これで正式に有咲が5人目として勇者部に加入となります。
そして最後に出てくる少女は……?
花咲川病院--
香澄はただ今検査中である。
看護師「はーい、少しチクっとしますよー。」
香澄「うっ。」
香澄(バーテックス7体との戦いの後、私達は検査のため入院する事になりました。)
テレビ「次のニュースです。昨日起こった、工事中の高架道路が落下した事故に関する続報です--」
ニュースを見ているゆりと有咲。そこに香澄がやってくる。
ゆり「香澄ちゃんも検診終わったんだね。」
香澄「はい。きっちりばっちり血を抜かれ…って、ゆり先輩、その目は!?」
ゆり「左目の視力が落ちてるの。」
香澄「視力が落ちてる?」
ゆり「そう。」
香澄「もしかしてバーテックスから何か……。」
ゆり「違う違う。戦いの疲労によるものだろうって。勇者になるとすごく体力を消耗するらしいから。この目も療養したら治るってさ。」
香澄「そうなんですか。」
ゆり「なんたって、私達、一気に7体もバーテックス倒したんだから。体も疲れちゃうんだよ。」
香澄「あっ!さーや、りみりん。」
沙綾「私達も検査終わったよ。」
香澄「りみりん、注射されて泣かなかった?」
りみ「な、泣いてないよ…。」
りみは心なしか元気がなさそうであった。
ゆり「りみ、何かあった?」
りみ「お姉ちゃん…。指がね…動かしにくいんだ……。」
沙綾「りみりん、指の動きが悪いみたいなんです。勇者システムの長時間使用による疲労が原因で、すぐに治るだろうと言っていたんですけど…。」
ゆり「私の眼と同じだね…。」
香澄「えっと、すぐ治るんなら大丈夫だよね!お医者さんもそう言ってるんだし。」
ゆり「えぇ、そうだね。」
香澄とゆりはそう納得せざるを得なかった。
香澄「そうだ!私達バーテックスを全部やっつけたんだよ、お祝いしないと。ジャジャーン!売店で買ってきました。」
有咲「随分沢山買ってきたな。」
香澄「お祝いは豪勢にやらないと。はい、みんなー、飲み物を持ってくださーい。」
みんながジュースを手に取る。
香澄「では、勇者部部長から乾杯の一言を。」
ゆり「えっと…本日はお日柄もよく…。」
有咲「真面目かよ。」
沙綾「堅苦しいのは抜きですよ。ゆり先輩。」
ゆり「それじゃ、みんな、お疲れ様。勇者部大勝利を祝って、乾杯!」
みんなジュースを飲むが、
香澄「?」
香澄は一度口を離した後、もう一度飲み始めた。
香澄「やっぱ目的を達成した後のジュースはおいしいなー。」
沙綾「?」
その一瞬の違和感を沙綾は見逃さなかった。
ゆり「そうだ、みんなに渡したいものがあった。はいこれ。」
そう言うと、ゆりは4人に新しいスマホを渡す。
ゆり「新しい携帯ね。前に使ってた物は回収されたでしょ?」
沙綾「そうですね。この病院に来た時に。」
沙綾が答える。
ゆり「あっちの携帯はメンテナンスとかで戻ってくるのに時間がかかるから、しばらくはその携帯を使って。」
香澄「わー新品だー。」
沙綾「あれ?NARUKOがダウンロード出来ないですね。」
香澄は嬉しがり、沙綾は気になった点をゆりに質問した。
ゆり「あぁ、あのSNSアプリは使えなくなってるの。あれは勇者専用のだから。私達の戦いは終わったんだしね。」
香澄「そっかぁ。勇者になる必要は無くなりましたもんね。」
香澄が答える。
ゆり「でも、SNSなら他にもあるから、そっちに登録すればちゃんと連絡も出来るし。」
香澄「あの、ゆり先輩。牛鬼は…。」
ゆり「ごめんね。アプリが使えないから、もう精霊は呼び出せないんだ。」
香澄「そうですか…。ちゃんとお別れしたかったな…。」
