌンチャクを銃のように構え直す。

 

「―――っと!」

 

 吐き出される光弾の弾幕。

 即座に体勢を切り返し、バックステップで下がる。

 そんな武蔵を追い越して、巨大なラウンドシールドが前に出た。

 

「チィ……ッ!」

 

 マシュの盾の表面で弾ける光弾。

 ギフトやザワールドさえ凌いだあれを、ナリアが正面から破る術はない。

 近距離戦では強い女剣士。遠距離攻撃を防ぐ盾持ち。

 

 面倒な、と。

 口の中で吐き捨てて、ナリアはヌンチャクラッシャーを構え直した。

 

「―――マシュ、距離を詰めて。優先するのは、あいつが持ってる金貨よ」

 

「――――はい!」

 

 盾の後ろに跳び込んだ武蔵が、マシュの耳に顔を寄せて小声で呟く。

 ここにはデスガリアンのプレイヤーが居て。

 そして更にナリアまでもがここにいるということ。

 つまりコンティニューの環境は整っている、ということだ。

 

 相手もトランプ怪人がそのまま生き延びるとは思ってないはずだ。

 ならば予めコンティニューの準備をしていてもおかしくない。

 

「距離を詰めて、時間稼ぎ。あいつがあれを出した瞬間に私が踏み込むわ」

 

「了解しました……!」

 

 ナリアの銃撃を防ぎながら、マシュが足取りを調整。

 相手の戦闘力自体はそう高くないように感じる。

 プレイヤー、というわけではないだからだろうか。

 けして優勢に戦えない相手ではない、と。

 

 マシュは盾を握り締めて防戦に徹した。

 その後ろで武蔵が、逃げ始めたトランパスへちらりと視線を送る。

 

 

 

 

「ザワールドがジュウオウジャーどもを引き付けている間に、別の場所でゲーム再開である!

 戦いたい奴は勝手に戦っていればいいのである!」

 

 トランパスはトランプを使ったゲームの如く、複数種のゲームを展開できる多芸な存在。

 だが、直接戦闘ばかりはあまり向いていない。

 そんな彼がジュウオウジャーたちとの戦闘を積極的に行うはずもなく―――

 

「へえ。じゃあゲームしたいあんたも、ひとりで勝手に遊んでればいいんじゃない?」

 

 すぐに逃げを打った彼の足元から、無数のバナナが突き上げてくる。

 トランパスを囲うように生えてくるバナナの檻。

 それに掴まった彼が軋む体で、声がしてくる背後を何とか振り向いた。

 

「バナナ!? そんなバナナ!?」

 

 地面に突きたてられた、バロンウォッチを装填したジカンギレード。

 ディケイドアーマー鎧武フォームの手の中には直剣、ライドヘイセイバー。

 ジオウはそこにウォッチを差し込み、セレクターに指をかける。

 

〈フィニッシュタイム! ヘイ! ブレイド!〉

 

 ヘイセイバーを包み込む青と銀の光が、巨大な刀身を形成する。

 その大剣のナックルガード部分が大きく展開。

 そこから13枚のカードエフェクトが飛び出し、捕らわれたトランパスを囲む。

 

 周囲をカードに囲まれた彼が、それは何なのかと忙しなく首を振った。

 自分を拘束しているバナナの檻は壊れない。

 そのどうしようもない状況に、彼は焦りながら顔を右往左往。

 

「な、なんなのであるか、これは!? それにバナナ!?」

 

「―――けど、せっかくだし。あんたに合わせてゲームで勝負しよっか。

 あんたが正解だと思うカードをこの中から五枚選んで、それで勝負をつけるってどう?」

 

 ジオウの腕の動きに合わせ、トランパスの周囲のカードがシャッフルされる。

 ぐるぐると回るカードの動きを視線で追いつつ、困惑するトランパス。

 

「正解? 正解とは……?」

 

「制限時間はカードが止まるまでね」

 

 言うと、ゆっくりと動きを遅くし始めるカードの回転。

 そう口にしたジオウが、それに合わせるように青と銀の大剣を振り上げる。

 迸るエネルギーの渦を前に、トランパスが慌てながらとにかくカードを指差した。

 

「あ、あれだ! それにあれと、あれと、それと……これ!」

 

 彼が五枚を選んだ瞬間、カードが完全に動きを止めた。

 

 そうして、選ばれたカードが五枚、オープンされる。

 スートは全てスペード。

 選ばれたカードは―――A、10、J、Q、K。

 

「おお! ロイヤルストレートフラッシュである! これは当たりなのでは!?」

 

 バナナに抱かれながら、トランパスが必死に身を乗り出した。

 だが彼が目の当たりにしたのは、剣を振り上げ切ったジオウの姿。

 そして臨界まで高まった力を纏う、必殺の大剣。

 

「当たりなんか無いよ。()()()()()()()()()()()()()、って言ったでしょ?」

 

「ひ、卑劣な! 何という卑劣な奴であるか!」

 

 何のこともなく、冷淡にそう言い切るソウゴ。

 そんな相手に、手近なバナナを必死に抱きしめながらトランパスは声を上げる。

 

「じゃあこの勝負は別にあんたの勝ちでいいよ。ゲームはそれで終わり。

 こっからは遊びじゃないってことだね」

 

「あ、いや……ゲームの二回戦とかまだまだ色々……!

