BanG Dream ~Be the one~   作:ENDLICHERI

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「仮面ライダージードで、天才物理学者の桐生蒼空は、万丈に人体実験をした組織『ファウスト』の秘密に迫っていた。自身が悪魔の科学者『葛城映司』だった事を知り、愕然となる。そんな中、羽丘との戦争が始まり、蒼空は戦う事を決意した。」
「・・・・・・なぁ、ちょっといいか?」
「あれ?今日有咲なの?」
「悪いかよ?」
「いや、全然。」
「この辺なら原作で『氷室首相と呼べ!』とか『じゃあ言わない』とか無いのかよ?」
「どこをネットサーフィンしたらそんなのが出るんだよ?その担当だった奴は先週に退場したからこの作品ではしません!ってことで、どうなる第21話!?」







第21話 危険なドライバー

『ドラゴン・イン・クローズチャージ!ブラァ!』

 

龍哉は『使えない』と言われたスクラッシュドライバーで、『仮面ライダークローズチャージ』に変身した。

 

「ブワアアアァァァ!!! 

なんだよこの力・・・!

 負ける気がしねぇ!!」

 

原因は分からないが、龍哉の言い方がいつもと違った。

 

「・・・・・・なんだよ。外面が変わっただけで、調子に乗ってんじゃねぇよオラァ!」

 

スタッグを筆頭に、3体のハードスマッシュがクローズチャージ・・・・・・長いのでいつも通りクローズと書くが、3体はクローズと戦う。

 

「オラァ!オラァ!!」

「ぐわぁ!!」

 

クローズの力に圧倒されるハードスマッシュたち。1対1なら勝てないかもしれない。

 だが、今は3対1だ。

 

「オラァアア!」

 

キャッスル目掛けて殴ったが、その拳はキャッスルの後ろにあった木に刺さった。

 

「あっ!?抜けねぇ!!」

「・・・・・・オリャア!」

「ぐわっ!あ、抜けた!!」

 

オウルの横殴りを受けて、なんとか腕が抜けたクローズ。

 だが、そんな戦いを見て、『止めなきゃ』と思ったジードとロッソ。

 

「くっ!あのバカ・・・!」

「かなり暴れてるね・・・・・・。」

 

・・・・・・訂正。ロッソは混じりたくないと思い、少し離れていた。

 

「おい、落ち着け!」

 

3対1の戦いに混ざるジード。ハードスマッシュたちを攻撃しつつ、クローズを落ち着かせようとする。

 

「どけ!」

「ぐわっ!」

「蒼空!大丈夫!?」

「イッテ~・・・!」

 

そんなジードを戦いから外し、戦いを続けるクローズ。

 

「どうするの・・・?」

「・・・・・・あ、そうだ。万丈!『ツインブレイカー』を出せ!」

「ハァ!あ!?『ツインブレイカー』!?」

 

すると、クローズの左腕にゼリーが現れ、武器になった。

 

『ツインブレイカー!』

「おお!これか~!」

『アタックモード!』

「うおっ!?」

 

クローズがツインブレイカーを触っていると、白色の銃口の位置を(偶然)変えてしまい、モードチェンジした。

 

「オリャアアア!!」

 

ツインブレイカーのアタックモードの使い方を理解したのか、金色のパイルバンカーのような物で次々と攻撃した。

 

「この!」

『シングル!』

 

スタッグが突撃してくるが、クローズは武器にドラゴンボトルをセットして、

 

『シングルブレイク!』

「オリャア!」

「ぐわぁ!!」

 

スタッグに向け技を放ち、吹き飛ばす。

 

「この~!」

『ツイン!』

 

クローズは更に、ドライバーのドラゴンゼリーを武器にセットして、上空を飛びまわるオウルに向けてエネルギー弾を放つ。

 

『ツインブレイク!』

「ハァ・・・、ハァア!!」

「うわぁ!」

「なっ!?てめぇ・・・!!」

 

撃ち落されたオウルを見て怒りを見せるキャッスル。そして、クローズを攻めるが、

 

「ふっ、ハァ!」

『クローズドラゴン!』『Ready Go!』

「ハァ・・・!」

「くっ・・・!ヤバッ!?」

 

クローズはツインブレイカーにクローズドラゴンをセットして、また別の技を発動させる。キャッスルはそれを察したのか、盾を体の前に持ってきて、攻撃に耐えようとする。

 

