BanG Dream ~Be the one~ 作:ENDLICHERI
「星導館校長の御堂だ。残り2名だが我々は必ず勝つ!」
「だったらこっちは、『ギュインギュインのズドドドド!』なアレを使うしかない!」
「なんだそれは!?擬音ばっかでさっぱり分からん!」
「一言で語れないのが天っ才なもので!・・・・・・どうなる、第31話!?」
残り2名ずつとなった両チーム。ロッソと対峙しているリモコンブロスは、『ギアエンジン』を使って、『ヘルブロス』へと変身した。
「ヘルブロス、参上。」
「・・・うそーん!?」
この戦いを映像で見ていた星導館学院の校長『御堂政邦』は、同じ部屋にいる『難波重三郎』に問いかける。
「
「ヘルブロスは強すぎるから、他の商品が売れなくなる。」
そう言いつつも、笑っていた。
相手の姿が変わった事で混乱しているロッソは・・・・・・。
(こいつ、2人分の力だけじゃないよね・・・?)
「どうしました?」
「・・・・・・仕方ない、こうなったらなんとかするしか──」
「ぐわぁあああ!!」
「うわっ!?」
「っ!?」
ルーブシューターを取り出し、リモコンブロス改め、ヘルブロスとの戦いに気を引き締めたロッソ。その前を、紫色の人物が体育館の外まで吹き飛ばされていった。
「え?何!?・・・・・・っ!」
紫色の人物を追うように、黒いボディーに赤い装甲を纏った、『ビルドドライバー』を装着する者が歩いていった。
「なんだ、あのジードは・・・!?」
(あれが、ハザードの・・・・・・。)
話は、ほんの数分前・・・・・・試合開始時に遡る。
「ッ!・・・・・・本当に『兵器じゃない』と言い切れるの!?」
「っ!」
『ネビュラスチームガン』を持ったローグと戦う、『ドリルクラッシャー』と『4コマ忍法刀』を持ったジード。2人は、語り合いながら戦っていた。
「葛城はそう思ってなかったよ!」
「くっ!?・・・・・・なんで分かるんだよ!?」
「アタシは昔、アンタのビルドドライバー開発に手伝っていたからね。 ハッ!!」
「ぐっ!?・・・・・・何っ!?」
左手に『スチームブレード』を持ったローグの猛攻が、ジードを追い詰める。
「人は争いを繰り返して今を創ってきた。葛城は・・・・・・アンタは、幼いながらも科学の発展が争いを生む事を知りながら!!」
「ぐはっ!?」
「ライダーシステムを創ったんだよ。」
ローグの猛攻は、ジードの武器を手放させ、膝をつかせた。
「くっ・・・・・・戦争に加担したい科学者なんて、1人もいない!!」
『Are You Ready?』『ロイヤルメガマスター!』
ジードはローグの猛攻に、言葉に対抗するために、現時点で
「人々の幸せを願って、平和利用のためにその力を尽くしてる!!」
「ッ!・・・・・・ふん。フッ!」
「ぐっ!?」
「だったら、『ハザードトリガー』はどう説明するの?」
「っ!?」
反撃していたジードの・・・・・・『キングソード』の動きが止まった。
「自我を失い、破壊兵器になるあんな物をどう平和利用しろって言うの!?」
「あれは禁断のアイテムだ!本当は『創っちゃいけない』と分かってて──」
「だったらなんで創ったの!?そのせいで多くの人間が傷つく事は簡単に想像出来たはずでしょ!?」
「・・・・・・っ!」
ローグの怒りの気持ちは、ライフルから放たれる火の鳥が代弁してジードを襲った。
『ファンキーショット!フルボトル!』
「ぐわぁあああ!!・・・・・・がはっ!?」
永遠と吹き飛ばされるかと思えば、リングには普通は見えない電気で形成されたロープがあり、ジードはそこで電撃を浴びながら止まり、倒れた。
「アンタは分かってたんだよ、こうなる事を・・・・・・。」
「戦争は・・・・・・悲しみを生むだけだ・・・・・・。」
ジードは静かに立ち上がった。
「もし、葛城が──記憶を失くす前の俺が、本当に悪魔の科学者だったとしたら・・・・・・この戦争を引き起こす原因を創ったんだとしたら・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・。」
ジードはキングソードを杖状に持ち、1回かざした。
『
「・・・・・・はぁ・・・。」『クラックアップフィニッシュ!』