 余は色々な種類のゲームを知っていてだね……!」

 

「あんたに次はもう無いよ」

 

 選ばれた五枚のカードが舞い、ジオウとトランパスの間に突き立つ。

 臨界を更に超え、黄金色に光を放つ大剣。

 それを両腕で握り締め、ジオウが思い切り振り下ろした。

 

〈ブレイド! スクランブルタイムブレーク!!〉

 

「ドロップ! ドロップ! 余は棄権するのであーる!?」

 

 放たれる黄金の極光。

 それは前方に展開された、ロイヤルストレートフラッシュのカードを突き抜けて迸る。

 迫りくる光の波濤に、必死に体を動かすトランパス。

 しかし彼はバナナの拘束から逃れること叶わず、そのまま光に呑み込まれた。

 

 光の柱の中で爆炎が上がる。

 トランパスが上げた最期の炎が、戦場に立ち昇った。

 

 

 

 

「っ、トランパス……!」

 

 ナリアが真っ先にそれに反応し、懐からメダルを取り出した。

 当然両手での射撃から片手での射撃に変わり、必然弾幕は薄くなる。

 盾にかかる圧力の減衰から、マシュはそれを真っ先に察知した。

 

「武蔵さん!」

 

「了解! いざ、参る――――!!」

 

 盾から飛び出し、武蔵が速攻をかける。

 メダルを出すために彼女は片手を開け、向けられた銃口は一つ。

 それでも弾幕と呼ぶに相応しい光弾の雨霰。

 

 ―――しかし、それでは新免武蔵の足を止めるには足らない。

 ただの一つの弾丸さえ切り払うことなく、足取りだけで速やかに抜き去る侵攻。

 

「速い……!」

 

 ナリアが弾幕を維持しつつ、最優先でメダルを解き放つ。

 爆炎の中に沈んだトランパスのコイン投入口に向け。

 しなやかな緑の指先は確かにそれを投擲し―――

 

 キィン、と。

 甲高い音と共に、疾走する武蔵の刃に両断されて地面に落ちる。

 真っ二つに切り降ろされたメダルを見た瞬間。

 ナリアの声が、地獄の底から湧き上がってくるようなものに変わった。

 

「――――キ、サマ……ッ!

 よくも、ジニス様が私に与えて下さった使命の邪魔を――――ッ!!」

 

 ヌンチャクラッシャーを両手に、再び機関銃の如く光弾を吐き出す。

 下がる武蔵。上がるマシュ。

 二人の位置が交差して、再びナリアの猛攻を優に凌ぎ切る体勢に入った。

 

 それを見て、ナリアが憤怒の言葉を叫んだ。

 

「何をしているザワールド!! いい加減そんな連中は振り解け!!」

 

 

 

 

「何で君は、ジニスの言う事に従うんだ!

 あいつはデスガリアンを使って、この星の命を苦しめている奴だ!

 君たちだって、そうやって命を弄ばれた被害者のはずだ!」

 

 五人で組み付き、必死に抑え込むザワールド。

 それでもジリジリと少しずつ、ジュウオウジャーたちが押されていく。

 圧倒的な力を見せながら、ザワールドは鼻で笑った。

 

「俺が何故ジニス様に従うかだと?

 決まってる、ジニス様だけが本当の俺を分かってくれる!

 ジニス様だけが俺を認めてくれる! だから、俺は―――!」

 

「そんなの嘘だ……!」

 

「なんだと!?」

 

 否定の言葉を上げた大和に、強く鰐の尾が押し付けられた。

 ジュウオウゴリラであっても軋む体に、しかし彼は全力で耐えきってみせる。

 

「俺たちは君を知らない……! 本当の名前も、どんなことを考える人なのかも!

 でも!! あの時、君は俺たちにトドメを刺すことを戸惑った!!」

 

「―――――ッ!」

 

 あの時、トウサイジュウオーが力を抜かなければ。

 もしかしたら自分たちは、ここにはいないかもしれない。

 それだけの力が彼にはあったはずだ。

 

 けれど彼は大和たちの言葉に何故か怯み、力を抜いた。

 彼がジニスに賛同するような人間だったとすれば、そんなことはあり得ない。

 

「俺たちは本当の君を知らない!