場所は少し変わり、病院の廊下--
香澄「退院は明後日だって。早く学校に戻りたいね。病院に居るのって何だか退屈だよー。」
沙綾「そうだね。でも、私は検査にもう少し長い時間が掛かるみたい。」
香澄「そっかぁ。一緒に退院出来たら良かったのに…。」
そんな事を話しながら、香澄は沙綾の車椅子を押しながら歩いていた。
沙綾「香澄。」
香澄「ん?」
沙綾「身体、どこかおかしいところ、あるよね。」
香澄「え?何で?」
沙綾「さっきみんなでジュース飲んでた時、香澄の様子変だったから。」
香澄「……さーやは鋭いなー。でも、大した事じゃないから。」
沙綾「話して。」
香澄「……味、感じなかったんだ。ジュース飲んでも、お菓子食べても…。」
沙綾「っ……。」
香澄「でも、多分大丈夫だよ。ほら、ゆり先輩の眼と同じじゃないかな?すぐに治るって。でも、お菓子の味が分からないなんて、人生の半分は損した気分だよー。」
香澄は沙綾に心配させないように明るく振舞っていた。
その夜--
沙綾はパソコンで音楽を聴いていた。
両耳のイヤホンを外し--
まずは右耳だけにあて--
次は左耳にだけあてる--
沙綾「っ!」
イヤホンからは、どちらからも音が出ていた--
勇者部部室--
ゆりが扇風機に当たりながら涼んでいる。
香澄「戸山香澄、来ましたー。」
ゆり「お疲れ様。」
香澄「あれ?ゆり先輩、眼帯が…。」
ゆり「どう?似合ってる?」
香澄「おー…!超かっこいいですー!あれ?有咲はまだ来てないんですか?」
りみ「有咲ちゃん、何か用事でもあるのかなぁ。」
りみも有咲が来ない事を心配していた。
香澄「りみりん、指大丈夫?」
りみ「うん。まだ動かしずらいけど…でも色々と大変だよ。」
ゆり「さて、今日の活動だけど…。3人しかいないんだよね。衣装の事話したかったんだけど。」
香澄「あっ、文化祭ライブで着る衣装の事ですね。」
りみ「でも、3人だと話し合いもあんまり意味ないよ、お姉ちゃん。」
ゆり「そうだね、他には…。そうだ!ホームページの更新は?」
香澄「私達が入院している間、更新が止まってましたからね。あ、でも…。」
ゆり「どうしたの香澄ちゃん。」
香澄「さーやがいないと更新のやり方が分からないです…。」
りみ「出来る仕事ないね…。」
ゆり「よし、こうなったら…。」
りみ「なにか、あるのお姉ちゃん。」
ゆり「ダラダラしようか!」
香澄・りみ「「あはは…」」
ゆりの発言に思わずずっこけてしまう香澄とりみ。
夕方、花咲川病院、沙綾の病室--
香澄「さーや、お見舞いに来たよー。あれ?何してるの?」
沙綾は病室のベッドで何やらパソコンで作業していた。
沙綾「ちょっと調べものしてたんだ。」
香澄「なになにー?何を調べてたの?」
沙綾「大した事じゃないよ。もう少ししたら教えるね。それより、来てくれてありがとね、香澄。」
香澄「私もさーやと話したかったし。というか、さーやがいないと学校の楽しさが当社比3割減だよ……。」
沙綾「ふふ…そんなに減っちゃうんだね。」
外はもう日が沈みそうな時間である。
香澄「そっかぁ、さーやは左耳が聞こえなくなってるんだ。」
沙綾「うん。」
香澄「大丈夫!すぐ治るよ。」
沙綾「そうだね。」
香澄「目一杯戦ったから、身体がちょっと悲鳴上げてるんだよ。」
沙綾「そうかもしれないね。」
香澄「さてと、そろそろ帰らないと。また明日も来るね。」
沙綾「うん、待ってるね。」
そう言うと香澄は病室から出て行った。
香澄が帰ると、沙綾はすぐにパソコンを開く。
氏名 異常箇所
香澄 舌(味覚)