「オリャアアア!!」

『レッツブレイク!』

「ぐわぁあああ!!」

 

その一撃は、先程攻撃を通すことの許されなかった盾ごとキャッスルを殴り(?)飛ばす。

 

「赤ちゃん!」

「おい、立て!」

「ちょっ、ちょっと待て!」

 

盾が大きすぎて中々起き上がれないキャッスル。急いでスタッグとオウルが立たせようとする。

 そんな光景を見つつ、ジードとロッソはクローズの下に来た。

 

「・・・・・・この野郎。」

「イテッ!イッテぇな・・・!」

「ほらほら、2人共行って!グラビティホールド!」

 

ジードはクローズの尻を蹴りながら・・・・・・。

 ロッソはグランドの力を使って三羽ガラスの動きを封じる。その隙にジードとクローズは飛び上がり、

 

「ぐっ・・・!なんだ、これは・・・!?」

「って、ヤバッ!?」

 

「ハァ・・・、ハァアアア!!」

「ハァ・・・、ハァアアア!!」

 

「「「ぐわぁあああ!!」」」

 

2人のライダーキックを(上手い事)受けた三羽ガラスは蹴り飛ばされ、スマッシュ体から人間体に戻された。

 

「・・・・・・うん?ハッ!?」

 

三羽ガラスは手元にあるボトルはロストボトルだけだった。

 持っていた()()()()()はジードたちの足元にあった。

 

「よっと。これが羽丘のボトルか~。」

「私たちの持ってるのとはちょっと違うね~。」

 

「見~つけた~。」

 

「・・・・・・ん?」

 

ジードたちや三羽ガラスでもない。ましてや香澄と蘭の声でもない別の声が聞こえてきた。その声が聞こえてきた方を見ると、少し背の低い少女が歩いてきた。

 

「アイツ・・・・・・。」

「え? 万丈知ってるの?」

 

「お嬢・・・・・・。」

 

龍哉の知る、三羽ガラスが『お嬢』と呼ぶ人物は、

 

「ボクに内緒で何楽しんでるんだよ?コラァ・・・。」

 

ニヤけながら、青色のドライバー(スクラッシュドライバー)を見せつける。

 

「あれは・・・・・・!」

「なんであのドライバーを持ってるんだよ!?」

「蒼空が創ったのと、夜華さんの分しかないはずだよ!?」

 

少女はライダーたちの会話を気にせずドライバーを巻いた。

 

『スクラッシュドライバー!』

「もしかしてお嬢、機嫌悪い?」

「・・・・・・みたいだね。」

「お嬢!どこ行ってたんですか?」

「アンタたちが方向音痴のボクを置いてくのがいけないんでしょうが!!」

「え?」

 

その言葉で顔を合わせる三羽ガラス。そして、誤魔化すかのように・・・・・・。

 

「お嬢~、ボトル取り返してよ~!」

「ったく、仕方ねぇな・・・。とっとと取り返すか。」

 

取り出した『ロボットの絵が描かれたゼリー』をドライバーにセットした。

 

『ロボットゼリー!』

 

そして、左手を拳銃のようにして相手に向けて、

 

「変身!」

『潰れる!流れる!溢れ出る! 

ロボット・イン・グリス!ブラァ!』

 

クローズチャージと同じ仕組みで変身した。だが、スーツは金色で、装甲もロボット感があった。・・・・・・少しシステム補正で身長も上がっているが。

 

「嘘でしょ!?」

「変身しやがった・・・・・・!?」

 

「仮面ライダーグリス・・・・・・見参。」

 

少女は自身のことを『仮面ライダーグリス』と名乗った。

 

「仮面ライダー・・・・・・グリス・・・・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 あたしは、蒼空さんに言われた通り・・・・・・ではないけど、香澄と共に隠れつつ、この戦いをずっと見ていた。だけど、

 

「今変身した娘・・・・・・どこかで見たことある。」

「え!?蘭ちゃん、それ本当!?」

「うん。・・・・・・確か、中等部だったかな?」

 

私服だから分からないけど、記憶には確かにあった。でも、どこであったかは・・・・・・。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「心の火・・・・・・心火だ・・・・・・。」

 

 グリスは静かに語り始めた。

 

「心火を燃やして、ぶっ潰す・・・!」

「ほぉ~、上等じゃねぇか!!」

 

その言葉に挑発されたクローズはグリスを攻撃する。

 

