BanG Dream ~Be the one~   作:ENDLICHERI

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「仮面ライダージードで、天才物理学者の桐生蒼空は、万丈龍哉に人体実験をした組織:『ファウスト』の謎に迫っていた。蒼空の過去を知る、リトルスター所持者:『桐生錘』との出会いが、蒼空の揺れかかっていた覚悟を固めた。そして、新たな姿となって暴れ回るペダニウムゼットンと戦う。」







第17話 名前

『Are You Ready?』

「・・・・・・変身!!」

 

 蒼空が駆け出すと同時に、ドライバーから『ウルトラの父』と『ウルトラマンゼロ』のエネルギー体が現れ、蒼空と重なる瞬間、蒼空の拳がペダニウムゼットンを襲った。

 

「デヤァアアア!!」

 

だが、その拳は人の拳ではなく、『銀色の鎧を纏った拳』だった。

 

『希望のエメリウムバスター!

 マグニフィセント!イエーイ!』

 

新たなジード:『マグニフィセントフォーム』が立っていた。

 

「蒼空・・・・・・その姿は・・・?」

「これは、やらねば!」

 

イグニスはジードの側に行き、

 

祝え!ベリアルの遺伝子を宿し、ビルドの力を受け継ぐ新たなる王者!その名も『仮面ライダージード マグニフィセントフォーム』!今ここに、希望を守る崇高な戦士の力を継承した瞬間である!

 

新たなるジードの誕生を大声で祝った。

 

〈告。『マグニフィセントフォーム』の解析、完了しました。〉

(・・・・・・あぁ。)

 

「蒼空。」

「・・・・・・?」

 

ジードを呼ぶロッソ。その声はとても優しい声だった。

 

「・・・・・・おかえり。」

「・・・・・・あぁ、ただいま。」

 

ジードはペダニウムゼットンに意識を向け、ただ一言、戦う覚悟を口にした。

 

「・・・・・・行くぞ。」

 

ジードは自身からペダニウムゼットンに歩もうとしたが、それより先に、敵の方から光線(攻撃)を仕掛けてきた。

 

「フッ!」

「くっ!蒼空!?」

「主様!?」

 

2人の心配をよそに、ジードはバリアを出し、光線を防ぐ。今までは耐えきれなかった攻撃も、今のジードなら耐えきれるだけの力を備えていた。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

ただの叫び声しかあげないペダニウムゼットンは、静かに佇むジードに苛立ちを覚えてなのか、火炎弾を何発も撃ち込む。

 

「フッ!・・・・・・ハァ!・・・・・・ハァ!」

 

その弾をジードは素手で跳ね返した。

 

「はぁ・・・・・・、デヤァ!!」

 

お返しとして、緑色の光輪(メガスライサークロス)をペダニウムゼットンに命中させた。

 

「・・・・・・くっ!?」

「え!?ガーディアンがなんで!?」

「このタイミングでこんなにものガーディアンが現れるとは・・・・・・っ!」

 

イグニスの視線の先に、陰からこの戦いを見ている『ナイトローグ』がいた。

 

「・・・・・・夜華、任せる!」

「っ!?・・・・・・かしこまりました。」

 

イグニスは主の命に従い、ナイトローグに先制攻撃を仕掛けた。

 

「なっ!?貴様は・・・・・・!?」

「覚えておいでですか?イグニスでございます。」

 

イグニスは盾から刃を出し、ローグを圧倒する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジードたちが戦っている中、遅れてやって来た龍哉。それと一緒に、香澄と有咲、そして沙綾が来た。

 

「・・・・・・有咲、あそこに老人が!」

「あぁ、分かってる!」

「龍君、戦わないn──「なんでだよ・・・・・・。」──え?」

 

龍哉の言葉に、香澄は疑問を浮かべた。

 

「誰に頼まれた訳でもねぇのに・・・・・・、誰に感謝される訳でもねぇのに・・・・・・、なんでそんなボロボロになるまで戦えるんだよ!?皆バカばっかじゃねぇか!!

 

息を少し切らせながら、龍哉は自分の中にある疑問を叫んだ。

 

「はぁ・・・、はぁ・・・。・・・・・・でも、悪くねぇかもな。」

「うん?龍君?」

「・・・・・・俺は、俺のために戦う。」

 

龍哉はドライバーを腰に巻く。

 

「俺の信じる・・・・・・俺を信じてくれる者のために戦う!」

『Wake Up!』『クローズドラゴン!』

『Are You Ready?』

「はぁ・・・・・・、変身!!」

『Wake Up Burning!Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!』

 

龍哉は新たな覚悟を胸に、クローズに変身した。

 

「俺は、仮面ライダー・・・・・・」

 

クローズは、戦いの場に走り出した。

 

クローズだーーー!!

