BanG Dream ~Be the one~ 作:ENDLICHERI
「・・・・・・気になる事があるだけど。」
「なんでしょうか?海璃さん。」
「夜華さんが言ってたあのセリフ、何?」
「・・・・・・知らん。とにかく、第11話どうぞ!」
『割れる!流れる!溢れ出る!
デコード・イン・イグニス!オラァ!』
新たなドライバー『スクラッシュドライバー』と夜華用に作られた『デコードクラックフルボトル』を使い、夜華は『仮面ライダーイグニス デコードモード』へと変身した。
「主様。」
「?」
「しばらくお待ちくださいませ。すぐにあの不届き者を始末してきますので。」
イグニスは手に紫色のデータ状の刃を出した刀を持ち、ローグに迫る。
「ふん、誰だか知らないが・・・・・・私に勝てると思うか?」
「勝てますよ。何故なら・・・・・・、」
次に言葉を発する瞬間、
「・・・っ!?」
「あなたの力では、わたくしに及ばないからです。」
斜め下から斬り上げる一撃がローグを襲った。
「グアァァ!?・・・・・・何が起きた!?」
「いつの間に・・・!?」
その場にいたローグと蒼空には理解が追い付かなかった。気が付けばかなり離れた位置からローグの目の前にいて、紫の刃で斬りつけたのだから。
「そうですね~、『
イグニスは先程の説明を始める。
「意識というのは呼吸と同じです。どんなに集中させていても必ず途切れる瞬間がございます。」
「・・・・・・っ!?」
「その瞬間を狙う!」
「いつの間に!?」
集中しつつイグニスの話を聞いていたローグの後ろに立ち、再び攻撃するイグニス。
「くっ・・・!それが、そのボトルの能力か!?」
「残念ながら、これはボトルの能力ではありません。わたくし自身の力ですよ。」
「夜華の・・・・・・力?」
イグニスの言葉に蒼空は疑問に思った。
「なら・・・!」
『アイススチーム!』
「でしたら・・・・・・このフォームの力を見せましょう。・・・・・・フッ!」
氷のエネルギーを宿したローグのスチームブレードが力を放とうとした瞬間、イグニスが掌をローグに向けた。
「フッ!・・・・・・っ!? 何!?」
「おや、『何故力が発動しない!?』って思われているのですか?」
「っ!?・・・・・・貴様の仕業か!?」
「えぇ。『対象の力を無効化する』のが、『デコード』の力です。」
「なんだと!?」
イグニスは再び剣を構え、ローグに迫る。ローグはイグニスの力に恐怖を覚えたのか、後退りをする。
「・・・・・・っ!?」
「あら、どうされましたか?体が震えていますよ?」
「っ!・・・・・・この私が、怯えているのか・・・!?」
「その震えを押さえてあげましょう。」
歩みを止めないイグニスは再びローグに掌を向けた。
「・・・・・・っ!?これは・・・!?」
ローグの身体半分が地面に・・・・・・いや、影に埋まっていた。
「これも、わたくしの力の1つです。それでは、ごきげんよう。」
『クラックアップブレイク!』
ドライバーのレバーを下ろし、剣にエネルギーを込め・・・・・・、
「フッ!」
「グワアアア!!」
ローグを下から切り上げた。
「グッ・・・、バカな・・・・・・!?」
大ダメージを負ったローグはトランスチームガンを使って姿を消した。
「・・・・・・・・・・・・。」
「お待たせしました、主様。」
夜華は変身を解くことなく、蒼空に頭を下げた。
俺に頭を下げてきた夜華だが、俺は今この瞬間多くの疑問を夜華に聞きたたくなっている。
「・・・・・・夜華、色々聞きたいことがある。」
「・・・・・・そうですよね、まずはどこから説明しましょうか・・・?」
「なんでお前が既にドライバーを持ってるんだ?」
「・・・っ!?」
「・・・・・・何の用ですか?スターク。」
俺たちの前に堂々とスタークが現れた。
「まさか俺を介さずにドライバーを手に入れるとは・・・・・・。」
「『俺を介さずに』?・・・・・・どういう事だ!?」
「言葉通りの意味ですわ、主様。わたくしは、彼からこのドライバーを
なんとなくその辺は分かったけど、なんで夜華とスタークが繋がっているのか・・・・・・そこの疑問を晴らしたい。
「・・・・・・その事は、後で話しましょう、主様。」
「その前に、そのドライバーとボトルを俺に預けろ。」
「お断りしますわ。」
夜華の足元の影が広がり、
「・・・・・・ん?え!?夜華さん!?」
「では、ごきげんよう。」
「うおっ!?」
俺ごと影の中に入っていった。
蒼空たちが影の中に入ったことにより、その場所にはスタークのみとなった。
「・・・・・・厄介な奴だな、相変わらず。」
「ねぇリサ。この辺からなの?」
「うん、確かにこの辺だよ。鉄同士がぶつかるような音があったのは。」
「・・・・・・はぁあ~。今日はずらかるとするか~。」
スタークはトランスチームガンを取り出し、その場から姿を消した。
「・・・・・・あれ?何も無い・・・。」
「リサ、さっきの音は気のせいだったんじゃないかしら?」
誰もいなくなったその場所に、新たな客人がやって来た。銀髪のクール系女子と、茶髪のギャル系女子の2人が、会話をしながら。
「気のせいじゃないって!!
