BanG Dream ~Be the one~ 作:ENDLICHERI
「・・・・・・変身!!」
蒼空が駆け出すと同時に、ドライバーから『ウルトラの父』と『ウルトラマンゼロ』のエネルギー体が現れ、蒼空と重なる瞬間、蒼空の拳がペダニウムゼットンを襲った。
「デヤァアアア!!」
だが、その拳は人の拳ではなく、『銀色の鎧を纏った拳』だった。
マグニフィセント!イエーイ!』
新たなジード:『マグニフィセントフォーム』が立っていた。
「蒼空・・・・・・その姿は・・・?」
「これは、やらねば!」
イグニスはジードの側に行き、
新たなるジードの誕生を大声で祝った。
〈告。『マグニフィセントフォーム』の解析、完了しました。〉
(・・・・・・あぁ。)
「蒼空。」
「・・・・・・?」
ジードを呼ぶロッソ。その声はとても優しい声だった。
「・・・・・・おかえり。」
「・・・・・・あぁ、ただいま。」
ジードはペダニウムゼットンに意識を向け、ただ一言、戦う覚悟を口にした。
「・・・・・・行くぞ。」
ジードは自身からペダニウムゼットンに歩もうとしたが、それより先に、敵の方から
「フッ!」
「くっ!蒼空!?」
「主様!?」
2人の心配をよそに、ジードはバリアを出し、光線を防ぐ。今までは耐えきれなかった攻撃も、今のジードなら耐えきれるだけの力を備えていた。
「・・・・・・・・・・・・。」
ただの叫び声しかあげないペダニウムゼットンは、静かに佇むジードに苛立ちを覚えてなのか、火炎弾を何発も撃ち込む。
「フッ!・・・・・・ハァ!・・・・・・ハァ!」
その弾をジードは素手で跳ね返した。
「はぁ・・・・・・、デヤァ!!」
お返しとして、
「・・・・・・くっ!?」
「え!?ガーディアンがなんで!?」
「このタイミングでこんなにものガーディアンが現れるとは・・・・・・っ!」
イグニスの視線の先に、陰からこの戦いを見ている『ナイトローグ』がいた。
「・・・・・・夜華、任せる!」
「っ!?・・・・・・かしこまりました。」
イグニスは主の命に従い、ナイトローグに先制攻撃を仕掛けた。
「なっ!?貴様は・・・・・・!?」
「覚えておいでですか?イグニスでございます。」
イグニスは盾から刃を出し、ローグを圧倒する。
ジードたちが戦っている中、遅れてやって来た龍哉。それと一緒に、香澄と有咲、そして沙綾が来た。
「・・・・・・有咲、あそこに老人が!」
「あぁ、分かってる!」
「龍君、戦わないn──「なんでだよ・・・・・・。」──え?」
龍哉の言葉に、香澄は疑問を浮かべた。
「誰に頼まれた訳でもねぇのに・・・・・・、誰に感謝される訳でもねぇのに・・・・・・、なんでそんなボロボロになるまで戦えるんだよ!?皆バカばっかじゃねぇか!!」
息を少し切らせながら、龍哉は自分の中にある疑問を叫んだ。
「はぁ・・・、はぁ・・・。・・・・・・でも、悪くねぇかもな。」
「うん?龍君?」
「・・・・・・俺は、俺のために戦う。」
龍哉はドライバーを腰に巻く。
「俺の信じる・・・・・・俺を信じてくれる者のために戦う!」
『Are You Ready?』
「はぁ・・・・・・、変身!!」
『Wake Up Burning!Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!』
龍哉は新たな覚悟を胸に、クローズに変身した。
「俺は、仮面ライダー・・・・・・」
クローズは、戦いの場に走り出した。
クローズもガーディアンたちと戦う。ジードも、クローズに気付いた。
「っ!万丈!?」
「蒼空!お前は
「でも!」
「蒼空、ここは私たちに任せなさいって!」
「行けっ!!」
「・・・・・・頼む!」
ジードは飛び上がり、今立ち上がったペダニウムゼットンを、腕の装甲の刃にエネルギーを溜めて切り裂いた。
「お前なのか、伏井出ケイ!?」
飛び降りてすぐに別の腕の装甲で切り裂いた。さらに、
「はぁ・・・、はぁ・・・、」
だが、倒れたペダニウムゼットンは上半身のみを起こして、角から赤い電撃を放った。
「なっ!?くっ!?・・・・・・ぐわぁ!!」
バリアが間に合わず、腕で防ぐが・・・・・・あまりの量に防ぎきれなかった。
「くっ!・・・・・・ん?」
ゆっくり立ち上がるペダニウムゼットンに、ジードは違和感を覚えた。
「はぁ・・・、ベリアル様!あのような者に何が出来ましょうぞ!?・・・・・・くっ・・・!?」
ジードとペダニウムゼットンが遠距離で攻防を繰り広げる。
「造られた道具が、創造主に歯向かうというのか!?」
攻撃を防がれたペダニウムゼットンは、遠距離がダメだと知り、近接戦に持ち込む。
だが、ジードは拳に強大なエネルギーを纏い、押し返す。
「跪け!地を舐めろ!額をこすり付けろ!・・・・・・はぁ、終わる時が来たのだ!貴様の首を、ベリアル様の手土産とする!!」
暴れ回るペダニウムゼットン・・・・・・いや、伏井出ケイに、ジードは大賢者に疑問をぶつけた。
「くっ・・・!」
(大賢者さん、様子がおかしいぞ!?)
