奇蹟再現領域 エンピレオ 死せる神の落とし子 作:座右の銘は天衣無縫
感想にあった質問に関しては後書きに答えを書かせてもらいました。
あと、サーヴァントの真名が思ったよりも当てられたので予定よりも早く出します。
数日後、ロシア異聞帯。
ライダーの宝具で物資を輸送し、異聞帯の首都、ヤガ・モスクワ付近に到着した。
既にカドックとアナスタシア、そしてオプリチニキが数十体、向こう側の交易品を囲んで待っていた。
「……おい、何でお前も付いてきてるんだ。
来ないはずだったろ。」
「いやー、それが良く考えたら帰りに必要でさ。
令呪切るわけにもいかないじゃん?
あ、皇女様、こちらご注文のお茶の葉です。
勿論、こっちの異聞帯では最高級。」
「ありがとう。
カドック、これが終わったら一息付きましょう。
資源を持って反乱軍とコンタクトを取れば、こちらに引き込めるかもしれないでしょう?
そうすれば、残る問題はカルデアと樹とアレだけになる。
それなら、休んだって構わないでしょう?」
「アナスタシア、取らぬ狸の皮算用って奴だ。
せめて反乱軍を静めない限り、そう長く休むつもりは無い。
それに資源の出所について、反乱軍がそう簡単に信じるとは思えないしな。
今の光景を見ていてくれているなら楽になるんだが。」
「………反乱軍かどうかは知りませんが、見られてはいますね、マスター。」
そう言って話しかけてきたのは護衛役として連れて来ているランサーだ。
「方角は?」
「彼方の街からです。」
「ヤガ・モスクワからか。
考えられるのは好奇心旺盛な奴等か、マカリー司祭とコヤンスカヤだな。」
「敵では無いのですね?
なら、無視しておきましょうか。」
「ああ、それで良い。
ところでこの資源は全部、辺境行きか?」
「…ああ。 首都はまだ余裕があるからな。
辺境にかける税も変えるか。
魔獣の死骸が食糧と交換できるなら、税の量も減らせるな。
辺境で捨てられる魔獣の死骸も首都で買い取る様な制度にすれば、辺境にも相当の余裕が出来るはずだ。」
「ふふっ。」
「……何だ急に?」
「だって、貴方、本当にこの国の為に働いている政治家みたいな顔をしてるのよ?
この国どころか、この世界の人じゃ無いのに。
初めて見たけど、私は好きよ、貴方のそういう表情。」
「っ………別に、これはこの国の為だけじゃ無いさ。
この異聞帯の繁栄は僕の為になる。
だったら発展の為に必死になるのは道理だろ。」
「本当にそうかしらね?
嘘、子供、可愛らしい、ね。」
「………今のは聞かなかった事にしておく、」
えっと、今のは[子供のような分かりやすい嘘をつくなんて可愛らしい人]ってところか?
