BanG Dream ~Be the one~   作:ENDLICHERI

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「魔王でありながら、仮面ライダーに変身する桐生蒼空は怪物が存在しない新世界を創った。だが、そんな新世界に次元の狭間から怪物が現れていた。再びライダーとして戦っているが、ある時、蒼空とリサは別世界に飛ばされてしまった。」

「まさか別世界で主様が新しいフォームを手に入れるとは・・・!」

「え、なんで悔しそうにしてんだよ?」

「主様が新しいフォームを手に入れた時、それを祝うのがわたくしの役目です。その出番が無くなるなんて・・・・・・わたくし、もういらない娘?」

「可愛く言わないの。もうとっとと本編行っちゃって。」

「もういらない娘?」

「やかましいわ。」







第8話 ジャグラス・ジャグラー

 

 

 

 

 

 蒼空から『ビルドドライバー』とボトル2本とトリガーを奪ったこの世界の今井リサの妹は、デートにピッタリな公園を歩いていた。

 

 

「これがあれば、俺がこの世界を守れる・・・!」

 

「紫閻く~ん!」

 

「彩!ごめん、お待たせ。待ったか?」

 

「ううん、大丈夫だよ。」

 

「それじゃ行こっか?」

 

 

妹さんはこちらの世界の丸山彩と合流し、公園を歩いていく。

 

 

「紫閻くん、まだ女の子なの?」

 

「作者をいい加減──(規制音)ないといけないな~?」

 

「紫閻くん、怖いよ・・・?」

 

「大丈夫、この殺意は作者だけだから。」

 

 

そんな若干恐ろしいことを言いながら歩いていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな2人を木陰から見ている黒スーツの男が1人。前回、ジオウたち対リボルの戦いを見ていた男だった。

 

 

「・・・・・・。」

 

「ジャグラスジャグラー、状況はどうだ?」

 

「・・・・・・今のとこ、予定通り。」

 

「そうか。・・・・・・あの男は?」

 

「あの男・・・・・・は、この世界で一番能力が高い者です。」

 

「ほぉ。なら、あいつを器にすることにしよう。」

 

「・・・・・・あぁ。」

 

 

後からやって来たもう1人のスーツの男と、何やら不気味な会話をしていた。

 

 

 

 

 

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 いない・・・。ったく、さっきのリサ妹、どこ行きやがった・・・!

 

 

「・・・・・・っで、なんで俺たちは羽沢珈琲店(ここ)に来てるんだ?」

 

「まぁまぁ、情報収集ってことで、ね♪」

 

「はぁ・・・。コーヒー美味しい。」

 

「やっぱり、この辺は変わらないんだね~?」

 

「エボルトのコーヒーより断然美味しい!」

 

「それはそうでしょ・・・。」

 

 

あれ?なんで飽きられてる・・・?

 

 

「・・・・・・とりあえず、『なんでこの世界にバグスターがいるのか?』ってとこだが、正直それは分かんないんだよな・・・。」

 

「えっ、蒼空でも分かんないんだ・・・?」

 

「あぁ。でも、この世界には必ずバグスターを操ってる黒幕がいるはずだ。」

 

「そっか・・・。でも、どこに現れるんだろう?」

 

「・・・・・・ヒントは、お前の妹だろうな?」

 

「えっ?・・・・・・あ、そっか!」

 

「そう、あいつはバグスターが現れる度にその近くにいた。」

 

 

俺たちはこの世界に来てからの事を思い出した。

 

 

「確かに、1回目はあの娘の近くにいた男の子。2回目はあの娘自身。でも、あの娘が狙いなら、あの娘に感染させないよね?」

 

「バグスターは感染者にストレスを与えて、感染者を消滅させつつ完全体になる。リサ妹のストレスは分からないが・・・。」

 

「・・・・・・あ、あの男の子は知ってるよ。なんでも、『仮面ライダーに会いたかった』って。もしかして、蒼空の事を知ってる子なのかな?」

 

「いや、この世界のライダーならお前の妹だろ?」

 

「えっ!?あの娘、仮面ライダーだったの!?」

 

「ほら。」

 

 

俺はこの珈琲店に来る前に見つけたチラシをリサ──じゃなくて、今はユキか。まぁ、リサでもいいけど。チラシをリサに見せた。

 

 

「・・・・・・仮面ライダー役なんだ。って、男じゃん!・・・・・・そういえば、言ってたね。『俺は男だ』とか?」

 

「そう。『今井(いまい)紫閻(しえん)』、それがあいつの名前だ。」

 

「そっか、仮面ライダー役の紫閻に会えると思っていったら──」

 

「偶然にも俺たちが出てきてしまい、標的を俺たちに変えたんだろうな。」

 

 

そんな時だった。

 

 

「いらっしゃいませ~。あ、リサ先輩。」

 

「こんにちは、つぐみ。空いてる?」

 

「どうぞ~。」

 

 

 

「ぶふっ!?」

 

「ちょっ、蒼空!何してるの!?」

 

「いや、だって・・・!」

 

「あ、あの・・・!アタシだって驚いたよ!

