BanG Dream ~Be the one~   作:ENDLICHERI

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昨日、Rausch見てきたよー!

色々ネタもゲットできたし。・・・・・・今月リアルの休みが少な過ぎるアタシなんだから、これくらい許して?サボりたくてサボってる訳じゃないから!・・・・・・昨日投稿しなかった理由は、後書きにあります。

ついでに、今日はAfterglowのイベント行ってきます!

それでは、本編どうぞ!




















「強大な力を秘めたギガファイナライザーをめぐって、花咲川女子学園と羽丘女子学園で戦争が勃発した!仮面ライダージードの桐生蒼空は、羽丘のスマッシュを消滅させて、戦意喪失していたが、花咲川を守るために、羽丘の仮面ライダーグリスとの代表戦に挑むのだったぁぁあああ!!」
「なんでマスター(スターク)があらすじ紹介するんだよ?」
「良い声してんだろ?へへっ、声の仕事は得意なんだよ!」
「仕事とか言うなよ・・・・・・。」
「さぁどうなる第24話!!」







第24話 Tearsビクトリー

 あれから1週間、花咲川女子学園の運動場には1つのリングが建てられていた。その中には、桐生蒼空と、朝倉和美が向かい合っていた。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

『これより、花咲川女子学園と羽丘女子学園の代表戦を開始する!勝負の結果は、降参、戦闘不能、ライダーシステムの解除によって決める!』

 

リングに一番近い審判が、大声で試合のルールを説明している。

 

 

 

 

 

 この戦いに、リング付近に海璃とPoppin'PartyとAfterglow、赤羽と黄羽がいた。

 

「蒼空君・・・・・・。」

「あいつ、大丈夫かよ?」

「きっと大丈夫だよ・・・・・・。」

 

「蘭ちゃん、あの人って・・・・・・?」

「うん、あの時助けてくれたライダーだよ。」

 

そして、各学校のサイトからこの戦いを中継している。

 

龍哉・・・・・・。

 

「蒼空・・・・・・。」

 

友希那とリサも・・・・・・。

 

「・・・・・・彼が、ビルド。」

「へ~、この人なんだ~。」

 

その他、各学校の生徒たちがこの戦いを見ていた。

 

 

 

 

 

『それでは両者、構えて!』

 

その合図と共に、2人はドライバーを装着した。

 

『ジード!』『スペシウム!』『ベストマッチ!』

「変身!」

『覚悟のスペシウムジード!プリミティブ!イエーイ!』

 

「っ・・・・・・。」

『ロボットゼリー!』

「変身!」

『ロボット・イン・グリス!ブラァ!』

 

和美は青いドッグタグを見て、グリスに変身した。

 

そして・・・・・・

 

『始めぇ!!』

 

「うおおおおお!!」

「オラァアアア!!」

 

2人のライダーによる戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 この戦いに蒼空が出た理由は、前日に遡る。

 

「どういう事だよ!?」

 

この時、蒼空が『代表戦には俺が出る』と言った後だ。

 

「代表戦は俺が出るはずだろ!?なんでお前が出るんだよ!?」

「万丈落ち着きなよ!!」

「落ち着いてられっか!!」

 

nascitaにいる蒼空、龍哉、海璃の3人で会話をしていた。

 

「・・・・・・お前じゃ勝てない。」

「んだと・・・!?」

「スクラッシュドライバーが怖いんだろ?制御が効かない恐怖を克服しない限り、勝ち目はない。」

「それはお前だって同じだろ!・・・・・・ハザードトリガーを使えば、また暴走す──」

「だから使わない!」

 

蒼空は龍哉の言葉を遮った。

 

「別の方法で勝利の法則を導く。」

「そんな上手くいく訳ねぇだろ!?」

「ったく、キーキーうるさいねぇ。ほら、コーヒーでも飲むか?」

「誤魔化すなよ!・・・・・・人の気も知らねぇで・・・。

 

龍哉はボソッと言ってスカジャンを持ってどこかへ出かけてしまう。

 

「勝手にしろ!!」

「・・・・・・・・・・・・。」

「蒼空、万丈は蒼空の事を思って──」

「分かってるよ!」

 

そして、海璃の言葉さえも遮った。

 

「・・・・・・痛いくらい。」

 

何故なら、その理由が分かっていたからだ。

 

「・・・・・・海璃、お前に頼みがある。」

 

