BanG Dream ~Be the one~ 作:ENDLICHERI
「なんで
「蒼空兄は今戦ってる最中だよ!・・・・・・それに、ボクはこれでも周りから『カズミン』って呼ばれてんの!とりあえず、その『お前』呼びは止めて!」
「ゼッテーあだ名で呼ばねぇ!こんな奴放っておいて第33話どうぞ!!」
「32話ね!何間違えてんの・・・?」
※作者の気分により、今回から海璃の変身するライダーの武器『ルーブスラッガー』と『ルーブシューター』の音声を変えています。ご了承ください。
そして、投稿日の設定を間違えていたため、今回のみ10時に投稿しました。
ローグを追って運動場に来たジード。途中、横でヘルブロスが飛ばされていったが、一応かわし、気にしないように歩いていた。
「よっと!おぉ、蒼空~!上手くかわしたんだね?」
「やっぱりお前が犯人か。もう少し飛ばす方向考え──っ!」
「どうし、た・・・・・・っ!」
2人の会話は止まった。そして、同じ方向を向いた。そこには、
「一本取られましたね・・・。」
「やるね、葛城・・・。」
無言のヘルブロスと、先程の攻撃を嫌味のように言うローグが立ち上がっていた。
「やっぱりね・・・・・・。」
「こちらの強化アイテム対策として、防御力は上げていたか・・・・・・。」
「うん?・・・・・・ふっ。」
周りには分からないが、難波重三郎の側近の科学者がローグのドライバーを経由して、『ラビットラビットフォーム』の攻略方法を送信した。その結果として、ローグはあるボトルを取り出した。
「っ、ダイヤモンド!?」
「なんで星導館が持ってるの!?あれって羽丘に盗られたはず・・・・・・!?」
「・・・・・・そうか、羽丘に奪われたボトルは星導館が抑えていたのか!」
「反撃の狼煙は、上がった。」
『ディスチャージボトル!』『潰れな~い!』
ドライバーにダイヤモンドボトルをセットしたローグは、拳にそのエネルギーを溜め、
「ハァアアア!!」
『ディスチャージクラッシュ!』
「っ、ふっ!」
「よっと!」
ジードたちに放ったのだ。
2人は上手くかわし、ジードはローグと、ロッソはヘルブロスとの戦いを再開した。
「海璃、
「オッケー!」
「無意味な事を。」
「無意味かどうか、その目で確かめろ!ハッ!!」
『ラビットラビットフォーム』の特徴として、手足が伸ばす事が出来る。その能力を利用して、遠距離で拳を2~3発ぶつけるが、ダイヤモンドによって防がれる。
「だったら!・・・・・・ハッ!!」
『フルボトルバスター!』
「フン!」
先程、ローグに大ダメージを与えたフルボトルバスターの基本攻撃でさえ、ダイヤモンドによって跳ね返されてしまった。
「ぐっ!?・・・・・・ぐわぁあああ!!」
「こんなもの?」
「完全に読まれてる・・・!?」
ジードはこの状況に違和感を覚えた。先程までこちらが優勢だったのに、急にローグの方が優勢になってしまった事を。
だが、この状況に疑問を持ったのはジードだけじゃなかった。外まで観戦しに来た龍哉やポピパ、Roselia、Afterglow、そして先程変身解除してしまった和美も、その違和感には気付いていた。
「どうなってんだよ!?」
「なんで蒼空君が押されてるの!?」
「相手のドライバーに、『ラビットラビットフォーム』のデータがインプットされたの。」
「え・・・?」
龍哉たちの疑問に答えたのは、先程までいなかった沙綾だった。
「さーや・・・?」
「攻撃パターンを学習した今、ジードの動きは完全に封じられた。」
「え・・・!?」
「何故、あなたがそんな事を知っているのかしら?」
友希那がここにいる者全員が思った疑問を沙綾に問いかけた。
「・・・・・・私が、敵にデータを渡したから。」
そして、沙綾の口から衝撃の事実が告げられた。
その頃、ロッソとヘルブロスは、
「フッ。」
「危なっ!」
『グランド!』『ベストマッチ!』
『Are You Ready?』
「セレクト!」
『琥珀の大地!ロッソ グランド!イエーイ!』
「貴方のデータは、全てありますよ。そんな私に勝てるとでも?」
「こんな私があなたに勝てないと思っているのかしらぁ~?」
少し挑発的な言葉を発するロッソ。
(なんて言ってみたけど・・・・・・なんとかなるよね?)
