奇蹟再現領域 エンピレオ 死せる神の落とし子 作:座右の銘は天衣無縫
デメテルに勝てねぇ
純粋に火力が足りない
単体宝具のライダーとかメイヴちゃんくらいしかおらへん
インド異聞帯
詳しくは面倒なので語らないが、あえて言うならばこの異聞帯とは真逆の方向性を持つ異聞帯だろう。
だからなのか、
ウチの異聞帯の女王が興味を持った。
「いや、まあ、確かにカルデアがちゃんとインド行ったか心配だったから絶対に確認しに行くつもりだったけどさ。
流石に戦力がオーバーすぎる気がする。」
そうこぼした言葉に対して、女王は薄く目を開き答えた。
「侵略しに行く訳では無いだろう。
無論、相手側から攻撃されたならばそれ相応の対応こそするが態々こちらから攻撃することはない。」
「知ってる。
知ってるけど余波でどれくらいの被害が出るのか心配なんだよ。
だから、最悪の場合、即座に転移で逃げられるようにキャスターを連れてきたんだからな。
あ、分かってると思うけどキャスターは顔は勿論、声も出さないようにしてくれよ。」
そう言えば既にローブを来たキャスターがコクリと頷いた。
「いや、別に今からやんなくても良いんだけど。
まあ、いいや、ノア行くぞ。」
「了解。」
いつも通り、ノアが宝具を展開して俺たちがそれに乗り込んだ。
そして、案の定、異聞帯の王同士の争いが勃発した。
少々、時は遡り
安心できることにカルデアはインドに来ていた。
俺の知識の中で唯一、ここだけが失敗した時にどうなるか分からない異聞帯だった。
ロシアと中国で敗れたなら、そのままクリプター同士の戦争になってただろう。
北欧で敗れたなら敗れた局面にもよるが、クリプター全員が一度手を組み、スルトを討伐しただろう。
だが、ここは?
インドで敗れた結果起こるのは、ユガの崩壊。
それによって世界に何が起こるのかは分からない。
その変化が異聞帯の中だけで済むのか、それとも地球全体を巻き込むのか。
後者なら気づいた時にはもう遅い、なんて事もあり得る。
そうならない為にも今回は全面的にカルデアに協力する事もやぶさかでは無い。
無論、カルデアがインドより前に破れていた場合もユガは続くので、そうなった場合、俺が最初に狙うのはインドにする予定だった。
まあ、いらん心配に終わったわけだが。
それはさておき、どうして争いが発生したかだが、
カルデアと神ジュナの戦闘で神ジュナが放った一撃をウチの女王が弾いたのだ。
せっかく、キャスターの魔術で完全に姿を隠していたにも関わらず、だ。
「ちょっ、何やってんの!?」
「? 何を当たり前のことを聞いている。
『汝の隣人を助けよ』と我らが主は仰られたのだ。
その通りにしただけだが。」
『なっ、神アルジュナに匹敵するほどの魔力反応!?
少なくともサーヴァントじゃない!!
異聞帯の王だ!』
姿だけで正体がバレかねないのに、神ジュナにロックオンされてる、戦闘は避けられないか。
流石に手札を晒すわけにはいかない。
「キャスター!
結界だ!! 王二人を隔離しろ!」
すぐにキャスターがその通りにして神ジュナとウチの女王を外部から見えない結界で覆った。
「あ、アレックス!?