「バルカンスパークル!」
キングソードから王冠の形をしたエネルギーから無数の矢が放たれる。だが、ローグは右手に宿ったエネルギーでそれを防ぎ、
「くっ!・・・・・・フッ!」
「ふっ。ハァアアア!!」
「ぐわぁあ!!」
ジードの上を飛び越え、ライダーパンチを決めた。ジードは吹き飛ばされ、ボトルが手元から落ちた。ローグはボトルを回収する。
「スパークリングも、キングの力の対抗手段もある。今のアンタでは、アタシには勝てない。アンタでは・・・・・・葛城には勝てない。」
「くっ・・・・・・っ!」
ジードが顔を上げた時に、ローグの奥にいた龍哉が目に入った。
「・・・・・・最悪だ。こんな時に思い出しちまうなんて・・・。」
思い出したのは、自分が『葛城映司』だと知らされた時に龍哉に言われた一言だった。
「あいつに言われたあの言葉が、今の俺を創った・・・。あいつだけじゃない、」
ジードは再び立ち上がる、自分の想いと共に。
「沢山の人の想いに触れ、俺は『桐生蒼空』として正義のためにライダーシステムを使ってきたんだ!」
ジードはアイテムを取り出した。・・・・・・そのアイテムは、先程話題に出た
「俺は俺のやり方で、葛城映司を超えてみせる!!」
『マックス ハザードオン!』
ボトルを抜いたドライバーに、ハザードトリガーをセットした。
「・・・・・・はぁ、結局葛城の道具に頼るのね・・・?」
だが、さらに取り出したのはボトルだけどボトルではない、『ボトルのような物』だった。その名は、『フルフルラビットタンクボトル』。ジードはそれを振った。聞こえてきたのは、軽快な跳ねるような音だった。そして、金色の方のボトルの蓋みたいなのを回転させると、すぐ下の画面に赤い兎のようなマークが現れた。
『ラビット!』
「・・・・・・?」
「兎!?」
「おたえ、うるさい。」
ローグはこれから何が起きるのか理解できず、たえは新しいアイテムから聞こえてきた音声に目を輝かせてた。・・・・・・それにツッコむ有咲。
ジードは新しいアイテムの形を変えて、ビルドドライバーにセットする。
『ラビット&ラビット!』『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!──』
「ビルドアップ。」
ドライバーを回して、フォームチェンジをした。だが、その姿は『ラビットタンクハザードフォーム』だった。
『Are You Ready?』『オーバーフロー!』
だが、その後に起きた事がいつもと違った。どこからともなく、赤い兎が跳んできた。
「兎!!有咲、兎だよ!!」
「お、おう・・・・・・。」(兎に見えねぇ・・・。)
たえは無視して、跳んできた赤い兎は、ジードの頭上で5つのパーツに分離した。
ジードはそのパーツを右腕・左腕・右足・左足・胸部の順で自ら装着しに行き、最後に顔に赤いパーツが追加されて、床に降りた。
『紅のスピーディージャンパー!
ラビットラビット!ヤベーイ!ハエーイ!』
自我を失う代わりにハザードレベルが急上昇する『オーバーフロー状態』、その力を制御するために開発したこの鎧は、『オーバーフロー状態』でも自我を保つもので、力を抑えるものではなかった。
「兎だよ!!有咲、兎!兎!!」
「うっせぇな!分かってるよ!!」
・・・・・・流そう。
ジードは変身を終えてすぐにローグに攻撃を仕掛ける。互いに素手で戦う。
「くっ!?」
「フッ!ハッ!ハァ!」
「ぐっ!?この力は、自我を失った状態と同じ・・・・・・だけど、なんで意識が!?」
先程もドライバーから『オーバーフロー!』とも言っていた。だから、暴走状態だと思ったが、どうやら違っていた。
「俺はもう自分を見失ったりしない。
今のジードは、ハザードトリガーの副作用を気にせずに戦っている。そして、『ラビット』の成分がフルで活用されているため、動きが今までよりも早い。だから、ローグの攻撃を素早くかわしたり、防いだりして反撃している。
ジード対ローグの戦いを見ている龍哉・
「いいぞ~!兎、頑張れ~!!」
「あ~もう!おたえうるせぇー!!」
「花園さん、テンションが高いわね・・・。」(私も、あれが猫だったらああなってたのかしら・・・?)