そして、蒼空は銀色の・・・・・・謎のアイテムを海璃に渡した。

 

 

 

 

 

 海璃は、昨日の夜蒼空から貰った銀色のアイテムを握りしめ、この戦いを見守っていた。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

海璃の視線の先には、『ツインブレイカー』と『ジードクロー』をぶつけ合いながら、戦いを繰り広げているジードとグリス。

 

「オラァア!」

「フッ!」

「くっ!?・・・・・・っ、何!?」

 

グリスから距離を取ったジードは、赤と緑のボトルを取り出した。

 

『ローズ!』『ヘリコプター!』

『ベストマッチ!』

『Are You Ready?』

「ビルドアップ!」

『情熱の扇風機!ローズコプター!イエーイ!』

 

「あれは!?」

 

「・・・・・・っ!?」

 

ジードが使ったボトルは、元々羽丘に支給されたボトルだから、羽丘の三羽ガラスやグリス、校長までも驚きを隠せなかった。

 

「フッ!」

「くっ!?・・・・・・なんでお前がオレたちのボトルを持っている!?」

『トラ!』『UFO!』『ベストマッチ!』

『Are You Ready?』

『未確認ジャングルハンター!トラUFO!イエーイ!』

 

ジードはさらにボトルチェンジをした。

 

「・・・・・・フッ!」

「くっ!?・・・・・・っ!?」

「ハァア!!」

「ぐわっ!?」

 

『ローズコプターフォーム』ではバラの棘とヘリコプターのプロペラで攻撃、『トラUFOフォーム』ではエネルギー体のUFOに乗り、トラの爪で攻撃。ベストマッチだから出来る攻撃パターンで、グリスを圧倒していく。

 グリスは疑問に思った。こちらは花咲川からボトルを盗んだ。だが、こっちは1本も盗られていない。それに、戦争に入って来てない星導館のボトルまで持っている。・・・・・・答えはすぐに出た。

 

「くっ!?今度は星導館のボトルかよ!?・・・・・・スタークか。」

 

 

 

 

 

「ビンゴー!」

 

羽丘の校長室で中継を見ているスタークと多治見校長。スタークはグリスの予想に答えていた。・・・・・・もちろん、グリスには聞こえていないが。

 

「なんでうちのボトルを・・・・・・!?」

「まぁいいじゃねぇか!グリスが勝てば全部アンタのものだ。」

「・・・・・・っ!」

 

 

 

 

 

 グリスはカメラ越しにスタークを睨むが、まだ戦いは終わっていない。

 

『クジラ!』『ジェット!』『ベストマッチ!』

「・・・・・・っ!」

「ビルドアップ!」

『天駆けるビッグウェーブ!クジラジェット!イエーイ!』

 

ジードは『クジラジェットフォーム』に右手を床に付ける。グリスはそれより先にツインブレイカーから銃撃を放つが、ジードに届く前に、床から噴き出した水によって阻まれた。

 『クジラジェットフォーム』は、クジラの力で水を操ることが出来る。

 

『ビームモード!』

「ウラァ!」

「ハァ!」

 

さらに水を地面から噴き出させ、グリスを宙に浮かせる。さらに、水の塊をジェットの力でグリスに向け放つ。

 

「ぐわぁあああ!!」

『キリンサイクロン!』

 

さらに追撃するために『キリンサイクロンフォーム』に変身したジードは、『扇風機』の力で空を飛び、

 

『Ready Go!ボルテックフィニッシュ!』

「ハァア!!」

「ぐはっ!」

 

右腕に付いたキリンの首を模したアームでリングに叩き落とす。

 

「ふっ。」

「ぐっ・・・!強いな・・・・・・!」

 

「お嬢!!」

 

「・・・・・・でもな、オレも半端な覚悟じゃねぇんだよ・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 ボクが3人に出逢ったのは、この前の3月だった。場所は病院だった。なんで病院にいたのかは分からない。疑問のまま、2週間入院していた。

 

 ボクはその病院で、あの3人に出逢った。3人は難病を抱えていて、余命はあとわずからしい。入院中の間、ボクは3人と仲良くなった。ボクより年上で確か24歳とか言ってたな・・・・・・。

 

 ボクはその内に退院したけど、それからも3人のお見舞いに行っていた。だけど、その内、学校・・・・・・羽丘女子学園から兵器になれと言われた。ボクはその代わりに、学校に要求を出した。

