BanG Dream ~Be the one~   作:ENDLICHERI

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「強大な力を秘めたギガファイナライザーをめぐって、花咲川女子学園と羽丘女子学園で戦争が勃発した。仮面ライダージードの桐生蒼空は、羽丘の仮面ライダーグリスや三羽ガラスからの進行を防いでいたが、万丈の暴走を止めるため、禁断のアイテムを使うのだった・・・・・・。」
「花咲川の軍が羽丘に進行中とは本当なの!?」
「羽丘の多治見校長!?ソンナジジツハ、ゴザイマセン!」
「私にそんなセリフが通用すると思ってるの!?」
「第23話で何とかしますから!!」







第23話 ハザードは止まらない

『Are You Ready?』

「変身。」

『アンコントロールスイッチ!

ブラックハザード!

ヤベーイ!』

 

悲劇の引き金を引いた蒼空は、『仮面ライダージード ラビットタンクハザードフォーム』へと変身した。

 

「あぁ!?」

「何なの、あの黒いジードは!?」

 

戦いを繰り広げていたクローズと三羽ガラスも、聞きなれない音の方を見ると、全身黒で、赤と青の複眼が付いたジードが目に入った。その姿は、まるで実験に失敗し、ボロボロの恰好をしている科学者・・・・・・のようだった。

 

「あれが・・・・・・禁断のアイテム・・・・・・?」

 

クローズは察した。あのアイテムを一度だけ見ていたから、あのアイテムが『葛城が残した禁断のアイテム』で、それを使って蒼空が変身した事も・・・・・・。

 

「行くぞ、黄羽!」

「おう!」

「・・・・・・っ、ハァア!」

 

キャッスルとオウルが黒いジードに攻撃を仕掛ける。ジードも、『それに迎え撃つ』と言わんばかりに拳を放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、氷室幻徳を崇拝していた『花咲川過激派グループ』の罠にかかり、一撃必殺の技を使った和美は、なんとか体が動くようになった。

 

「くっ・・・!ようやく動ける・・・・・・。」

 

その瞬間、何かを感じ取った。

 

「何、この感じ・・・・・・?凄く、嫌なことが起きそうだ・・・・・・。」

 

和美はすぐさま羽丘方面へ走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、廃棄された建物内で戦いを繰り広げるライダーたち。クローズ対スタッグ、ジード対キャッスル&オウルで交戦している。クローズとスタッグはほぼ互角の戦いを繰り広げるが・・・・・・。

 

「フッ!ハッ!」

「ぐわっ!!」

「ぐっ!このーーー!!」

「・・・・・・フッ!」

「ぐわぁあああ!!」

 

今までより力が増したジードの前に、2体のハザードスマッシュは手も足も出なかった。

 

「オリャア!!・・・・・・っ!」

「っ!?・・・・・・くっ!」

 

スタッグを怯ませたクローズはすぐさま羽丘に向かおうとするが、ジードがクローズの前に立った。

 

「羽丘には行かせない!!」

「俺が戦争を終わらせるんだ!!」

 

すると、クローズの拳がジードを襲う。

 

「俺の邪魔をする奴は、誰であろうと、容赦しねぇ!!」

「くっ・・・!目を覚ませ!!・・・・・・あっ!?」

 

クローズを足で押し返したジードだが、その直後、頭痛が襲い始めた。

 

「うっ・・・・・・意識、が・・・・・・!?」

 

この頭痛の原因は、ハザードトリガーだ。

 

 ハザードトリガーを使い続ければ、脳が刺激に耐えられなくなり理性を失う。

 

「っ・・・・・・。」

『ビームモード!』

「オラァ!」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

その瞬間、目に映るもの全てを・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《破壊》する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 クローズが放ったビームは、ジードや、ジードの上にあった電球に当たり、電球はきしむような音を上げながら揺れていた。

 そして、ジードも静かに顔を上げる。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「あぁ!?」

 

スクラッシュドライバーの影響からか、蒼空のために戦っていても、その蒼空を攻撃してしまっていた。だが、喋るどころか、ピクリとも動かないジードには疑問を持った。そして、ジードが顔を上げた瞬間・・・・・・

 

 

 

 

 

