特殊な男(モブ)達の現代戦車道   作:金剛時雨

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金剛「やぁやぁ40話だよ!」

優斗「まだ?本編」

金剛「もうしばらくお待ちください」

優斗「まぁ今回は原作に少しは入ってるしいいか」

金剛「そうそう!まぁ多少は改変してるけどね」

優斗「今回のシリアス度は?」

金剛「8割くらい?」

優斗「意外とあるな」

金剛「零君の出番少ないからね」

優斗「じゃあそろそろ本編へ」

2人『どうぞ!!』


第40話 黒森峰戦車道、敗北

やぁ、優斗だ

 

俺達は今、戦車道決勝戦黒森峰対プラウダ戦を観客席から見ていた

 

1年生達が暴れている大地を押さえつけている

 

モニターには白旗を上げた黒森峰のフラッグ車

 

つまり黒森峰は今回の戦車道大会でプラウダに負けた

 

しかもそのフラッグ車の車長はみほで

 

彼女は反乱した川に落ちた黒森峰の戦車の乗員を助けに行っていた

 

その結果、プラウダに負けた

 

撃ったやつはおそらくカチューシャだな

 

俺は思わず零を見る

 

零も見られてる事に気付いてこちらを見る

 

 

「なぁ零、これは夢か?」

 

零「いや、現実だ」

 

大地「なんだよ!あんなの卑怯だろ!?」

 

1年生「いいから落ち着け!」

 

「大地」

 

大地「あれはプラウダ側悪いはずだろ?違うの?兄さん!」

 

「あれは………………」

 

大地「………………兄さん?」

 

「あれは………………フラッグ車を捨てたみほが悪い」

 

大地「え?な、なんでだよ?」

 

「あそこに逃げ込んだみほが悪いし、落ちた戦車の子達も運がなかった」

 

大地「運がなかったってそんな問題かよ!」

 

「ああ、おかげでプラウダは不意を突き黒森峰を下した」

 

大地「だから!あれは………………「卑怯じゃない!!」………………ッ!?」

 

「あれは卑怯じゃない!敵に仕留める隙を作ったみほが悪いんだ!」

 

大地「わからない、そんなの理解できるわけないだろ!?」

 

 

俺は突然頭が揺れた

 

頬に痛みが走る

 

視界に大地が困惑と憎悪の目で俺を見ている

 

周りは驚愕の顔で俺を見ている

 

俺は大地に殴られた

 

モニターを見ていたから大地の行動に気付けなかった

 

 

1年生「隊長!?」

 

零「優斗!」

 

2年生「おい!峰川副隊長を取り押さえろ!」

 

大地「離せ!」

 

1年生「いいから!落ち着けって!」

 

零「大丈夫か?」

 

「・・・・・」

 

零「優斗?」

 

「大丈夫だ、問題ない」

 

零「それネタで言ってる?」

 

「………………本気で言ってる」

 

零「あっはい」

 

黒森峰生徒一同(シリアスってなんだっけ?)

 

 

1年生に押さえつけられた大地を見ながら考える

 

意外と大丈夫じゃないな

 

口の中が血で一杯になってきた

 

吐いてみるが血が滝のように出てきた

 

周りは引いているが気にしない

 

それどころじゃないし

 

 

「零」

 

零「なんだ?」

 

「1番良い薬をくれ」

 

零「病院行けば?」

 

「辛辣」

 

零「とにかく医務室行けば?」

 

「そうする、零みんなをまとめといて」

 

零「めんどくさい」

 

「よろしく」

 

大地「兄さん」

 

「………………なんだ?」

 

大地「俺は間違ったことを言った覚えはないから」

 

1年生「なっ!?」

 

2年生「副隊長!殴っておいてそれはないだろ!」

 

「そうか、好きにすればいい」

 

2年生「隊長!?」

 

大地「・・・・・」

 

 

俺はその場を離れ医務室へ向かう

 

部屋に入ると先ほど川に落ちた子達がいた

 

そこにみほもいた

 

 

みほ「あっ峰川隊長」

 

「やぁみほさん、他の子達も大丈夫かい?」

 

みほ「はい、車長の子だけ一時的に気を失ってて、それより峰川隊長の方こそどうされたんですか?」

 

「ッ!?あ、ああこれか?さっきちょっとそこでぶつけてね」

 

みほ「大丈夫なんですか!?すごい血が出てますけど……………」

 

「大丈夫だよ、すぐ直るさ、じ、じゃあ俺はこれで」

 

みほ「あっはい、さようなら」

 

 

一見普通に会話できていたがあの瞳は不味いな

 

このままだと彼女は壊れてしまうのではないか?