「ハァ!オリャア!」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 その戦いを見ていたジードとロッソは・・・・・・。

 

「ねぇ、何か様子がおかしくない?」

「・・・・・・確かに。グリスが全然反撃しない・・・?」

 

 

 

 

 

「どうしたどうした!?偉そうなこと言ってる割には、手も、出ねぇじゃねぇか!!」

 

力を込めたツインブレイカーの一撃は、グリスには当たらなかった。

 

「こんなもんか?」

『ツインブレイカー!』

「フッ!」

「ぐわっ!!」

 

右手でパイル部分を右手で掴み、攻撃を防いだグリスは、自身の左手にツインブレイカーを出し、クローズに銃攻撃をする。

 

「全然足りねぇな・・・・・・。」

 

グリスはフルボトルを取り出し、ロボットゼリーと入れ替える形でドライバーにセットした。

 

『ディスチャージボトル!』

 

ビルドドライバーとは違い、ボトル名を言わないが、その力はきちんと発揮される。

 

『潰れな~い!』

「ほ~ら、行くぞ~。」

『ディスチャージクラッシュ!』

 

グリスは右の掌から『ヘリコプター』のプロペラをゼリーで形成し、飛び上がる。

 

 スクラッシュゼリーで変身するライダーは、身体のあちこちにゼリーを出す噴出口がある。変身の時には頭部のてっぺんからだったり・・・・・・。

 

 今回のプロペラは噴出口のある掌から出している。そのプロペラは、ドライバーにセットした『ヘリコプターフルボトル』の能力である。

 

「ぐっ!?ぐわっ!!」

 

ホバリングしながら『ツインブレイカー ビームモード』でクローズ目掛けて連射する。

 

「よっと。まだまだ行くぞ!!」

 

ドライバーにセットしてるボトルをゼリーに変え、肉弾戦に入る。

 

「オラァ!ハァ!うりゃあ!!」

 

プロレスのような戦いに、クローズは手も足も出なかった。

 

「ぐっ!?この・・・!」

「はぁ~・・・・・・。」

『スクラップフィニッシュ!』

 

レバーを下ろすと共に、グリスはまるで衝撃に備える体制を取る。その理由はすぐに分かった。

 肩の装甲が角度を変え、噴出口が後ろに向き、勢いよくゼリーが噴出。グリスはその勢いで飛ばされる・・・・・・いや、自らその勢いに乗り、クローズ目掛けてライダーキックを決める。

 

「ウラアアア!!」

「ぐわぁあああ!!」

 

「っ! 万丈!!」

「龍君!」

 

「はぁあ~。・・・・・・っ!」

 

蹴り飛ばされたクローズは変身解除までには至らなかったが、立ち上がれなかった。

 ジードとロッソ、そして香澄はクローズを守ろうとクローズの下に行く。・・・・・・蘭は、1人でいるのは危ないと思い、香澄についていく。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

グリスは動きを止め、ジードたちをずっと見ていた。

 

「お嬢!トドメだ!!」

「・・・・・・帰るぞ。」

「え・・・?」

「途中参戦して、相手から戦利品を貰うわけにはいかねぇ。」

「何その自分ルール!?本当勝手だな~!」

 

グリスは変身を解いた。

 

「そのドライバー、どこで手に入れた?」

「あぁ、これ?()()()()()()()から貰ったんだ。」

「っ!?」

「それって・・・・・・!?」

 

ジードの問いに、まさかの答えが返ってきた。

 

「次は容赦しねぇから、複眼洗って待っとけよ。」

「覚えてろー!」

 

グリスは三羽ガラスを連れてこの場を去っていく。

 

「・・・・・・あの()、どっかで・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 戦いから帰ってきた私たちは、研究室ですぐにスクラッシュドライバーのデータを調べた。

 

「・・・・・・やっぱり、研究データがコピーされている。」

「いつ来たんだろう・・・?」

「さぁな。でも、用心してなかった俺が悪い。・・・・・・それより!」

 

急に蒼空が立ち上がった!?・・・・・・え?何?

 

「お前はもうこれ(スクラッシュドライバー)を使うな!」

「なんでだよ!?ピンチを救ってやっただろ!?」

「それが問題なんだよ。」

「あぁ!?」

 

え?何かあるっけ?・・・・・・万丈がちょっと好戦的だったけど・・・?