それは、龍哉が代表戦に出れなくなった時にあった蒼空との会話での事だった。
「海璃、1つ聞きたいことがある。」
「何?」
「お前、
「切り札?あるよ。」
そう言って、海璃は水色の顔が描かれたクリスタルと、スパークリングのような缶状のアイテムを見せた。
「・・・・・・なら、万丈の代わりに、お前が代表戦に出てくれ。」
「まぁ・・・・・・良いけど。」
「それと、条件として・・・・・・
「え?わ、分かった・・・・・・。ただ1つだけ!誰が合図をくれるの?」
「合図を出すのは・・・──」
(・・・・・・それまでは、意地でもこの戦いを続けないとね・・・!!)
「いい加減、貴方の行動に乗るのも飽きましたので、こちらから行きますよ。」
「まぁまぁ!『縄文土器作戦』、見せてあげるから!!」
すると、ロッソは左手から土の塊をいくつか出して、右手でその土を纏めて、ヘルブロスに投げた。
「グランド・・・・・・コーティング!!」
「くっ!・・・・・・ん?」
「まだまだ!!」
「くっ!そんなダメージの無い技では、私を倒──っ、これは!?」
ヘルブロスが気付く頃には、体全てが土で覆われていた。
『ロッソ グランドフォーム』が使える技の1つ、『グランドコーティング』は土の塊を敵に投げて動きを封じる技だ。
「それに追加して・・・!」
『フレイム!』『シュートフィーバー!』
「フレイムバーン!」
『ルービウムシュート!』
「・・・・・・・・・・・・。」
「よっし!『縄文土器作戦』成功!!」
ロッソが考えた『縄文土器作戦』とは、土で相手を覆い、炎で熱して動きを封じる事だ。・・・・・・土は火で熱すると固まるから。
「後は、ある程度ダメージを負ってくれればいいけど・・・・・・!」
『Ready Go!』
ロッソはドライバーのレバーを回し、『ロッソ グランドフォーム』の最大威力の技を放った。
「グランドエクスプロージョン!!」
『グランド フィニッシュ!』
周りの土の力を集めて、巨大な球体にして敵に投げつける大技だ。多勢相手によく使われていて、海璃が変身出来る全フォームの中では最大火力かもしれない。
「やりきって・・・・・・はないよね?」
「・・・・・・この程度ですか?」
「ありゃ~・・・・・・。まぁ、そりゃ耐えますよね~?」
ヘルブロスはまるでダメージが無いようだった。
「こちらから行きますよ。」
「くっ、上等!」
ヘルブロスは素手で、ロッソは『ルーブスラッガーロッソ』で戦う。
「うぅ・・・!思ってたより強い・・・!?」
「私と弟の力を合わせただけだと思ったら、大違いですよ。」
『ギアリモコン!』
「うん?」
「フッ。」
『ファンキードライブ!ギアリモコン!』
「え・・・?消えた!?」
ヘルブロスは『ネビュラスチームガン』に『ギアリモコン』をセットして地面に銃口を向けると、ヘルブロスは姿を消した。
「どこに──きゃっ!?・・・・・・え!?」
「見えなければ、攻撃出来ませんよね?」
「そうかしら?私だってそういうのには対抗手段があるんだけど?」
透明になったヘルブロス相手に、ロッソは地面にスラッガーを刺した。
「グラインドロックス!!」
「っ・・・・・・これは?」
『ブル!』『ウィンド!』『ベストマッチ!』
「セレクト!」『Are You Ready?』
『紫電の疾風!ブル ウィンド!イエーイ!』
「くっつけて・・・・・・サンドストーム!!」
風を纏った、スピードに特化した『ブル ウィンドフォーム』に変わり、スラッガーを1つにして『ルーブスラッガーブル』にした。
そして、先程の『グラインドロックス』で巻き上がった砂埃を、野球のバットを振るようにスラッガーを振って、周囲に軽い砂嵐を発生させた。その影響で、周りの色に同化できないヘルブロスが姿を現した。
「いた~!セレクト、クリスタル!」
『ワイドショットスラッガー!』
「これでもどう!?・・・・・・ワイドショットスラッガー!!」
「ぐぅ・・・!?」
「ついでに、これも!」
『スパークアタッカー!』
スラッガーにクリスタルをセットして、技を待機状態にすることで刀身に雷を纏わせたまま、ヘルブロスを攻撃する事が出来る。
「ぐっ!・・・・・・こんな攻撃パターンは、データに無かったはず・・・!?」