 

近場の水道で口の中をゆすぎ残っている血を吐き出す

 

 

しほ「本当に大丈夫なんですか?」

 

「……………盗み聞きは褒められたことではないですよ?しほさん」

 

しほ「何のことでしょうか?」

 

「それより、負けましたね?黒森峰

 

しほ「ええ、そうね」

 

「失礼、今の冗談です」

 

しほ「冗談で出していい声音じゃなかったけど?」

 

「お気になさらず、ところでさっきの出来事見てました?」

 

しほ「さっきとは?」

 

「俺と大地のやり取りです」

 

しほ「見てました、だからこうして来たわけですし」

 

「そうですか、母さんは?」

 

しほ「すごい形相でした」

 

「・・・・・」

 

しほ「私と千代で宥めました、大変でしたね」

 

「ご迷惑おかけします」

 

しほ「いいのよ、それよりみほは?」

 

「その前にしほさん、それは家元としてですか?それとも母親としてですか?」

 

しほ「あなたに西住流として話すことはありません」

 

「わかりました、すこし待ってください」

 

 

俺は携帯を出し護衛にこの辺りの人除けをさせる

 

特に西住流と島田流の人間には絶対に近づけさせないようにさせる

 

母親としてなら問題ないが外面は保たせるべきだろう

 

俺はもう一度しほさんの方を向く

 

 

「これでここには誰も来ません」

 

しほ「ありがとう」

 

「それでみほに関してですがマズいですね」

 

しほ「マズいとは?」

 

「黒森峰の10連覇がかかった試合、それに負けたんです、しかも西住流の娘であるみほがです」

 

しほ「確かにそうね」

 

「それにあの子は西住流の戦い方にあってないでしょうしね」

 

しほ「ええ、あの子は優しい子ですから、こうなることはわかっていました」

 

「さらに言えばどちらにせよ、黒森峰は負けていたでしょう戦術的にね」

 

しほ「戦術的に?」

 

「はい、確かに今回に関しては黒森峰は戦略的に勝ってたでしょう、まほの戦略は良かった」

 

しほ「少々気になる点はありましたが、まぁそうですね」

 

「だけど、黒森峰の選手としては負けていたんですよ」

 

しほ「……………そういう事ですか」

 

「彼女達は隊長の指示以外で動こうとしなかったのが敗因です」

 

しほ「でもみほの事だから、自分のせいと?」

 

「おそらく、そこで彼女達はこう思うんですよ『私達はしっかり役目を果たした、逃げ出した副隊長が悪い』とね」

 

しほ「さらに言えば黒森峰のOB達もよくは思わないでしょうね」

 

「まぁ過去の老害共はどうでもいいんですが圧力はかけてくるでしょう」

 

しほ「私は家元としてだとあの子を破門にするでしょう」

 

「でしょうね、俺でもそうします」

 

しほ「でも、その方がいいのかもしれませんね、しかし………………」

 

「しほさん、みほはみほにしかできない戦車道をいずれするでしょう、対価として家族と喧嘩しても」

 

しほ「私は一体どうすればいいのでしょうか?」

 

「それを1人の男子高校生に聞くのはどうかと思いますが1つだけありますよ」

 

しほ「それは?」

 

「あの子を自由にさせればいいんです」

 

しほ「自由に?」

 

「はい、戦車道に縛られない、西住流に縛られないどこか違う場所に」

 

しほ「あの子1人で大丈夫かしら?」

 

「それはなってみないとわかりません、でも……………」

 

しほ「このまま黒森峰に残すよりはマシ、と」

 

「はい」

 

しほ「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

しほ「……………わかりました、検討してみましょう」

 

「ありがとうございます」

 

しほ「いいえ、礼を言いたいのはこちらの方です、ありがとう」

 

 

しほさんは用は済んだとばかりに振り返り離れていった

 

俺はそれを見送りながら背後から来る人に声をかける

 

 

()()は持ってきた?」

 

護衛「はい、ここに」

 

「ありがとう」

 

護衛「しかしよろしいのですか?優斗様」

 

「ん?何が?」

 

護衛「それをお使いになる相手は大地様では?」

 

「大丈夫だって念のためだよ、念のため」

 

護衛「優斗様がそうおっしゃるのならこちらに依存はありません」

 

「気を使ってくれてありがとう」

 

護衛「いえ、それよりもご学友の方々がお待ちです」

 

「わかった」

 

 

俺は護衛を下がらせると廊下を歩きだす

 

多分次の試合で大地は相手を殺す気で行くだろう

 

それじゃあだめだ

 

これは戦争じゃない

 

競技なのだから

 

もし大地が間違いをしようとしたら

 

俺が止めよう

 

……………にしても

 

口の中がさっきから痛いのだけどどうしよう?

 

 

護衛「優斗様」

 

「あれ?さっき別れたはずじゃ?」

 

護衛「それはそれでございます、それよりもこちらを」

 

「これは………………氷嚢?」

 

護衛「はい、それで頬を冷やしてください」

 

「ありがとう」

 

護衛「いえ、では自分はこれで」

 

 

時々思うけど俺の考えてる事って

 

周りの人間に結構漏れてる?

 

・・・・・・

 

まさかな

 

 

 

 

 




真奈美「あらあら~大変ね~」

千代(こっちが1番大変だったわよ)

しほ(全くです)

千代「しかし、よく後書きに入れましたわね?」

しほ「それに作者もいませんし」

真奈美「何でも体調が悪くなったとかで、私が変わってあげたのよ」

2人(あっまさか…………………………)

真奈美「いやぁまさか腹パン一発で消し飛ぶとはおもわなかったわよ!」

2人(やっぱり)

真奈美「じゃあ次回予告行くわよ!」

千代「次回」

しほ「第41話」

真奈美「『絶望・後悔』です!お楽しみに!!」

しほ(作者大丈夫かしら?)

千代(案外しぶとく生きてるかもしれないわね)

しほ(まぁ作者ですしね)

真奈美「じゃあ今から飲みに行くわよ!」

千代・しほ「仕方ないわね」「仕方ないですね」

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