 けど、君が俺たちを傷つけたいなんて思ってないってことは、信じられる!

 ジニスは君のことを分かってない! 君がそんな優しさを持った人だってことを!」

 

「だ、まれェ――――ッ!!」

 

 ザワールドが更に力を増す。

 それぞれが全身全霊で四肢一つずつ抑えているというのに、それを凌駕するようなパワー。

 五体をバラバラにされそうな過重な負担。

 それをかけられながらも、五人はより強くザワールドに対してしがみついた。

 

「嫌だね……!

 俺たちの言葉が命乞いになるまで好きに話していいって約束だろーが……!」

 

「まだ、まだ……! 僕たちに諦める気は、ない―――っ!」

 

 幾ら力を込めても、逆にジュウオウジャーも力を増すばかり。

 そんな状況に対して、ザワールドが頭痛に悶えるように首を振り始めた。

 

「俺は……ジニス様、の……!」

 

 ―――私は君の全てを分かっている。

 ―――君のことを分かってあげられるのは私だけだ。

 ―――君は私のことだけを信じればいい。

 ―――私だけが君を必要としてあげられるのだよ。

 

 頭に響く、甘い誘惑。

 無数のメーバメダルと共に彼に送られた言葉。

 溶かされていく命と意識に、頭の中から何もかもが消えていく。

 

「グァ、ギ、ァアアアッ……!? 俺は、ジニス、様の……ッ!?

 ジニス様の、た、め、にぃいいいいいッ!!」

 

 ザワールドがその状態で足掻く。

 自分の体ごと全て砕くような、後先考えない身の振り方。

 この期に及んで更に圧迫感は増し、五人の体が上げる悲鳴が限界に達する。

 

「―――それでも、放せないよ……ッ!」

 

「お願い、頑張って……! 私たちも一緒に戦うから……!」

 

 砕けそうなのは自分たちの体だけではなく。

 そうして捕まえている彼の心もまた。

 

 ならば、こうして自分の心と戦っている彼を放すことはできない。

 力の抜けていく四肢に活を入れ、限界以上に力でとにかくザワールドを繋ぎ止める。

 より強く相手を掴み、大和がザワールドに顔を突き付けた。

 

「君の優しさが俺たちの窮地を救ってくれたように……君のことを助けたいんだ!!

 ジニスに従うザワールドじゃない、心の奥底に閉じ込められた本当の君を!!

 俺たちは……君を信じてる――――!」

 

「ァ、ググギ、ガァ……!? お、れは……!

 ジニス、様―――! ジニス、の――――!?」

 

「―――何を惑わされている、ザワールド!!

 お前はジニス様の意思に従う存在でさえあればいいのです!!」

 

 マシュたちに向けていた銃口を片方外し、ザワールドたちの方へ向けるナリア。

 ヌンチャクラッシャーから放たれる光弾。

 その銃撃はザワールドごと、ジュウオウジャーを吹き飛ばした。

 

「がぁ……ッ!?」

 

 よろめくだけで済むザワールド。

 対して、既に限界だったジュウオウジャーたちは遂にザワールドから離された。

 

 自分を手放して転がっていく連中。

 そんな彼らの変身が解除されて、生身へと戻っていく。

 その様子を見ながら、ザワールドは両腕で頭を挟み込んだ。

 

 解除される野性大解放。

 空いた両手が頭痛を抑えるように、頭を強く抱え込む。

 

「……ッ、惑わしてるのはジニスだろ! 君を動かすのは、君の意思なんだ!

 ジニスの意思に従うだけの存在なんかじゃない!」

 

「黙りなさい、ジュウオウジャー!」

 

 力を使い果たして地面に転がる変身の解けたジュウオウジャー。

 それでもなお声を上げる風切大和。

 ナリアは即座に彼に対して、銃口を向けて引金を絞ってみせる。

 

 放たれる無数の光弾。

 それはけして、生身の大和に耐えきれる筈がないもの。

 すぐさまその間にジオウが滑り込み、橙色の鎧で銃撃を塞き止める。

 

「チィ……ッ! ジニス様の御意思に従いなさい、ザワールド!!」

 

「ジニスの意思なんか関係ない!

 君の意思と、君の望みは一体なに!? 君を知らない俺たちにそれは分からない!

 だから俺たちは知りたいんだ、教えて欲しいんだ! 本当の君を!」

 

「―――――ッ!?」

 

 ザワールドが頭を抱えたままにぐらついた。

 

 ―――望み、やりたいことはなんだ?

 決まっているだろう、ジニス様の言葉に従う事だ。

 

 ―――それは何故?