蒼空(ジード)破壊兵器(ジード)として、

活動を開始する。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「っ!?ぐわっ!!」

 

突如走り出したジードは、油断していたクローズの腹部を殴り、宙へ浮かせた。

 

『マックスハザードオン!』『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』

『Ready Go!』

 

だが、1発だけでは終わらなかった。ジードはトリガーの出力をさらに上げて、クローズに3回、パンチとキックを叩きこみ、変身解除させた。

 

『オーバーフロー!ヤベーイ!』

「ぐわぁあああ!!がぁ・・・・・・くっ・・・!?」

 

これで当初の・・・・・・蒼空(ジード)の目的は達成された。だが、破壊兵器(ジード)の使命は・・・・・・ハザードは止まらなかった。

 

「ひっ!?」

 

オウルが一瞬悲鳴を上げた。それもそのはず。先程、仲間だったクローズをたった4回の攻撃で変身解除させたライダーが静かにこちらに向いたからだ。

 キャッスルたちも、目の前の『黒き破壊者(ハザードフォーム)』に恐怖を覚えた瞬間、ジードはスマッシュたちを襲った。

 

「「ぐわぁあああ!!」」

「なんだよ、この強さ・・・!?」

「この前どころか、さっきと全然違う!?」

 

吹き飛ばされたキャッスルとオウルは、ハザードの力に驚きながら、後退る。

 

 ハザードトリガーは、装着し続ければ暴走する。だが、その分ハザードレベルが上がる。今のジードは、時間が経てば経つほど、ハザードレベルが上がっていく。

 

「オラァア!!」

 

静かにキャッスルたちに近付くジードの背後を取ったと思ったスタッグを上から攻撃を仕掛けるが、

 

「ぐおっ!?がはっ!?」

 

ジードはスタッグを見ずに拳を後ろに突き出し攻撃、そのまま3体を破壊し始める。

 

「ぐわっ!!」「がはっ!?」「「ぐわぁあああ!!」」

 

ジードの連撃によって強制的にスマッシュ体が解除される赤羽と黄羽。

 

「危ねぇ・・・!!」

「死ぬとこだった・・・!」

 

ハザードトリガーの成分を体内に取り込んだハザードスマッシュたちは、倒されれば肉体が消滅する。・・・・・・つまり、『負ければ死ぬ』のだ。和美と『必ず死なない』と誓った三羽ガラスにとって、『死ぬ』ことは『和美を裏切る』ことを意味していた。

 

 そして、今この場にやって来た和美。だが、和美はすぐに理解した。変身しているジードとスタッグ、膝をついている赤羽と黄羽、ふらつきながら建物に手を付いている龍哉。

 

「ぐっ!は、放せ・・・!!」

「・・・・・・・・・・・・。」

『マックスハザードオン!』

 

だがここで、和美が先程抱いた嫌な感じが・・・・・・現実に現れようとしていた。

 スタッグの頭部を持ち、動きを封じるジードは、無言でトリガーのスイッチを押し、ドライバーのレバーを回す。

 

「マズイ!逃げろーーー!!」

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!・・・・・・』

『Ready Go!』

 

和美の声はきっとスタッグとジードに届いている。スタッグは逃げることが出来ず、『誰も死なせない』と言っていたジードは、まるでトドメを刺すかのような行動をしていた。

 

「くっ!」

 

和美はスタッグを守るため、走りながら変身をする。

 

『オーバーフロー!ヤベーイ!』

「ぐわぁあああ!!」

 

左腕からスタッグにエネルギーを流すジード。その効果は、『体内に電流を流し込み、敵の装甲を体内から破壊する』というものだ。そして、(見た目では分からないが)装甲が薄くなった相手に、

 

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!・・・・・・』

「止めろーーー!!」

「ぐっ・・・!」

『Ready Go!ハザードフィニッシュ!』

「ぐおっ!!」

 

ライダーキックを放つ。・・・・・・そして、狙った場所は、元々装甲の薄く、攻撃でさらに装甲が薄くなった首元だった。

 

「はっ!?」

「あ・・・・・・。」

 

スタッグはそのまま仰向けに倒れた・・・・・・。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「あっ!?」

「っ!」

 

