中沙綾「みんな、準備は良い?」
香澄「オッケーだよ!」
りみ「頑張ります!」
ゆり「まかせて!」
有咲「完成型勇者の力を見せてやる!」
中沙綾「いくよ!」
5人「「「満開!!」」」
時は少し前に遡る--
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中沙綾「あの大型2体をほぼタイムラグ無く同時に倒すには現時点で出せる最高の攻撃力で叩くしか無いと思います。」
あこ「現時点で1番強い攻撃が出来るのは…友希那さんと薫?」
中沙綾「友希那さんと薫さんの力を合わせても、どちらか片方を倒すので精一杯です。」
あこ「それならどうやって…。」
そこで小学生の沙綾が気付く。
小沙綾「それなら…。夏希、あの時の……。」
夏希「…あっ、そうか!沙綾さん達なら出来る!」
友希那「何か知ってるの?」
小沙綾「はい、その力の名前は…。」
中沙綾「"満開"です。」
沙綾は"満開"について他の勇者達に説明する。
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あこ「そんな凄い力が…。」
燐子「さすが神世紀にもなると勇者システムは段違いの進化を遂げてますね…。」
美咲「確かにリスクが無いこの世界ならではの作戦だね。」
中沙綾「幸い私達全員星屑との戦闘でゲージは溜まってます。攻撃の手数が多い私とりみりんは分かれて、私と香澄が奥、ゆり先輩、りみりん、有咲が手前の敵を同時に攻撃します。皆さんは援護を。」
高嶋「了解だよ!!」
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5人「「「"満開"!!!!」」」
5人が光に包まれ、勇者装束も白を基調とした荘厳なものへと変化する。
あこ「凄い…。綺麗だね、りんりん。」
燐子「そうだね…。」
燐子(でも現実では、ここまでの強さを持たないとバーテックスは倒せないって事…なんだよね…。)
有咲「そりゃあああああっ!!!」
有咲は剣を無数に飛ばして攻撃し、
ゆり「はあああああああっ!!!」
ゆりは大剣に力を込めて上から真っ直ぐ振り下ろす。
りみ「このおおおおおっ!!」
そしてりみは無数のワイヤーを巻きつけて切り刻んだ。
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一方で、
中沙綾「一斉発射!くらえっ!!」
チャージした主砲を一斉発射し、
香澄「これでトドメだよ!全力勇者………パーーーーーンチ!!!!」
香澄が勇者パンチで突貫し、ほぼタイムラグ無しで同時に倒す事に成功するのだった。
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燐子「敵、復活しません…。完全に消滅したと考えて良いと思います…。」
あこ「やったぁーー!!念の為に待機してたけど、これで大丈夫だね!」
夏希「やっと終わったぁーー!!さすがに今回は疲れたよ。」
そこへ香澄達勇者部組が帰ってきた。
小沙綾「皆さんお疲れ様でした。」
香澄「沙綾ちゃんもお疲れ様!いやーリスクが無いとはいえ、一回使っただけで体力ごっそり持ってかれちゃうよー。」
蘭「りみ、お疲れ。」
りみ「ありがとう、蘭ちゃん。みんなのお陰だよ。」
薫「お疲れ、ゆり。見事な剣さばきだったよ…儚いぐらいにね。」
ゆり「儚いの意味が良く分からないけど…まぁ、ありがとね。」
勇者達は勝利の喜びを噛み締めつつ、部室へと帰っていく。
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勇者部部室--
リサ「みんな、長丁場の戦いお疲れ様。甘いもの用意しといたから食べてね。」
蘭「ありがとうございます、リサさん。でも、みんな見ての通り…。」
蘭が指した方向を見ると、疲れた緊張が解けたせいかみんな疲れて眠っていた。