 ジニス様は、ジニス様だけは自分のことを分かってくれる。

 自分で抱えた自分だけの後ろ暗い気持ち。

 それを分かってくれるのは、ジニス様だけしかいないのだ。

 

 ―――そう。

 誰にもずっと分かってもらえなかった。

 誰にもずっと伝えられなかった。

 そんな自分が大嫌いだった。

 

 初めてだった。

 こんなに自分のことを分かってくれたのは。

 こんなに卑小で、弱い心に理解を示してくれたのは。

 だから手を取った。取ってしまった。

 

 他の全てから目を背けて、ただ初めて差し伸べられた手を取った。

 捕まって改造されて、朦朧する意識の中で。

 彼は最後の最後、良心よりジニスの提示した自分の望みを選んでしまった。

 真っ当な人間ならば抵抗しなければいけない場面で、受け入れてしまった。

 

「違う……! 違う、違う!! 俺は、俺はそんな……ッ!!

 俺はこんなことをしたいと思っていたわけじゃ……!」

 

 頭を振り乱し、ザワールドが震える。

 彼はそのまま膝を落として蹲った。

 

 大和が教えて欲しいと口にする、ザワールドの本当の姿。

 それこそが何より醜く、伝えたくないものなのだ。

 

 いつか誰かとそうやって関わっていきたい、と。

 ずっとそう思って生きてきた。

 だが既にザワールドに堕ちた自分には、そんな資格はない。

 もう彼はデスガリアンのエクストラプレイヤー、ザワールドなのだ。

 

 満身創痍ながら、彼の葛藤を見た大和が立ち上がる。

 ゆっくりと踏み出していく彼に対し、銃撃も激しくなった。

 それを一発残らず弾き返すジオウの装甲。

 

 それを見たナリアが、またも大きく舌打ち。

 

「こうなれば、回収して撤退を……ッ!?」

 

「このまま突撃します―――!」

 

 意識をそちらに振り過ぎて、盾の接近への反応が数瞬遅れる。

 いや、盾だけならばいい。

 その後ろに隠れているだろう、剣士さえ見逃すことをしなければ―――

 

 そう身構えたナリアに対し、盾から飛び出した武蔵の疾走が始まる。

 ザワールドの回収のためには下がれない。

 ジオウの足を止めるためには、生身のジュウオウジャーたちへの銃撃も止められない。

 

 故に。

 新免武蔵の疾走は、そんな状況に嵌った彼女に止められるものではなく―――

 走る銀閃が、ヌンチャクラッシャーを擦り抜ける。

 

 火花を散らして切り落とされる銃身。

 両断された武装の残骸が地面に落ち、ナリアは怒りに肩を揺らした。

 

「おのれ、下等生物――――!!」

 

 その間に、大和が跪くザワールドへと手を伸ばしていた。

 大和もまた膝を地面に落とし、ゆっくりと掌を差し出してみせる。

 そうしてから、彼は口を開く。

 

「―――だから、分かり合うために話し合おう。

 きっとそうすれば、俺たちは手を取り合えるって、そう思った。

 俺はそう信じてる。だから、君も信じて欲しい―――」

 

「――――っ、あ、ああ……ッ!」

 

 差し出された手を目前にしたザワールド。

 彼が一際大きく体を揺らし、次の瞬間には糸が切れたようにガクリと一気に力を抜く。

 限界を超えた負荷が、彼の意識を立ち切っていた。

 

 ザワールドの姿が、戦士から一人の青年へと戻っていく。

 倒れ込んでくるのは半裸の青年。

 それを抱き留める大和の姿を見たナリアが、完全に絶句した。

 

「―――っ、回収を……!」

 

『もういいよ、ナリア。帰ってくるといい』

 

 例えどれだけ不利になろうが、ジニスの意思は絶対。

 そう構えてザワールドを回収しようとしたナリア。

 彼女の足を止めさせたのは、当然のようにジニスの声であった。

 

「ですが……!」

 

『ナリア』

 

 これ以上何を言う気もない、と。

 そう断言するような語調で、再びナリアの名前が呼びかけられる。

 

「――――了解しました」

 

 ナリアが軽く周囲に視線を馳せた。

 ジュウオウジャー五人は戦闘不能。更にザワールドという荷物。

 他の連中は十分戦闘可能だが、巻き込む危険は避けたいだろう。

 

 囲まれながらも彼女は指を鳴らし、自身の周囲にコインの山を積み上げていく。

 そうして撤退の意思を見せた彼女に対して、攻撃はなかった。

 

 消えていく光のコインを見送り、武蔵は片目を瞑って荒々しく納刀した。

 

 

 




 
マーリンを引けたので初闘魂です。
王の話をしよう。
いつもしてると思うんですけど(ジオウクロスSS作者並の感想)

前話で間違えたガンマイザーはそのうちブレードが死んだ風に直しときます。
 
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