季節は春、今日は花咲川女子学園の入学式。新しい制服に着替えた新入生たちが期待と不安を胸に、門をくぐって行く。
そしてまた1人、受付にやって来た。
「ようこそ、花咲川へ──って香澄かよ・・・。」
「いえ~い!」
「早く荷物置いてこい。」
「うん!・・・・・・お?燐子先輩?と蒼空くん!?」
「ひゃっ!?」
「久しぶりだな?そこのしゃがんでるお嬢さんはスピーチの練習なんだと。」
「スピーチ?」
「せ、生徒会長・・・・・・なので・・・・・・。」
「おぉ~!有咲もやるの?」
「私はただの書記。」
「戸山さん。」
・・・・・・ナレーションだけならまだしも、俺がここにいることには何もツッコまないんだな?
「紗夜先輩!おはようございます!」
「おはようございます、今日はよろしく。リボンが曲がっているわ。」
「へへ~ん。」
「行儀が悪いわよ。」
「っ!?」
紗夜と燐子には事前に伝えてあるけど、有咲にはなんで俺がいる理由を話したのか?
「もうすぐ新入生が来ます。先輩として、自覚ある態度でお願いします。」
「は、はい・・・!」
「先輩だって!」
「お、おう・・・。」
って、もう1組来たぞ。
「あの・・・?」
「おはよう!・・・・・・あ、ございます。」
今のはダメだろ・・・?
ちなみに、今の俺は香澄と有咲、紗夜と燐子にしか見えない状態になってるから、新入生には見えてないんだよな~。なんて、便利な魔王の力でしょうか!
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さ~て、バイトしてる魔王サマを見に来ちゃった♪
「おっはよ~ございま~す!」
「あれ?ウィズじゃん。どうしたの?」
「ちょっと蒼空をからかいに──って、あれ?」
「今日は休みらしいわよ。」
「えぇ~!?せっかく来たのに~・・・。」
「そういえば紗夜が、『蒼空に花女の入学式の手伝いをしてもらう』とか言ってたよ。」
「何それ!?アタシ、聞いてない!!」
もぉ~、今は花咲川にでもいるのかな~?
「いらっしゃ~い。」
「うん?・・・・・・っ!」
「もしかして・・・・・・海璃・・・?」
CiRCLEに入ってきた人を見たら、アタシは声が出なくなってしまった。その人こそ、魔王サマの恋人になる予定だった美剣海璃だった。
「・・・・・・。」
海璃は言葉を発さずにただキョロキョロしてた。
「海璃、久しぶり。」
「・・・・・・ここじゃないか。」
「うん?海璃?・・・・・・って、ちょっと!?」
アタシが話しかけても無視して見渡すと、そのままCiRCLEを出て行っちゃった。
「・・・・・・何なのよ・・・?」
「それよりあなた、蒼空に何か用があったんじゃないのかしら?」
「へっ?・・・・・・あ!忘れてた!!ちょっと花咲川行ってくる!」
「行ってらっしゃ~い。」
そうだったそうだった!蒼空・・・・・・の側近に用があったんだった!全くもう、映司も自分で届ければいいのに・・・!
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入学式も終わり、俺たちは生徒会室に来ていた。・・・・・・周りには見えなくても、身体が幽体みたいにならないから、当たらないようにするのも大変だな・・・。ちょっと疲れた・・・・・・。
《やろうと思えば、幽体になることも出来ますよ。》
言えよ!!なんでそれを言わねぇんだよ!?