 

だって、このタイミングでこっちのリサが来るとは思わないだろ・・・!?

 

 

まさかのこの世界のリサがやって来てしまった・・・!おかげで口に含んだコーヒー吹いちゃったよ・・・・・・。

 

 

「今日は、紫閻(しえん)くんとは一緒じゃないんですか?」

 

「今日は彩とデートなんだって。アタシモ行ケバ良カッタカナ?

 

「あ、あはは・・・。コーヒーです・・・・・・。」

 

 

 

「・・・・・・行くぞ。」

 

「う、うん・・・。」

 

 

俺たちは会計を済ませて、そそくさと店を出た。

 

 

「・・・・・・怖かったな、お前。」

 

「ちょっと、アタシとは思えなかった・・・。」

 

「お前、ヤンデレとか言うのに絶対なんなよ。」

 

「ならないって!!とりあえず、紫閻くんだっけ?妹・・・・・・じゃない、弟の名前。」

 

「あぁ。紫閻を探して、俺のビルドドライバーを取り戻す。」

 

「それに、彼の近くにいれば、バグスターの行動も分かるんでしょ?」

 

「多分な。」

 

 

この世界のリサが言っていた、紫閻のいるデートスポットを探すか。

 

 

「・・・・・・ところで、デートスポットってどこだ?」

 

「はぁ・・・、ほんとそういうのに疎いんだね・・・・・・。」

 

「教えてあげましょう。」

 

「「うん?・・・・・・誰?」」

 

 

突然蒼空たちの後ろに黒スーツの怪しい男が現れた。

 

 

「そこの道を左に曲がって、しばらく真っ直ぐ進んだ所にデートにピッタリな公園がある。だが気を付けた方がいい。そこには、怪しい人がうろついているらしい。・・・・・・おっと、人かどうか怪しい、って噂もあったな~?」

 

「・・・・・・リサ、急ぐぞ。」

 

「うん・・・!」

 

 

そのスーツの男の話を聞いて、嫌な予感がした俺は、リサと共にその公園に走り出した。

 

 

 

 

 

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 蒼空と別世界のリサが探している紫閻は、まだ公園を彩と歩いていた。

 

 

「あ、こんなとこに売店が出来たんだ~!」

 

「ほんとだ。寄ってみよっか?」

 

「うん!」

 

 

そんな2人の前に、スーツの男が立ちはだかった。

 

 

「こんにちは。」

 

「こ、こんにちは・・・。」

 

「こんにちは・・・。もしかして、バレちゃったかな・・・?」

 

「ニヤニヤしないの。」

 

「今井紫閻さん、君に用がありましてね。まずは・・・・・・。」

 

 

そのスーツの男は、紫色のアイテムを手に持ち、それに付いている銃口(?)を彩に向けた。

 

 

「君には()()に感染してもらいましょう。」

 

「えっ?うっ・・・頭が・・・!?」

 

「彩!?お前、何をした・・・!?」

 

「簡単なことですよ。彼女にはバグスターウィルスに感染してもらっただけなので。」

 

「なんだと・・・!?お前だけは、絶対に許さない・・・!」

 

 

彩の身体がバグスターウィルスに感染してしまった。それを見た紫閻は、蒼空から奪ったビルドドライバーを取り出し、腰に巻いた。

 

 

「うっ!?うわぁあああ!!」

 

「彩っ!!」

 

 

ドライバーを巻いた瞬間、彩が苦しみだし、彩から飛び出したバグスターウィルスが1体のバグスターに成った。

 

 

「己が名はカイデン、位は四十段なり。」

 

 

「彩は、俺が守る・・・!」

「X ユナイト オン!」

「ギンガ!」「オーブ!」「スーパーベストマッチ!」

「ガタガタゴットン!ズッタンズタン!」

「Are You Ready?」

「変身!」

 

 