ゆり先輩 左目(視覚)
りみりん 両指(触覚)
有咲 不明(異常無し)
私 左耳(聴覚)
画面には勇者達の身体の異常箇所が書かれていた。沙綾は携帯を手に取って、ゆりへ連絡する。
ゆり「どうしたの、沙綾ちゃん。」
沙綾「満開の後遺症とか、そういう事についてゆり先輩は何か聞いていますか?」
ゆり「満開の後遺症?何それ?」
沙綾「実は……。」
ゆり「あっ、ちょっと待って。」
ゆりは家から出て外から通話した。
ゆり「成る程…。香澄ちゃんは味覚が無くなって、沙綾ちゃんは左耳が聞こえない……。満開を起こした人は全員?」
沙綾「はい…。」
ゆり「香澄ちゃん、言ってくれれば良かったのに…。」
沙綾「香澄の性格です。みんなに心配かけないよう言い出せなかったんですよ。」
ゆり「香澄ちゃんらしいね。」
沙綾「ゆり先輩は大赦から何か聞いていないんですか?」
ゆり「うん、何も…。」
沙綾「大赦の人も知らなかったんでしょうか?」
ゆり「そうかもしれない。ごめんね、こんな事になって…。」
沙綾「ゆり先輩が悪いんじゃありません。それに身体の調子だって、きっとすぐに治りますよ。」
ゆり「そうだね。病院の先生もそう言ってたし。」
沙綾「とにかく大赦からの返答待ちですね。」
ゆり「そうだね。」
沙綾「ありがとうございました。それじゃあまた。」
ゆり「うん。またね。」
通話を切ったゆり。
ゆり「満開の後遺症って…?何なのそれ……。」
浜辺--
夕日が照らす砂浜で有咲は今日も訓練していた。
有咲「ふぅ。」
木刀を放り出して砂浜に倒れる有咲。
有咲「戦い、終わっちゃった…。私、これからどうすれば…。」
その時、SNSにゆりから連絡が入る。
ゆり「バーテックスの戦いの後、体におかしなところない?」
有咲「ないけど、何かあったの?」
ゆり「満開を起こした人は、体のどこかがおかしくなっているの。」
有咲「それって、私以外の全員?じゃあ、香澄や沙綾も?」
手で目元を押さえる有咲。
有咲「私だけ…私だけ傷を負ってない……。これじゃあ私が一番役に立ってねーみたいじゃんか。私は、戦う為にここに来たのに…。」
花咲川病院、沙綾の病室--
沙綾は病室で一人、満開について考えていた。
沙綾(満開をした4人の異常箇所は治る兆しが見えない…。もしかしたら、ずっとこのままの可能性も…。それに、前の戦いの最後に浮かんできたあのビジョン…。)
沙綾(動かない私の足と、無くなった私の記憶…。もしかしたら以前に私は……。)
勇者部部室--
部室では、相変わらず有咲が部室に来ず、3人の活動が続いていた。
りみ「やっぱり、3人だと調子出ないね。」
香澄「SNSにも返信がなくて、有咲、授業が終わったらすぐ帰っちゃうし…。……私、有咲を探してきます。」
そう言って香澄は部室を飛び出した。
市ヶ谷宅--
有咲の自宅へ行くが、呼び鈴を押しても返事がない。すると有咲の祖母が出てきた。
香澄「すみません。有咲に会いに来たんですけど、どこにいるか分かりますか?」
祖母「わざわざ、来てくれてありがとうね。有咲なら大体海岸で修業でもしてるんじゃないかしら。」
香澄「そうですか、行ってみます。」
香澄は有咲の祖母にお礼を言うと海岸へ駆け出した。
浜辺--
その頃、有咲は祖母の言う通り砂浜で特訓していた。
有咲「ふぅ。」
そこへ香澄がやってくる。
香澄「あーりーさー!」
有咲「香澄?」
有咲の元へ走る香澄だが、砂浜に足がもつれ転んでしまう。
香澄「つおっ!?」
有咲「ちょ、何やってんだ、香澄。」
香澄「痛い…。ありさー、そこは駆けつけて受け止めてよー。」