《言われなかったからです。》
うっわっ!?それ言う!?うわぁ・・・・・・それ言うか・・・。
「白金さんはいつまで反省しているつもり?」
「す、すみません・・・・・・。」
「あ~あ・・・・・・。」
まさかの『生徒会長挨拶』で盛大に人見知りを発動。目をぐるぐる回して声が小さくなるという見事な成果を上げてしまいました~。
「それより、なんで蒼空くんいるの?」
「そこの生徒会長さんに頼まれたの。『緊張をほぐしてほしい』って。どうすればいいのか分かんなかったけど、『側にいるだけでいい』って言われたから、姿を消してここにいたの。」
「ですが、その努力は全て水の泡に終わりましたけどね。」
「うっ・・・・・・。」
「うわっ!?夜華さんもいたんだ!」
「ほんと、この辺は相変わらずだな・・・。」
「ですが、桐生さんがここに来たのはそれだけではありませんよね?」
「はい?」
やっぱりバレてるか・・・。ま、隠してるわけでもないからいいや。
「そ。燐子が持ってるライドウォッチとプログライズキーを回収って目的もあるの。」
「ライド・・・・・・何?」
「もしかしなくても、またライダー系だよな?」
「正解!」
俺はなんで燐子がライダーのアイテムを持ってるのかを話していると、生徒会室の扉が勢いよく開いた。
「蒼空ーーー!!」
「うっ!?なんだよ、ウィズか・・・。」
「葛城さん、静かにしてください。ってか、学校に来るなら制服で来てください!」
「もぉ~、風紀委員さんは頭が固いな~?この石頭め♪」キュピーン
「喧嘩を売っているんですね?」ゴゴゴ
あいつ、すげぇな・・・。恐れ知らずもいいとこだよ。
「あ、そういえば。夜華にお届けで~す。」
「わたくしに、ですか?」
「そそ。映司がね、夜華にピッタリのライダーシステムを作ったから、って。はい。」
ウィズはそこそこの大きさのアタッシュケースを夜華に渡した。夜華はそれを机の上に置いて、ケースを開けた。
「・・・・・・これは・・・?」
「えっとね、『ビヨンドライバー』と『ミライドウォッチ』って言ってたよ。」
「この形・・・・・・ライドウォッチに似てる。」
形は違うけど、顔が書いてあるのとか、雰囲気とかが似ていた。
《説明が曖昧です。》
やかましい!!
その後、普通のテンションの有咲と紗夜と夜華、ハイテンションの香澄とウィズ、ローテンションの燐子と共に学校を出ようとしていた。
「蒼空くんってこの後予定あるの?」
「一応、CiRCLEでバイトを入れてるけど。」
「・・・・・・っ!主様!」
「っ!?」
夜華が叫んでくれたおかげで、すぐに燐子を守る態勢を取れた。ウィズは紗夜を、夜華は香澄と有咲を守っていた。
「燐子、大丈夫か?」
「は、はい・・・・・・!」
「あいつは・・・?」
振り返ると、また変な化物がいらっしゃった・・・。
「見つけたぞ、魔王。」
「俺のこと、でいいんだよな?」
なんだ、あの姿は?なんか・・・・・・スナイパーみたいな?右手が銃だし・・・。
《解析完了。『リボルバグスター』、人に感染するウィルス『バグスターウィルス』から生み出された怪物です。》
バグスター、か・・・。
「貴様を葬り去る!」
「ほぉ・・・。」
「蒼空、行くよ!」
「ウィズ、みんなを守っていてくれ。」
「えっ?」
「頼むぞ。・・・・・・行くぞ、夜華。」
「ジクウドライバー!」
「かしこまりました。」
「ビヨンドライバー!」
「お預け、ね。みんな、アタシから離れないでね。」
俺と夜華はドライバーを巻いて、みんなよりも1歩前に出た。
「お望み通り、相手してやるよ。」
「ジオウ!」
「「せめて、即死だけは止めてくださいね。わたくしたちはきっと、加減ができませんので。」
「ウォズ!」「アクション!」
「変身。」
「ライダータイム!仮面ライダージオウ!」
「投影!フューチャータイム!
スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!」
「すみませんが、まずはわたくしから。
祝え!過去と未来を読み解き、正しき歴史を記す預言者。その名も、『仮面ライダーウォズ』!新たな歴史の1ページであります!
そして、
祝え!!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を越え、過去と未来をしろしめす時の王者。その名も『仮面ライダージオウ』!今まさに、新たな歴史の幕が開いた瞬間であります!」
「はい、お疲れ様。行くぞ。」
「・・・・・・かしこまりました。」
俺と夜華は顔に『ライダー』と文字を付けて、リボルに挑む。
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普通に変身するんだ。しかも、あのライダーシステムなんだね。
「はぁ!」
「ふっ!」
あれが基本フォームか・・・。
「ぐっ!?なら・・・・・・全員、突撃ー!」
「えっ、増えた!?」
「普通に考えて、戦闘員でしょうね?」
「行けー!」
2体・・・・・・何人だろう?結構いるよね?さすがに出ないとマズいかな~?