どうしてここに。」
「……ウチの女王様がここの異聞帯に興味を持ったんだよ。
したら、勝手に飛び出すわ、姿は見られるわで散々だ。
おら、名探偵、ウチの女王様の真名言ってみ。」
『……六枚三対の翼、そして頭の上の輪。
何故か、黒と白に別れてはいたが、六枚三対の翼を持つ、という点で考えつく天使はただ一人。
後に堕天し、魔王となった天使達の長、ルシフェル。』
「大正解だよ、クソッタレ。」
バレるのは時間の問題だったが、これで余計に対策に使える時間が増える。
流石にどんな性質を持っているのかまでは分からんだろうが、キャスターの存在も相手に知られた。
さて、どうするべきか。
「……取り敢えず、そこのアスクレピオス。
アンタはどうするよ、今ならアンタを倒すのはわけないんだが。」
「そもそも僕は医者だ。
前線に立つこと自体が可笑しいんだ、逃げるに決まってるだろ。」
「だろうな、そろそろ中の方も終わる頃だ。」
俺がそう言った瞬間に結界が消えた。
中には血を流して地面に膝をついている神ジュナと多少の傷こそついているが、それを即座に回復させたウチの女王、ルシフェル。
「実に興味深い存在だ。
人が神性を取り込み過ぎるとここまで歪むのか。
神であるがゆえに人の道理は通らず、かといって神としての道理を知らず、といったところか。」
これでも自身の異聞帯から離れて弱体化してるってのに神ジュナ相手に完全に押してるってヤバいな。
「私は帰るが、貴殿はどうするつもりだ?」
「ヤバい感じがするから残ろうかね。
流石にアレは放っておけないって感じがビリビリするからな。」
「そうか、なら私は一足先に帰っているぞ。
今の貴殿なら死ぬことはなかろう。」
そういうと、ルシフェルは一瞬光り、姿を消した。
やっぱりEXランクの奇跡スキルは万能過ぎるな。
『魔力反応、完全に消失。
本当に帰って行ったのか。』
「っ…………あの悪はいずれ裁かねばならぬ。
だが……それ以外の事は些事。」
おっと、流石は悪絶対殺すマン、気付いたか、もしくはルシフェルが遊んだか。
さて、セリフ的にはこっちの事には興味は無さそうだが、新しく現れた俺たちを観察してるな。
今のルシフェルとの戦闘で俺たちへの警戒度を上げたか。
だが、すぐに視線を切って何処かに飛んでいった。
しかし、一瞬感情が表に出てたな。
自分以上の神性持ちからの攻撃を受けて神性が少し剥がれたのか?
「とりあえずは一安心、かな。
無事か、ぺぺ。」
「ええ、貴方のお陰でね。
でも、良かったのかしら?
貴方の所の異聞帯の王様の正体がバレちゃったじゃないの。」
「良くはない。
まぁ、本当に危なくなったら助けに入るつもりだったし、ウチの異聞帯に来ればすぐにわかる事だからな。」
ぺぺと会話をしていると、横からマシュが会話に入ってきた。
「あ、あの! アレックスさん!
どうか手を貸していただけませんか!?」
「……まあ、急ぎの用事もないし、ぺぺが良いって言うなら。
あ、もちろん貸し一つな。」
貸し一つ、という単語に通信機の向こう側が反応した。
『な、何を言っとる!
魔術師相手に貸しを作るという事がどういう事か分かっているのか!?』
「でも、出来る限り戦力が欲しいし、向こうのサーヴァントの戦力が分かるかもしれないんだから良い案だと思うけど。」
「余はマスターの案に賛成だ。
本当にこの魔術師が信用できるなら、だがな。」
おっと、思ったより考えてるじゃないか藤丸クン。
それと、サーヴァント達には流石に警戒されるか。
「ほっほー、随分ズバッと言ってくれるね。
まぁ、ノアは大した事ないしキャスターは真名はおろか、宝具すら使わせないつもりだけどな。
まぁ、貸し一つったって無茶は言わんさ。
死んでくれ、だの、諦めろ、だの言っても無視するだろ?
共通の敵が出来たら手伝ってくれってトコだ。
今、俺がやろうとしてる事をまんまやってくれってだけさ。」
大した事ないと言われたのが不満なのか足をゲシゲシと蹴ってくるノアをあしらいつつ、そう続ける。
『……ふむ、では一つだけ聞こう。
君は誰を仮想敵として設定している?』
「ビースト?