「データだけが全てじゃないんだよ!!スパークアタッカー!!」
「ぐぅ・・・!!」
振り切るように高速移動で雷を纏った斬撃を放つブル。ヘルブロスは想定していない攻撃パターンに翻弄されていた。
「まだまだ!!」
『アクア!』『ベストマッチ!』
『Are You Ready?』
「セレクト!!」
『紺碧の海!ブル アクア!イエーイ!』
「また姿を・・・!?」
さらにフォームチェンジしたブルは、『ルーブシューター』を取り出した。
「こんな攻撃パターンはご存知かしら?お坊ちゃん?」
『ロッソ!』
『ウィンド!』『バーストフィーバー!』
「ハリケーンバレットー!!」
「ぐっ!?この風は・・・!?」
『ルーブシューター』で『ロッソ ウィンドフォーム』の強力技を発動させる。そして、武器を左手に持ち、右手を銃の形にして・・・・・・。
「そして、アクアジェットブラスト!!」
「ぐぅぅ!?この攻撃は・・・!?」
風に乗せて放った水の光線は、合わせる事で吹雪のようになりヘルブロスを襲う。
「ですが・・・・・・この威力なら!!」
「わっ!?ちょままっ!?」
だが、ヘルブロスも負けじと腕からギア状のエネルギー弾を放った。ブルはギリギリでかわしたが、その影響で吹雪は止んだ。
「じゃあ、これ!!」
『グラビティスライサー!』
「これならどう!?グラビティスライサー!!」
「くっ!ハッ!ハァ!」
岩の斬撃を何発も放つ技も、ヘルブロスにはイマイチ効いてなかった。
「あはは・・・。」
(これ、合図があるまで持つかな・・・?)
そして、ちょっと不安になりつつあるブルであった・・・・・・。
そして、場面は再び変わり龍哉や香澄たちの方へ。
「なんでだよ・・・。なんで敵にデータを渡したんだよ!?」
「ちょっと巴・・・!?」
「答えなさい、なんで敵にデータを渡したの?」
敵にデータを渡したことを問い詰める巴と友希那。
「・・・・・・難波重工から連絡があったの、『私の家族を預かった』って。」
「さーやのお母さんたちが?」
「うん。無事に解放する条件として、『ジードの強化アイテムのデータを渡せ』って言われたの。」
「人質にされたんだ・・・・・・。」
「・・・・・・ごめん、沙綾。」
「・・・・・・なぁ、俺のボトルに盗聴器を仕込んだのは・・・?」
「え・・・?」
龍哉から放たれた言葉は、和美以外には初耳の内容だった。
「それは、学校の護衛隊の人の仕業だって。前に、蒼空君が青羽を倒したショックでボトルを全て学校に渡したでしょ?その時に仕込んだみたい・・・。」
「マジかよ・・・・・・。」
「でも!その人は夜華さんが学校から追放したって!」
「それでも・・・・・・これままじゃ打つ手なしかよ・・・?」
皆、絶望に陥り始めていた。このままでは代表戦に勝てないという絶望に・・・・・・。
そして、ジード対ローグは、
「フッ!!」
「甘い!ハァ!」
「ぐわぁあああ!!」
『ラビットラビットフォーム』の攻撃パターンを覚えたローグは、『スチームブレード』を使ってジードを圧倒していた。
「アタシは昔、怪物に親を殺された!!」
「ぐわぁ!!」
「でも、復讐目的でライダーをやっている訳じゃない。アタシは、昔から思っていた『弱者が踏みにじられない世界』を作るために、『赤き鋼』の力を手に入れる。」
「くっ・・・・・・。」
「そのためにはまず、アンタを倒して更なる力を手に入れる。」
『クラックアップフィニッシュ!』
「っ・・・・・・。」
「・・・・・・フッ!」
「っ!?」
ローグは、ジードにライダーキックを決める。
「ぐっ!?ぐわぁあああ!!」
ライダーキックをもろに受けたジードはそのまま倒れてしまった。だが、まだ変身は解けていない。
「アンタの言う『愛と平和』は、理想に過ぎない。」
「ぐっ・・・!?」
「理想で、世界が救えない事を・・・・・・アタシの強さを持って証明してあげるよ。」
ジードはただ黙っていたが、ずっと劣勢のままだった・・・・・・。
劣勢の状態のまま戦いを続けているジードとブルの戦いを見ている龍哉たちは、
「このままじゃ・・・・・・ん!?」
そんな時、沙綾のスマホが鳴りだした。
「もしもし夜華さん!?」
「夜華!?」
