戸山香澄は勇者である   作:悠@ゆー

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2年前から新たな勇者が合流です。


"未来をどうしていくか"これがこの章での重要な事となってきます。




うんめいのいたずら

 

 

神樹内部、勇者部部室--

 

リサに呼ばれ、勇者部一同は部室へと集まっていた。

 

ゆり「リサちゃん、勇者全員集まったよ。で、話って何かな?」

 

リサ「これから戦いも激しくなり、新型もどんどん出てくると思う。」

 

有咲「そういや、新型は何て呼ぶ?新型バーテックス?それとも新型?」

 

有咲は新たに出現したバーテックスの呼称について考えている。

 

ゆり「一括りで新しい奴は全部"新型"で良いんじゃないかな。」

 

ゆりの一言によって、新しいバーテックスが"新型"と決まった。

 

リサ「みんなの頑張りが実を結んで、神樹様の力が少し戻ったんだ。」

 

香澄達はここに飛ばされてから数日、少しだけ領土を奪い返す事に成功し、それによって神樹の力が少しだけ回復したのである。

 

リサ「これで、援軍が呼べるようになった。早速みんなで出迎えようと思って呼んだんだ。」

 

リサはウインクして答えた。

 

香澄「おぉ、遂に別の勇者がここに……楽しみだよ。ねっ、さーや。」

 

沙綾「そうだね、香澄。どんな人達なのかな。」

 

リサ「あははっ。とても不思議な体験をすると思うから深呼吸して。じゃあ、呼ぶよ。」

 

リサがそう言うと、辺りが光で包まれた--

 

 

光が収まり、そこにいた人物は--

 

 

 

 

 

 

 

?「あれ?ここ何処かな。」

 

?「知らない人達が沢山…?あれ?おたえのお姉さん……?」

 

?「私お姉さんはいなかったと思うけど…でも似てる。お姉さんなのかな?」

 

現れた少女はそれぞれたえと沙綾に瓜二つの少女達であった。

 

たえ「私に妹いないと思うけど、でも確かに似てる。妹なのかなー。」

 

たえは自分そっくりの少女をまじまじと見つめた。2人の仕草や話し方を見た有咲が気づく。

 

有咲「こ、これは同一人物…だな…。小学生の頃のたえだろ……。」

 

香澄「じゃあ、もう1人の子は小学生のさーや!?」

 

有咲「だろうな…確か沙綾は小学生の頃、勇者やってたし……。」

 

そう、現れた2人は小学生の頃のたえと沙綾。2年前からこの世界に召喚されたのである。

 

リサ「あれ、おっかしいなー。もう1人呼んだ筈なのに。」

 

リサはたえと沙綾の他にもう1人呼んだのだが、後1人は辺りを見回しても確認出来なかった。すると、再び辺りが光に包まれ、もう1人の少女が召喚された。

 

 

 

 

 

?「うわっ、何だここ!?瞬間移動なんて……。」

 

現れた少女は辺りが自分のいた場所と違うので若干混乱していたようだった。そこへ小学生のたえと沙綾が近付いてきた。

 

小沙綾「あっ、"夏希"。良かった…はぐれたかと思ったよ。」

 

小たえ「ねぇねぇ"夏希"。何だか凄い事になってるよ。私もう1人の自分に会ったんだよ。」

 

夏希「2人とも数秒で私に差を付けないでよ。分かるように説明して。」

 

夏希の姿を見て、震える人物が2人--

 

中学生の沙綾とたえである。

 

中沙綾「あ…あぁ……あ…。お、おたえ………。」

 

中たえ「うん……夏希………だぁ。」

 

2人は夏希の姿を見て涙ぐんでいた。その時、端末のアラームが鳴り響く。敵が来た事を知らせたのである。

 

ゆり「詳しい自己紹介は後で。敵を退ける事が私達の役目だよ。手伝ってくれる?」

 

中沙綾「こんな時に……でもやらないと。同じ勇者同士、私達と頑張ろ?」

 

ゆりと沙綾が小学生組に説明する。

 

小沙綾「分かりました、手伝います!」

 

そうして勇者達は樹海へと向かったのだった。

 

 

---

 

 

樹海--

 