しかも、俺がすぐに分かるくらいに簡単にしてある辺り軽い悪意を感じる。
「ええい、商売相手の目の前でイチャつくな。
末永く爆発してろ。
積み替え作業も終わったみたいだし、俺は帰るぞ。」
「……あ、ああ。
交易は一ヶ月毎だったよな?」
「そうだ。
それより前に会合で顔合わせるけどな。
次は北欧異聞帯か。
忙しくなるな。」
「北欧…オフェリアの所か。」
「そう。 交易と向こうの王との顔合わせを兼ねてな。
その内に北欧異聞帯とは統合するかもしれないな。
じゃ、カルデアの事は任せたわ。
一応、会ったら戦う前に降伏関連については聞いておいてくれ。
その前に死んでたら世話ねーけどな。」
そう言ってライダーの舟の中に入る。
ゲームやってた頃から思ってたけどカドアナ良いね。
目の前でイチャつかれるのはムカついたけど。
それから数週間後、ロシア異聞帯は跡形も無く消え去った。
現時点で、これを知っているのはコヤンスカヤから報告を受けたキリシュタリアと俺だけだ。
『アレックス。
カドックの回収を頼みたい。
既にラスプーチンが、カドックをカルデアから奪い返した様だが、大西洋には程遠い。
距離的に一番近い君の異聞帯に向かっている様だ。』
「任せろ。
俺からも報告だ。
彷徨海に動きがある。
カルデアの奴等もそれを目指して、大西洋方面に進んでる様だ。
このまま行けばオフェリアの北欧異聞帯に入るだろうな。
俺がカドックを迎えに行ってる間に、警戒を呼び掛けておいてくれ。」
『了解した。
何か伝える事は?』
「[死ぬな]、それだけで良い。
切るぞ。」
そう言って通信を切った。
カドックには悪いが、今回のロシア異聞帯はテストケースになって貰った。
カドックは死なない事は分かっていたからな。
交易によって本来のロシア異聞帯よりもカドック側が有利になっていた。
反逆軍とは和平まではいかないが、勢いや士気は無くなり、辺境の村もかなり皇帝寄りになっていた。
けど、まるでその差を埋める様に、カルデアは二騎の英霊を召喚。
更に、宮本武蔵との合流も早くなっていた。
正直見くびっていた。
これがストーリーの修正力なのか、藤丸立夏の主人公補正なのかどうかは分からないが、一筋縄ではいかない相手だったのが、更によく分からない力を持っている可能性が出てきた。
一度戦ったカドックの意見が聞きたい。
本来とは違ってウチの異聞帯に迎え入れる事になったのは渡りに船だ。
「ライダー!
外に出るぞ。 すぐに準備を。
キャスター二人とランサーは留守番を頼む。
誰か来てもすぐに戻るって伝えてくれ。」
サーヴァント達の返事を聞き流しながら城の外に出て、ライダーの宝具を展開させる。
更にそこに一手間加え、虚数の海に入り、嵐の壁を越える。
ヤガ・モスクワの座標と北欧異聞帯の方角から、おおよその捜索範囲を決める。
そこからライダーのもう一つの宝具で、現実世界の捜索範囲付近に浮上する。
ライダーの宝具はそのまま出しっぱなしにして、目印兼高台として利用する。
十数分後、ラスプーチンが此方を捕捉した様で、猛スピードで走って来た。
そのまま飛び上がり、舟の上に乗った。
「ご苦労さん、ラスプーチン。
肩に担いでんのがカドック、ってめちゃくちゃ顔色悪いな。
どうした?」
「………ずっと、肩に担がれて……サーヴァントのスピードで走ってたら……酔いもするだろ。」
「……私の宝具の上で吐かないでよ?」
「…意地でも……吐くか。」
「お、おう。 暫く休んでて良いぞ。
で、ラスプーチンは何してんの。」
「いや、私はロシア正教に携わった身な上、この体も私自身では無いが、聖職者のものなのでな、感慨深いのだよ。
ふむ、これがかの旧約聖書に出てくるノアの箱舟、か。
ロシアでは遠目に見ただけだったが、やはり近くで見るとまた違うものだな。」
「……それ、本心で思ってないだろ。
私の舟には、あまり貴方のような人種は乗せたく無いんだ。
白銀時代の愚かな人間を思い出すからね。」
そういうのは俺のサーヴァントの一人。
真名をノア。
金の長髪を後ろで結った女性。
Fateだからね、TSに関しては仕方ないね。
年齢が500とか600のジジイとか誰も見たく無いでしょ?
