特殊な男(モブ)達の現代戦車道   作:金剛時雨

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金剛「はい!第39話です!」

優斗「今回はどんな話だ?」

金剛「ちょっと優斗の過去に触れます」

優斗「やっとな気がするな」

金剛「まぁね、ここまで長かった」

優斗「おーい、まだ終わってないぞ?」

金剛「わかってるさ、じゃあ本編……………」

2人『どうぞ!!』


第39話 悪夢

あれ?

 

ここどこ?

 

あっ優斗です

 

今俺はどこかの列車の中にいます

 

確か最後の記憶がベットで寝た所だから

 

ここは夢の中かな?

 

でもここ見覚えがある気がする

 

外の景色は吹雪ほとんど見えていない

 

ふと座席に何かが見えた

 

人だろうか?

 

俺はとにかく事情を聞こうと思い近づく

 

 

「すみません、ここは、どこ………で………………す?」

 

?「ん?ああここはシベリア鉄道のモスクワ行きだよ」

 

「あ、あなたは!?」

 

?「??私は君とどこかで会ったのかな?」

 

「い、いえ、人違いのようです、失礼しました」

 

 

なんで?

 

なんで父さんが?

 

おかしい

 

夢の中なのはわかる

 

そしてここはシベリア鉄道の車内

 

あの事件の時か?

 

でも父さんは俺に気付いていない?

 

夢の中だからか?

 

 

少年「お父さん!お兄ちゃん達が呼んでいたよ?」

 

父「そうか!1人で呼びに来てくれたのかい?」

 

少年「うん!そうだよ!」

 

 

なっ!?

 

大地!?

 

いや、小学生の時のか?

 

てことは………………

 

 

父「初めての海外旅行だけど大地はしっかりしているな」

 

大地「だってお父さんもお母さんもお兄ちゃんもいるから平気だよ!」

 

父「そうか!そうか!」

 

 

・・・・・

 

………………父さん

 

すると奥から数発の銃声が聞こえた

 

 

「ッ!?」

 

父「何だ?今の?銃声か?」

 

大地「お父さん?」

 

父「少し待っていなさい」

 

 

すると父は列車の扉に近づこうとしたら

 

先に扉が開き黒いマスクをつけた男が2人入ってきた

 

そいつらの手には小銃が握られている

 

 

父「なんだね!?君達は?」

 

男「うるさい!さっさと席に座れ!さもなくば殺すぞ!」

 

大地「お父さん!?」

 

父「くっ、わ、わかった」

 

 

父さんは席に座ろうとした時奥からさらに銃声が聞こえた

 

確か、この時は………………

 

 

男「なんだ?どうした!?」

 

男2「そんなことわかるわけないだろう!?」

 

男「クソッおい!そこのガキをよこせ!」

 

父「なっ!?子どもは関係ないだろう!?」

 

男「うるさい!撃ち殺されたいか!」

 

大地「お父さんをいじめるな!」

 

父「大地!?」

 

 

男が腕を振り上げ父さんを殴ろうとした所に

 

急に大地が男の足にしがみつく

 

だが男の方が当然、力があるので蹴り飛ばされる

 

 

男「てめぇこのクソガキが!」

 

父「大地!」

 

 

銃声が鳴り響き赤い液体が舞った

 

それは大地の血ではなく

 

父さんの血だった

 

父さんは大地を庇って撃たれた

 

痛みで呻いているのか

 

すごく苦しそうだ

 

助けたい!

 

でもさっきは見えていたはずなのに

 

聞こえていたはずなのに

 

なんで?

 

何で今は声をかけれないんだ!?

 

何で誰も気づかないんだ!?

 

夢だから?

 

夢だからなのか!?

 

 

大地「お父さん?ねぇ!お父さん!」

 

父「だい、じょう、ぶだから、目をつぶって落ち着くんだ」

 

男2「おい!人質には撃つなってリーダーが言ってたじゃねぇか!」

 

男「だってこのガキがウザいから………………」

 

 

突然扉が開く

 

男達は振り返る

 

そこには男達と同じマスクをした男だった

 

 

男「リーダー?どうかしましたか?」

 

リーダー「・・・・・」

 

男「リーダー?………………え?」

 

 

男は頭に風穴を開けて倒れる

 

だがリーダーの腕は下がったままだ

 

もう1人の男が銃を構えながら叫んでいた

 

 

男2「リーダー!あんた何したかわかってるのか?」

 

リーダー「・・・・・」

 

男2「答えろ!」

 

 

だがリーダーは答えない

 

それはそうだ

 

確かこの時既にリーダーは死んでいたはずだから

 

次の瞬間ナニかがリーダーの陰から出てきて最後の男の額に風穴を開けた

 

そのナニかとは俺自身だ

 

 

優斗「はぁ、はぁ、はぁ」

 

父「ゆ、優斗」

 

優斗「お父さん!?血が、早く治さないと!」

 

父「優斗、よく聞きなさい!」

 

優斗「な、何?」

 

父「いいか、お母さんの言う事しっかり守るんだぞ?」

 

優斗「お、お父さん?」

 

父「大地の事、頼んだぞ?」

 

優斗「それってどういう意味?」

 

父「優斗、すまない………………」

 

優斗「ねぇ?起きてよ?さっきの意味どういう事?ねぇ?ねぇってば!」

 

 

過去の俺はひたすら父さんを揺するが起きる気配がない

 

息もしてないのだ

 

死んでる以外に他はない

 

 

大地「なんでもっと早く助けに来なかったの?