ほら、知っての通りウチの異聞帯って聖書関連だからさ。
黙示録の獣とか召喚出来なくもないから怖いんだよね。」
プロトアーサーを召喚した事があるかどうかは知らんが、黙示録の獣は普通に考えてビースト候補に入ってもおかしくない存在だ。
他にも終末の四騎士だとかバビロンの大淫婦とかも召喚する事は理論上可能ではある。
愛歌ちゃん様は絶対に来ないで。
プロトタイプ時空にお戻りになって。
まあ、本命の仮想敵は違うとも言えるし、そうだとも言える。
なんせ情報が少な過ぎるからな。
「で、受けるの? 受けないの?」
「受ける。」
『ちょっとぉっ!?』
『はーい、所長はちょっと大人しくしててねー。
君の言い分は分かった、けど、流石に魔術師相手に口約束する程、軽率な行動は無いからね。
何かしらの契約が欲しい。』
「いいよ、セルフギアススクロールでもやるか?」
聞こえてきたロリンチの声にそう返せば、通信機の向こう側が押し黙った。
「……ええっと、そのセルフギアススクロールって?」
「ああ、元々は一般人だったな。
では、説明しよう、セルフギアススクロールとは。
現代に残っている契約系の魔術の中で最高峰の物だ。
契約を果たさせるためには契約者の魂にすら影響を与える程強い結束力を持つ。
契約の破棄は両者の合意なしには不可能、つっても流石に神代クラスのキャスターならどうにか出来るとは思うが。
まあ、魔術に携わる者の間でこれが出てきたら本気で契約を結びたいっていう意思表示だと思えってこった。」
「サーヴァントのいるアナタ達にはそこまで重い契約ではないかもしれないけど、それでも絶対遵守の契約を持ち出すんだから、そんな無粋な真似はしないわよ。」
ねー、と聞いてくるぺぺをあしらいつつ、相手の戦力を確認する。
やっぱり原作とは違うな。
なぜか、アルジュナがいる。
型月名物自分殺しでもやんのか。
流石にカルナは既に退場しているか。
まあ、当たり前だな。
神ジュナの宝具『
相性的にアキレウスの『
「まあ、そんなとこだ。
で、裏方さんの判断はどうよ。」
『…………セルフギアススクロールに関しては必要無いと判断した。
とはいえ、決定権は君とマスターにある。
最終的には君たちで決めてくれ。』
「だってさ、どうする?」
俺は正直どっちでも良い。
後ろに神代クラスのキャスターが控えてる以上、一方的な契約破棄も可能だからだ。
「いや、俺は貴方を信じるよ。」
うーん、この圧倒的な主人公感。
嫌いじゃないね。
「なら、アレックス・クルスと俺のサーヴァント、ライダーのノアとキャスターの二騎。
この異聞帯であの王を倒すまではお前ら、カルデアに全面的に協力する。
よろしく。」
「ああ、こちらこそよろしく。」
藤丸が俺の差し出した手を取り、握手を交わす。
ここまで来て漸くサーヴァント達からの警戒が薄れた。
「ま、ボクは楽になるならなんでもいいっすよー。
強くて頭良いなら大歓迎っス。」
「同感だ。
少なくとも契約の期間内は契約内容を絶対順守する様な奴だろう。
似たようなのと手を組んだことがある。」
不本意だったがな、と零すラクシュミー。
流石は現代の戦争経験者、何となく俺のスタンスがわかっているらしい。
「で、アレにはどうやって勝つつもりだ?
最低限神性を剥がさないとサーヴァントじゃ、ダメージすら与えられないだろ。」
「無論だ、余達もそう思ってこの世界の信仰を持たぬ者を増やすと同時に奴の神将を倒して、神性を削いでいる最中だ。」
念の為聞いてみたがそこも原作とは変わらない、か。
さて、どう切り出したものか。
「神将に関してはそのままでも良いが、信仰を持たない奴を増やすのはやめておけ。
ユガで消されるぞ。」
俺がそう言えばぺぺ以外がハッとした表情になった。
まさかとは思ってたけど一切考えてなかったのな。
「マイナスになるくらいならゼロにした方がまだマシだ。
参謀役はその事に言及してなかったのか?」
『……一応、考えてはいた。
だが、彼自身が信仰に関して気にも留めない可能性が少なからずあった以上、その可能性がある、というだけで彼等の士気を落とすわけにもいかないと判断し黙っていた。』
「ああ、アイツは気にしないだろうさ。
誰かから忠告されない限りはな。
だが、忠告する様な奴がいるだろう。」
「…………異星の神のサーヴァント、リンボと名乗るアルターエゴね。」
流石にやられた本人が真っ先に気付くか。
「その通り。
ホント、余計な事しかしないな。
ウチにはまだ誰一人として来てないから、そのまま来ないでくれ。」
三人とも方向性こそ違えど愉悦部には変わりないから。
「ならば、どうするというのですか、クリプターのマスター。
何も案が無い、とでも言うのですか。」
うーん、まあ、原作通りの方法を示せば良いけど、まだ時間遡行の方法が無いしな。
「無い訳じゃ無いけど、具体案は無い。
要はアイツがやっている偉業を行動で否定してやれば良い。」
「ユガを……?
しかし、どうやって。」
「それがあったら苦労しない。
流石にノアの方舟でも無理。
数秒耐えるのが限界だろうさ。
それに、一回程度じゃダメだ、これまでにやって来た全てのユガを耐えるくらいじゃないとな。」
そう言って話を打ち切ればジトっとした目で見られる。
仕方ないだろ、本当に現時点ではどうしようもないんだから。
アシュヴァッターマンはよ。
今後の展開に関して、カルデアの異聞帯突入順番
-
突入させずに最後まで取っておく
-
今後の原作不明なので一旦突入させ、撤退
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突入させて完全に解決