まだまだ未熟ですが、暖かい目で見守ってください……
業務用のパソコンのキーボードを叩きながら昨日の事を思い出した。私は、年下の女の子に手を出してしまったのだ。
彼女の名は佐和 栞。20歳で職業不詳。おそらくフリーターだろう。行きつけの居酒屋で出会い、その後最後までシてしまった。いや、酔った勢いで誘ったらされてしまったのだ。
昨日はそんな彼女と連絡先を交換したのだが、まだ一言も連絡はない。さすがに出会ったばかりで連日会うなんて、付き合いたてのカップルでもあるまいし当たり前なのかもしれない。実際、若干安心している私もいる。昨日の栞の発言は、場の流れで言ってしまっただけかもしれない。ヤッたのも、私がウザイくらいにしつこく誘って、黙らせるために1度だけヤッたという可能性もある。
考えないようにしようとしても、気がつけば頭の中は昨日のことでいっぱいになっている。羞恥心や罪悪感が何度も押し寄せてくる。おかげでほかの作業に集中できず……
「佐藤! さっきから全く進んでいないじゃないか! 」
「はっ!すみません!! 」
上司に怒られてしまった。ため息を吐き、気を取り直して作業に集中するべくキーボードに手を置いた。
結局、思うように作業は進まないまま昼休みになってしまった。1度切り上げて、お昼を食べようとした時携帯の通知音がなった。誰だろうか。
「マジ? 」
通知を確認して、でた第一声がこれである。
夜、私は例の居酒屋の前で彼女のことを待っていた。お昼に来た連絡はこれのことである。というか、遅い。居酒屋のバイトが22時に終わると言われ、仕方なく残業してまで時間に合わせてこの場所まで来たのに。かれこれ30分は待っている。そろそろ帰ってしまおうか……
少しだけ覗いて、いなかったら帰ろうと入口を少しだけ開けてみる。すると、私が開けるのと同時に勢いよく扉が開かれた。驚いて尻もちをついてしまった。
「あ、有彩さん! 待っててくれたんですね! 」
「貴女ねぇ……! 」
まるで犬のように笑顔ではしゃぐ栞に呆れながら立ち上がり、砂埃を払う。
「遅れるなら、連絡入れなさいよ 」
「いやぁ、既読無視されてましたし、来てくれないのかと思いまして 」
それを言われると、私が悪いみたいになってしまう。
「わ、私は仕事で忙しかったの! 」
「えぇ、お昼にメッセージ送ったのにですか? 」
昨日と同じ、ニヤついた表情でまるで私を煽るように反論してくる。この子、居酒屋で働いてる時は真面目で可愛らしい子だと思ったのに、プライベートだとこんなに生意気なのだろうか。
「ねぇ、有彩さん。手、繋いでもいいですか? 」
さっきまでのだらしのない表情とは一変して、少し頬を赤らめ、真っ直ぐ私の目を見て手を差し出した。あまりの変わりように驚いて、勢いで良いと言ってしまいそうだったが、思いとどまる。
「なんでよ。私たち、体の関係は持っていても恋愛関係は築いてないでしょ。そういう事は、彼氏でも作ってやりなさい 」
別に手を繋ぐくらい、と思うかもしれないが、一線を置くのは大切なのだ。私達はあくまでセフレであって、恋人ではない。性欲を発散させることが目的であり、これは単なるお遊びなのだ。
「そう、ですよね 」
少し残念そうに、彼女は返す。なんで栞がいきなり手を繋ごうとしたのかは分からない。もしかしたら、栞は栞で私達の距離感が掴めていないのかもしれない。
遊び慣れてると思っていたのだけれど、案外そうでも無いのかな。
「ちょ、ちょっと! いくらなんでもはやすぎ、ンッ!」
ホテルに着いてすぐ、私はベッドに押し倒されて局部に触れられた。
「そんな事言って、有紗さんもう濡れてますよ。実は期待してたんじゃないですか? 」
「そ、そんな、こと……! 」
下着を脱がされ、下半身が顕になり、だんだんと頭もボーッとしてきた。次の日が平日だと言うことも忘れ、激しく絡み合う。
「アッ、アッ、ッッッ!! 」
「昨日の今日なのに、有彩さん凄いエロいですよ 」
「変な、こと、言わない、で……! 」
何度達したのかは分からない。ただ、私達は朝が来るまでお風呂でもベッドの上でも、何度も何度も絶頂し、また責められる。
結局一睡もしないまま朝日を拝んでしまった。今日も仕事だというのに、なにをしているのだろうか。男性で言う賢者タイムというものだろうか。自分に対しての嫌悪感が凄い。
何度もイッたからか、腰が痛い。しかし、せめてシャワーを浴びなければ。昨日も浴びたが、その後もかなり汚れてしまったから、さすがにこのままでは会社に行けない。
「ほら、お風呂行くわよ 」
「え、私も一緒でいいんですか? 」
「散々私の体いじっておいて、何よ今更 」
行かないなら1人で、とシャワールームに向かおうとすると、裸のまま着いてきた。私も裸だが。
「この後仕事とか考えたくないわ 」
「そんなに私とのセックス良かったですか? 」
「疲れたし眠いのよ 」
あんなに喘がせといて、そんな事を訊くなんて。この子は少し天然のSなのか。セックスの感想なんて恥ずかしくて言えたもんじゃないので、3分の2の本音を伝えながら欠伸をする。
「……あの、非常に申し上げにくいのですが 」
「なによ 」
「びしょ濡れの有彩さんにムラっと来たのでもう一回だけヤりませんか? 」
「え、嫌よ!遅刻しちゃうじゃない! 」
「早く終わらせますから! 」
「ちょっ、アンッ! 」
結局盛り上がってしまい、3戦ほどしていたら時間が無くなってしまい、遅刻ギリギリになったのは言うまでもない。
因みに、栞のメッセージは3日ほど無視し続けた。