 

「3人のことはなんとかしてくれるんだよね?」

「あぁ。学校が政府に言って、責任を持って対応する。」

「・・・・・・これで、ボクは学園戦争の兵器になるのか。」

「どうする?記憶も消すことも出来るが──」

「必要ない。・・・・・・ボクが全部背負う。」

 

そして、ボクは人体実験を受け、記憶を失くしたフリをして、今日まで戦ってきた。

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 ジードは反撃の隙を与えないように、さらに攻撃を仕掛けるが、

 

「フッ!ハッ!」

「くっ!」

「っ・・・・・・何!?」

「逆襲!反撃!・・・・・・復活の狼煙だーーー!!」

 

ここからグリスが、反撃に出る。

 

 グリスが戦う理由、その中には『自分に言わずに人体実験をして、戦う道を選んだ3人を守る』だった。

 

「熱情!激情!無情!」

『スクラップフィニッシュ!』

「オレの前にひれ伏せーーー!!」

「ぐわぁあ!!」

 

ビルドシステムは、他のライダーシステムより変身者の感情=ハザードレベルに関係している。そのためか、ベストマッチによりハザードレベルで測れない力を持っているジードを退ける力で対抗する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして。この戦いを見ている羽丘女子学園の多治見校長とスターク。

 

「やっとエンジンがかかったようね~。」

「・・・・・・そう言えば、羽丘の軍はどうした?」

「あなたの言う通り、花咲川へ向かわせたわ。・・・・・・もしもグリスが負けたら、全勢力を持って、花咲川を潰す。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『Ready Go!』『Ready Go!』

 

ジードは『スパークリングフォーム』に変身、ドリルクラッシャーに『カブトムシボトル』を装填して、床からカブトムシの角のエネルギーをグリスにぶつける。それには、スパークリングのエネルギーも加わっている。

 

「ハァアアア!!」

『ボルテックブレイク!』『スパークリングフィニッシュ!』

「ぐっ!ぐっ・・・・・・ぐはっ!」

 

グリスはそれをもろに受けた。

 

「くぅ・・・・・・これだよ、これ・・・!これがオレの求めてた祭りだーーー!!」

 

グリスは叫びながら天高く飛び上がる。

 

「っ!フッ!!」

 

「ハァアアア!!」

「ウラァアアア!!」

 

ジードも飛び上がり、ライダーキックを放ち、互いにダメージを負い、リングに落ちる。

 

「くっ・・・!」

「っ・・・・・・灼熱!発光!照射!まだまだ燃えたりねぇえええ!!」

「・・・・・・っ!」

 

ジードはグリスに勝つ最後の力を引き出すアイテムを取り出した。そのアイテムの名は・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ハザードトリガー』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、蒼空には不安があった。

 

「・・・・・・俺に使いこなせるのか・・・?」

 

この一週間、ハザードレベルを上げてきたが、ハザードトリガーを制御出来るのか、ということを・・・・・・。

 

「・・・・・・蒼空・・・!」

「あれって・・・・・・!」

 

そのアイテムは、遠くからでも見えた。

 

「あ・・・! っ?・・・・・・海璃ちゃん、それは・・・?」

 

りみが気付いた、海璃の手に持っている物。それは、今まで見たことのないアイテムだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「海璃、お前に頼みがある。」

 

 それを手に入れたのは、前日の夜──龍哉がnascitaを出て行った後の事だ。

 

「何、これ・・・・・・?」

「・・・・・・明日の代表戦でもしも、ハザードトリガーを使うことになったら、また暴走するかもしれない。その時はそのスイッチを押してくれ。俺の動きを止められる。」

「動きを止めるだけ?」

「・・・・・・あぁ。」

 

海璃の質問に、蒼空は顔を見せずに答えた。

 

「・・・・・・ムカつく。そんな嘘で騙せると思ってるの?」

 

だが、海璃には蒼空が嘘を付いてると見透かされていた。

 

「本当の事を教えて。これは何なの?」

「・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・ちゃんとこっちを見てよ!!」

 

振り向いた蒼空の目は涙ぐんでいた。

 

「・・・・・・そのスイッチを押せば、トリガーが破壊されて俺は消滅する。」

「・・・・・・っ!」

「ハザードトリガーは、一度作動したらもう止められない。出力を最大にして、トリガー自体を壊すしかない。」

 