有咲「無茶言うな。…何しに来たんだ?」
香澄「部活へ誘いに来たんだ。」
有咲「っ!?」
香澄「最近有咲部活をサボりまくってるから。」
有咲「っ!」
香澄「このままじゃ、サボりの罰として、腕立て1000回とスクワット3000回と腹筋10000回させられる事になるんだけどなー。」
有咲「ちょまっ!け、桁おかしくねーか!?」
香澄「でも今日部活に来たら全部チャラになりまーす。さぁ、部活来たくなったよね?」
有咲「ならねー。」
香澄「即答!?」
有咲「元々私、部員じゃねーし。」
香澄「そんな事…。」
有咲「それに、もう行く理由がねーんだ。」
香澄「理由って?」
有咲「私は勇者として戦う為にこの学校に来た。あの部にいたのは戦う為に。他の勇者達と連携を取ったほうが良いからだ。それ以上の理由なんて無い。大体、ゆりも何考えてんだ!勇者部はバーテックスを殲滅する為の部なんだろ!バーテックスがいなくなったら、そんな部、もう意味ない!」
香澄「違うよ!」
有咲「っ!?」
香澄は有咲に諭す。
香澄「勇者部は、ゆり先輩がいて、りみりんがいて、沙綾がいて。有咲もいて。みんなで楽しみながら人に喜んでもらう事をしていく部だよ。バーテックスなんかいなくっても、勇者部は勇者部。」
有咲「でも…。」
香澄「戦う為とか関係ない。」
有咲「でも…、私…。戦う為に来たから……。もう戦いが終わったから。だからもう私には価値がなくて、あの部にも居場所が無いって思って……。」
香澄「勇者部5箇条ひとーつ!」
有咲「えっ?」
香澄「悩んだら相談。」
有咲「え……。」
香澄「戦いが終わったら居場所が無くなるなんて、そんな事無いんだよ。有咲がいないと部室が寂しいし、私は有咲と一緒にいるの楽しいし。それに私、有咲の事好きだから!」
有咲「ちょまっ!」
香澄の突然の発言に有咲は顔を赤らめる。
有咲「っ…!ったく!しょーがねーなー、そこまで言うなら行ってやるよ、勇者部。」
香澄「やったぁー!じゃあ早速行こ。」
有咲「え?今から!?」
勇者部部室--
香澄「戸山香澄、帰還しましたー。」
ゆり「おかえり香澄ちゃん。ご苦労様。」
ゆりが出迎える。
有咲「か、香澄がどうしてもって言うから来てやった。」
有咲が恥ずかしがる。
香澄「あ、あとここに来る途中買って来たんだー。」
香澄がみんなにシュークリームを差し入れる。
ゆり「あっ、でも香澄ちゃん、味が分からないんじゃ…。」
香澄「あれ?ゆり先輩気付いてたんですか?」
ゆり「ごめん、香澄ちゃん。りみも。私が勇者部の活動に巻き込んだせいで…。」
香澄「こんなのすぐに治りますよ、ゆり先輩、気にしすぎです。」
りみ「そうだよ、お姉ちゃん。」
香澄「それに、私は自分から望んで勇者になったんです。って事で、戸山香澄は今後、ゆり先輩からのごめんは聞きません!」
りみ「私も!」
ゆり「香澄ちゃん…りみ…。ありがとう。」
香澄「それより早くシュークリーム食べましょうよー。お腹すいちゃいました。」
こうして4人はシュークリームに手を伸ばしたのだった。
夜、有咲の自室--
有咲(私は戦う為だけに自分が存在するんだと思ってた。)
有咲は大赦にメールをしていた。
―――
差出人:市ヶ谷有咲
―――
宛先:大赦
―――
件名:申請
―――
バーテックスは殲滅され任務は終了しました。
今後の私の処遇なのですが、花咲川中学に残る事を
許可してもらえないでしょうか。
有咲(戦う為に勇者になって、戦う為にこの学校に来て…。でも、戦いに関係なく私がここにいていいなら…。)
送信すると、SNSに沙綾から連絡が入る。
