セフレ以上恋人未満   作:ソアさぁん!

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セフレ

気がつくと、自分の布団に横たわっていた。そうだ、私はお風呂で気を失ってしまったんだ。起き上がり、状況を確認する。服を着てるということは、栞が着替えさせてくれたんだろう。

そういえば、栞は?

部屋の電気はついていたが、彼女の姿はどこにも見えなかった。キッチンやお風呂を探してみるが、いない。帰ってしまったのだろうか。一応、靴を確認しようと玄関へと向かう。もし、帰ってしまっていたらどうしよう。そんな不安が脳裏をよぎる。情けないところを見せてしまって、呆れられたかもしれない。面倒くさがられて、嫌われたのかもしれない。そんなことを考えながら、ゆっくりと玄関へと近づく。

そこに、栞の靴は無かった。やはり、帰ってしまったのだろうか。

布団へ戻ろうとするが、足に力が入らなく、その場に座り込んでしまった。どうしてだろう。なんで私、寂しいなんて感じてしまっているんだろう。

もともと、続けるのも無駄だと思っていた。栞の事も、セフレであることも。女同士で性欲を充たしたところで、生産性がないしやるだけ無駄なのだ。初めからこんな関係になるべきではなかった。ずっと思っていたはずなのに、なんで私は今、こんなに彼女のことばかり考えているんだろう。

頭が回らない。感情の整理もつかない。頭の中がボーっとしている。

「しおりぃ……」

消えてしまいそうなほど小さな声で彼女の名前を呼ぶ。

「ん!? 」

呼んだ瞬間、玄関のドアが開き、栞が驚いたように声をあげた。

「有彩さん起きたんですか!? というか、こんな所で何してるんですか!!ちゃんと横になってなくちゃダメですよ! 」

「栞? 」

「いったいどうしたんですか……って、泣いてるんですか? 」

栞に指摘され、頬を拭う。しっかりと濡れていた。しかし今、そんなことはどうでもいい。栞がいた。それだけでとても安心する気がする。あれ、安心したら気が遠く……

「有彩さん!? 」

せっかく安心できた栞の声も、遠くなってしまった。

 

目を覚ますと、見慣れた天井が視界に入った。少し頭がクラクラする。さっきのは夢だったのだろうか。それにしても、酷い悪夢だ。体を起こすと、額から濡れたタオルが落ちてきた。

「あ、目覚ましたんですね 」

キッチンから出てきた栞の手には新しい濡れタオルが握られている。

「取り替えようと思って、少しキッチン借りてました。あ、お水どうぞ 」

「ありがと 」

素直にコップを受けとり、一気に自分の体に流し込んだ。冷えた水が、私の体を生き返らせてくれる気分だ。

「有彩さん、すみません 」

「なんで謝るのよ 」

私が水を飲み終わったタイミングで、栞は頭を下げた。

「お風呂で、私が無理をさせてしまって有彩さんがのぼせてしまったので。それと、顔の赤みが引いていたので、買い物のために家を出てしまって、有彩さんを不安にさせてしまっていたようなので 」

「そう……ん? 」

後半部分が少し気になった。あれ、あれは私の夢では。

「まさか泣くほど不安にさせてしまっていたなんて、あれ、有彩さん? 」

私は耳を塞ぎ、布団にくるまった。いくら頭が回っていなかったからと言って、あんな醜態を晒してしまったなんて。

「あの、有彩さん 」

布団を軽く叩きながら名前を呼ばれたため、耳を塞ぐのを辞める。

「私、有彩さんと会うの、少し控えようと思うんです 」

普段の栞からは考えられないような真剣な声で、淡々と続ける。一瞬、驚いて反応してしまいそうになったが、黙って話を聞くことにした。

「いつも、私の都合で会ってもらって。仕事で疲れてるにも関わらず私の相手をしてもらって。それなのに私は有彩さんの機嫌を損ねてばっかりで。迷惑ですよね。女同士でセフレなんて。今日だって、有彩さんに無理をさせてしまいました 」