本来なら、ドライバーからトリガーの力を含めたボトルの成分が現れ、変身者の前後に現れるのだが、それも現れず、紫閻の身体に電流が走っただけだった。

 

 

「・・・・・・っ!?ぐわぁあああ!?な、なんで・・・!?」

 

「そりゃあ、お前はネビュラガスを浴びてねぇからな!」

 

「っ・・・・・・!?」

 

 

紫閻は後ろから聞こえてきた声の主を見ると、そこには走ってきた蒼空とリサ・・・・・・だけど今はユキがいた。

 

 

はぁ・・・、はぁ・・・、やっと見つけた・・・!」

「シグナルバイク!」「ライダー!」

「変身・・・!」

「マッハ!」

「行くよ!」

 

 

ユキはマッハに変身して、カイデンに挑む。

 

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「ジオウⅡ!」

「変身。」

「『ライダータイム!』」

「ジオウ!」『ジオウ!』「『ジオウⅡ』」

 

 

蒼空も、『仮面ライダージオウⅡ』に変身した。

 

 

「また、お前・・・!」

 

「・・・・・・よっと。」

 

「っ、返せ・・・!」

 

 

ジオウは紫閻たちの下に行き、落ちていたビルドドライバー一式を回収した。

 

 

「前に言ったろ?『勇気と無謀は違う』って。」

 

「そんなの、分かってるさ・・・!」

 

「いいや、分かってない。『自分も大切にしながら、大事な人を守れ』って話。こんなの使おうとする暇があるなら、今出来ることだけをやれ。」

 

「・・・・・・っ!」

 

「それが分からない訳ないだろ?・・・・・・さて。」

「ジカンギレード!」「ジュウ!」

「フィニッシュタイム!」

 

 

ジオウは紫閻にそう問いかけると、『ダブルウォッチ』をジュウモードのジカンギレードにセットした。

 

 

「ふっ!」

「ダブル・スレスレシューティング!」

 

「っ、危なっ!!」

 

「っ、ぐっ・・・!」

 

 

ジュウから放たれた風の弾丸は、カイデンバグスターにのみ当たった。

 

 

「ユキ、頼む。」

 

「オッケ~!・・・・・・経験者は語る、ね~?」

 

「なんだよ?」

 

「別に~。」

「ズーット マッハ!」

 

 

マッハは紫閻と彩を連れてこの場から離れた。

 

 

「・・・・・・さて、待たせたな。」

 

「ほんとだよ~。」

 

「うおっ!?・・・・・・誰だ・・・!?」

 

「へぇ~、案外普通なんだな?」

 

 

カイデンたちの方を向いたジオウだったが、突然肩に顔を置いた怪人に驚いてしまい、後退った。だが、問題はその怪人の手に持っている物だった。右手には日本刀、左手には見慣れた物が・・・・・・。

 

 

「・・・・・・あっ、ビルドドライバー返せ!」

 

「おっと。悪いな、これを返す訳にはいかないんだよな~?」

 

「よくやった、『ジャグラス・ジャグラー』。」

 

「『ジャグラス・ジャグラー』・・・・・・?」

 

「そう、それが俺の名前だ。よろしくな、魔王。」

 

 

不敵に笑う黒い怪人『ジャグラス・ジャグラー』はビルドドライバーを見せつけながらジオウを挑発しているようだった。

 

 

「テメェ・・・!」

 

 

ジオウは2本の剣を手に持ち、遊びのように攻撃を仕掛けてくるジャグラーと、殺意満載のカイデンバグスターと戦い始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、感染者の彩とビルドドライバーで負傷した紫閻を高速移動で安全な場所へ連れてきたマッハ。

 

 

「・・・・・・ここなら、大丈夫かな?」

 

 

安全な場所で膝をついて、2人を下ろしたマッハ。

 

 

「彩、大丈夫?」

 

「う、うん・・・。」

 

「なんで、彩の名前を・・・?」

 

「それより!何をしたのか分かってるの!?」

 

「っ!?」

 

 

彩の安全を確認出来たマッハは、すぐさま紫閻の方を向いて、説教を始めた。仮面ライダーとしてではなく、1人の姉として。別の世界だとしても、『リサの弟』ということに変わりないのだから。そんな思いが、リサのお節介を発動させていた。

 

 

「いい?助けたい人を助けても、自分が助からなかったら、その人は安全になっても心は・・・・・・。」

 

「っ・・・・・・。」

 

「これからは、人を助ける時もそれ以外の時でも、自分が出来ることをしなさい!今は、彩の側にいる事!いい?」

 