 

 

 

 

 

「・・・・・・俺のヒーロー感が薄れるだろ!?」

 

 

 

 

 

「・・・・・・はぁ!?」

「えぇ!?」

「はぁ・・・。」

 

そんな事かい・・・。

 

「花咲川の仮面ライダーと言えば『ジード』なの!サブキャラのお前が、俺より目立ったら、花咲川周辺で応援してくれる子供たちが悲しむでしょうが!!」

 

・・・・・・ごめん、蒼空の味方になりたいけど・・・・・・今回は無理だわ。だって・・・・・・『ビルド』ならまだしも、『ジード』は怖いもん。・・・・・・特に目が。

 

「サブキャラってなんだよ!?自分の活躍しか頭にねぇくせに――」

「はいはい、もういいだろ?筋トレでもしてろ。」

「ったく・・・!」

 

あ、筋トレするんだ・・・・・・。

 

「あの・・・・・・、」

「何?・・・・・・えっと、蘭さん、でいいの?」

「『蘭』でいいですよ。」

「じゃあ、私のことも『海璃』でいいよ。後、敬語も無しで。」

「分かった。あの、いつもこんな感じなの?」

「う~ん・・・・・・うん、こんな感じ。」

 

すると、蒼空の『ビルドフォン』に着信が鳴った。

 

「・・・・・・っ!」

 

蒼空は画面を見て、すぐに研究室を出て行こうとする。

 

「ちょっと蒼空、どこ行くの?」

「おいおいおいおい~! 野暮な事聞くんじゃないよ~!」

 

なんか言い方がウザ~い。

 

「これだよ。」

「ん?」

 

小指立てるって、なんの意味だっけ?

 

「こ・れ♪」☆

 

いや、ウィンクしても分かんないって。

 

「ねぇ、あたし彼のことは詳しく分からないけど――」

 

そりゃそうでしょうね!・・・・・・これで『あんな事やこんな事』を知ってたら驚きよ!?

 

「蒼空さんって、()()いるの?」

 

・・・かのじょ?

 

「・・・・・・ウソ!?

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 まさか()()()から連絡が来るなんてな・・・・・・。

 俺はその電話に出る。

 

「・・・・・・なんだよ?」

『相変わらずクールだね~?』

「ちょうどお前の話をしていた所だ。」

『スクラッシュドライバーの件か?悪かったな、データをいただいて。』

 

電話をかけてきた人物は、『石動惣一』だ。

 

「あのデータがあっても、それを創るのには相当の腕が必要だ。誰が創った?」

『難波重工だよ。それより、スクラッシュドライバーは万丈が使ったんだって?』

「・・・・・・アイツにはもう使わせない。」

 

俺は話を続ける。

 

「スクラッシュドライバーは、ボトルの成分を最大限使える代わりに、ネビュラガスの影響をもろに受ける。その副作用は、『ギガファイナライザー』の影響を受けた時と同じ、変身し続ければ好戦的な気質が剝き出しになって、どんどん戦いに憑りつかれていく。」

『でも、スクラッシュドライバーが無いと羽丘の連中には勝てねぇぞ?』

「だから俺が使う。アイツらは、何があっても俺が守る。」

 

だが、コイツにはもう一つ聞きたい事があるんだ・・・・・・。

 

「お前こそ、羽丘に寝返ったのか?」

『まぁな!でも、安心しろ。 お前たちの居場所は羽丘の連中には教えていない。』

「・・・・・・お前の目的はなんだ?」

『何度も言わせんなよ!・・・・・・お前たちの成長だ!Chao!』

 

それだけ言って、電話が切れた。

 

「はぁ・・・・・・。」

 

〈告。龍哉や海璃たちが盗み聞きしています。〉

(・・・・・・でしょうね~。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺たちは翌日、再び花咲川の校長室に来ていた。・・・・・・通信機を付けて。

 

「ようやく決心してくれたんだ。」

「あぁ。・・・・・・ただし、『人々を守るため』だ。」

「それで良いわ。」

 

話に入るかと思ったけど、急に万丈の電話が鳴った。

 

「あ、ごめん!」

「電源切っとけよ・・・。」

「・・・・・・もしもし?・・・・・・え!?・・・・・・分かった!」

「うん?どうしたんだよ?」

「テレビあるか?」

「俺の携帯で良ければ?」

「お前の携帯はなんでもアリだな?」

 

俺の携帯でテレビを見る。・・・・・・けど、何があるんだ?