「・・・・・・了解。エグゼイド、エグゼイド・・・・・・うん?・・・あっ!あっちだった!!」
「はぁ・・・、しっかりしてくださいよ。」
「シノビ!」「アクション!」
夜華のドライバーは、ウォッチを付け替えるんだ。
「行きます。」
「投影!フューチャータイム!
誰じゃ?俺じゃ?忍者!フューチャーリングシノビ!シノビ!」
「なんだ、その姿は!?」
「参ります。」
「なっ、消えた!?」
「こちらですよ。」
「いつの間に!?」
「遅いですね。」
「ジカンデスピア!」「カマシスギ!」
へぇ~、あの紫の姿は忍者みたいな瞬間移動が出来るんだ。
そして、あの魔王様は・・・・・・何してんの?
「おい燐子!エグゼイドウォッチを渡せ!早く!!」
「分かってます!ちょっと待ってください!!」
なんで香澄たちがライダーのアイテムを持ってるのよ・・・?
「あーもう・・・!」
あ、自分で行った。
「えっと・・・・・・あった、これ!!・・・・・・え?これも?・・・・・・分かった。」
戻ってきた。
「それじゃ、実験を始めようか?」
「エグゼイド!」
・・・・・・なるほど、追加のライドウォッチは左に付けるんだ。おかげで、このドライバーの使い方がよく分かったよ。
「よっと!」
「ライダータイム!仮面ライダージオウ!」
「アーマータイム!〈レベルアップ!〉エグゼイド!」
「さて、ノーコンティニューでクリアしますか!」
あの腕のデカいのは何よ?・・・・・・あいつは・・・?ちょっと準備しとくかな。
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リボルバグスター率いる銃撃隊を忍者のような動きで翻弄しつつカマで切り刻んでいく夜華と、エグゼイドのようにピョンピョン飛びながら腕のハンマーみたいなので殴っていく蒼空。
「なっ!?我が軍が全滅だと・・・!?」
「あとはお前だけだ!」
「ご退場の準備はよろしいですか?・・・・・・うん?」
「え?・・・・・・危ねっ!?」
残りがリボルバグスターだけとなった時、2人のライダーに青色の光弾が襲い掛かってきた。
「誰だよぉぉぉ降りてきた・・・。」
「セリフはどちらか1つにしてください。」
「やぁ、仮面ライダー諸君。」
「あん?俺ら・・・・・・のことだよな?」
「今、わたくしたち以外に誰がいるんですか?」
笑いを取ろうとしないストレートなツッコミがジオウを襲った。・・・・・・んなことより、今真剣に考えなければいけないことは、突然リボルバグスターの前に降りてきた銀色の剣を持った青色の怪人が何者なのか、ということだ。
「えっと・・・・・・どちら様?」
「君たちを初めて見た時から、ずっと思っていたんだ。」
「話し聞け、ボケェ!」
「見るからに敵なお方に言っても・・・。」
「その文字を抉り出してみたい、とね!」
「何者か分からないが・・・!」
なかなかにエグいことを言う青色の怪人は剣を構えて2人のライダーに襲い掛かって来た。それを見たリボルバグスターは体を粒子状にして姿を消した。
「危ねっ!?イテっ!!だから、お前誰だよ!?」
《解析完了。以前現れたドーパントと同類ですが、ドーパント内でも幹部の立場に存在する『ナスカ・ドーパント』です。剣と高速移動に気を付けてください。》
(なるほどね!で、対処法は!?)
《・・・・・・・・・・・・。》
(おい!!無言は止めろよ!!)
