戸山香澄は勇者である   作:悠@ゆー

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丸亀城奪還作戦開始です。

自分達の家を取り戻す為、西暦組が頑張ります。





思い出の詰まった場所

 

 

勇者部部室--

 

友希那とリサは四国の地図を見ていた。

 

リサ「…それで、ここが玉藻市に五岳市。ここが大橋市でこっちが大束町だよ。」

 

友希那「なるほど。見事にがらりと変わっているわね。」

 

そこに蘭がやって来る。

 

蘭「湊さん、リサさん。何をしてるんですか?」

 

友希那「神世紀になると、地名が変わっている所が多いから、地図を見ながら教えてもらっていたの。」

 

リサ「丸亀城とかゴールドタワーは名前そのまんまみたいだけどね。」

 

蘭「神世紀も300年となると歴史を感じますね。私がいた諏訪も、地名とか変わってるのかな。」

 

友希那「それは……。」

 

友希那はどもってしまう。

 

蘭「何暗い顔してるんですか。大変な状況になってるのは想像ついてるんですから、気遣わないでください。」

 

友希那「…さすがは美竹さんね。しんみりしてごめんなさい。」

 

蘭「私の要件なんですけど。新しい土地が増えたから、お願いがあるんです。」

 

リサ「何?大抵のお願いなら聞けるよ。」

 

蘭「畑が欲しいんです。目を付けた所があるから耕しても良いですか?私はそこで色々と育てたいんです。ソバや野菜、花とかを。」

 

そこへ美咲もやって来る。

 

美咲「あら?何やら熱量を感じると思ったら、畑が欲しいって言ってたんですね。」

 

蘭「美咲もやらない?」

 

美咲「まぁ手伝うって事になってるし良いよ。どこまで力になれるか分からないけど。」

 

リサ「一応畑の場所を教えてもらってもいい?よほどの事が無い限りは問題無く耕せると思うけど。」

 

蘭「ありがとうございます。」

 

友希那「そんな顔もするのね。私にも手伝わせてくれないかしら?美竹さんとならきっと楽しいでしょう。」

 

そうして3人は蘭が目星をつけた畑へと向かって行ったのだった。

 

 

---

 

 

翌日、勇者部部室--

 

リサとモカの巫女2人が全員を呼んでいた。

 

モカ「今日みんなに集まってもらったのは、新しい神託があったから、その報告です。」

 

リサ「次に私達が造反神から取り戻す土地が、丸亀城とその周辺に決まったんだ。」

 

あこ「丸亀城……。あこ燃えてきたよ!」

 

燐子「丸亀城を奪われているなら…取り返さないと。」

 

紗夜「ええ。あそこを奪われているのは腹が立ちます。」

 

友希那「そうね。みんなの言う通りだわ。」

 

高嶋「あそこには私達の色々な思い出があるもんね。」

 

 

丸亀城--

 

 

西暦の時代、友希那達6人が寝食を共にした思い出の場所である。そこを奪い返すと聞き、西暦組は力が入る。

 

香澄「これは何が何でも取り返さないとね!」

 

薫「勿論、私も力になるよ。」

 

夏希「こっちの街とも近いし!私も一層火の玉になるってもんですよ。」

 

美咲「気合い入れ過ぎて怪我しないでよー。これからも戦いは続くんだから。」

 

無論、他の勇者達も気合十分であった。

 

高嶋「みんな、ありがとう!ね、紗夜ちゃん。」

 

紗夜「……ええ、そうですね。」

 

夏希「こうなったら善は急げって事で、今から行きますか!?」

 

夏希はいてもたってもいられなく飛び出そうとするが、

 

小沙綾「だからダメだって!」

 

中沙綾「学びなさい!」

 

夏希「またダブル沙綾ブロック!?」

 

小たえ「今回は私もいるよ。」

 

モカ「取り返す気持ちが強いのは頼もしいけどねー。攻めるタイミングは神樹様が教えてくれるから。」

 

美咲「んーたださ、今回は攻め込むパターンなんだから、下準備とかやれるんじゃない?」

 

燐子「例えば…敵地の偵察をするとか…ですか?」

 