『全く・・・・・・主様の命とはいえ、こんな所に女子1人を行かせるなんて、人使いの荒い
「それより、お母さんたちは!?」
『全員無事ですよ。』
『お姉ちゃん!』
『おれたちは無事だよ!』
「良かった・・・!」
「お母さんたち、無事なの!?」
「うん!夜華さんが助けてくれた!」
すると、沙綾は少し前に出て・・・・・・。
「蒼空ーーー!!海璃ーーー!!」
「っ・・・!」
「え・・・!?」
「・・・・・・っ!」
沙綾はその後叫ぶことなく、ただ大きく腕で丸を作った。
「っ!・・・・・・はぁ~!ようやくGoサインが出たか~!」
「やっと出た~!ようやくアレが使えるよ~!」
2人は少し相手から離れて、それぞれドライバーからアイテムを抜いた。ジードは『フルフルラビットタンクボトル』を、ブルはボトル2本を。
『マックスハザードオン!』
「さぁ、実験を始めようか?」
『タンク!』
ジードは新アイテムを数回振り、ボトルの画面をタンクの青色にして、再びボトルにセットし直した。
『タンク&タンク!』
『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』
すると、どこからともなく青色の動く砲台が現れて、ローグ目掛けて何発も撃ち続ける。
「なんだよ、あれ!?」
「何が起きるの・・・!?」
『Are You Ready?』
「ビルドアップ。」
『オーバーフロー!』
すると、ジードが纏っていたラビットラビットのアーマーが吹き飛び、頭上に配置されたタンクの装甲を装着していく。
『鋼鉄のブルーウォーリアー!
タンクタンク!ヤベーイ!ツエーイ!』
「何っ・・・!?」
「凄い・・・!」
「兎・・・・・・。」(´;ω;`)
「おたえ、諦めろ。」
そして、ブルも、
『極クリスタル!』
水色の顔が描かれたクリスタルを起動させて、スパークリングのような缶状のアイテムの上にセットして、ドライバーにセットする。
『ロッソ!ブル!』
『フュージョンアップ!』
『Are You Ready?』
「セレクト!」
ドライバーのレバーを回し終えると、ブルの周囲には金色のオーラが現れ、1つになると同時に海璃が変身するライダーの中で『ロッソ』でも『ブル』でもない、新たなライダーになった。
『
極ルーブ!イエイ!イエーイ!』
「なんだ、それは・・・!?」
その姿の名は、『仮面ライダールーブ』。ロッソとブルの力と4つの属性の力を1つにした究極の姿だ。
そして、変身を終えた2人は・・・・・・同じ言葉を放った。
「「勝利の法則は、決まった!」」
いつもの決め台詞を言ったジードは、ローグとの戦いを再開する。
「ハァアアア!!」
「フッ!」
ローグの拳を右腕のタンクの装甲で受け止めたジードは、そのキャタピラを回転させてローグを近くの壁まで殴り飛ばしつつ、肩の砲台の角度を変えて撃ち込む。
「ハァ!」
「ぐわっ!!」
そして、勢いよく飛ばしたせいで跳ね返ってきたローグをさらに別方向に殴り飛ばした。
「ぐっ!?なんだ、あのフォームは・・・!?」
ローグはドライバーに組み込まれている『ジードの攻略データ』を探すが、いくら探しても見つからなかった。
龍哉たちの会話内でも、見たことないフォームの話題となっていた。
「なんだよ、あれは・・・!?」
「うさぎ・・・・・・。」(´;ω;`)
「あれは、『タンクタンクフォーム』。蒼空君は、『ラビットラビットフォーム』の他に、あれも開発したの。」
「そうなのね。」
「あれを使うタイミングは、私の家族の安否が確認出来た時に使うことにしたの。」
「じゃあ、敵にデータを渡すのは蒼空の考えだったんだ!」
「はい、私の家族を助け出す時間を作るために。」
「あのヤロー!」
「ウサギ・・・・・・。」(´;ω;`)
「諦めろって・・・・・・。」
一方、ブル──改め『ルーブ』は、
「どんな姿になろうが、この私に勝てる訳がない!」
『ギアエンジン!』
「ふっ!」
『ファンキードライブ!ギアエンジン!』
ヘルブロスが技を使ってルーブに放つが・・・・・・、
「・・・・・・フッ!」
「何っ!?」
そのエネルギー弾を片手で受け止め、粉砕するルーブ。
「こんなもの?」
「くっ・・・!」
(この私が、怯えている・・・!?)