 すると、

 

『コホン!Ladies and Gentleman!羽丘の、仮面ライダーグリスだ。』

 

「コイツ!?」

「なんでグリスが・・・!?」

 

テレビ局のアンテナを使ってグリスが出演してる。

 

「あの子は・・・!」

 

テレビでグリスが話してるのに、俺は『あたしは知ってるの、この娘。』って感じの雰囲気があるんですけど?

 

「・・・・・・校長、何か知ってるんですか?」

「あの娘、あたしの娘なの。」

「へぇー。・・・・・・ん?えぇ!?」

「あいつが校長の娘!?」

 

まさかの衝撃事実!!

 

「あの娘、何してるのよ・・・・・・?」

 

こっちでは校長の娘がグリス:『朝倉和美(あさくらかずみ)』の話題で持ち切りだ。・・・・・・テレビでは、グリスが『自分たちが戦争の兵器だ。目的はギガファイナライザーとジードのボトルを回収する事。そして、外に出なければ戦争の被害は受けない』と説明している。

 

「・・・・・・ガーディアンをテレビ局に向かわせて!あの娘に喝を入れないと!」

「俺も行きます。」

「お願いね。」

 

俺もテレビ局へと向かう。

 

「スクラッシュドライバーで戦う気か?」

「・・・・・・当たり前だろ? ヒーローの座はそう簡単に譲らねぇよ!」

「・・・・・・!」

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 蒼空が駆け付けてきた頃には、グリスがガーディアンたちを圧倒していた。

 

「あ?・・・・・・まさかそっちから来るとはな~?」

「・・・・・・・・・・・・。」

『スクラッシュドライバー!』

 

蒼空はスクラッシュドライバーを巻いて、ドラゴンゼリーをセットした。

 

『ドラゴンゼリー!』

「ぐっ・・・! ぐわぁあああ!!」

 

だが、反動に耐えきれず、ドライバーが地面に落ちた。

 

「蒼空!」

「俺には・・・・・・まだ無理なのか・・・・・・!?」

「・・・・・・!」

 

龍哉はドライバーに手を向けるが、蒼空がその腕を握った。

 

「ダメだ!お前には使わせない!」

「・・・・・・海璃のためだ。」

 

龍哉の心の内を告げる。

 

「海璃には、お前には必要なんだよ。それに比べて、俺には失うものは何も無い。香澄にも適当な嘘を言っておけばなんとかなる。死んでも誰も文句は言わねぇ。」

 

そう言って、龍哉がスクラッシュドライバーを巻いた。

 

「悪いな。ヒーローは俺だ!」

 

笑顔で蒼空に言うと、変身する。

 

「変身!」

『潰れる!流れる!溢れ出る!ドラゴン・イン・クローズチャージ!ブラァ!』

『ツインブレイカー!』

 

そして、『ツインブレイカー アタックモード』を装備して、

 

「負ける気がしねぇ!!」

「面白れぇ!」

 

クローズとグリスが戦いを始める。

 

 

 

 

 

 そして、蒼空の周りには三羽ガラスがスマッシュとなって取り囲んだ。

 

「よっと!」

「俺たちが相手だ。」

「ボトルを返してもらおうか?」

「・・・・・・はぁ・・・。」

 

蒼空は溜息をつきながらドライバーを巻き、ボトルを取り出した。

 

「このボトルの事か?」

 

取り出したのは、三羽ガラスから手に入れた『フェニックスボトル』と『ロボットボトル』だった。

 

「折角のベストマッチだ。使わない手はない。」

『フェニックス!』『ロボット!』

『ベストマッチ!』

 

蒼空はそのボトルをドライバーにセットした。

 

「あ!俺たちのボトル!」

『Are You Ready?』

「変身!」

 

使われる前に取り返そうとしたら、『スナップライドホルダー』に遮られ、変身を許してしまった。

 

『不死身の兵器!フェニックスロボ!イエーイ!』

 

蒼空は、『仮面ライダージード フェニックスロボフォーム』に変身した。

 

「この・・・!勝手に使うんじゃねぇ!!」

 

キャッスルたちは、自分たちのボトルを使った事に怒りを覚え、ジードと戦闘を開始する。

 

「フッ!ハァ!」

「ぐっ・・・!俺たちの攻撃が・・・!?」

 

 不死鳥や火の鳥と言われる『フェニックス』と、機械の体で作られる『ロボット』。この2つが合わさった『フェニックスロボフォーム』は、左腕のアームで敵に強烈な攻撃を与えたり、右手からは強力な炎を繰り出したりと、まさに『不死身の兵器』に相応しい戦い方をするフォームだ。