美咲「さすが燐子さん、話が早いです。」

 

中沙綾「やる価値はあるんじゃないかな。」

 

だが、それにリサが待ったをかける。

 

リサ「神樹様が攻め込む時期を指定してくるって事は、それ以外の時期は危険って事なんだ。だから偵察行為そのものが危険だよ。やる気を削いじゃって申し訳ないけどね。」

 

香澄「全然。私達を心配して言ってくれたんだし。ありがとうございます、リサさん。」

 

ゆり「これからも、こうすべきと思った意見はどんどん出してね。目標が決まった事で今日は解散!」

 

友希那(丸亀城……!待っていて、必ず奪還するから。)

 

友希那は人一倍今回の作戦にかける思いは強かったのだった。

 

 

---

 

 

浜辺--

 

浜辺では友希那が今日も鍛錬をしていた。

 

友希那「せいっ!ふっ!はぁっ!!!」

 

そこへ有咲と小学生の沙綾がやって来る。どうやら2人も鍛錬しに来たようだった。

 

有咲「いつにもまして気合入った鍛錬ですね。これは負けてられない。な、沙綾。」

 

小沙綾「はい!私も頑張らないと…。」

 

美咲「ストイックな人達が頑張ってるねー。私もたまには槍を振ろうかな。」

 

そこに美咲も加わる。

 

 

---

 

 

一方その頃の勇者部部室--

 

なにやら事前の打ち合わせをしているようである。

 

中沙綾「この間、話に出た敵地に向けての偵察の案は良いと思ったから、もう一度議題として出すね。例えば敵に見つかったら必ず逃げる。戦闘行為を禁止の上で…十分用心しての偵察ならどうかな?」

 

小たえ「情報があれば次の戦いが有利になりますからね。私も沙綾先輩に賛成です。」

 

燐子「山吹さんの言う通り…情報は大切で、普通なら私も偵察には賛成なんですけど…。今回のケースだと…敵地の危なさが尋常ではないようなので…。いくら用心したところで難しいかもしれないです…。」

 

リサ「そう。繰り返すけど神樹様が指定したタイミング以外で敵地に行くのはお勧め出来ないよ。私や友希那達は神樹様の神託に導かれて、大災害の時に本土から四国へ帰ってこれたんだから。もし神樹様の言う事を聞いていなかったら死んでたよ。」

 

中沙綾「そうなんですね…。思っていたより危険か。じゃあ議題を取り下げるね。」

 

そこに薫が割り込んできた。

 

薫「ちょっと待ってくれないか。今の話を聞いてそれでも尚私なら偵察に行けると思うよ。」

 

ゆり「戦闘の危険度を下げる為の偵察なのに、その偵察班が危なかったら本末転倒だよ。」

 

薫「助っ人としてこの地に来た以上、こういう所で頑張らせてくれないか?」

 

ゆり「んー。せめてどう危ないか分かれば対策も立てられるんだけどね。」

 

夏希「どう危険で、どれくらい敵がいるのか、神樹様も具体的に語って下さればなぁ。」

 

小たえ「話せたら一発なのにね。こっちから神樹様には質問出来ないんですか?」

 

リサ「それは…残念だけどね…。」

 

薫「こういう時こそ私は役に立ちたい。信じて偵察を任せてくれないか。」

 

ゆり「薫の腕は信じてる。でも今はダメ。体を張る時が来たらしっかり頼るから。」

 

薫の説得でも勇者部を危険に晒す事を危惧するゆりの気持ちを説得する事は出来ずに、薫は引き下がる。

 

薫「……分かった。」

 

りみ「でも薫さんはいつも役に立ってます。いてくれるだけで、安心感が違います!」

 

薫「ありがとう、りみちゃん。」

 

そこに、敵出現の警報が鳴る。

 

高嶋「警報だ!丸亀城奪還戦だね!」

 

薫「…偵察の必要も無くなったようだ。何にせよ出来る事を精一杯やるだけだよ。」

 

リサ「みんな気を付けて。そして、頼んだよ!」

 

香澄「はい、取り返してきます!」

 

 

---

 

 