「くっ・・・!この姿なら、対抗できるはずです・・・!」
「超高速。」
「えっ?うおっ!?」
対処法が分かってないジオウを置いて、ウォズとナスカが超高速対決を繰り広げる。
「もう!シエルさん、なんでもいいから教えてよ!!」
《・・・・・・ジオウⅡウォッチを使ってください。》
「ジオウⅡ?・・・・・・さっきのこれか!」
「ジオウⅡ」
「ジオウ!(ジオウ!)」
取り出したウォッチを2つに分解させて、ドライバーの左右にセットした。
「はぁ・・・・・・ふっ!」
『ライダータイム!』「仮面ライダー!」「ライダー!」「ジオウ!」「ジオウ!」『ジオウⅡ!』
「よし!・・・・・・って、なんだこの武器!?顔付いてるし・・・?」
《いいからその姿で未来予知をして、あの高速移動に対抗してください。》
「ねぇ、最近冷たくない!?・・・・・・また黙った・・・。まぁいいや!」
顔に4本の時計の針を付けたジオウ。シエルの冷たい言動を一度無視して、『ジオウⅡ』の特殊能力を発動させる。
「キングと同じか。・・・・・・見えた、お前の未来!」
その瞬間、超高速で襲い掛かってくるナスカ・ドーパント。
「1・・・!2・・・!」
その超高速攻撃を数を数えながら受けるジオウ。そして・・・・・・
「ジオウサイキョウー!」
「3!!」
「覇王斬り!」
「ぐっ!?」
「・・・・・・!お見事です。」
「よぉし・・・!」
未来予知をしているのに自慢気にガッツポーズをするジオウ。ちなみに、顔が付いた武器の顔文字は『ライダー』から『ジオウサイキョウー』に変わっている。
「だが、これならどうだい!?」
「なっ!?ぐわぁ!!」
「さすがに、この数は・・・!?」
反撃するかのように青色の光弾をいくつも作りだして、それをライダーたちに放つ。その数に圧倒されて、手も足も出ないジオウとウォズ。使い慣れていないのもあるせいだが・・・。
「主、様・・・!」
「ぐっ・・・っ!」
「これで、最期だ。」
「蒼空くん!?」
「やべーぞ!?」
「葛城さん!!」
「分かってるって!変身!!」
「ショットライズ!」
「はぁ──ぐっ!?」
「っ!?」
「シューティングウルフ!」
「えっ?今のは・・・?」
ジオウにナスカ・ドーパントの剣が当たる直前、ナスカ・ドーパントに突然ダメージが襲い掛かってきた。そのダメージは青い残像によって与えられていたことに気付いたのは、ジオウから離れた後だった。
「誰だっ!?」
「あれは・・・・・・ジクウドライバー!?」
「今度はひらがなですか・・・。」
青色の残像は姿をはっきりと見せて、ジオウたちを見た。その姿は青色の装甲で羽根みたいなのが付いた、顔に『らいだー』と付けたジクウドライバーのライダーであった。
「誰だか知らないが・・・・・・はぁ!!」
「・・・・・・。」
「パワードタイム!」
ナスカ・ドーパントは再び光弾を作り出し、突然現れたライダーに放った。
「蒼空!・・・・・・えっ!?」
「・・・・・・。」
「リ・バ・イ・ブ 剛烈~!剛烈!」
「何っ!?」
「姿が・・・!?」
「ってか、あの羽根の形が変わっただけだろ!?」
「・・・・・・っ!?このライダー、まさか・・・!?」
「どうやら、立て直した方がよさそうだな・・・。」
「あ、ちょっと!!・・・・・・あぁ、もう!逃げたよ・・・。」
ナスカ・ドーパントは、新たに現れたライダーに困惑し、超高速でこの場を去った。
そして、ふらふらと立ち上がり変身を解除した蒼空と夜華。そして、走って蒼空たちの下に行きながら変身を解除するウィズ。その後ろからライダーではない香澄たちもやって来る。いまだに変身を解除していない『らいだー』は蒼空たちの方を・・・・・・というか、蒼空を見ていた。見た目は分からないが。
「蒼空くん、大丈夫!?」
「蒼空さん・・・・・・!」
「大丈夫、だけど・・・・・・。」
「主様、どうされましたか?」
蒼空の意識は、先程のバグスターやナスカ・ドーパントではなく、目の前の『らいだー』にしか向いていなかった。
「お前・・・・・・海璃なのか?」
「えっ?」
「海璃・・・・・・って、ちょままっ!?マジかっ!?」
「そんな、美剣さんが・・・!?」
「・・・・・・確かに、この魔王因子の気配は海璃様の気配と同じ。」
「ほんと、なんですか・・・・・・?」
「・・・・・・さすがだね。」
ようやく喋った『らいだー』はドライバーからウォッチを外し、変身を解除して姿を見せた。
「はぁ・・・!」
「マジかよ・・・・・・。」
「・・・・・・っ!」
「本当に・・・・・・!」
「さすがは、魔王様だね。・・・・・・蒼空。」
「海璃・・・。」
その姿は、旧世界で魔王となった蒼空に告白して、答えが聞けずに新世界に変わってしまった『美剣海璃』だった。
「やっほ~♪」