静寂が続く。まだ昼だと言うのに布団を敷いて、その隣で私と栞は正座で向かい合っていた。しかし、目は合わせられない。
「ねぇ、なんでいつも発情してる貴女が押し倒してこないのよ 」
「有彩さんこそ、普段は嫌がるくせに、なんで今日は布団敷いて待機してるんですか。枕元に水まで用意して。何回する気ですか 」
また静寂が訪れる。少しして、今度は栞から切り出した。
「有彩さん、あの時のキスのことなんですけど」
ビクッと身が震える。正直、流れに身を任せてした事ではあったが、私達は最初に会った頃に栞に要求されて以降キスはしていなかった。だから、私からするって言うのは、私がそういう関係を求めているって勘違いされても仕方がない。何とかして、誤解を解かないと。
「有彩さんって、エッチは下手ですけど、キスは上手いですよね」
頬を赤らめ、私の唇に指を当てながら言う。あれ、思っていた反応と違う。
「私、初めてですよ。キスだけであんなに気持ちよくなったの 」
「褒められてる気がしないわね 」
理性を保ち、冷静を装う。しかし、この一週間で私も溜まっている。このまま流されてもいいとさえ思ってしまっている。
「今日は、私が気持ちよくさせます 」
張り切っている栞に期待し、布団に身を投げる。私、今どんな顔をしているんだろう。
まずは、キスからだった。いつもなら胸を触るのに、数回軽いキスをして、その後に舌を入れてきた。
次に、胸。服の上から触られるが、刺激が足りない。そんな意図を汲み取ってくれたのか、栞はブラの中に手を入れ、指を這わせた。久しぶりに乳首を弄られ、つい声が出てしまった。
「興奮、してるんですね 」
「……言わないで 」
続いて、服を脱がされる。毛の処理とか大丈夫だったか心配になるが、杞憂だったようだ。
「相変わらず、綺麗ですね 」
お腹から指を滑らせ、局部に触れられる。
「なんでこんなに濡れてるんですか? 」
「私だって、欲くらい溜まるのよ! なんでさっきからそういう事聞いてくるの!? 」
「す、すみません。久しぶりの有彩さんとのセックスが嬉しくて、調子に乗っちゃいました…… 」
恥ずかしかったから指摘したのだが、栞は怒られたと勘違いしたのだろうか。凹んでしまっている。そういえば私って、栞に対してきつい当たりしてるような。今まで、何回連絡を無視したことか。
私が撒いた種だし、仕方ない。
私は腰を起こし、開脚をして栞に見えるように自分で開いて見せた。
「貴女とするから、こんな事になってるのよ。だから、栞の好きにして? 」
恥ずかしすぎて顔を見ては言えないが、それでも気持ちは伝わったのか、栞は再び私の局部に指で触れた。
外を軽く刺激されるだけで喘ぐ声が漏れてしまう。指では満足したのか、栞は顔を近づけた。息がかかり、少しくすぐったい。栞の舌がクリトリスを刺激し、腰が浮いてしまう。
「待って、そんなに舐められたらすぐにイッちゃうから……! 」
それでも舐めるのをやめてはくれず、情けない声とともに絶頂を向かえてしまった。腰が痙攣し、息が乱れる。水を取ろうと四つん這いになると、次は中に指が入ってきた。
「ちょ、私イッたばかり……」
クチュクチュといやらしい水の音と私の声が交わり、栞は更にヒートアップしていた。以前持ってきていた荷物の中からいくつかのローターを取り出し、クリと中を同時に刺激されたり、乳首に当てられたりと何度も絶頂させられた。
どのくらいしていただろうか。さすがに私も栞も疲れてしまい、水を飲み休憩をしている。
「どうしますか? 今日はもう終わりにしますか? 」
満足したような顔で栞は言う。この女、そんなに私をおもちゃでいじめて楽しかったのか? 私は栞の首に手を回し、もう一度布団に倒れる。
「おもちゃもいいけど、もっと栞の体で感じさせて 」
「本当に今日はどうしたんですか? そんなこと言われたら、私も我慢出来ませんよ? 」
「しなくていいわよ。もっと、貴女を感じてたいの」
再び、指が侵入してきた。今度はさっきより激しく動く。私の弱い所を刺激し、遠慮なく責めてくる。指が入ったまま何度もイき、人生で初めて潮をふいてしまった。布団はびしょ濡れになり、栞にもかかってしまい、恥ずかしさと申し訳なさで消えてしまいたくなった。
「有彩さん、そんなに気持ちよかったですか? 」
情けないところを見せて、幻滅されるかと思ったが、栞は嬉しそうに私に聞いてきた。服が濡れてしまったためか、栞もいつの間にか裸になっている。
「……貴女に抱かれて、気持ちよくなかったことなんてないわよ 」
「良かったです。あ、今から綺麗にしてあげますけど、もう出しちゃダメですよ? いつまでも綺麗になりませんからね 」
「待って、今舐められたら……! 」
栞の舌の刺激が気持ちよすぎて、また、やってしまった。今度は栞の顔に……
「大丈夫!? 」
「有彩さん、水飲みすぎですよ 」
「ごめんなさい! 」
さすがに顔にかかったのには怒ったのだろう。栞が怒って私が謝るといういつもとは逆の立場になってしまった。
「キスしてくれたら許してあげますよ 」
急いで持ってきたタオルで顔を拭きながら、栞は要求する。キスというのはきっと、あの夜と同じものの事だ。今更、軽いキスを求められてるとは思えない。しかし、上手くできるだろうか。あの夜は流れに身を任せていたが、今は違う。栞は目を瞑り、準備は出来てると言わんばかりに待っている。
私も、覚悟を決めるしかない。栞の顎を上げ、唇を付ける。舌を絡ませ、離す。
「はぁ、やっぱり、有彩さんのキスは最高です 」
栞は満足そうに布団に横たわり、眠ってしまった。本当なら直ぐにシーツを洗いたかったが、寝てしまったなら仕方が無い。私も横になり、掛け布団を被って眠りについた。