樹海--

 

夏希「よしっ!勇者姿に変身完了!」

 

中沙綾「やっぱり敵には動きが無い…。一つの所でじっとしてる。」

 

有咲「また攻撃したら増えるってやつか?」

 

夏希「となれば一発の破壊力が重要ですね。いっくぞぉーーーー!!」

 

夏希は先行して敵に切りかかるが、

 

薫「これは!?ダメージが入ってないようだ。」

 

夏希「堅い………!手が痛い痛い痛い!!」

 

今回の"新型"は堅い装甲で覆われていて、生半可な攻撃では全くビクともしなかった。

 

高嶋「!?夏希ちゃん注意して!何かしてくるよ!」

 

中沙綾「させない!」

 

小沙綾「夏希!今のうちに距離をとって!」

 

"新型"が動き出す前に2人の沙綾が夏希を援護して一斉射する。

 

美咲「すご…嵐の様な援護射撃。」

 

夏希「助かったー。それにしても手が痛い。」

 

小沙綾「!"新型"の背後から何か出てきます!」

 

"新型"の背中から何やら一回り小さな敵が次々出て来る。

 

紗夜「随分と小さいサイズの敵ですが。」

 

あこ「でも飛んでます。」

 

燐子「小型だけど飛行するタイプの敵…。」

 

中沙綾「全部打ち落とすには数が多い。」

 

美咲「何か仕掛けてくるから、出方を見た方が良いよ。」

 

すると小型の敵は何かを落としてきたのである。

 

ゆり「何か落とした……って、もしかして爆弾!?」

 

落とした個所から爆発が広がる。

 

友希那「まずいわ!みんな、散って!!」

 

友希那の合図でみんなが散開するが、りみと燐子が爆風に巻き込まれてしまう。

 

りみ「うわーーっ!!」

 

燐子「きゃーーっ!!」

 

有咲「りみ、燐子!足止めないで動いて!!」

 

蘭「敵も色んな手で仕掛けてくるようになってきた…。」

 

薫「まずはあの"飛行型"を何とかしないと。タイミングを見て反撃に転じるよ!」

 

燐子「広範囲に攻撃出来るりみさんと美竹さん、氷川さんを中心に"飛行型"を倒していきます!」

 

りみ「分かりました!」

 

蘭「行くよ、りみ!紗夜さん!」

 

紗夜「私達の力を見せてあげましょう!」

 

3人を中心に勇者達は"飛行型"を倒していった。

 

 

--

 

 

紗夜「これで"飛行型"はあらかた片付いたかしら?」

 

美咲「そこの太い枝の陰に1体隠れてるね。この槍で……仕留めるっ!」

 

ゆり「ナイス撃破。よく気付いたね。」

 

美咲「隠れて機を伺う。私もどっちかっていうと、そういうタイプだから。」

 

高嶋「美咲ちゃん、頭が良いんだね。」

 

美咲「そうやって褒めてくれると嬉しいよ。」

 

蘭「残りはあの動かない奴だね。攻撃してくる気配が見えないけど…。」

 

紗夜「ならこちらから仕掛けるまでです!」

 

紗夜の気合の一撃で"新型"がダメージを受けた。

 

友希那「凄い連撃ね。やるじゃない紗夜。」

 

ゆり「それでもダメージは少なめだよ。次は私が行くよ!」

 

ゆりは大剣を大きくし、真上から叩きつける。だがあまり効いていないようだった。

 

燐子「効きが今イチですね…。美竹さん、敵に鞭の嵐を浴びせてくれませんか?」

 

蘭「了解です。いくよ……はぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

蘭は目にも止まらぬ速さで鞭を"新型"に浴びせて行った。そして燐子はすかさず薫に次の指示をする。

 

燐子「次に瀬田さん…強めの一撃をお願いします。」

 

薫「お安い御用さ。はぁっ!!くっ、あまり効いていないか?」

 

あこ「これじゃあ勇者としてのプライドに傷がつくよ。それか敵が堅すぎるの?りんりん?」

 

燐子「どんな攻撃でも常にダメージが一定…。この"防御特化型"は手数で勝負した方が良さそうです…。」

 