破壊兵器(ジード)は留まる事を知らず、変身解除された赤羽と黄羽に向け、歩き始めた。

 

「止めろ!!蒼空!!」

 

怯える2人の前に龍哉が入り、ジードを止めようとするが、

 

「っ!?ぐわぁ!!」

『ディスチャージボトル!』

 

呆気なく投げ飛ばされるが、

 

『ディスチャージクラッシュ!』

「ウラァアアア!!」

 

その隙にグリスが、奪った『ロックボトル』でジードを攻撃し、変身解除させた。

 

「・・・・・・ぐっ!?」

「そ、蒼空・・・・・・!?」

 

意識を取り戻した蒼空は、状況を知ろうとしたが、

 

「おい!」

「・・・・・・?」

「おい!・・・・・・おい!!しっかりしろ!!」

「・・・・・・し、心配だなぁ・・・。」

「え・・・?」

「お、お嬢は・・・・・・俺がいねぇと何にも出来ねぇから・・・・・・。」

「・・・・・・!」

「何があっても・・・・・・一緒ですよ・・・・・・。」

 

和美はスタッグ・・・・・・青羽からドッグタグを受け取ったが、青羽は青色の粒子となって、消滅した・・・・・・。残されたのは、ドッグタグと『スタッグボトル』だけだった・・・・・・。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「嘘だろ・・・・・・!?」

「うぅ・・・・・・!」

 

和美はドッグタグを握ったまま、動かなかった・・・・・・。

赤羽と黄羽は、仲間を失った悲しみを顕わにした・・・・・・。

 

 そして、自我を失いながらスタッグにトドメを刺した蒼空(ジード)は・・・・・・。

 

「・・・・・・っ!」

 

状況を知ろうとする前に、状況を思い知らされた。

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、」

「・・・・・・っ。」

 

息が荒くなりながら龍哉を見ても、龍哉は目を背けてしまう。思い知らされた現実の中で、蒼空が自我を取り戻して放った一言が・・・・・・、

 

「・・・・・・俺がやったのか・・・!?」

「・・・・・・うわあああ!!」

「うおおおおお!!」

 

赤羽と黄羽の感情を、『悲しみ』から『怒り』に変わった。すぐさま蒼空に殴りにかかる。

 

「放せ、お嬢!!放せよ!!」

「ふざけんな!・・・・・・ふざけんな!!」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

だが、2人の怒りを和美が止めていた。

 

 花咲川の過激派グループの羽丘への進行は、ハザードスマッシュやグリス、ジードの乱入によって阻止された。だが、この戦いに勝利者がいたとしても・・・・・・誰も喜ぶ者はいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 私たちビルドシステムのライダーたちは、花咲川の軍事兵器としての起用を解除されて、1週間が経った。・・・・・・蒼空がハザードトリガーを使ったあの日から。リトルスター以外のボトルは、校長に渡した。だけど、羽丘はボトルの強奪という進行は止まらなかった。

 

「・・・・・・蒼空さんって、もうライダーにならないの、かな・・・?」

「変身しようにも、ビルドのボトルは花咲川に返しちまったからな。」

「・・・・・・それに、今の蒼空は、戦える状態じゃないから・・・・・・。」

 

沙綾の問いかけに万丈と私が答える。

 

 蒼空は、あの戦いの後、部屋に籠り続けている。何も食べずに。・・・・・・きっと、睡眠すら取ってないと思う。

 

「・・・・・・俺が自分の力を制御出来ていれば・・・・・・あいつを傷つけずに済んだのに・・・・・・。」

「龍君・・・・・・。」

「・・・・・・っ、目撃情報!あ、ごめん・・・。」

 

有咲が携帯で、グリスたちの目撃情報を見つけたらしい。・・・・・・でも、この空気を察したのか、申し訳なさそうにする。

 

「・・・・・・何処だ?」

「万丈?」

「教えろ・・・・・・。」

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 ボトルの保管場所である博物館に、グリスたちはいた。・・・・・・主に、赤羽と黄羽が暴れているが。

 

「・・・・・・!」

 

そこに、龍哉はやって来た。

 