静かに歩いてくるルーブに、少し恐怖を覚えるヘルブロス。
「くっ・・・、ハァアアア!!」
「フッ。・・・・・・ハァ!」
「ぐわぁ!!」
ヘルブロスがルーブに向けてパンチをしても、ルーブには届かなかった。逆に、ルーブのパンチがヘルブロスにヒットした。
そしてルーブは、胸の装甲に手を当て、『ルーブ』専用の武器を取り出す。
『ルーブコウリン!』
「ハァ・・・、ルーブコウリン!」
金色のリング状に、水色の刃がいくつも飛び出した、新たな武器。それが、『ルーブコウリン』だ。
「なんだ、あれは・・・!?」
「ルーブコウリン・ロッソ!」
ルーブは『ルーブコウリン』のグリップ部分付近の赤いボタンを押して、ロッソのような構えを取り、ヘルブロス目掛けて走り出した。
「ハァアアア!!」
「ぐっ!?」
「フッ!ハッ!ハァ!!」
「ぐわぁあああ!!」
『ルーブ』は、『ロッソ』と『ブル』の2人のライダーの力を合わせたライダー。2人の力を使ったり、2人の戦闘スタイルで戦ったりしてもおかしくはない。
「次は・・・・・・ルーブコウリン・ブル!」
今度は『ルーブコウリン』の青色のボタンを押して、ブルのような構えを取る。
「行くよ。フッ!」
「っ、早──ぐわぁ!!」
その後、数回すれ違いざまにコウリンで斬りつけ、動きが止まると同時に、『ルーブコウリン』で与えたダメージがヘルブロスを一気に襲った。
「ぐぅ・・・!?なんだ、この強さは・・・!?」
そして、ルーブが再びロッソの戦闘スタイルで戦いに挑むと同時に、ジードも『フルボトルバスター』の大剣モードを手に持っていた。
「くっ・・・!?どこにこんな強さが・・・!?」
ヘルブロスとローグの問いに、ジードとルーブは同じ答えを言った。
ジードは『フルボトルバスター』を大砲モードに変えて、4本のボトルをセットした。
『タンク!』
『ジェット!』
『ガトリング!』
『ロケット!』 『アルティメットマッチデース!』
「ハァ・・・!」
「っ、マズい・・・!!」
『ディスチャージボトル!』『潰れな~い!』
『ディスチャージクラッシュ!』
ローグは『ダイヤモンド』の力で盾を作った。
『アルティメットマッチブレイク!』
「ハァ!!」
「ぐわぁあああ!!・・・・・・そんな・・・!?」
だが、4本のボトルを使った技の前には、その盾は無意味だった。
そして、トドメを決めるために、ジードは『フルフルラビットタンクボトル』をドライバーから抜き、『フルボトルバスター』にセットした。
『フルフルマッチデース!』
「ぐっ・・・!」
「フッ!・・・・・・ハァ!!」
ジードは下半身を戦車にして、まるで『○○タンク』のようになってローグを攻撃していく。
『フルフルマッチブレイク!』
「ハァア!!」
「うわぁあああ!!」
その結果、ローグは強制的に変身が解除されてしまった。
そして、ルーブもまた、トドメを決めようとしていた。
ルーブは、スパークリングのような缶状のアイテム:『ルービウムジャイロ』から『極クリスタル』を外し、クリスタルの下にあるボタンを押した。
『高まれ!究極の力!』
「これで決める!」
ボタンを押す事によって、顔が描かれている面が展開、中には大きく『極』と書かれていて、それを『ルーブコウリン』の中心の黒いくぼみにセットした。
「ハァ・・・・・・、ルーブ ボルテックバスター!!」
「ぐっ・・・!ぐわぁあああ!!」
クリスタルから放たれた光線に、ヘルブロスは耐えきれずに吹き飛ばされ、変身が解除された。
「アデュー♪」
この瞬間、代表戦の終了のゴングが鳴った。
よって勝者は、『花咲川・羽丘合同チーム』!』