沙綾「私の退院日が決まりました。」
香澄「やった!」
りみ「退院おめでとう。」
ゆり「お疲れ様。」
沙綾「退院は、急ですが、明日になりました。」
有咲「くすっ。」
そんなやり取りを見ながら、有咲は微笑むのであった。
翌日、花咲川病院--
香澄「あっ!。」
香澄が声を上げて立ち上がると、みんな一斉に奥を見た。
香澄「さーや、お帰りなさい。」
沙綾「ただいま、香澄。」
香澄は看護婦と車椅子の運転を交代する。
香澄「ここは、やっぱり私の定位置だね。」
りみ「おかえり、沙綾ちゃん。」
ゆり「おかえりなさい、沙綾ちゃん。」
ゆりもとりみも挨拶する。
香澄「これで勇者部メンバー、全員復帰だね。」
5人は病院の屋上へ移動する--
香澄「わぁ…風が気持ちいね、さーや。」
沙綾「そうだね。」
香澄「この街を私達が守ったんだね…。」
ゆり「そうね。」
有咲「とは言っても、普通の人達は私らの戦いなんて何にも知らないんだけどな。」
ゆり「でも、みんながいなかったらこの世界は無くなってた。ここに住む人たちは死んでた。」
有咲の言葉にゆりが返す。
沙綾「私、初めての戦いの時、すごく怖かった。怖くて、逃げたくて…。でも逃げなくて良かった。香澄、私、ちゃんと勇者出来たかな?」
香澄「出来てたよ!さーやは凄くカッコいい勇者だったよ。」
メールの着信音が鳴り、ゆりと有咲は携帯を見る。
―――
差出人:大赦
―――
宛先:市ヶ谷有咲
―――
件名:申請受理
―――
申請は受理されました。
市ヶ谷有咲、あなたは卒業まで花咲川中学で
勉学に励みなさい。
有咲は微笑んでいた。
沙綾「有咲、嬉しそうだね。」
有咲「え?べ、別に喜んでねーし!」
香澄「何のメールだったの、有咲。」
有咲「なんだっていいだろ!」
香澄「えー気になる!」
有咲「イヤだ!ぜってー見せねー。」
一方ゆりにきたメールは、
―――
差出人:大赦
―――
宛先:牛込ゆり
―――
件名:満開の後遺症に関して
---
勇者の身体変調と満開の関連性については
現在調査中です。
しかし、貴方達の肉体に異常は見つかっておらず、
変調は一時的なものだと思われます。
ゆり「っ…!」
携帯をしまうゆり。
りみ「何かあった、お姉ちゃん。」
ゆり「ん?気にしないで、大丈夫だよ。」
香澄「そういえばさ、もうすぐ夏休みだよ。何しよっか?」
香澄がみんなに質問する。
りみ「う、海に行く…とか?」
香澄「だよね!夏といえば海!」
ゆり「山でキャンプも。」
香澄「夏祭りも楽しみだね。」
沙綾「花火もいいね。」
4人はそれぞれ提案する。
香澄「全部やれば良いよ!全部やろう!」
香澄(夢みたいな戦いが終わったら、私たちは日常に戻る。)
5人が夕日の中で笑っている。
香澄(勇者にならなくても勇者部は続いていく……。時間はいくらでもあるんだ!)
とある場所--
仮面をつけた者とベッドに横たわっている者が話をしていた。ベッドに横になっている者は姿が右目以外が包帯でぐるぐる巻きになっており、右手の指だけを使ってパソコンを動かしている。声からして少女という事は分かる。
?「そっかぁ…沙綾は気付き始めてるか……。」
仮面の者「はい。勇者様全員が気付くもの時間の問題かと。」
?「やっぱ、沙綾は凄いな。でも、このままで良いよ。沙綾は絶対に満開の後に何が起こるか突き止めるって絶対分かってたし。みんなには手は出さないでね。」
仮面の者「仰せのままに……。」
そう言うと仮面をつけた者は部屋から出て行った。一人になった少女は呟いた。
?「満開に咲いた花はその後どうなると思う、沙綾?」