「ジードはどうした?」

「・・・・・・お前らの相手は、俺だけで十分だ!」

『ドラゴンゼリー!』

「変身・・・!」

『潰れる!流れる!溢れ出る!ドラゴン・イン・クローズチャージ!ブラァ!』

「青ちゃんの仇ー!!」

 

和美は奪ったボトルを片手に、スマッシュとクローズの戦いを見ていた。

 

「花咲川は、俺が守る!俺が!・・・・・・俺がーーー!!・・・・・・っ!」

 

その時、クローズの脳裏に一週間前の戦いがよぎった。

 

 ジードがスタッグにライダーキックを決め、スタッグが消滅した事を・・・・・・。

 スタッグが消滅した事によって、蒼空の心が壊れてしまった事を・・・・・・。

 自分が力を制御出来ず、蒼空を傷つけた事を・・・・・・。

 

「はっ・・・、くっ・・・!」

 

クローズの攻撃が、止まった。

 

「「ハァアアア!!」」

「ぐわぁあ!!」

 

キャッスルたちの強力な一撃で、変身が解除された。

 

「なんで攻撃を止めた!?舐めてんのか!?」

「止めろ!・・・・・・行くよ。」

 

和美はキャッスルたちに止めるように言って、この場を去ろうとする。

 

「・・・・・・悪かった・・・!」

「・・・・・・・・・・・・。」

「俺のせいで・・・・・・お前たちの仲間を・・・・・・!」

 

その言葉を聞いた和美は、龍哉の下に行き、蹴った。

 

「ぐっ!・・・・・・っ!?」

「半端な覚悟で戦場に戻って来ないで。」

 

それだけ言って、和美たちは立ち去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 万丈がまたグリスたちと戦った次の日。蒼空の家に花咲川の校長がやって来た。『蒼空と話がしたい』と。

 

「っ・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

校長は目を疑っていた。・・・・・・無理もないよね。私だって驚いたよ。蒼空が、痩せていた。それも、悪い意味で。

 

「・・・・・・代表戦ですか?」

「・・・・・・え、えぇ。」

 

すると、校長はボトルを取り出し、机の上に置いた。

 

「あなたから預かったボトルよ。・・・・・・あなたの気持ちは察するけど、これは花咲川のみんなのためなの。お願い、わたしたちに力を貸して!」

もう・・・・・・戦いたくないんです・・・・・・。

 

弱々しく言葉を発した蒼空は、静かに外に出て行った。

 

「主様・・・・・・。わたくしはこれで、失礼いたしますわ。」

 

夜華さんは蒼空を追いかけていった。

 私たちは、ただ立ち尽くすしかなかった・・・・・・。

 

 

 

 

 

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 主様に声をかけずにひたすらついていき、辿り着いたのは、スタッグスマッシュ・・・・・・青羽が消滅した場所でした。

 

はぁ・・・、はぁ・・・、

 

少し後ろで見ていますが、手だけではなく、体全体が震えながら手を合わせています。

 

「・・・・・・っ、わぁあああ!!?」

「主様?・・・・・・大丈夫ですか!?」

「うぅ!?・・・・・・はぁ・・・、はぁ・・・、ごめんなさい・・・!ごめんなさい・・・!俺は、なんてことを・・・・・・!」

 

多分、幻覚でも見たのでしょう。わたくしからは何も見えませんでした。ですが、嘔吐をしようとするが、何も口に含んでいない主様は、吐き気だけで終わってしまいまして、ずっと謝っていました。

 

「・・・・・・なんだ、先客がいたんだ。」

「っ!・・・・・・仮面ライダー、グリス・・・!?」

「安心しな、今日は戦いに来たんじゃない。」

 

その手には、青色の花がありましたので、戦いに来たのではないと理解出来ました。

 

「・・・・・・っ、殴ってくれ・・・!」

 

主様はグリスの服を掴み、謝りの言葉を並べ始めました。

 

「俺は、お前の仲間を殺した・・・・・・!謝って許されることじゃない・・・・・・!だから、好きなだけ殴ってくれ・・・・・・!」

「・・・・・・代表戦のことは聞いたでしょ?そこで思う存分殴ってあげる。」

「俺は出ない!!」

「だったら花咲川はボクたちが、赤き鋼ごと貰うよ。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

グリスは花を添え、手を合わせた後、立ち上がりました。

 