「・・・・・・でも──」

 

「い・い・ね!?」

 

「・・・・・・分かった・・・。」

 

「それで良し!それじゃあ、またね!」

 

 

マッハは立ち上がり、ジオウたちがいる場所へ向かった。

 

 

「・・・・・・なんで、あの人の言う事には逆らえないのだろうか・・・?」

 

 

紫閻は、マッハの言動に凄く疑問を覚えた・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほぉら!」

 

「ぐっ・・・!?」

 

「隙あり!」

 

「ぐはっ!」

 

 

 ジオウは2本の剣を持っていても、2人の剣豪相手には劣勢を強いられてしまう。

 

 

「さすがにあんな奴2人が相手だと、厳しいな・・・。」

 

 

仮面の下で苦い顔をしたジオウは、シエルの提案で2つのウォッチを取り出した。

 

 

「だったらこれで!」

「ジオウ!」「グランドジオウ!」

 

 

ジオウは白いウォッチと金色のウォッチをドライバーにセットすると、すぐさまドライバーを回転させた。

 

 

「グランドタイム!」

『祝え!』「仮面ライダー グランドジオウ!」

「そして、これだ!」

「ブレイド!」「電王!」「鎧武!」

 

 

グランドジオウとなり、3人のライダーを召喚した。その3人は出てきてすぐにジャグラス・ジャグラーを攻撃し始めた。

 

 

「おいおい、俺には手下共で対応すんのかよ?」

 

「後で相手してやるよ。」

 

 

そんなジオウは『サイキョージカンギレード』を手に取り、カイデンに挑む。

 

 

「姿が変わろうと、己が剣を防ぎきれるものか!?」

 

「うっさい!!」

 

「ぐはぁ!!」

 

 

大剣が相手なら余裕と思っていたカイデンはさっさと倒そうとしたが、ジオウの『サイキョージカンギレード』の前にあっけなく反撃されてしまった。

 

 

「一気に決める!」

「サイキョーフィニッシュタイム!」

 

「ぐっ・・・・・・何っ!?」

 

「キング ギリギリスラッシュ!」

「はぁあああ!!」

 

「ぐわっ!?こんなとこでーーー!?」

 

 

『サイキョージカンギレード』を構えなおし、その必殺技を発動させる。立ち上がったカイデンがジオウを確認した時には、ジオウの剣は光のエネルギーと『ジオウサイキョウ』を纏っていた。ジオウはそのままカイデンを斬り裂いた。そんなカイデンは爆発し消滅した。

 

 

「ふぅ~。」

 

『ぐわぁあああ!!』

 

「・・・・・・っ!?」

 

「よぉ~、終わったか~?」

 

 

叫び声が聞こえた方を見たジオウは、その光景に驚いた。召喚したライダーたちがジャグラス・ジャグラーにやられてしまったのだ。

 

 

「こいつ・・・!」

 

「さぁて、遊ぼうぜ~?魔王さんよぉ~。」

 

「・・・・・・はぁ!!」

 

「ふっ!遅いな~。」

 

「何っ!?」

 

「はぁ!」

 

「ぐわっ!」

 

 

大剣を持ってジャグラス・ジャグラーに挑んだジオウだったが、身軽に攻撃をかわされ、日本刀で攻撃してくるジャグラーには一歩及ばなかった。

 

 

「これで、終わりだ。」

 

「くっ・・・!」

 

「邪心剣・抜刀斬!」

 

「ぐぁあああ!!」

 

 

そして、ジャグラーの強力な一撃を受けたジオウは強制的に変身解除されてしまう。

 

 

「ぐっ・・・!?」

 

「はっはっは~!案外楽しかったぜ~、お前さんとの戦いは。」

 

「ジャグラス・ジャグラー、早くやれ。」

 

「・・・・・・はいよ。」

 

 

ジャグラーは蒼空の襟を掴んで体を持ち上げた。

 

 

「ぐっ、何する・・・!?」

 

「さぁて、実験を始めようか~?」

 

「ライドウォッチ・・・!?」

 

 

ジャグラーの手にはブランクライドウォッチがあり、そのウォッチは蒼空のジクウドライバーにセットされた。

 

 

「・・・・・・っ!ぐっ・・・!?ぐわぁあああ!!」

 

 

蒼空のドライバーにセットされたライドウォッチから、とてつもないぐらいのエネルギーが蒼空に流れてきた。

 

 

「な、何を・・・・・・ぐあああ!!」

 