小たえ「………。」
ゆり「………。」
燐子「………。」
モカ「みんなお疲れだー。それだけ大きな戦いだったんだね。」
小沙綾「………。」
夏希「………。」
薫「まったく……凄い小学生達だよ。」
美咲「起きてるのは……5人ってところかな。」
有咲「美咲だって相当眠いんじゃないか?休んだって良いんだぞ。」
美咲「それを言うなら市ヶ谷さんもでしょ。満開使ってヘトヘトなんだから。」
蘭「私も疲れたから一眠りするかな。」
モカ「おやすみ、蘭。」
モカはすぐ眠りに落ちた蘭にそっと毛布をかけてあげた。
美咲「それにしても、みんな堂々と寝てるね。」
薫「ここでは安心して寝て良いという事だよ。」
美咲「なるほど…。じゃあ、薫さんに肩貸してもらっちゃおうかな。実は…結構……限界………。」
美咲も眠ってしまった。
薫「ああ、ゆっくりお休み。」
有咲「薫も寝れば?私も休ませてもらうよ。」
薫「そうさせてもらうよ。」
こうして皆が眠りにつくのだった。
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教室--
教室では友希那とリサが話している。
友希那「今回も犠牲者を出す事無く勝てたわね。でも、敵も段々と強くなっている…気を付けないと。」
リサ「お疲れ、友希那。ほら、疲れたでしょ。膝枕してあげるから、横になりなよ。」
リサの言葉に甘えて友希那は横になる。
友希那「ホント、今日は疲れたわ…。」
リサ「みんな本当に頑張ったんだね…。今は休んでね。おやすみ、勇者達…。」
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次の日、勇者部--
リサ「昨日の戦いで、香川の3/4を解放した事になるね。もう少しで次のエリアに進めるよ。」
友希那「四国全域を解放するまで終わらないのよね…。まだまだ先は遠いわ。」
ゆり「これからも何が起きるか分からないけど、みんなにはこれからも頑張って欲しいね。」
香澄「頑張ります!!」
蘭「いっその事諏訪や沖縄、北海道も取り返せたら良いのに。」
薫「そうだね…。」
モカ「蘭…。」
美咲「でも、その3地域は香澄達の時代じゃ既に無くなってるって聞いたけど。」
分かってはいた事だが、いざ口に出して言われると中々にくるものがあった。
燐子「奥沢さん…!」
美咲「単なる事実だよ。取り返すも何もないでしょ。」
蘭「だからだよ。奪われたのなら取り返せば良いんだよ。」
モカ「でも…ここは神樹様の内部の世界だから、ここで諏訪を取り戻せても…。」
有咲「蘭達がいた世界が元通りになる訳じゃない…。」
中沙綾「みんなが自分の故郷を思う気持ちは痛いほど良く分かる…。」
りみ「私達はそこがどんな所かは分からないけど、きっと素敵な場所だったんでしょうね。」
薫「ああ…。」
蘭「長閑で、空気が綺麗で…。」
美咲「時間がゆっくり流れてるみたいな、優しい場所だったね…。」
3人は目を閉じて故郷の風景を懐かしむ。
あこ「何だか想像つかないよ。あこは四国しか知らないから。」
高嶋「ねぇ、もっと聞かせてくれない?諏訪や沖縄、北海道の話。」
香澄「私も聞きたい!」
蘭「そうだなぁ…。」
薫「上手く説明出来るか分からないが…。」
美咲「まぁ、良いんじゃない?」
こうして3人はそれぞれの故郷の事を話し出すのだった--
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蘭「私とモカがいた諏訪は、緑に囲まれ自然の恵みに溢れた土地だった。」
モカ「蘭はそこで毎日のように畑仕事をしてたんだよ。」
有咲「成る程な…。畑仕事で自然にトレーニングが出来てたのか。」
香澄「確かに、蘭ちゃん強いもんねー。」
蘭「農家のみんなに助けてもらいながら、作物が育ってくのを見るのは最高だったよ。」