〈解。強大な力に、精神が負荷をかけているようです。〉
その大賢者の回答は、正解だった。・・・・・・伏井出ケイは、ベリアルから『残りのリトルスター2本を回収しろ』としか命令されていなかった。だが、彼は『ジードを殺す』と言うくらい、精神が正常では無かった。
「貴様の価値は、ベリアル様の遺伝子を持っている事!!それ以上の何者でもない
「・・・・・・っ!」
ジードは・・・・・・いや、蒼空は思い出した。
(『うちには、子供がいなくてね。だから、奏恵と『男の子が生まれたら付けよう』って決めてた名前を君に名付けたんだ。』)
蒼空の心に残った、錘の言葉を・・・・・・、そして、想いを・・・・・・。だから、
(違う、俺は・・・・・・。)
「『モルモット』なんかじゃない!!」
その怒りと共に、ペダニウムゼットンを圧倒し始めた。
そのジードの発言に、ライダー全員の意識が一瞬、ジードに向いた。
「フッ!・・・・・・蒼空?」
「オリャ!・・・・・・あ!?」
「主様?・・・・・・くっ!ハァ!」
そしてもちろん、香澄たちにも・・・・・・。
「蒼空君、なんか・・・・・・凄い感情的・・・・・・。」
「大丈夫、だよね・・・?」
「・・・・・・信じるしかねぇだろ?」
蒼空の怒りは、収まらない。
「俺は蒼空!『
拳にエネルギーを纏わせ、ペダニウムゼットンの顔を殴る。だが、
「くっ・・・!?貴様の人生に価値などなぁい!!赤ん坊の時に貴様を
ケイも、蒼空を『ただの
「くっ・・・!?・・・・・・お前には分からないんだ!人の幸せがーーー!!」
ジードも負けじと相手の顔を目掛けて殴る。さらに、
「俺には、仲間がいる!!帰る場所も!!」
追撃で、左拳で殴った。・・・・・・その光景を見る者は、何も言葉が出なかった。
ジードとペダニウムゼットンは、互いの肩を掴み、取っ組み合いを始めた。
「俺は俺の人生を生きている!誰にも『価値がない』なんて言わせない!!」
「貴様が『価値あるもの』と信じているものは全てクズだ!!もっとも、薄っぺらい貴様にはお似合いだがなぁ!!」
「・・・・・・可哀想な奴だ。」
「なん・・・・・・だと・・・・・・!?」
蒼空の発言に、ケイの怒りは膨れ上がった。
「お前には
すると、怒りで力が増しつつあるペダニウムゼットンの腕を掴み、上に上げるジード。
「空っぽのお前に・・・・・・俺が、負ける訳ねぇんだよ!!」
ジードはペダニウムゼットンの腕を離し、その両手はペダニウムゼットンの体に触れ、エネルギーを込めて吹き飛ばした。
「ぐわぁ!!・・・・・・貴様・・・!?」
それを見て、ジードは・・・・・・いつものセリフを発した。ポーズも一緒に。
「勝利の法則は、決まった!!」
そして、ドライバーのレバーを回し、ジードは両拳を体の前で合わせた。
「フッ!はぁ・・・・・・!」
『Ready Go!』
その拳を離すと、間に電気のようなエネルギーが生まれ、ジードは腕をL字に組んだ。
『マグニフィセント フィニッシュ!』
そのドライバー音声と共に、ジードは必殺技を叫んだ。
ジードの腕から緑色の光線が放たれ、バリアを張っていたペダニウムゼットンに命中させた。・・・・・・その威力は、『最強のバリアを持つ怪人』の力で作られたバリアをいともたやすく貫くほどに。
「ぐ・・・!?ぐぅぅわああああああ!!?」
そして、ペダニウムゼットンは爆発四散するのだった。
「はぁ・・・、はぁ・・・、」
ジードの視線の先には、倒れる伏井出ケイと、奪われた『リトルスターのボトル』が落ちていた。
ジードたちの戦いに決着がつく頃、
「これでも味わったら!?『グラビティホールド』!」
ロッソが右手を地面につけると、ガーディアンたちが重力によって押しつぶされそうになった。
「万丈、決めるよ!」『Ready Go!』
「おう!」『スペシャルチューン!』
そんなガーディアンたちを一気に破壊するべく、ロッソとクローズは同時に技を発動した。
「はぁ・・・、『グランドエクスプロージョン』!」『グランド フィニッシュ!』
「はぁ・・・、オリャアアア!!」『ミリオンスラッシュ!』
正面からは無数の斬撃、上空からは巨大な岩の塊に襲われたガーディアンたちは、ひとたまりもなかった。
そして、イグニスも・・・・・・。
「参ります。」『クラックアップブレイク!』
盾から出した刃に光のエネルギーを集め、ローグを斬りつけた。
「ぐわぁ!!・・・・・・ここまでか・・・!?」