敵の数は多かったが、3人の勇者が増えた勇者部にとってはこれくらいの数の敵は造作も無かった。

 

夏希「これで、最後だ!」

 

夏希が最後の1体を斧で斬り伏せ敵の気配はひとまず消えた。

 

夏希「ふぅー、これで終わりかな。それにしても、大橋が見えないけどどうなってるのかな?」

 

夏希は辺りを見回すが、大橋どころか橋すら見当たらなかった。

 

香澄「ろくに説明しないまま戦いに来ちゃったもんね。」

 

中沙綾「実はね--」

 

中学生の沙綾が小学生組にこの世界の事やここで課せられた御役目についてを説明した。

 

 

--

 

 

小たえ「成る程…よく分かりました、沙綾先輩。沙綾先輩が言うなら大丈夫。」

 

小学生のたえが中学生の沙綾に言った。

 

中沙綾「沙綾先輩か…。小学生だけど、おたえにそう呼ばれるのはなんか新鮮だな。じゃは私はおたえちゃんって呼ぶね。」

 

小沙綾「じ、時代を超えて…神樹様の中…頭の中がこんがらがってきそう……。」

 

 

小学生沙綾は話の内容に頭が追いつかず若干混乱していた。

 

 

中沙綾「もっと物事を柔軟に考えるんだよ、沙綾ちゃん。大丈夫、周囲には頼れる仲間がいるでしょ。」

 

そんな小学生沙綾を中学生沙綾が励ますという不思議な光景も、この空間ではあり得るのだ。

 

中たえ「こんなに仲間が出来て頼もしいよ。沙綾、安心して戦おう。」

 

中沙綾「そうだね、おたえ。ありがとう。」

 

有咲「どうやらまとまったようだな。やるな、たえ。…小学生だからたえちゃんか。」

 

香澄「有咲のちゃん付けって何だかとっても新鮮。ね、もう一回言って?」

 

有咲「なっ!?う、うるせぇーー!!」

 

香澄は有咲を茶化して、有咲は顔が真っ赤になる。

 

夏希「おっ、敵の第2波が来たみたいです!」

 

夏希が遠くに敵影を見つけ、知らせた。

 

りみ「ほ、本当だ!"新型"も1体来てるよ、お姉ちゃん!前のやつより少し大きい。」

 

りみはレーダーを見てゆりに知らせる。

 

その時、小学生組の3人が1歩前に出てくる。

 

小たえ「沙綾、夏希、ここは私達の連携を見せてあげようよ。」

 

小沙綾「そうだね。先輩達ばかりに戦わせる訳にはきかないしね、夏希!」

 

夏希「もちろん!先輩達は休んでてください!」

 

3人は武器を構えた。

 

有咲「頼もしいな、先輩!」

 

有咲は夏希の背中をポンっと叩いて送り出した。有咲が使っている端末はもともとは夏希が使っていたもの、つまりは夏希は有咲の先輩なのである。

 

ゆり「じゃあ、新型は小学生組に任せて、私達は残りの敵をやっつけようか!」

 

ゆりの号令と共に、8人の勇者は敵に向かって駆け出したのだった。

 

 

--

 

 

"新型"の前にたえ、沙綾、夏希が立ち塞がった。

 

夏希「ここから先は行かせないよ!」

 

そう言いながら夏希が"新型"に向かって突っ込んだ。"新型"は突進を躱すが、躱した先に沙綾が矢を打ち込んで"新型"の動きを止めた。

 

小沙綾「今だよ、おたえ!!」

 

沙綾の号令を合図に、たえは上空から落下の勢いを乗せた槍を"新型"に向かって突き刺した。

 

小たえ「いっちょあがりー!」

 

串刺しになった"新型"は光となって消える。

 

夏希「見たか!安芸先生に教わったチームプレー!」

 

小たえ「特訓の成果出てたね!」

 

小沙綾「やったね、おたえ、夏希!」

 

小学生組「「「いえーい!」」」

 

3人はハイタッチをして勝利を喜んだ。

 

 

---

 

 

神樹の中、勇者部部室--

 

たえ「みんなお帰りー。どうだった、沙綾。みんなで連携しての戦いは?」

 

部室に戻ってきた小学生沙綾にたえが聞いてきた。

 