「そうですね・・・。」(あれが犬だったら、私もああなっていたのかしら・・・?)
「お~い、2人とも~?」
「ちょっと・・・・・・ニヤニヤしてませんか・・・・・・?」
「早ぇ・・・!」
「凄いね、蒼空君!」
一気に劣勢に追い込まれたローグ。
「ぐっ・・・!?どこまで強くなるの・・・・・・!?」
「これが正義の力・・・・・・『桐生蒼空』の力だ!!」
そして、ジードは『ハザードトリガーの力を最大限活かした武器』の名前を叫んだ。
「『フルボトルバスター』!」
名前を叫ぶと、ドライバーから武器が現れた。黒いボディに黄色い剣先に赤いグリップの大剣。ジードは武器を持ち、グリップを90度動かした。その形は大剣から大砲へと変わった。
「ッ!?」
その新たな武器にも驚くローグ。葛城映司だった頃には無かった物が多すぎるため、驚きを隠せなかった。
ジードは、そんな事を気にせず『ラビットボトル』を、『フルボトルバスター』の赤いグリップを動かす事によって開かれたボトル装填口に入れた。
『ラビット!』
「ハァ・・・・・・フッ!」『フルボトルブレイク!』
「ハァ──ぐっ!・・・・・・そんな・・・!?」
ボトル1本の力ならたかが知れてると思ったローグは、大砲から放たれた砲弾をパンチで打ち返そうとしたが、思ってた以上に威力があり、拳に一瞬ながらダメージによって発生した火花が散っていた。
『ラビット!』
『パンダ!』『ジャストマッチデース!』
「ッ!?」
ローグは、ジードから聞こえてきた音声によって、防御の態勢を取った。だが、
「フッ!」『ジャストマッチブレイク!』
「ぐわぁ!?」
その威力は、防ぎきれない力だった・・・・・・。
『ラビット!』
『パンダ!』
『タカ!』『ミラクルマッチデース!』
「ハァ・・・・・・。」
ジードはさらに追い打ちをかけるため、今度は3本セットした。
ローグはライフルで迎え撃つ。
「ハァ!」
「ハッ!」『ミラクルマッチブレイク!』
「ぐわぁあああ!!?」
だが、二度あることは三度あるように、ローグの予想を超える砲撃によってローグは吹き飛ばされてしまった。
『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』
『Ready Go!』
「フッ!」
ジードはドライバーを回した後、高く飛び上がり、足を《バネのように伸ばして》足をローグまで伸ばした。
『ハザードフィニッシュ!』
「うっ!?・・・・・・ッ!」
その足は、ギリギリローグに届かなかった。
「ハァ──」
『ラビットラビットフィニッシュ!』
「ハァアアア!!」
「ぐわぁあああ!!」
ローグはその足を蹴り飛ばそうとしたが、タイミングが遅かったためか、ジードがゴム人間のように飛んできて、逆に蹴り飛ばされた、体育館の外まで・・・・・・。
「っ!ふぅ・・・。」
「スッゲェ・・・!」
「さすが兎様!」
「つーか、ルールどうなってんだよ!?」
ジードの強大な力に驚く龍哉、兎だからといって拝むたえ、ローグが体育館外まで飛ばされてルールを再確認したくなった有咲。他のメンバーは、たえ以外のどちらかだった。
「だってさ。」
「うるせぇ。」
ジードはローグが飛ばされた方──運動場へ歩いていく。
って感じです、海璃さん!
「へぇ~。」
「・・・・・・?」
(今のうちに・・・・・・。)
さ、海璃に話したから・・・・・・ナレーションに戻って!
ロッソはこっそりとヘルブロスが体育館の外に飛んでいく角度に立ったら、ルーブシューターに『ウィンドボトル』と『グランドボトル』をセットした。
『ウィンド!』『グランド!』『Ready Go!』
「ん?・・・・・・しまった!?」
「ハイブリットシュート!!」『ルービウムバースト!』
風のエネルギーに乗って、いくつもの岩がヘルブロスを襲い、外へ吹き飛ばした。
「へっへ~!これで戦いやすくなる!」
ロッソも外に向かった、本当の戦いを始めるために・・・・・・。
はい、『ラビットラビットフォーム』出ましたよー。
それと、『ロイヤルメガマスター』はそんなに弱くありません。色々あるのでこうしました。
おたえなら、これくらいなってもおかしくないって思わな~い?