「ヨッシャーーー!!」
「やったーーー!!」
この場には、ジードたちが勝って喜ぶ者しかいなかった。
「うーさーぎー・・・・・・!」(´;ω;`)
「まだ言ってんのか?」
先程から嘆いているたえ以外は・・・・・・。
変身を解除した蒼空の下に、同じく変身を解除した海璃がやって来た。
「蒼空、お疲れ。」
「海璃。・・・・・・あぁ、お疲れ。」
「これで、戦争が終わったんだね?・・・・・・もう、終わるんだよね?」
「あぁ。・・・・・・これで皆が、笑って暮らせる世界が訪れる。」
2人は、綺麗な夕日に染まった空を見て、安堵していた・・・・・・。
だが、これで終わりではなかった・・・・・・。
「負けた・・・!?」
星導館学院の校長室では、校長の『御堂正邦』と難波重工の会長『難波重三郎』と、難波の研究員兼秘書の3人がいた。
「どうしてくれるんだ!?」
この代表戦では、星導館学院が負ければ『侵攻の中止』、『羽丘を元通りにする』、『赤き鋼を3校共通の財産にする』という事になっていた。
負けてしまったため、このルールを守らなければならない。そして、負けたのは難波重工が渡したシステムが相手より劣っていた。そんな考えから、御堂は難波を責め始めた。
「うろたえるな。」
「ぐぅ・・・!何もかも、終わりだ・・・!」
「まだこれからだろう?」
「いいや、ここで終わりだ。」
「・・・・・・誰だ?」
「・・・・・・っ!?」
難波がドアの方を見ると、そこには生徒でも教師でもない、ましては難波重工の者でもない1人の女性がドアにもたれかかっていた。
「会長、小説家の石狩アリエです。」
「小説家・・・?」
「うん?・・・・・・あぁ、
アリエは1つの赤いアイテムを取り出した。その形は、まるで『ビルドドライバー』のような・・・。
『エボルドライバー!』
「ふふふ・・・!」
「お前は、何者だ・・・・・・。」
「・・・・・・良いだろう、教えてやる。」
すると、2本の紫色のボトルを取り出して、それをドライバーにセットした。
『ルギエル!』『エンペラー!』
『デモニックフュージョンマッチ!』
『Are You Ready?』
「・・・・・・変身。」
すると、身体が黒いオーラに包まれた。オーラが消える頃には『綺麗な女性』から『死をもたらす悪魔』へと姿が変わっていた。
『アトロシアス!フッハッハッハッハッハッハ!』
「その姿は・・・!?」
「どうだ?
石狩アリエは、『仮面ライダーベリアル アトロシアスフォーム』へと変身したのだ。・・・・・・ジードとの戦いの後、偶然生きていたベリアルが『石狩アリエ』という人間の体を乗っ取ったのだった。
「この難波重三郎を愚弄する気か・・・?」
「愚弄?・・・・・・そんなものに興味はない。」
「何だと・・・!?」
「お前はもう要らん、消えろ。」
そう言って、ベリアルはギガバトルナイザーを難波に向け、銃弾を放った。難波は権力者とはいえ、ただの人間。しかも老人だ。1発の弾丸でその命は消え去った。
「会長ーーー!!」
「さぁ、お前たちにはチャンスをやろう。俺の下で働くか、ここで死ぬか?」
マスクでどういう顔をしてるか分からないが、ベリアルは高笑いをするのだった。
この瞬間、『難波重工』はベリアルに乗っ取られたのだった・・・・・・。
はい、厄介なのが出ました。・・・・・・ちょいちょいリメイク前とは変わってますよ。ローグの戦う理由とか、代表戦終了後の星導館学院の校長室のイベントとか。
知らない人のために言うと、代表戦の所はリメイク前と変わらず、ルーブもジードも勝っちゃった☆って感じでした。