 ジードは初めて使うボトルだが、彼の能力である『大賢者』のおかげで、その力を瞬時に理解した。

 

「これで、どうだ!」

 

オウルが能力を使って空中から攻撃を仕掛けるが、

 

『Ready Go!』

「フッ!」

『ボルテックフィニッシュ!イエーイ!』

 

ジードは身体に不死鳥の炎を纏い、オウルを攻撃し、地面に落とした。

 

「ぐわぁあああ!!・・・・・・も~~~!!」

 

変身が解けた黄羽は凄く悔しそうに、子供のように手足をジタバタさせる。

 

「あぁあ~・・・・・・。」

「よっと。」

『ウルフ!』『スマホ!』『ベストマッチ!』

『Are You Ready?』

「ビルドアップ。」

 

ジードはそんな事を気にせず、新たなフォームに変身した。

 

『つながる一匹狼!スマホウルフ!イエーイ!』

 

変身したのは、銀色のウルフボディと青のスマホボディを合わせた『スマホウルフフォーム』。右手には狼をイメージした爪と、左腕には『ビルドフォン』のようなスマホが付いている、ちょっと変わったフォームだ。

 

「また俺たちのボトルかよ・・・!?ふざけんな!自分の使えよ!」

 

スタッグがそういうのも無理はない。この戦いでジードが使っているボトルは全て、先の戦いで三羽ガラスから手に入れたボトルだからだ。

 

「俺たちのボトルは・・・・・・置いてきた!!」

「なんだと・・・!?」

「お前たちに渡すわけにはいかないからな!!」

 

そう、今のジードに手持ちのボトルは、三羽ガラスから手に入れたボトルしかないのだ。ジードが持っていたボトルは自宅にあり、万が一の事を考えて、海璃が自宅で待機している。

 そして、再びレバーを回すジード。

 

『Ready Go!』

「ハァ!」

『ボルテックフィニッシュ!イエーイ!』

「ぐわぁあああ!!」

 

スマホボトルの力でジードの周囲にアプリのアイコンを作り出し、キャッスルには自身の周囲から遠ざけた。アプリアイコンの中にいるスタッグには、影のような狼をアイコン内から襲わせ、戦闘不能の状態にする。

 

「ぐっ・・・!」

「え?青ちゃん・・・?」

「なんでこんな技を・・・・・・?」

 

青羽は疑問に思って当然だ。自分たちから手に入れたボトルを、たった1日で解析し、ベストマッチでの戦い方をマスターする事なんて不可能なはずだ。

 だが、ジードはそれをマスターしている。

 

「よっと!ハァ!」

「ぐっ・・・!この・・・!イテッ!?」

 

「これが、ジードか・・・・・・。」

 

ジードに完全に遊ばれているキャッスル。そんな光景を見ながら、青羽は納得した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、危険なドライバーを付けて戦っているクローズとグリスは・・・・・・。

 

「ハァ!」

「ぐっ・・・!この・・・!」

「よっと!オラオラァ!」

 

クローズは『アタックモード』だが、完全にグリスに踊らされ、劣勢だった。

 

『アタックモード!』

「ハァ!」

「ぐっ・・・!オラァ!」

 

2人の武器がそれぞれの胸に当たり、ダメージを追うが・・・・・・。

 

「これだよこれ!()()が求めてたのはこういうバトルなんだよぉぉぉ!!」

 

むしろ、グリスは痛みを感じるどころかこの戦いを楽しんでいた。

 スクラッシュドライバーの副作用である『好戦的な気質』が出ているせいか、更に戦いを続ける。

 

「ハァ!オラァ!」

「フッ!ハッ!」

 

普段は『ビームモード』メインの戦いをするグリスも、今は近接戦を求め、クローズと対峙する。そして、クローズに自分の強さを証明するかのように攻撃する。クローズはその強さにやられ、倒れる。

 そしてグリスはツインブレイカーをビームモードに変え、

 

「最大!」

『シングル!』

「無限!」

『ツイン!』

「極致!」

 

ツインブレイカーに『ヘリコプターボトル』と『ロボットゼリー』を装填。クローズに技を放つ。

 

「これがオレの力だぁぁぁ!!」

『ツインフィニッシュ!』

「ぐっ!?・・・・・・ぐわぁあああ!!」

 