体が限界を迎えたのか、『トランスチームガン』から煙を出し、戦いの場から姿を消した。
「・・・・・・ふぅ。主様!」
イグニスはローグの事をすぐに忘れ、
「お体は大丈夫でございますか?」
「あぁ。・・・・・・・・・・・・。」
「あん?・・・・・・あぁ。」
ジードの視線が錘に向いている事を知ったクローズは、
「・・・・・・蒼空、行って来いよ。」
「え?」
「大事な人なんだろ?こっちはなんとかするから。」
「でも・・・・・・?」
「そ~ら!ほら、行ってきて!」
「うおっ!?・・・・・・海璃も・・・・・・。」
「主の面倒事を引き受けるのも、従者の務めですわ。」
「夜華まで・・・・・・。ありがとう、行ってくる。」
ジードは変身を解き、錘の下に向かった。
「・・・・・・どうして来たの、万丈は?」
「あ?・・・・・・新しく戦う理由を見つけたからな。」
「へぇ~、どんなの?」
「俺は・・・・・・俺の信じる者、俺を信じてくれる者のために戦うって。そう、決めたんだ。」
「それでも、まだ『自分のため』なんだね?」
「・・・・・・悪いかよ?」
「ううん、別に~♪」
変身を解いた龍哉たちは、蒼空を見送りながら話していた。
俺は錘さんの下に来た。
「錘さん、大丈夫か?」
「・・・・・・大丈夫だ。君たちのおかげでね。」
「心配かけてごめん。」
「気にするな。それでは行こうか?」
「・・・・・・あぁ。肩、貸すよ。」
俺は錘さんに肩を貸して、まずは病院へと向かった。
「・・・・・・さすがは、『蒼空』だな。」
「錘さんの想い通り、また飛び立つさ。」
「さすがだね、私の
「『息子』ってより・・・・・・『孫』じゃないのか?」
「そうかもね?」
「だったら・・・・・・俺からは『爺ちゃん』って呼んだ方がいいか?」
「ん~、なかなか良い響きだね~。」
「・・・・・・そうかい。それじゃ行くぞ、爺ちゃん。」
その日の夜、家に帰ってきた俺は、
「つっかれた~!」
そのままベッドに入った。
「・・・・・・で、お前は過去の事を聞かなかったのかよ?」
・・・・・・なんで女の子じゃなくて、
「今日はそんな気分じゃなかったんだよ。錘さんとこにはまた行くから、そん時に聞こうかなって・・・・・・。邪魔。」
「・・・・・・そういや、葛城映司なんだけど・・・?」
「うん?・・・・・・うっ!?」
誰だよ、枕投げたの?
「そ~ら、『ガーディアンが暴れている』って、ネットで上がってるよ!」
「はぁ~!?勘弁してくれよ・・・・・・。」
さすがにあの戦いの後はしんどいって・・・・・・。
「何言ってんだよ。『ラブアンドピース』じゃねぇのか?」
・・・・・・え?
「ほら行くぞ。行っくぞ~!」
「ふふっ、変わったね。それじゃ、行こ!」
「・・・・・・随分とイイ
仕方ない、正義のヒーローが行かない訳にはいかないな!
愛と平和のために、俺はこれからも戦う。・・・・・・ベリアルの遺伝子を宿し、ビルドの力を持って。
人目の付かない所で、ファウストのガーディアンたちと戦っているジード、クローズ、ロッソ。
「フッ!ハッ!」
「オリャ!」
「ハッ!ハァ!」
だが、
「っ!・・・・・・ぐっ!?」
「うわっ!?」
「きゃっ!?」
黄色のような影が高速でジードたちの近くを通りすぎ、ガーディアンたちを破壊した。
「・・・・・・ん?今のって・・・?」
「う~ん・・・・・・仮面ライダー?」
「仮面ライダー!?いる訳ねぇだろ、こんな夜に!?・・・・・・ぅはっくしょん!!」
「ちょっ!?唾飛ばさないでよ!」
「はぁ!?マスク着けてるんだから、飛ぶ訳ねぇだろ!?」
「こっちに来んなよ!風邪移されたくねぇから!」
「お前もかよ!?」
そんな光景を近くのビルの外階段から見ている・・・・・・金色のライダーが1人。
「ほぉ~、あれが『ビルドシステム』のライダーか。」
腰には、イグニスが使う『スクラッシュドライバー』を巻いていた。
「ま、すぐに会えるから挨拶は無しでもいいか。・・・・・・また会いに行くさ、
今回は『マグニフィセントフォーム』の初戦闘シーンがメインでした。それと一緒に、『平ジェネFINAL』の万丈の『戦う理由』の部分も入れました。
・・・・・・後、同映画の最後のシーンも。
本当なら、朝投稿した分含めて1話にしようと思ったのですが・・・・・・1万文字超えそうだったので、分割しました。すんません。
あぁ、後1つ。別の投稿作品でも言ってますが、12月30日~1月5日(1月1日は別)は、活動を一時停止します。・・・・・・正月休みが欲しいから。