「・・・・・・私には聞こえなかったわ。
2人の発言は高校生らしからぬ発言だった。・・・・・・例え、『仮面ライダー』等の事を知っていても、『ビルド』という単語が出てくるはずが無かった。
「う~ん・・・・・・気のせいじゃなかったはずなんだけどな~。」
「帰りましょ、夜遅いし。」
「そうだね~。」
最後にやって来た『
「くっ・・・・・・ここは?」
「ここは、わたくしが作り出した『
シャドーゾーン?・・・・・・そういや、夜華と共に影の中に落ちて・・・・・・って!!
「そうだ夜華!色々説明しろ!!」
「・・・・・・そうなりますよね?」
「なりますね!普通は!」
意外と夜華が話してくれた。・・・・・・既に変身は解いていたけど。
「まず、わたくしとスタークの関係は・・・・・・記憶喪失の主様を助けた辺りからです。スタークがわたくしにやって来て、『ドライバーとボトルを修理するから、蒼空をずっと見守っていて欲しい。』と言ってきたのです。」
「・・・・・・まさか、その為に俺に付いてきたのか?」
「そんな理由で主様に付いてのではありません。それだけは断言出来ます。」
「そ、そこは・・・・・・真面目に即答するんだな・・・・・・。」
「わたくしが主様に付き従っているのは、主様が幼き頃からです。」
さらっと凄いこと言ったよ!?幼い頃から!?
「それと、このドライバーは元々わたくしが所持していたプロトタイプの『スクラッシュドライバー』です。それを、どこかでスタークが手に入れ、完成品同様の状態に修理しました。おかげで、先程の性能を発揮出来るようになりました。」
そう言って、ドライバーを見せてくる。
「・・・・・・質問、いいか?」
「お答え出来る範囲で。」
「なんで、夜華がスクラッシュドライバーのプロトタイプを持っていたんだ?」
「・・・・・・・・・・・・。」
・・・・・・え?なんで沈黙する訳!?
「・・・・・・その答えは、主様の過去と深く関係がありますので・・・・・・お答え出来ません。」
「またそれか・・・・・・。なんで教えてくれないんだ?俺の・・・・・・過去の事を。」
「スタークにも言われていますが、わたくし自身も出来る事なら主様に過去を知られたくないのです。」
「・・・・・・分かった。今は我慢する。」
「ありがとうございます。それでは、こちらを差し上げます。」
夜華が渡してきたのは1つのUSBメモリーだった。
「研究室のパソコンでお使いください。それでは、ご自宅へお送りします。」
「分かった。・・・・・・え?うおっ!?」
夜華が力を使って、俺をシャドーゾーンから追放した・・・・・・。
気付けばnascitaにいた。
「・・・・・・夢?」
「蒼空!いつ帰ってきたの!?」
あれ?海璃だ。・・・・・・ってことは、夢じゃないんだ。
「・・・・・・あれ?それ何?」
「ん?・・・・・・あ、夜華がくれたのだ。」
とりあえず、研究室に行きパソコンを立ち上げる。
「それなんだ?」
「さぁな。夜華がくれた物だけど。」
「・・・・・・とりあえず、中身を見ない事には始まらないか。」
パソコンにUSBメモリーをセットする。
「・・・・・・行くぞ。」
その声と共にUSBメモリー内のデータを開く。
「これって・・・・・・。」
「なんだよ、これ・・・・・・。」
「・・・・・・プロジェクト、ビルド・・・?」
画面には、『PROJECT BUILD』と書かれていた・・・・・・。
いかがでしたか?
第11話なのに、『ボトルの力で相手の武器の能力を消す』『本人の力で影を操る(影の中に入れたり、敵を影で拘束したり)』『本人の力で超高速(一般人からすれば瞬間移動)で攻撃する』なんて力で戦うライダー、ちょっとチートかしら?
では、また次回!