代表戦までの一週間、蒼空は自分のハザードレベルを上げるだけではなく、ハザードトリガーのデータを取り、そこからハザードトリガーの制御装置の開発もしていた。

 ハザードトリガーを使用して分かった事。それは、自らトリガーをドライバーから外すか、変身解除させられるほどのダメージを受けること。自らトリガーを外すことも出来るけど、副作用が襲ってきた時には、体が思うように動かず、トリガーを外せずに暴走状態になってしまう。

 

「・・・・・・私に、『人殺しになれ』って言うの?」

「俺はもう人間じゃない。兵器だから殺しにはなら──」

「ふざけないで!!」

 

蒼空にとっての苦し紛れの言い訳は、海璃に一蹴された。

 

「そんな訳ないでしょ!!」

 

海璃は蒼空に近付き、蒼空に言い聞かせる。あなたは人間だと、兵器じゃないと。

 

「あなたは人間なの・・・!自分より他人の幸せを願うバカでどうしようもない人間なの!!」

「・・・・・・!」

 

2人の瞳には、涙が見えていた。

 

「・・・・・・私は押さない。絶対に押さないから。」

「頼む・・・・・・!」

「出来る訳ないでしょ!!」

「俺とお前で創った『ビルド』だ!!」

「・・・・・・っ!」

「・・・・・・お前には、その責任がある・・・!」

「・・・・・・ズルいよ、そんな言い方・・・!」

「・・・・・・ごめん、でもお前にしか頼めないんだ。」

 

これが、『ハザードトリガー制御装置』を手に入れた時の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その話を聞いた香澄たちは・・・・・・。

 

「ジードが、消滅・・・・・・?」

「・・・・・・っ!」

「さーや・・・?」

「万丈連れてくる!」

 

沙綾は咄嗟に蒼空の家に向かった。

 

 

 

 

 

「・・・・・・っ!」

(もしもの時は・・・・・・海璃が・・・・・・!)

 

ジードは覚悟を決めて、禁断のアイテムを使う。

 

『ハザードオン!』

『ラビット!』『タンク!』『スーパーベストマッチ!』

 

そして、必要なアイテムをドライバーにセットしたジードは、レバーを回した。

 

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!──』『Are You Ready?』

「ビルドアップ。」

『アンコントロールスイッチ!ブラックハザード!ヤベーイ!』

 

漆黒の、悲劇を生む『ハザードフォーム』に変身した。

 

 

 

 

 

 

「やっぱり出すしかないよなぁ・・・!」

 

羽丘の校長室で見ていたスタークはその身を乗り出した。

 

 

 

 

 

「・・・・・・!」

 

龍哉もその映像を見ていたが、その時に沙綾がやって来た。

 

「はぁ・・・、はぁ・・・!万丈、蒼空がハザードトリガーを使った・・・・・・!」

「・・・・・・俺にはどうしようもねぇよ。」

「・・・・・・!蒼空が死んでもいいの!?」

「え・・・!?」

 

 

 

 

 

 ハザードフォームとなったジードは、先程と変わって、グリスを圧倒する。

 

「フッ!ハァアアア!!」

「ぐわぁ!」

 

その力を猛威に奮う中、夕方に始まった代表戦は夜となっていた。

 

「フッ!オラァ!」

「フッ!ハッ!・・・・・・っ!?」

 

夕方終わりから戦っていたからか、このタイミングでハザードトリガーの副作用が襲ってきた。

 

「っ・・・・・・ぐっ・・・・・・!?止めろ・・・! 止、めろ・・・! 止め、ろ・・・・・・!!」

「・・・・・・?」

 

蒼空(ジード)破壊兵器(ジード)へと変わり果ててしまった。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「あ・・・・・・?」

「・・・・・・蒼空・・・!」

 

ジードはグリスを破壊のターゲットにして、活動を始める。

 

「ぐっ・・・!とうとう本性を現したな!」

 

グリスは距離を取るため、リングの柱に飛び上がる。

 

『タカ!』『ガトリング!』

『スーパーベストマッチ!』

 

前回の変身時にはしなかったフォームチェンジを始める。

 

「ハァ!」

『ブラックハザード!ヤベーイ!』

「ぐわっ!」

 

敵の戦い方を見て『ホークガトリングハザードフォーム』に変身したジードは、飛び込んできたグリスを殴り落とす。

 