小沙綾「とても戦いやすかったです、たえ…さん。あっ、改めて自己紹介しますね。神樹館小学校6年の山吹沙綾です。」

 

小たえ「同じく神樹館6年、花園たえでーす。」

 

夏希「同じく神樹館6年、海野夏希です!元気なら誰にも負けません!」

 

小学生組は各々自己紹介を済ませた。

 

香澄「良いね!元気なら私も自信があるよ、夏希ちゃん。って、私達も改めて自己紹介しなくちゃね。」

 

リサ「3人が召喚された理由もちゃんと話すからね。」

 

香澄とリサはそう言って、自己紹介をしていった。

 

 

--

 

 

数分後--

 

一通りの説明を受けた後、夏希がある事に気付き質問をする。

 

夏希「成る程…詳しい事は分かりました。でも、ちょっと気になる事があるんですけど--大きくなった沙綾とたえはここにいるのに、大きくなった私はいない。これって……。」

 

中沙綾・中たえ「「……っ!」」

 

その言葉に中学生の沙綾とたえが息を飲む。

 

夏希「私は出世して大赦の本部勤めって事ですかね?それは光栄だけど、仲間はずれな気もするなー。」

 

中沙綾・中たえ「「……。」」

 

事情を知っている2人は言葉に詰まるが、そこにリサが割って入り夏希に言った。

 

リサ「今は、神樹様の分裂を止めないと、そもそもみんなが元の世界に戻れない。だから、まずは造反神を鎮める事が先で、現実の話は、その後って事にしない?」

 

夏希「それは全然構わないんですけど、1つ再確認です。現実に戻っても時間は経過してないんですよね?」

 

リサ「うん、そこは大丈夫だよ。みんなが遠足前に召喚されたのなら、遠足の前に戻る事になるよ。」

 

夏希「良かったー。弟がいるから、それだけが気がかりだったんです。」

 

 

--

 

 

夏希が去った後、中学生の沙綾がリサに尋ねる。

 

中沙綾「…あの、もしかして現実の歴史は変えられるんですか?起こった事を無かった事にする。そんな奇跡は……。」

 

沙綾は知っている--

 

遠足の後、夏希に待ち受ける運命を--

 

ここで夏希に話せば、起こるはずの未来を防げるのではないか。沙綾はそう思っていたのである。

 

リサ「………。」

 

リサは何も言わず目を瞑った。

 

中沙綾「……そう、ですよね。分かりました。とにかく今は御役目に集中します。」

 

そこに中学生たえもやって来る。

 

中たえ「その後に、ゆっくり話そう。…何にせよ、会えて嬉しいから。」

 

 

--

 

 

リサ「そういえば、過去から来た人達にはまだ"精霊"の事について話してなかったね。」

 

リサが小学生組に向けて話し出す。

 

小学生組「「「"精霊"?」」」

 

リサ「この世界では勇者システムは最新のものに統一されているんだ。要するに香澄達の勇者システムと同じで、1人に1体精霊がいるんだよ。」

 

夏希「つまり、この世界では私達もその精霊を付けて戦えるって事ですね!?」

 

夏希は目を輝かせて言った。

 

リサ「そうだよ。そして勇者としての基礎能力も最新のものになってるから、元の世界より強くなってる筈だよ。つまりどんなに古い時代の勇者でも、ここでは性能は最新鋭になってる……んー!西暦時代のみんなは喜ぶよ!早く呼びたい!もうすぐ呼べる筈だよ。」

 

リサは嬉々として説明した。

 

夏希「更なる援軍か…。心強い話だけど、その前にもっと香澄さん達の事がもっと聞きたいです。もし良かったら、香澄さん達がどんな戦いをしてきたのか聞かせてくれませんか?」

 

小たえ「それ、私も気になる。みんな凄い戦い慣れてる感じがしたもんね。」

 

小沙綾「私も知りたいな。後学の為にも、よろしくお願いします。」

 

小学生組は勇者部のみんなにお願いする。

 

ゆり「それじゃあ、話していこうかな。花咲川中学、勇者部の物語を--」

 

こうしてゆりは小学生組に自分達が経験してきた勇者部とバーテックスの戦いについて話していくのだった--

 

 

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