そして、クローズの変身が解除されてしまった。

 

戦友(とも)よ・・・・・・最期の時だ。」

『スクラップフィニッシュ!』

「くっ・・・!・・・・・・っ!?」

 

変身が解けた龍哉に向かってライダーキックを放とうとする龍哉。

 

 

 

 

 

「フッ!・・・・・・万丈!!」

 

その戦いが目に入ったジードはすぐに龍哉の前に立ち、

 

「オラァアアア!」

「フッ!・・・・・・ぐわっ!!」

 

左腕に付いているスマホでライダーキックを防ぐが、そのエネルギーに耐えられず、変身が解け、ボトルはグリスの足元に落ちた。

 

「・・・・・・なんで?」

「『死んでも誰も文句は言わねぇ』だと・・・?なら俺が言ってやる・・・・・・ふざけんな!」

 

龍哉が蒼空に思った疑問を言ったら、戦いが始まる前に蒼空に言った事を言われた。

 

「俺は誰も死なせない!敵も・・・・・・味方も・・・・・・!それが、俺の戦い方だ・・・・・・!」

 

ボトルを拾ったグリスは、蒼空の下に行き、立ち上がろうとする蒼空を踏み、地面に押し付けた。

 

「ぐわっ!!」

「蒼空・・・!」

「何寝言言ってやがる?『戦争』の意味が分かってんのか?オレたちはな・・・・・・()()()()をしてんだよ!!」

「ぐはっ!」

 

そのまま蒼空の腹を蹴った。その衝撃で、蒼空が持っていたボトルは全て三羽ガラスに回収されてしまった。

 

「やった!全部取り返した!」

「さすがお嬢ー!」

 

だが、グリスはここで終わらなかった。

 

「おい。」

 

蒼空の顔を掴み、自身の顔しか見えないように覗いた。

 

「花咲川のボトルはどこだ?」

「はぁ・・・、はぁ・・・。」

「・・・・・・チッ。」

 

何も答えない蒼空から手を離し、

 

「コイツらを片付けてさっさと花咲川に向かうぞ。」

 

三羽ガラスにそう告げるが、彼らの足元に銃弾が被弾した。

 

「・・・・・・あぁ?」

 

バイクでやって来たのは、紫色で1本角が特徴の、『ブル ウィンドフォーム』と後ろにヘルメットを付けて乗っている1人の女性だった。

 

「ふっ!」

「蒼空さーーーん!!」

 

後ろに乗っていたのは、美竹蘭で、手には『パンダ』と『ロケット』のボトル。

 

「あっ!」

 

蘭がボトルを蒼空に向けて投げる。そのラインでは、明らかにグリスの手に渡ってしまうが、グリスはボトルより投げた蘭たちの方をずっと見ていた。

 

「くっ!・・・・・・っ!」

『ロケットパンダ!イエーイ!』

「フッ!」

「うおっ!?あああああーーーーーー!!」

 

『ロケットパンダフォーム』に変身し、すぐに龍哉を抱えて戦線離脱した。

 

「・・・・・・っ!」

 

一瞬、ジードたちを見るが、すぐ目の前を通っていくブルと蘭に再び目が行く。

 

「あっ!逃がす――」

「っ!おい!」

「痛い!!」

 

ビームを放とうとするキャッスルを蹴りで止めたグリスは、変身を解除した。

 

「どうしたんですか、お嬢?」

 

三羽ガラスたちの声も聞いてない和美は、懐にあるスマホを取り出し、電源を入れた。

 

「あの女・・・・・・間違いない・・・・・・。あの人は・・・・・・。」

 

その画面には、ライブ中で、歌っているであろうシーンの()()()が表示されていた。・・・・・・しかも、ロック画面で。

 

「蘭先輩だ~~~!!」

 

・・・・・・三羽ガラスしかいないけど、この瞬間、和美の若干(?)のヲタク感が溢れ出た瞬間であった・・・・・・。

 

 

 

 

 




はい、グリス無双回でした。・・・・・・今回、10400文字だって。『長ぇ~。』って思ったでしょ?・・・・・・アタシも思った。

それとね、最後の『ボトルはどこだ?』のシーン。リメイク前は『昔一緒に遊んでいた蒼空がなんでライダーに!?』って感じだったけど、今回は『ただの美竹蘭ヲタク』にしました。・・・・・・花咲川の校長の娘って設定は変えてないけど。

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