「…悪い、待たせた。 もう良いぞ。」
「分かった。 ラスプーチン、お前はどうするんだ?」
「コヤンスカヤと合流する。 その後はまだ未定だ。」
「あっそ。
じゃあ、ライダーの機嫌がこれ以上悪くなる前に降りた降りた。」
「それはそれで面白そうだが………やめておこう。
叩き出させるか、自分から出るかの二択なら、まだ自分から出た方が良い。」
そう言うとラスプーチンは舟から飛び降りて、少し離れた所で立ち止まり、此方を振り返る。
「では、そちらの異聞帯が存続していればまた会うこともあるだろう。
その時を楽しみにしている。」
「ははっ、異聞帯が消えれば用済みで会う事も無いだろうってか?
嫌味を言うのも大概にしろよ、エセ神父。
釘を刺さなくても、異聞帯は存続させるさ。」
「ほう?
ならば、常々努力すると良い。」
それだけ言って霊体化して去って行った。
「戻るぞ、ライダー。」
再度、虚数の海に入る。
ノアの宝具[
つまり、虚数の海も進む事が出来る。
そしてもう一つの宝具、[
つまり、虚数の海に入る方法さえ確立すれば異聞帯間の移動も可能になる。
ある意味、異聞帯では最も有能なサーヴァントだ。
異聞帯に戻ってカドックを連れて城の一室に入る。
北欧異聞帯の攻略は、少なくとも一週間やそこらでは終わらない。
まだ時間の余裕はある。
「さて、カドック。
真面目な話をしようじゃないか。
カルデアと戦ってどう思った?
どんな些細なことでも良い、聞かせてくれ。」
「……そうだな。
まず、会合でベリルが言っていた[不確定要素が味方している事]、あれは確かだ。
とはいえ、完全にって訳でもない。
少し考えてみて、もしかしたら異聞帯の世界のアラヤが、奴らに与えられている汎人類史のアラヤのバックアップを阻害してるんじゃ無いかと思った。
確証は持てないけどな。
だが、その分、異聞帯の外よりかは異聞帯内での方が倒せる確率が高くなるかもしれない。
後は……キリエライトだな。
デミサーヴァントでは無くなったのは確かだが、その分、また別の力を手に入れたみたいだ。
スペックは資料より攻撃的な物になっている。
だが、継続戦闘能力に乏しそうな点がいくつか見られた。
それくらいだな。」
「……OK。
取り敢えずここの異聞帯にいろ。
大人しくしてろよ?」
「フン、どうせ僕はもう何の意味も無い敗者だ。
逆らうつもりは無いさ。」
「アホ抜かせ。 意味ならあるさ。
その内に皇女様を再召喚して貰う。
ここならそれが可能な道具も人材も揃ってる。
その後は………この異聞帯の為にキビキビ働いて貰うか。」
「…………は?」
俺の言葉に呆けた顔をするカドック。
中々レアな表情だ。
「んじゃお疲れ。
あんまり怪しまれる事しないようにな。
まあ、本当にしても許してくれるだろうけど。」
部屋から出て、偶然近くを歩いていた奴に、カドックの事を伝え、自室に戻る。
さて、どんな風に転ぶかね。
感想に来てた質問について。
Q.ビーストⅣってFGOで知られてたっけ?
A.作者の記憶が確かなら知られてなかった。
けど、プライミッツ・マーダーって月姫では死徒二十七祖の第一位で第九位のアルトルージュ・ブリュンスタッドのペット的な立ち位置なんですよ。
で、時計塔には元死徒のキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグがいるんですね。
なのでプライミッツ・マーダーの事は知られていると考えられる。
また、マリスビリー・アムニスフィアが召喚したソロモン。
それ経由でビーストだと判明、的な感じかな、と思ってます。
Q.EXTRAコラボの事ってBBが全部、修正したから知られてないんじゃね?
A.そうなんですか。
いや、EXTRAコラボは時期が悪くて全然プレイ出来て無かったので知りませんでした。
なので、これの投稿後にセリフ修正しておきます。
感想、評価お願いします。
今後の展開に関して、カルデアの異聞帯突入順番
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突入させずに最後まで取っておく
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今後の原作不明なので一旦突入させ、撤退
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突入させて完全に解決