『マックスハザードオン!』

『ガタガタゴットン!──』『Ready Go!』

 

トリガーの出力を上げたジードは背中にタカの羽根を生やし、空中から『ホークガトリンガー』で攻撃する。

 

「ぐわっ!・・・・・・ぐわぁあああ!!」

 

高速で飛びまわっていたジードは、グリスのすぐ横に来て、グリスを蹴り上げる。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

『ガタガタゴットン!──』『Ready Go!』

『ハザードフィニッシュ!』

「ぐわぁあああああ!!」

 

空中に浮かされたグリスは、『ホークガトリング』が必殺技の時に出す球体の中に閉じ込め、最小限の銃弾を放った。

 

「がはっ!?・・・・・・くっ・・・!」

 

そして、変身が解けた。

 

「「お嬢ーーー!!」」

 

『ライダーシステムの解除により、勝者:花咲川!!』

 

 

 

 

 

 この結果に、花咲川の生徒、羽丘の中でも戦争に反対していた者や早く戦争を終わらせてほしかった者、学校周辺の者が喜んでいた。

 だが、羽丘の校長や戦争に乗り気だった者は悲しんでいた。

 

「そんな・・・・・・!?」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

多治見と一緒にいたスタークは、喜ばず、悲しまず、ただ黙っていた。

 

 

 

 

 

 戦いを終えたリングに立ちすくむジード。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

戦いを終えたジードは和美に近付き、

 

「くっ・・・!うっ!?」

 

服の首元を掴んで無理やり立ち上げる。

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、」

 

「蒼空君!!」

「蒼空・・・・・・!」

 

香澄の声も聞こえないジードは、和美に向けて拳を構える。

 

「だめ・・・・・・。」

 

ジードはその拳を放った。

 

「ダメーーー!!蒼空ーーーーー!!!

 

叫ぶ海璃。だが、拳が当たった瞬間、目をつぶってしまった・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・?」

 

結末に怯えながら目を開けると、和美は床に倒れていた。恐る恐るジードの拳の先を見ると、

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、」

「・・・・・・調子良さそうじゃねぇか、蒼空・・・?」

 

「・・・・・・万丈・・・!?」

「龍君!!」

 

クローズチャージがその拳を受け止めていた。

 

「お嬢!!」

「大丈夫ですか!?」

「止めて!今のあなたでは無理だ!!」

「うるせぇ!!やるしかねぇんだよ!!」

 

クローズはスクラッシュドライバーの力を無理やり抑えつつ、ジードを攻撃をして止めようとしている。

 

「目ぇ覚ませーー!この野郎ーーー!!──っ!?」

 

だが、ジードは破壊対象をクローズに変え、壊し始める。

 

「ぐぅ・・・!ぐはっ!?」

 

ジードの反撃によって膝をついてしまったクローズが、再び立ち上がろうとした時、

 

「ぐぅ・・・!ふっ──ぐわぁあ!?・・・・・・来やがった・・・!うわぁああ!!抑えが、効かねぇ・・・!うおぉおおお!!」

 

スクラッシュドライバーの副作用が襲ってきたのだ。龍哉は、ドライバーの副作用に抗いながらジードと戦っていたのだ。

 

「うおおおおお!!」

 

副作用にやられつつ、ジードと拳をぶつけ合う。

 

「止めて!!死んじゃうよ!!」

 

「龍君!!」

 

(俺しか・・・・・・俺しかいねぇ・・・・・・!蒼空を助けられるのは・・・・・・!!)

 

クローズはジードを殴ろうとしてた右腕を左手で掴み、

 

「俺しかいねぇだろーーーーー!!!」

 

そのまま、右拳を自分の体にぶつけたのだ。

 

「ぐっ!?・・・・・・ぐはぁああ!」

「龍君!?」

「・・・っ!」

「はぁ・・・、はぁ・・・、イケる・・・・・・!自分の意志で動かせる!!」

 

副作用が消えたクローズは、『ツインブレイカー アタックモード』に『クローズドラゴン』をセットして、

 

『Ready Go!』

『スクラップブレイク!』

 

さらにドライバーのレバーまで下ろした。

 

「はぁ・・・・・・、オリャアアアアア!!!」

『レッツブレイク!』

「目を覚ませーーー!!」

 

クローズはツインブレイカーから炎のエネルギーによる遠距離攻撃を放つ。だが、ジードはその攻撃をなんとか相殺して、クローズを殴ろうとする。

 