 

クローズもガーディアンたちと戦う。ジードも、クローズに気付いた。

 

「っ!万丈!?」

「蒼空!お前はペダニウムゼットン()を!」

「でも!」

「蒼空、ここは私たちに任せなさいって!」

「行けっ!!」

「・・・・・・頼む!」

 

ジードは飛び上がり、今立ち上がったペダニウムゼットンを、腕の装甲の刃にエネルギーを溜めて切り裂いた。

 

「お前なのか、伏井出ケイ!?」

 

飛び降りてすぐに別の腕の装甲で切り裂いた。さらに、頭部の角からの電撃攻撃(メガエレクトリックホーン)でペダニウムゼットンを吹き飛ばした。

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、」

 

だが、倒れたペダニウムゼットンは上半身のみを起こして、角から赤い電撃を放った。

 

「なっ!?くっ!?・・・・・・ぐわぁ!!」

 

バリアが間に合わず、腕で防ぐが・・・・・・あまりの量に防ぎきれなかった。

 

「くっ!・・・・・・ん?」

 

ゆっくり立ち上がるペダニウムゼットンに、ジードは違和感を覚えた。

 

「はぁ・・・、ベリアル様!あのような者に何が出来ましょうぞ!?・・・・・・くっ・・・!?」

 

ジードとペダニウムゼットンが遠距離で攻防を繰り広げる。

 

造られた道具が、創造主に歯向かうというのか!?

 

攻撃を防がれたペダニウムゼットンは、遠距離がダメだと知り、近接戦に持ち込む。

 だが、ジードは拳に強大なエネルギーを纏い、押し返す。

 

跪け!地を舐めろ!額をこすり付けろ!・・・・・・はぁ、終わる時が来たのだ!貴様の首を、ベリアル様の手土産とする!!

 

暴れ回るペダニウムゼットン・・・・・・いや、伏井出ケイに、ジードは大賢者に疑問をぶつけた。

 

「くっ・・・!」

 

(大賢者さん、様子がおかしいぞ!?)

〈解。強大な力に、精神が負荷をかけているようです。〉

 

その大賢者の回答は、正解だった。・・・・・・伏井出ケイは、ベリアルから『残りのリトルスター2本を回収しろ』としか命令されていなかった。だが、彼は『ジードを殺す』と言うくらい、精神が正常では無かった。

 

貴様の価値は、ベリアル様の遺伝子を持っている事!!それ以上の何者でもない()()()()()だ!!

「・・・・・・っ!」

 

ジードは・・・・・・いや、蒼空は思い出した。

 

(『うちには、子供がいなくてね。だから、奏恵と『男の子が生まれたら付けよう』って決めてた名前を君に名付けたんだ。』)

 

蒼空の心に残った、錘の言葉を・・・・・・、そして、想いを・・・・・・。だから、

 

(違う、俺は・・・・・・。)

『モルモット』なんかじゃない!!

 

その怒りと共に、ペダニウムゼットンを圧倒し始めた。

 

 

 

 そのジードの発言に、ライダー全員の意識が一瞬、ジードに向いた。

 

「フッ!・・・・・・蒼空?」

「オリャ!・・・・・・あ!?」

「主様?・・・・・・くっ!ハァ!」

 

 

 

 そしてもちろん、香澄たちにも・・・・・・。

 

「蒼空君、なんか・・・・・・凄い感情的・・・・・・。」

「大丈夫、だよね・・・?」

「・・・・・・信じるしかねぇだろ?」

 

 

 

 蒼空の怒りは、収まらない。

 

俺は蒼空!『桐生蒼空(きりゅうそら)』!それが、今の俺の・・・・・・名前だーーー!!

 

拳にエネルギーを纏わせ、ペダニウムゼットンの顔を殴る。だが、

 

「くっ・・・!?貴様の人生に価値などなぁい!!赤ん坊の時に貴様を消す(殺す)ことも出来たんだ!!

 

ケイも、蒼空を『ただの模造品(モルモット)』と認めさせるために、拳をジードの顔目掛けて放つ。

 

「くっ・・・!?・・・・・・お前には分からないんだ!人の幸せがーーー!!