友希那「指示を出すのが板についてきたわね、燐子。みんな、言われた通りに!」

 

有咲「手数なら私の剣舞に任せろ!完成型勇者、市ヶ谷有咲のな。」

 

りみ「わ、私も頑張る…!牛込りみ、いきます。」

 

有咲「だな。りみの武器は応用力高いから。」

 

香澄「私もりみりんのフォローするよ!ね、高嶋ちゃん!」

 

高嶋「そうだね、戸山ちゃん!」

 

ゆり「りみ、ファイト!」

 

りみ「うん。頑張るよ、お姉ちゃん!」

 

そして、今度はりみを中心に手数で"防御特化型"へと攻撃を開始するのだった。

 

 

--

 

 

りみ「はぁ、はぁ、はぁ…ふぅ。だいぶ、ダメージは与えたんじゃないかな。」

 

りみは肩で息をしている。一度で何度も攻撃できるりみでも、"防御特化型"の堅さにはまいってしまった。

 

香澄「お疲れ、りみりん。帰ったらいっぱいマッサージしてあげるね。」

 

りみ「ありがとう、香澄ちゃん。」

 

ゆり「りみも大分成長したね。これは次期部長はりみかな?」

 

りみ「それはまだ早すぎるよ!」

 

ゆり「大丈夫大丈夫、自信持って!それで、様子はどう、薫?」

 

薫「ああ、確実に効いているよ。もうそろそろ倒せるだろう。丸亀城奪還までもう少しだ。」

 

中沙綾「前回の戦いだと、敵にある程度ダメージを与えたら行動が変わったよね。今回も注意だよ。」

 

小沙綾「!さすがです!沙綾さんの言う通りまた"飛行型"が現れました。」

 

紗夜「しかもまた振動してオーラが出ています……。これは前と同じパターンですね。」

 

美咲「手負いの獣ほど危ないものはないからね。気を付けて行きましょうか。」

 

夏希「これだけ勇者が多いと周囲に注意してくれる人が多いから、私も安心して突っ込めるよ。」

 

中沙綾「夏希!だからって自分でも気を付けるんだよ。」

 

夏希「分かってるって!」

 

あこ「やいやい大きいの!お前が居座ってるのは、あこ達の家なんだ!返してもらうよ!!」

 

オーラを纏った"飛行型"を攻撃すると、星屑を吐き出してくるが、勇者達には通用せず怒涛の進撃で見事丸亀城を奪還する事に成功するのだった。

 

 

---

 

 

丸亀城敷地内--

 

御役目を達成した勇者たちは丸亀城へとやって来た。

 

高嶋「やったやったー!倒したよ!」

 

友希那「丸亀城と周辺地域の奪還成功ね。」

 

あこ「大変だったけど、取り戻せたからオッケーです。やりましたね、紗夜さん!」

 

紗夜「……宇田川さんも頑張りました。そして白金さんも。」

 

燐子「…氷川さん……。」

 

有咲「そうだな。今回はりみや燐子が頑張ってくれた。2人とも完成型に1歩近付いたな。」

 

りみ「あはは、2人で褒められましたね。」

 

燐子「はい…嬉しいです。」

 

2人の姿を遠くから美咲が見ていた。

 

美咲「……いいねぇみんな仲がよろしい事で。」

 

そこへ香澄と蘭がやって来た。

 

香澄「お疲れ美咲ちゃん!」

 

美咲「戸山さん、美竹さん、お疲れ。」

 

蘭「勝ったのになんか暗いね。さっきの戦闘でダメージ受けたって事無いよね?」

 

美咲「全然平気。私痛がり屋だし。」

 

蘭「今日は帰ったらパーティだって。」

 

香澄「うん!もっといっぱいお話ししよう。」

 

美咲「……そうだね。」

 

こうして勇者たちは部室に戻り、リサ達に勝利の知らせを届けに行った--

 

 

---

 

 

?「これでも突破されちゃったかー。もっと改良しないとダメかな?にしてもお姉さまの戦い方は本当にカッコ良かったな。また次の戦場で会おうね……。」

 

 

 

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