 

「え?」

 

優斗「もっと早くあいつらを殺せればお父さんを助けれたかもしれないのに

 

「違う!俺は人なんて殺したくなかった!」

 

優斗「本当に?

 

「は?」

 

優斗「お母さんを撃ったあいつらが憎い、お父さんを殺したこいつらが憎い、お父さんを殺す原因になった大地が憎い

 

「俺は大地を憎いなんて思ってない!」

 

優斗「嘘だ!

 

「嘘じゃない!」

 

優斗「じゃあなんであいつがみほといる時の目は憎しみが籠ってるんだ?

 

「そんなことしてない!」

 

優斗「挙句の果て、罪を忘れて学生生活を満喫しているんだ?

 

「忘れてない!」

 

優斗「忘れてるよ?だから人を好きになったんでしょ?

 

「うるさい!黙れ!

 

 

俺は()()()()()銃で過去の俺の頭を撃ち抜いた

 

過去の俺は後ろにのけぞり倒れる

 

だけど頭に穴が開いたまま立ち上がり俺を見つめる

 

その瞳は生気は感じられない

 

真っ黒でドロドロした目だ

 

 

優斗「次は誰を殺すの?

 

 


 

 

「はぁ!………………え?ここは、ベットの上?」

 

 

目を覚ますとそこは実家のベットの上だった

 

夢とわかっていながら何やってたんだろ俺

 

ふと机の上に置いてある写真立てに目が入る

 

そこには峰川家の家族全員の写真が入っている

 

丁度ロシアに行く前に家の前で撮った写真だ

 

 

「はぁ、はぁ、俺はまだあそこにいるのかな?父さん」

 

大地「兄さん?どうしたの?汗だくだよ?」

 

「いや、ちょっと怖い夢を見てな」

 

大地「そう?朝食出来ているからってさっきあの人が言っていたよ」

 

「………………ああ、わかった行くよ」

 

大地「じゃあ、俺はもう出るね」

 

「また友人の家か?」

 

大地「いや、友人も今日中には学園艦に戻るから俺も先に戻るよ」

 

「そうか、じゃあな」

 

 

大地が俺の部屋から離れると

 

手を顔に当てる

 

俺は大地を憎んでなんかない

 

大地にはみほと幸せになってほしい

 

なのに何故だろう?

 

そう思うたびに一瞬くるこの気持ちは?

 

あいつがまだ真実を教えてないから?

 

最初は俺もすぐ教えようと思ったけど

 

なかなか言い出せなくて夏休みも終わりを迎えようとしていた

 

次はいつ教える機会が来るだろうか?

 

それとも大地自身から聞いてくるだろうか?

 

 

優斗「次は誰を殺すの?

 

「誰も殺さない、もう誰も殺さないし殺させない」

 

 

たとえ自分の心に蓋をしてでも!

 

俺は最低限の用意をする

 

俺もそろそろ学園艦に戻らないといけないからだ

 

その後軽くシャワーを浴びて

 

朝食を取った

 

最後に母さんに会いに行く

 

 

「母さん」

 

母「あら?もう行くの?」

 

「うん、最後に父さんに会ってから行こうと思う」

 

母「そう、行ってらっしゃい」

 

「行ってきます!」

 

 

俺は家を出ると墓地に向かう

 

峰川家の墓の前までくると

 

手を合わせる

 

ほんとは掃除とかしないといけないけど

 

時間がない

 

父さん、ごめん

 

 

「俺は………………普通の人間だよな?」

 

 

誰もいないのに俺は思わず質問してしまった

 

ただ、誰かが返事をしてくれる気がしたからだ

 

俺は墓をもう1度見てから学園艦に向かった

 

学園艦に着くと乗り込み口に零と情報部に異動した五月雨がいた

 

 

「おっはー」

 

零「………………おはよう」

 

五月雨「おはよう、てか零元気ないな?」

 

零「俺は寒いのが苦手なんだよ」

 

五月雨「そうかい」

 

「みんな今から乗船だろ?」

 

五月雨「ああ、この後情報部の先輩達に呼び出されているんだ」

 

「そうか、零は?」

 

零「寝る」

 

「知ってた」

 

五月雨「じゃあ、俺こっちから行くから」

 

「おう!またな!」

 

 

俺と零はその後一言も話さずにお互いの家に着いてしまった

 

 

「じゃあな」

 

零「ああ」

 

 

架城さん呼んだら目を覚ますかな?

 

それともミカの曲を聞きながら熟睡とか?

 

零ならありえそうだ

 

俺は自分の部屋に荷物を置き

 

ベットに寝そべる

 

正直やることがないのだ

 

だから俺も寝ることにする

 

できれば次に夢を見るなら良い夢をみたいな

 

 

 

 

 




金剛「はい、以上です!」

優斗「割とシリアスだな?」

金剛「個人的にはもっとシリアスみたいなの書きたいんだけどね」

零「何の話だ?」

五月雨「さぁ?」

優斗「気にするな!」

零「あっはい」

金剛「では早いですが次回予告です」

五月雨「次回!」

零「第40話!」

優斗「『黒森峰戦車道、敗北』です!」

五月雨「やっと原作に少し入ったか」

優斗「ほんとな」

零「じゃあな!!」

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