「そのライドウォッチには、あちこちから集めた魔王因子が入っている。そして、その量はとてつもないんだから、そんなのを体内に入ったら・・・・・・命は無いな~?」

 

「蒼空!!」

 

「あ~ん?」

 

 

蒼空が体内に入り込んだ大量の魔王因子に苦しんでいる中、マッハが走って戻ってきた。

 

 

「邪魔しないでくれよ~。」

 

「はぁ──ぐっ!?な、何・・・!?」

 

 

ジャグラーの剣が地面に刺さった時、マッハの身体は重力で押しつぶされてしまった。

 

 

「・・・・・・さて、これでお前さんの思い通りに──」

 

「ふざ、けんな・・・!」

 

「──あぁ?」

 

 

苦しみながらも反抗の意を言葉にした蒼空に、ジャグラーは顔を向けた。

 

 

「この遺伝子は・・・・・・俺の物だ・・・!俺の物に、支配されるわけないだろ・・・!俺が、全てを支配するんだ・・・・・・俺の思い描く世界に・・・!」

 

「最期に聞いてやるよ。お前さんの望む世界はなんだ?」

 

「・・・・・・へっ、愛と平和に、満ち溢れた世界だよ・・・!だから、こんなのだって・・・・・・支配してやるさ・・・!うおおおおお!!

 

 

蒼空は力を振り絞り、身体に入った魔王因子を支配しようとする。その結果・・・・・・

 

 

「だぁあああ!!」

 

「・・・・・・っ、何っ!?」

 

 

蒼空のドライバーにセットされていたブランクライドウォッチが飛び出して、金と黒のライドウォッチへと変わった。

 

 

「ふっ!・・・・・・っ!」

 

「ジャグラス・ジャグラー、どういう事だ!?」

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

「・・・・・・なら、このウォッチで!」

「オーマジオウ!」

「変身!!」

「キングタイム!仮面ライダージオウ オーマ!」

 

 

蒼空は金色の身体に、背中に時計の針を2本付けて、顔に『ライダー』と『ジオウライドウォッチ』を付けた、『仮面ライダージオウ オーマフォーム』へと変身した。

 

 

「くっ・・・・・・ジャグラス・ジャグラー!何とかしろ!!」

 

「はいはい。さぁ、俺と遊ぼうぜ~?」

 

 

剣を地面から抜いて、その刃をジオウに向けたが、

 

 

「はぁ──な、何だ・・・!?身体が、動かない・・・!?」

 

「お前と遊んでいる暇はない。どけ。」

 

「ぐわぁあああ!!」

 

 

ジオウは手をかざしただけで、ジャグラーの身体を宙に浮かせ、吹き飛ばした。それと同時に、そのかざした手にはビルドドライバーが握られていた。

 

 

「だが、これは返してもらう。」

 

「・・・・・・ぐっ!?」

 

「次は、お前だ。」

 

「ふざけるな!!」

 

 

ウィルスが入っているアイテムを持つスーツの男は、周囲にウィルスを撒き、無数のバグスターを呼び出した。当の本人は、すぐにその場から逃げたが。

 

 だが、ジオウは冷静に『サイキョージカンギレード』を取り出し、力を込めた。

 

 

「無駄だ。」

「サイキョーフィニッシュタイム!」

「ふっ。」

「キング ギリギリスラッシュ!」

 

 

剣を一振りしただけで、バグスターを全て倒した。

 

 

「蒼空!大丈夫?」

 

「あぁ、どうって事は──ぐっ!?」

 

「っ、蒼空!?」

 

 

突然苦しみだし、変身が解除されて、倒れる蒼空。それを心配して、変身を解きながら蒼空へ駆け寄るリサ・・・・・・じゃない、ユキ。

 

 

「蒼空?・・・・・・蒼空!?」

 

「ちょっと待て。」

 

「えっ?・・・・・・って、あなたは・・・!?」

 

 

ユキに声をかけたのは、先程蒼空に吹き飛ばされたジャグラーだった。

 

 

「何の用!?」

 

「・・・・・・安心しろ、ただの過労だ。大事を考えて、一度俺のアジトへ来い。」

 

「・・・・・・なんのつもり・・・?」

 

「なぁに、ただの人助けだ。ついてこい。」

 

 

ジャグラーは蒼空を担いで歩き始めた。ユキも、ジャグラーについていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
 
 タイトル通り、ジャグジャグさんのご登場~。そして、ジャグジャグのせいで『オーマフォーム』も登場~。

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