「『哀川修也(あいかわしゅうや)、それがスタッグ(アイツ)の名前だよ。他人のために涙を流せる仲間思いの良い人だった。・・・・・・アナタは何も悪くない。修也さんが弱かったから負けた、それだけだ。戦争なら誰かが死んでも誰も文句は言えない。・・・・・・アナタより年下だけど、ボクは戦争の意味は分かる。」

 

主様は未だに顔を上げません・・・・・・。

 

「・・・・・・でも、アイツがボクたちにとって大切な仲間だった事には変わらない。だから・・・・・・」

 

グリスは主様の横でしゃがみ、主様の腕に拳を当てます。

 

「・・・・・・ボクは心火を燃やしてアナタを倒す・・・・・・!」

 

グリスはその場を去っていく・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの後、わたくしたちは人のいない公園に来ていました。その理由は・・・・・・。

 

「よぉ!代表戦、辞退したんだって?」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

石動惣一に呼ばれたから、という理由でした。

 

「・・・・・・ふっ。」

「・・・・・・何がおかしい?」

「まだ分からないようだな。いいか?消滅した青羽もお前も、ネビュラガスを注入された時点で既に人間じゃないんだよ!だから、お前は兵器を壊したにすぎない!・・・・・・それとも、本当に誰も死なせないと思っていたのか?だったら、能天気にも程がある。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

・・・・・・確かに、ネビュラガスは人体には凄く悪影響を及ぼすものです。わたくしたちはそれに対応出来たので、変身出来る状態となりました。

 

「お前が代表戦に出ないのは勝手だ。その代わり、誰が代表戦に出ると思う?・・・・・・万丈だ。」

 

なるほど、確かにハザードレベルを考えると、海璃様より万丈様の方が適任ですわね。

 

「あいつは、今回の件でお前に負い目を感じているはずだ。だが、今の万丈ではグリスには勝てない。そうなったら、花咲川の連中は寄ってたかってクローズを責めるだろう。」

「っ・・・・・・。」

「お前が戦うしかないんだよ。・・・・・・お前にも分かってるはずだ。だから何かを期待してここに来たんだろ!?」

「・・・・・・うっせぇー!」

 

主様が石動を殴りかかるが、今の主様では拳を当てることは出来なかった。逆に腹部に拳を受けてしまった。

 

「・・・・・・どうすればいい・・・?どうすればいいんだよ!?」

「お前がグリスに勝てばいい。」

「・・・・・・無理だ・・・!」

「また自分を失うのが怖いのか?・・・・・・安心しろ、勝つ方法はある。」

 

石動は持ってきていたアタッシュケースを開け、主様に見せた。

 

「フルボトル!?」

「このボトルを貸してやる。代表戦が始まるまでの1週間で、このボトルを完璧に使いこなせ。」

『コブラ!』

 

すると、石動はスタークに変身しました。

 

「立て。俺と戦えばボトルの成分を活かした戦い方を見つけることが出来て、ハザードレベルも上がる。レベルが上がれば、ハザードトリガーも使いこなせるかもしれない。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「何を躊躇っている!?お前には守るものがあるんじゃないのか!?自分が信じた正義のために戦うんじゃないのか!?それとも全部嘘だったのか!?」

 

主様・・・・・・。

 

「・・・・・・最悪だ・・・。こんなに痛くても・・・・・・苦しくても・・・・・・戦うしかないのか・・・・・・?」

 

主様はドライバーを巻き、

 

『フェニックス!』『掃除機!』

『Are You Ready?』

「・・・・・・変身!!」

 

とても、重い気持ちを抱え込む形で、変身しました。

 

「・・・・・・うおぉぉおおお!!」

 

今日この瞬間から1週間、主様のハザードレベルを上げる訓練が、始まりました。

 

 

 

 

 




リメイク前はね、クローズとキャッスルたち2体のハザードスマッシュの戦闘シーンは無かったんです。

それとさ、元凶からの説教シーン、ビルド21話とリメイク前のその回を見ながら書いてましたけど、リメイク前の内容が酷かった!・・・・・・全然、読んでて『なんやねん、これ!?』って思いましたよ・・・・・・。

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