「蒼空ーーーーー!!」

 

クローズもジード目掛けて殴った。2人のダメージ蓄積量が限界を迎え、2人の変身が解除された。

 

「くっ・・・・・・!」

 

龍哉は膝をつき、蒼空は仰向けに倒れた。

 

「・・・・・・殻、破りやがった・・・!」

 

 

 

 

 

 この光景は、配信されてはいなかった。この場にいる人間だけが2人の戦いを見守っていた。

 

「あのドラゴンのライダー、スゲェな!!」

「うん、エモかったよ~。」

「龍君・・・・・・。」

「海璃、やったね!」

 

この場にいたメンバーが、この展開に凄く安堵していた。

 沙綾は涙ぐむ海璃を抱き締めた。

 

「ありがとう、万丈・・・・・・!」

 

海璃は蒼空が消滅せずに済み、誰も死ななくて済み、龍哉には蒼空を止めてくれた事に感謝していた。その気持ちから、『制御装置』が手から滑り落ちた・・・・・・。

 

 

 

 

 

 そして、その激闘を繰り広げた2人は──

 

「・・・・・・っ! ここは・・・?」

「勝ったんだよ。」

 

意識を取り戻した蒼空は現状を理解し始めた。

 

「・・・・・・お前が止めてくれたのか?」

「いや・・・・・・()()()のおかげだ。」

 

龍哉は香澄たちを見てそう言った。

 

「・・・・・・っ!」

 

蒼空は腕で目を隠し、涙を流していた。

 

 

 

 

 

 それに、和美たちも──

 

「完敗だな・・・・・・。」

「・・・・・・お嬢、あの世で修也が笑ってますよ。『やっぱり、お嬢は俺がいねぇと何にも出来ねぇな!』って。」

「誰よ、修也って・・・・・・。」

「嘘下手だな~・・・・・・。」

 

和美は青色のドッグタグを見て、みんなで空を見上げた。

 

「何があっても、ずっと一緒だよ。バカヤロー・・・。」

 

その空は、とても綺麗に見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この時間で、代表戦の結果に納得いかない多治見校長は──

 

「ギガファイナライザーを手に入れるのは、この私よ!」

 

携帯を取り出し、

 

「今すぐ花咲川を──」

「そいつはルール違反だ。」

 

だが、それをスタークが遮った。

 

「え・・・?何言って──」

 

すると、部屋の扉が開き、花咲川でも羽丘でもない()()()()()()()()()()が突撃してきた。

 

「・・・・・・星導館のガーディアン!?」

「あぁ~!そう言えば、羽丘の軍は全て花咲川に送ってたんだったな~!」

「・・・・・・裏切ったのね・・・!」

「勘違いするな!・・・・・・俺は、始めからお前の味方じゃない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 花咲川女子学園の周辺にいた羽丘のガーディアンは、半分くらいは夜華(イグニス)が破壊していた。

 

「・・・・・・何故、半分ほどが既に破壊されていたのでしょうか?」

 

『エンコードモード』で、紫色でアレンジした『ビートクローザー』でガーディアンを破壊していた夜華は、疑問に思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ!放せ!!・・・・・・放しなさいよ!!」

 

ガーディアンたちに捕まった多治見は抵抗するが、突如部屋に入ってきた者に気を取られることになった。

 

「ん~?手際がいいな~。」

「誰よ、そいつは・・・・・・!?」

 

その姿は、紫と黒がメインのボディで、所々『ワニ』のようなデザインが描かれた、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だった。

 

「星導館の()()()()()()だよ。」

 

そしたら、そのライダーは多治見に手をかざし、

 

「な、何する、の・・・・・・。」

「そんな事も出来るのか?」

「まぁね。この女からネビュラガスを吸収したんだけどね。」

 

多治見は気絶し、スタークとライダーはただ互いに見合うだけだった。

 

 

 

 

 




この回、苦労した~。リメイク前のも疲れたけど。・・・・・・あ、Tearsって『涙』って意味ですよ。
そして、皆さんご存知、あの『オラァ!』『キャー!』なライダー出ましたね~。

さて、謝りますね。すみません。
1月終わりからリアルが忙しくなり、この作品はしばらく毎週日曜日だけの投稿とします。・・・・・・最悪、7連勤させられるかもしれないから。

次回・・・・・・色々どうしよ~?

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