奇蹟再現領域 エンピレオ 死せる神の落とし子   作:座右の銘は天衣無縫

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お待たせしました。
あと、今後の展開に関して少しアンケートをします。


第6話

 

北欧異聞帯を抜けたカルデアは遂に、人類最後の砦、彷徨海へと辿り着いた。

そこで待っていたのは彷徨海のエントランスを借り受け、カルデアを迎え入れる準備をしていたアトラス院の魔術師、シオン・エルトナム・ソカリス。

 

カルデアの到着後、エントランスを更に改装し、[ノウム・カルデア]という拠点を作り上げた。

 

そして現在はシオンの観測によってもたらされた異聞帯の情報について話し合っている。

 

「異聞帯は人類史そのものから切り捨てられた、“これ以上は意味がない”行き止まりの歴史です。

例えばロシア異聞帯。

A.D.1570年ごろから分岐し、そして打ち切られた世界。

いま地球上に存在する異聞帯は切り捨てられた時代から現代まで続いてるようなもののようですね。

 

異聞帯は古いほど強くなるのではありません。

異聞帯の強さ、危険度は汎人類史からどれほど逸脱してしまっているかで測ります。

それを[異聞深度]といい、高ければ高いほど、その異聞帯は汎人類史を否定する人理ということです。」

 

「……じゃあ、今までの異聞深度は?」

 

「もちろん、八つの異聞帯、暫定的にランク付けしていますよ。」

 

シオンがモニターに写した平面地図に載っている異聞帯のことを指しながら話す。

 

「異聞帯はヨーロッパに3。

アジアに2。

南米に1。

中東に1、そしてーー大西洋の中心。

白紙化地球に於いて唯一、『白紙化前の海』を持つ異聞帯。

あ、今のナシで。

彷徨海もあるんだった。」

 

「ええい! そんな事はどうでも良い!

大西洋ーーー大西洋だとぅ!?

大西洋の中心に異聞帯があるはずない!

有史以来、人類版図になったことはないのだからな!」

 

「あるんだから仕方ないんです。

現在、地球の大気圏外に張り巡らされた空想樹の発生源でもあり、クリプターのリーダーの一人であるキリシュタリア・ヴォーダイムの異聞帯はここだと推測できます。」

 

「なら、他の異聞帯など後回しだ!

一刻も早く大西洋に向かわんでどうする!

ヴォーダイムの根城であるなら攻略する他ない!」

 

「分かっている事がそれだけならその方針もアリですが……」

 

写し出された地図からロシア異聞帯、北欧異聞帯が消滅。

すると、中東の異聞帯がその範囲を北東に拡大させ始めた。

 

「北欧異聞帯の消滅と共に中東の異聞帯が急速な拡大を開始。

ロシア異聞帯と北欧異聞帯のあった所を飲み込んだぐらいで拡大のスピードは元に戻りました。

 

現時点で一番広い異聞帯になっていて、空想樹も大西洋の異聞帯に次いで二番目に大きくなってます。

元が中東だったので、異聞帯の王と空想樹はそこら辺にある事は分かりますけどね。」

 

「恐らくはもう一人のリーダー、アレックス・クルスの異聞帯だろうな。

これまでの二人のクリプターのサーヴァントはその異聞帯に強い繋がりを持つサーヴァントだった。

なら、アレックス・クルスのサーヴァント、ノアが関係してくる異聞帯は中東くらいなものだ。

恐らくはエルサレムやそこら辺が異聞帯の首都だろう。」

 

「それと、中国とインドの異聞帯は全く版図を広げようとしていません。

一方で、イギリスと南米は自滅する可能性が高いでしょう。

イギリスの異聞帯は深度が測れないのですが、これは異聞帯がこの星に馴染めていない事を意味しています。

そして、南米も異聞帯深度は高いのですが、こちらはあらゆる計測が[不明]となっています。

どうやら文明がほぼ死に絶えている様です。

なのでこれらの異聞帯はしばらく放置でいいでしょう。」

 