 

ジードも負けじと相手の顔を目掛けて殴る。さらに、

 

俺には、仲間がいる!!帰る場所も!!

 

追撃で、左拳で殴った。・・・・・・その光景を見る者は、何も言葉が出なかった。

 ジードとペダニウムゼットンは、互いの肩を掴み、取っ組み合いを始めた。

 

俺は俺の人生を生きている!誰にも『価値がない』なんて言わせない!!

貴様が『価値あるもの』と信じているものは全てクズだ!!もっとも、薄っぺらい貴様にはお似合いだがなぁ!!

「・・・・・・可哀想な奴だ。」

「なん・・・・・・だと・・・・・・!?

 

蒼空の発言に、ケイの怒りは膨れ上がった。

 

「お前には()()()()。・・・・・・空っぽだ。」

 

すると、怒りで力が増しつつあるペダニウムゼットンの腕を掴み、上に上げるジード。

 

「空っぽのお前に・・・・・・俺が、負ける訳ねぇんだよ!!

 

ジードはペダニウムゼットンの腕を離し、その両手はペダニウムゼットンの体に触れ、エネルギーを込めて吹き飛ばした。

 

「ぐわぁ!!・・・・・・貴様・・・!?

 

それを見て、ジードは・・・・・・いつものセリフを発した。ポーズも一緒に。

 

「勝利の法則は、決まった!!」

 

そして、ドライバーのレバーを回し、ジードは両拳を体の前で合わせた。

 

「フッ!はぁ・・・・・・!」

『Ready Go!』

 

その拳を離すと、間に電気のようなエネルギーが生まれ、ジードは腕をL字に組んだ。

 

『マグニフィセント フィニッシュ!』

 

そのドライバー音声と共に、ジードは必殺技を叫んだ。

 

ビッグバスタウェイ!!

 

ジードの腕から緑色の光線が放たれ、バリアを張っていたペダニウムゼットンに命中させた。・・・・・・その威力は、『最強のバリアを持つ怪人』の力で作られたバリアをいともたやすく貫くほどに。

 

「ぐ・・・!?ぐぅぅわああああああ!!?

 

そして、ペダニウムゼットンは爆発四散するのだった。

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、」

 

ジードの視線の先には、倒れる伏井出ケイと、奪われた『リトルスターのボトル』が落ちていた。

 

 

 

 

 

 ジードたちの戦いに決着がつく頃、

 

「これでも味わったら!?『グラビティホールド』!」

 

ロッソが右手を地面につけると、ガーディアンたちが重力によって押しつぶされそうになった。

 

「万丈、決めるよ!」『Ready Go!』

「おう!」『スペシャルチューン!』

 

そんなガーディアンたちを一気に破壊するべく、ロッソとクローズは同時に技を発動した。

 

「はぁ・・・、『グランドエクスプロージョン』!」『グランド フィニッシュ!』

「はぁ・・・、オリャアアア!!」『ミリオンスラッシュ!』

 

正面からは無数の斬撃、上空からは巨大な岩の塊に襲われたガーディアンたちは、ひとたまりもなかった。

 

 

 

 そして、イグニスも・・・・・・。

 

「参ります。」『クラックアップブレイク!』

 

盾から出した刃に光のエネルギーを集め、ローグを斬りつけた。

 

「ぐわぁ!!・・・・・・ここまでか・・・!?」

 

体が限界を迎えたのか、『トランスチームガン』から煙を出し、戦いの場から姿を消した。

 

「・・・・・・ふぅ。主様!」

 

イグニスはローグの事をすぐに忘れ、ジード()の下に向かった。

 

「お体は大丈夫でございますか?」

「あぁ。・・・・・・・・・・・・。」

「あん?・・・・・・あぁ。」

 

ジードの視線が錘に向いている事を知ったクローズは、

 

「・・・・・・蒼空、行って来いよ。」

「え?」

「大事な人なんだろ?こっちはなんとかするから。」

「でも・・・・・・?」

「そ~ら!ほら、行ってきて!」

「うおっ!?・・・・・・海璃も・・・・・・。」

「主の面倒事を引き受けるのも、従者の務めですわ。」

「夜華まで・・・・・・。ありがとう、行ってくる。」

 

ジードは変身を解き、錘の下に向かった。

 