「別に、無理なんてしてないわよ 」

少しだけ反論してみる。しかし、栞は立ち直らない。

「ありがとうございます。有彩さんは優しいですね 」

そう言って、栞は布団に置いていた手を離し、立ち上がった。

「それでは、今までありがとうございました 」

カチャカチャと、栞が持ってきた荷物の音が鳴る。次第に足跡が遠くなる。本当に、このままでいいのか?確かに私は、この関係を良くは思ってなかった。これを機に関係を解消した方がいいのかもしれない。でも、さっき私は泣いていたではないか。このまま栞が出て行ってしまったら、もう二度と会えなくなってしまうかもしれない。

そう考えた時、私の体は自然と動いていた。布団から飛び出し、靴を履いていた栞の手を掴み引き止めた。

「有彩さンッ!? 」

いきなり引き止められて驚いていた栞に無理矢理唇を押し当てる。舌を押し込み、絡ませると、温かい吐息が漏れるのを感じた。

「ねぇ、私まだ満足してないわよ 」

惚けた顔のままの栞を部屋に連れ戻し、布団に押し倒す。

「待ってください、私…… 」

「タチなんでしょ?さっき聞いたわよ。でも、たまには歳上に身を任せなさい 」

服を脱がせ、肌をなぞる。くすぐったそうにしている栞をみていると、もっとしていたくなるが、先へと進む。胸に手を当て、優しく触っていく。少し硬くなったと部位を軽くつまむと、可愛らしい声がこぼれた。

「乳首、弱いの? 」

恥ずかしそうに両手で顔を隠し、頷く。舌で転がすように舐めると、露骨に息が荒くなるのがわかる。

舐めるのをやめ、太ももの付け根辺りに指を滑らせる。すると栞は、ビクッと体を震わせた。

「やっぱり、怖い? 」

「……はい。すみません 」

見ると、栞のソコは全く濡れていなかった。私が下手なだけかもしれないが、やはり、トラウマが強いのかもしれない。

「でも、有彩さんなら、いいかもしれません 」

涙目で、私の手を握る。

「いえ、私、有彩さんにして欲しいです 」

私は黙ったまま、栞のソコに指を当てた。周りをなぞるように触れ、開き、隠れている部分を刺激する。栞は体を震わせながら声を抑えようと口を抑えている。徐々に腰が浮いてきて、ソコも濡れ始めたため、中に入れる。

私が栞にされて気持ちよかったところの周辺を重点的に刺激すると、いやらしい水音と栞の喘ぐ声がどんどん大きくなっていく。

「私もう、イきそうです……! 」

「好きな時にイッていいわよ 」

そう言って指の動きを早くすると、栞の中は更に絡みつくように締まっていった。

「有彩さん、キス、してもらってもいいですか? 」

涙を流しての訴えに、私はまた無言で唇を押し当てた。キスした途端、栞は体を痙攣させ、荒い息のまま布団で脱力した。

そこから、2人とも喋らなかった。セックスの余韻に浸っていたかったからだ。

しばらくして、呼吸を整えた栞はが口を開いた。

「たまには、タチとネコ交換するのも悪くないですね 」

「ちょっと。いつの間に私がネコになったのよ 」

他愛のない話が続く。ただの肉体関係のはずなのに、何故こんなにも会話が楽しいのだろうか。こんな関係が、ずっと続けばいいなんて思わない。でも、せめて今だけはこの関係を楽しもう。セフレ以前に、1人の友達として栞と接しよう。

「あ、有彩さん 」

「なによ? 」

「有彩さんって、意外とエッチ下手なんですね 」

私はすぐに栞に服を着させ、外に放り出した。タクシーは呼んであげたし、帰れるだろう。

この日から1週間、栞からの連絡は無視した。

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