「つまり、大西洋と中東の二つを優先して攻略するって事で良いの?」

 

「ええ。

ですけど、資材もカツカツというわけでは無くても余裕はナシ。

流石にそんな状態で勝てるほど甘い相手では無いので暫くは準備に時間を追われるでしょうね。」

 

 

 

 

この会議後、コヤンスカヤによって藤丸立夏とゴルドルフに毒を盛られた事により、解毒剤を探しに中国異聞帯へと向かった。

 

 

 

 

 

少し時間を遡って

中東異聞帯 首都エルサレム

 

「……正直、意外だわ。」

 

「どうした、急に。」

 

自室で仕事をしていたら唐突にオフェリアに話しかけられた。

オフェリアにも部屋は割り振ったけど、基本俺の部屋にいる。

 

「普通にまじめに仕事していることよ。

貴方、カルデアにいた時はそこまで真面目じゃなかったでしょう。」

 

「失敬な。

努力と仕事は他人から見えない所でするもんだろ。

今はここのルールに従ってるだけ。

月曜から土曜までは勤勉に働いて日曜は休息。

そうしないと怠惰だなんだと怒られるからな。」

 

七つの大罪と言われるアレだ。

だから、真面目にやらざるを得ないし、あんまり巫山戯られないので正直、カドックとオフェリアの二人がいるのはありがたい。

 

でも、サボれない。

 

「まあ、汎人類史のサーヴァントの対応については一任されてるからな。

仕事が無いのに仕事しなきゃいけないとかいう面倒臭い事が無いからそれは良いけどな。」

 

社内ニートじゃないだけマシ、とも言える。

 

「それはそれとして、北欧から連れて来た奴等の担当だろ?

そっちは良いのか?」

 

「取り敢えずは決めたから、今は様子見よ。

一応、女王も納得しているわ。」

 

「そりゃ、結構。

一神教ってのは面倒だからな。」

 

十戒だっけ?

自分以外の神を信仰してはならない、って。

この世界では未だに現役で使われている。

 

「んで、召喚するサーヴァントは決まったのか?

まだこの異聞帯が完全に地球を覆ってないから、縁があるなら他の異聞帯のサーヴァントでも召喚できる。」

 

礼装まで出てくるガバガバなフェイト召喚システムじゃないけど、ウチにいる奴等ならそれも可能にしてくれる。

 

「分かってるわ。

けど、流石に汎人類史の英霊だったシグルドを召喚するのもどうかと思うのだけど。」

 

「律儀だなー。

じゃあ、ワルキューレ三姉妹の上二人とかどうよ。

アレなら英霊として座に登録されててもおかしくないし、縁も十分にある。」

 

「そうね。

魔力リソースが十分な分、二騎同時契約も出来るでしょうし。

彼女も喜ぶだろうし。」

 

「彼女……ああ、末っ子か。

一人だけ残って時々寂しそうにしてたからな。

女王様も色々と気にしてたみたいだしな。」

 

そう言って席を立つ。

クリプターの会議の時間だ。

恐らくは藤丸立夏の暗殺が決まって、コヤンスカヤが彷徨海に突撃。

毒を盛ろうとして失敗。

そして、中国異聞帯へと突入ってところか。

 

あそこはそもそも、ぐっちゃんが交易を完全に拒否してたからな。

多分、原作通りになる。

まあ、カルデアにぐっちゃん召喚されて情報を取られる訳にもいかないし、ぐっちゃんだけは回収するけど。

その序でに項羽も回収かな。

ってか、項羽回収しないとぐっちゃんが意地はって残りそうな気がする。

 

項羽もぐっちゃんの平穏を保証すれば、ついてきてくれそうだし。

 

ただ、その分回収するタイミングが難しくなりそうだ。

多分、ぐっちゃん、もとい虞美人は項羽の身柄を始皇帝から受け取った時点でこちらに連絡を取って中国異聞帯から出ようとするだろうけど、その時点では項羽は虞美人よりも始皇帝ないし、中国異聞帯を優先するだろう。