「・・・・・・どうして来たの、万丈は?」

「あ?・・・・・・新しく戦う理由を見つけたからな。」

「へぇ~、どんなの?」

「俺は・・・・・・俺の信じる者、俺を信じてくれる者のために戦うって。そう、決めたんだ。」

「それでも、まだ『自分のため』なんだね?」

「・・・・・・悪いかよ?」

「ううん、別に~♪」

 

変身を解いた龍哉たちは、蒼空を見送りながら話していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 俺は錘さんの下に来た。

 

「錘さん、大丈夫か?」

「・・・・・・大丈夫だ。君たちのおかげでね。」

「心配かけてごめん。」

「気にするな。それでは行こうか?」

「・・・・・・あぁ。肩、貸すよ。」

 

俺は錘さんに肩を貸して、まずは病院へと向かった。

 

「・・・・・・さすがは、『蒼空』だな。」

「錘さんの想い通り、また飛び立つさ。」

「さすがだね、私の()()は。」

「『息子』ってより・・・・・・『孫』じゃないのか?」

「そうかもね?」

「だったら・・・・・・俺からは『爺ちゃん』って呼んだ方がいいか?」

「ん~、なかなか良い響きだね~。」

「・・・・・・そうかい。それじゃ行くぞ、爺ちゃん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の夜、家に帰ってきた俺は、

 

「つっかれた~!」

 

そのままベッドに入った。

 

「・・・・・・で、お前は過去の事を聞かなかったのかよ?」

 

・・・・・・なんで女の子じゃなくて、(万丈)が横にいるんだよ・・・。

 

「今日はそんな気分じゃなかったんだよ。錘さんとこにはまた行くから、そん時に聞こうかなって・・・・・・。邪魔。

「・・・・・・そういや、葛城映司なんだけど・・・?」

「うん?・・・・・・うっ!?」

 

誰だよ、枕投げたの?

 

「そ~ら、『ガーディアンが暴れている』って、ネットで上がってるよ!」

「はぁ~!?勘弁してくれよ・・・・・・。」

 

さすがにあの戦いの後はしんどいって・・・・・・。

 

「何言ってんだよ。『ラブアンドピース』じゃねぇのか?」

 

・・・・・・え?

 

「ほら行くぞ。行っくぞ~!」

「ふふっ、変わったね。それじゃ、行こ!」

「・・・・・・随分とイイ(ツラ)になったじゃねぇか。」

 

仕方ない、正義のヒーローが行かない訳にはいかないな!

 

Love & Peace(ラブ アンド ピース)!」

 

愛と平和のために、俺はこれからも戦う。・・・・・・ベリアルの遺伝子を宿し、ビルドの力を持って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 人目の付かない所で、ファウストのガーディアンたちと戦っているジード、クローズ、ロッソ。

 

「フッ!ハッ!」

「オリャ!」

「ハッ!ハァ!」

 

だが、

 

「っ!・・・・・・ぐっ!?」

「うわっ!?」

「きゃっ!?」

 

黄色のような影が高速でジードたちの近くを通りすぎ、ガーディアンたちを破壊した。

 

「・・・・・・ん?今のって・・・?」

「う~ん・・・・・・仮面ライダー?」

「仮面ライダー!?いる訳ねぇだろ、こんな夜に!?・・・・・・ぅはっくしょん!!」

「ちょっ!?唾飛ばさないでよ!」

「はぁ!?マスク着けてるんだから、飛ぶ訳ねぇだろ!?」

「こっちに来んなよ!風邪移されたくねぇから!」

「お前もかよ!?」

 

 

 

そんな光景を近くのビルの外階段から見ている・・・・・・金色のライダーが1人。

 

「ほぉ~、あれが『ビルドシステム』のライダーか。」

 

腰には、イグニスが使う『スクラッシュドライバー』を巻いていた。

 

「ま、すぐに会えるから挨拶は無しでもいいか。・・・・・・また会いに行くさ、()()でな。」

 

 

 

 

 




今回は『マグニフィセントフォーム』の初戦闘シーンがメインでした。それと一緒に、『平ジェネFINAL』の万丈の『戦う理由』の部分も入れました。

・・・・・・後、同映画の最後のシーンも。

本当なら、朝投稿した分含めて1話にしようと思ったのですが・・・・・・1万文字超えそうだったので、分割しました。すんません。

あぁ、後1つ。別の投稿作品でも言ってますが、12月30日~1月5日(1月1日は別)は、活動を一時停止します。・・・・・・正月休みが欲しいから。

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