モカ「蘭が作った野菜は美味しーんですよ。」
蘭「あと諏訪には信州一大きな湖があって、高原では色々な花が咲いてたよ。」
モカ「ピクニックには最適な場所だし、ワカサギなんかも釣れたよねー。」
あこ「釣り!それは楽しそう!」
夏希「行ってみたい!」
蘭「そして諏訪には、御柱祭っていう大規模な祭りもあるんだ。」
小たえ「どんなお祭りですか?」
蘭「モミの大木を山から切り出して、みんなで里まで曳いて行くんだ。」
燐子「山から里へって…坂道なんじゃ…。」
モカ「物凄い急勾配だねー。」
蘭「大勢で声を上げながら、土まみれになって大木に上がったり山を滑り降ちたり…。」
りみ「な、何だか凄そう…。怪我とかしないの?」
蘭「そりゃするよ。でも、大勢が一丸となってやり遂げた時の気分はもう…。」
モカ「最高…でしょ?」
蘭「神様に褒められてるような、誇らしくて何とも言えない感じになるんだ。」
友希那「確か諏訪は、全ての民が自然と一体となって神と対話する土地だったわね。」
蘭「そう。だから誰もが土地に感謝し、土の恵みを吸収して暮らし続けていけてた。」
香澄「本当に素敵な場所だったんだね…。」
一通り諏訪の魅力が伝わった所で、蘭達は薫へとバトンタッチをした。
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薫「沖縄は…何と言っても海が綺麗だね。」
香澄「薫さんは海が大好きなんですよね!」
薫「私だけでなく、沖縄の人達は皆…海の恵みで育ち、生きていたんだ。」
小沙綾「四国の海との違いはあるんですか?」
薫「沖縄の海は、とても青く澄んでいて魚の動きが手に取るように分かるんだ。」
中沙綾「とても暑い気候というのは本当なんですか?」
薫「1年中真夏という訳では無いが、いつも薄着で大丈夫だったよ。」
あこ「良いなぁ、魚も美味しいんだろうなぁ。」
薫「勿論だとも。素潜りでいくらでも魚や貝が取れて、週末の夜は朝まで宴会三昧…。」
夏希「うわーっ!すっごく楽しそう!!」
薫「今でも目を閉じれば、その光景が浮かんでくるよ。三線の音色やみんなで歌い踊る姿がね……あぁ、儚い。」
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美咲「んじゃ、最後は私だね。私がいた北海道は、とにかく北にあるだだっ広ーーーーい土地って感じだね。」
中たえ「北海道はでっかいどー!」
有咲「何だそれ…。」
すると沙綾が地図を持ってきた。
中沙綾「昔の日本地図を持ってきたから、これで大体の大きさが分かるよ。」
美咲「ありがと。えーっと、これが北海道で、こっちが四国だね。」
夏希「四国小っちゃ!っていうか北海道デカすぎだよ!」
美咲「んで、私の地元の旭川は、北海道っていっても街の方。観光名所は…強いて言えば動物園ぐらいかな。他は特に何も無いよ。」
紗夜「ドライですね…。」
美咲「ただね、真っ直ぐな道が私は好きだったかな。そこを走れば何処にでも行けそうな…真っ直ぐに伸びる道。私はあの道を閉ざされたく無くて戦ってたのかもしれないね…。何処にも行けなくなるのは、堪らなく…嫌だったから…さ。」
蘭「私達は同じだね。結局、何処へも行けなくなってしまった。」
薫「だが……こうしてここに来る事が出来た。」
蘭「そう。だから…いつか元の世界に戻ったら、今度はこの経験を活かせるかもしれない。」
薫は美咲を見つめて言う。
薫「美咲。私は信じるよ……。また、新たな道をこの手で作れる事をね。」
美咲「………そうだね。ここから戻ったら、未来を変える為に、きっと…何かが出来るはず。」
モカ「四国奪還の次は、私達の故郷を取り戻す戦いだね。」
蘭「そうだね。」
それぞれ心に秘めているものは違う。
だが、様々な時間を飛び越え新たな絆も生まれていた。仲間を信じ目の前の目標に向かって、勇者達は新たな戦いへと突き進んでいくのだった--