 

回収のタイミングは最後の項羽戦が始まる直前。

そこじゃないと、項羽は虞美人を優先順位の一番上に置かないだろう。

 

ガチでジャストタイミングじゃないとダメだ。

早めに現地入りしておくかな。

始皇帝にバレそうだけど。

 

ぐっちゃんに何処か地下に大きな空間のある場所がないか聞いてみるかな。

そこならノアの宝具で異聞帯の中に入っても始皇帝がこちらに気がつく事も無いだろうし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「てな訳で良さげな場所ない?」

 

「……そこそこの大きさの洞窟くらいしかないわよ。

遮蔽物も、箱舟が隠れられるほど大きな物は始皇帝本人のみ。

入ってきたらすぐにバレるから、私が呼ぶまでは絶対に来るな。」

 

……辛辣。

うーん、この項羽以外には基本ツンケンしてる感じ、流石ぐっちゃんですわ。

これでも、そこそこ打ち解けたとは思ってたんだが。

 

いや、逆にある程度打ち解けたから芥ヒナ子としてではなく、虞美人として話してくれてるのかね?

 

まあ、いいや。

最悪、現場の近くまで行って虚数内からキャスターの千里眼で見張ってよう、そうしよう。

虚数内からでもウチのキャスターなら魔術やら何やらを駆使して現実世界の様子を見る事が出来るからな。

ホントに追加召喚してて良かったわ。

 

その前にカドックとオフェリアの英霊召喚に立ち会っとくか。

 

 

 

 

 

 

「「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。

降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。

 

閉じよ(満たせ)閉じよ(満たせ)閉じよ(満たせ)閉じよ(満たせ)閉じよ(満たせ)

繰り返すつどに五度。

ただ、満たされる刻を破却する。

 

――――告げる。

汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。

 

誓いを此処に。

我は常世総ての善と成る者、

我は常世総ての悪を敷く者。

汝三大の言霊を纏う七天、

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」」

 

サーヴァント召喚陣にキャスターがアレンジを加え、マスターとなる二人の縁を最大まで強める。

さらに膨大な魔力に物を言わせて、出来る限り生前と近い状態で召喚し、バックアップとなる魔力リソースとパスを繋ぐ。

 

俺が召喚した四騎、カドックの召喚した皇女、オフェリアの召喚したワルキューレ二騎で合計七騎。

 

さらに異聞帯の王と王が率いる軍勢、二百。

とはいえ、数はかつての北欧異聞帯にいたワルキューレよりも少ないし、実力もピンからキリまである。

かといって王も王でそこまで戦闘能力に特化している訳ではない。

あえて言うなら意外性だ。

 

だから七騎のサーヴァントを召喚し、汎人類史のサーヴァントと契約し、戦力を増強した。

他の異聞帯からカドックとオフェリアを連れてきたのは情もあるが、何よりマスターの頭数が欲しかったからだ。

 

ある意味では魔術師らしい理由である。

結局は自分の利になるから動いている部分があるからな。

とはいえ、情によるところもあるのはAチームならではなのかもしれない。

 

Aチームのメンバーは魔術師らしい部分と魔術師らしくない部分が混在している様に感じられる。

 

まあ、それはさておき中国異聞帯だ。

最悪、戦闘になる可能性がある以上は俺の契約している異聞帯のサーヴァントの中で唯一の純粋な前衛要員であるランサーは絶対に必要だ。

そして、虚数内から実数世界を観測するためにキャスターも連れて行く。

 

問題はその後だ。

俺の中東異聞帯に対してカルデアがシャドウボーダーのアップデートをする必要がない以上、インドより先にこちらに来る可能性がある。

 

そうなると、色々困るんだよな。

上手いこと誘導できれば良いんだけどね。

今後の展開に関して、カルデアの異聞帯突入順番

  • 突入させずに最後まで取っておく
  • 今後の原作不明なので一旦突入させ、撤退
  • 突入させて完全に解決
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